
2022年は、瀬戸内の島々と港を舞台として繰り広げられる、3年に一度の瀬戸内国際芸術祭の開催年。舞台は岡山県と香川県にまたがります。今回はアートの聖地・直島へ向かうフェリーが出る岡山県の宇野港周辺のアートと、新規オープンのオシャレなホテルをご紹介します。
瀬戸内国際芸術祭とは
2010年から始まった「瀬戸内国際芸術祭」は、岡山県と香川県の島々と港で3年に一度開催されるアートイベントで、2022年は5度目の開催年。会期は一年間ではなく、春(4月14日~5月18日)、夏(8月5日~9月4日)、秋(9月29日~11月6日)と分かれてます。広域で開催されるので、一度の訪問でお目当てのアートを回りきれなかった場合にも、夏や秋にチャンスが残っているのは嬉しいですね。また、それぞれの季節の景色とともに楽しめるのもポイント。

コンセプトは、1「アート・建築」、2「民族・生活」、3「交流」、4「世界の叡智」、5「未来」、6「縁をつくる」。どれか一つでもピンときたら、ぜひ「瀬戸内国際芸術祭」に足を運んでみてください。心に刺さる素敵な旅になるはずです!
宇野港アートめぐり
「瀬戸内国際芸術祭」では、瀬戸内の島めぐりも楽しみのひとつ。中でもアートの聖地・直島には、安藤忠雄建築や草間彌生の「赤かぼちゃ」などの有名アートがあり、人気のデスティネーションとなっています。ちなみに黄色いほうの「南瓜」は、昨年の台風でどんぶらこと流されてしまい、残念ながら当面再展示は叶わないようです。
実は、この直島へ向かうフェリーが出る宇野港周辺にも、素敵なアートが複数あります。直島へ行くためだけに宇野を訪れるのはもったいない!今回は宇野港周辺にあるアートの一部を紹介していきたいと思います。
宇野のチヌ・宇野コチヌ
宇野港には、地域のゴミや不要品を集めてつくった「宇野のチヌ」と「宇野コチヌ」のアートが展示されています。

「瀬戸内国際芸術祭」の開催にあわせて、3月にお色直しをしたばかりで、鮮やかな姿でお出迎え。

鮮やかといっても、使われているのは宇野港周辺で集めたゴミが使われていますので、よく見るととても面白い発見がありますよ!子どものおもちゃやヘルメットなど、家庭で出たゴミもアートとして生まれ変わっています。
お色直しには、岡山県・香川県在住の人限定で募集をし、作家さんと一緒にパーツ(ゴミ)の取り外しや、新しいパーツ(ゴミ)の選定・コーティング・取付などを行ったそうです。チヌに使うゴミも、募集をかけて集められたもの。自分の家にあったゴミがアートに生まれ変わるなんて、特に子どもたちにとっては刺激的な体験ではないでしょうか。

尾の部分にも面白いものが。オールやバドミントンのラケット、箒の柄などで、チヌの尾が見事に表現されています。自分だったらどんなゴミを持って行くかな…と想像するのも面白いですね。

「宇野コチヌ」は、中に入れるようにハシゴがかけられています。内部はすべり台になっていて、口から入って、尾から出るという、遊びゴコロのある作品。
DATA 作品:宇野のチヌ・宇野コチヌ 作者:淀川テクニック 場所:宇野港 所在地:岡山県玉野市築港1丁目1-4 web:瀬戸内国際芸術祭2022「宇野のチヌ」「宇野コチヌ」
舟底の記憶
「宇野のチヌ」、「宇野コチヌ」の近くにも別のアートが。こちらは「舟底の記憶」。

本体である船のスクリューに、玉野市内で不要になった鉄くずを溶接した鉄のパーツが取り付けられています。「瀬戸内国際芸術祭2013」の出展作品ですが、海底の付着物や人の記憶が年月で増えるように、作品にも後からパーツが足されているそうです。宇野駅の近くには、旧大日本帝国海軍で使われていたいかりを本体とした「舟底の記憶」も展示されています。
DATA 作品:舟底の記憶 作者:小沢敦志 場所:宇野港 所在地:岡山県玉野市築港1丁目1-4 web:瀬戸内国際芸術祭2022「舟底の記憶」
JR宇野みなと線アートプロジェクト
JR宇野駅は遠くから見ると、駅舎の前に鉄製のフェンスが設置されているようにも見えます。よく見ると、駅舎の真っ白い壁が、白と黒のラインで装飾されています。

このアートは、ここ宇野駅だけではなく、常山駅、八浜駅、備前田井駅でも楽しむことができます。宇野駅と同様に白と黒を使ったデザインですが、それぞれ異なる内容になっています。鉄道好きの人なら、JR宇野みなと線に乗って、途中下車しながらの駅舎巡りも楽しそうですね。

宇野駅には玉野観光案内所(TAMANO Tourist Information Center)が入っています。手荷物預かりやレンタサイクルもありますので、旅に合わせて上手に利用しましょう。
DATA 作品:JR宇野みなと線アートプロジェクト 作者:エステル・ストッカー 場所:JR宇野駅 所在地:岡山県玉野市築港1丁目1 web:瀬戸内国際芸術祭2022「JR宇野みなと線アートプロジェクト」
2021年オープン「UNO HOTEL」
ちょうどJR宇野駅の駅舎前から見えるのが、今回ご紹介する「UNO HOTEL」です。宇野駅からは徒歩1分、宇野港へも徒歩3分という便利な立地。

2021年7月オープンの、洗練されたデザインのホテルで、「瀬戸内国際芸術祭」で宇野を訪れるなら滞在先としてぴったりの一軒。
一人旅でリーズナブルに使える
「UNO HOTEL」の外観は、スッキリとしたデザインで、バルコニーに置かれたブルーの椅子がアクセントになっています。

ツインやダブルの他に、シャワー・トイレが共用のリーズナブル(5,400円~)な「セパレートシングル」という部屋もありますので、宇野港を拠点とした一人旅のアートめぐりにもぴったりですよ。

館内は、瀬戸内の海、岡山のデニムを連想させる青をアクセントカラーとしたナチュラルモダンなデザインで、明るく開放的な居心地のいい空間になっています。

部屋は落ち着きのある洗練された雰囲気。ところどころにデニムや海の青があしらわれたデザインです。ベーシンがバスルームと分離されていて、これがまた使い勝手がいいんです。

ベッドに寝そべりながら海が眺められるのも嬉しいポイントです。部屋にはドリップコーヒーも用意されていますので、バルコニーで海風を感じながら楽しむのもアリですね。
瀬戸内レストランBLUNO
夕食・朝食は「瀬戸内レストランBLUNO」で。夕食では瀬戸内の食材を中心に旬の食材を使ったカジュアルフレンチが楽しめます。コース料理のヴィアンドには岡山県産のお肉、ポワソンには瀬戸内海で獲れたお魚が使われます。お肉の前にはお好みのナイフを選ぶという儀式も!選ぶ楽しさが味わえる仕掛けです。

一人旅だとどうしても食が簡素になりがちですが、カウンター席もありますので、一人でも気軽にその地の美食を楽しめるのは嬉しいですね。

朝食は、夕食と同じ会場ですが、夜とは打って変わって自然光で開放的な雰囲気に。

まずは、朝から元気な気分になれるカラフルなドリンク。左から、オレンジ、紫キャベツ豆乳、トマト赤パプリカ、キウイとリンゴと小松葉、瀬戸内レモン。

この他に、スチーム野菜、ヨーグルト、スープ、UNOベネディクト、パンと、ボリュームたっぷり!これからアートめぐりで動き回る前のエネルギーチャージとしては申し分ありません。
DATA UNO HOTEL 所在地:岡山県玉野市築港1丁目1-12 電話:0863-33-1172 web:UNO HOTEL
瀬戸内国際芸術祭への旅は宇野港から!
待ちに待った3年に一度の「瀬戸内国際芸術祭」。いつもは直島に直行している人も、今年はゆとりある旅程で、ぜひ宇野港のアートを楽しんでみてください。また、「UNO HOTEL」と同じ敷地には、濃厚な温泉成分が特徴の「瀬戸内温泉 たまの湯」があります。歩き回って疲れた体を癒すのにもおすすめですよ。