東京都は7月15日夕方、試験的に再開している東京都民限定の都民割「もっと楽しもうTokyoTokyo(もっとTokyo)」について、7月31日で終了させるものの、夏休みが落ち着く8月22日以降に、感染状況を見ながら再開日を検討する意向を固めました。ただ、いずれにしても今後の感染状況を見極めながら検討されるということで、8月22日は一つの目安であることを強調しています。
政府は7月14日、新型コロナウィルスの急激な感染拡大を受け、地域観光事業支援「県民割」を全国に拡大する「全国旅行支援」の延期を発表。一方で、現在行われている県民割の地域観光事業支援は8月末まで延長すると発表。
他県はその発表から間を開けず、7月14日に終了するはずだった県民割の期限を8月末に延長しました。
6月10日から試験的に開始した「もっとTokyo」は案の定、前回同様、販売と同時に完売する宿泊施設のプランなども話題になりましたが、追加販売も行われています。一度完売で諦めた人も、チェックしてみると良いでしょう。
現在、あくまでも試験的に行っているという都民割の期限は7月31日まで。次は感染状況を確認しながら8月22日以降に開催日を検討するという発表なので、7月31日までに東京にお出かけする方は、特に要チェック!

大阪と命運を分けた東京都民割
人口の多い大都市の抱えるリスクとしてある新型コロナウィルスの感染拡大。大阪府民割「おおさかいらっしゃいキャンペーン」が吉村知事の「第7波と認識した」と言う言葉と共に、事業を終了したのは記憶に新しく、東京都民割も、7月31日で事業が終了するかもしれないという危機感があり、7月15日の緊急対策会議は注目されていました。
東京都は現在の東京都民割はあくまでも試験的開催としており、関東ブロックの中では唯一、都内限定とする姿勢を崩しませんでした。希望が持てるのはお盆などの夏休みピーク期間以降に、「もっとTokyo」を再開させようとする考えが明らかになったこと。また具体的に感染状況を見ながら8月22日以降に再開日を検討するという前向きな発表があったことも東京都民割利用者にとっては希望が持てそうです。
都民割「もっとTokyo」とは?
2020年7月にGoToトラベルキャンペーンが開始したものの、東京都民は感染拡大のため除外とされてしまい、10月まで利用することができませんでした。
「この2ヶ月分の損はどうしてくれるの?」
「都民の税金は他県の人が使い放題したってこと?私たちの税金はどうなるの?」
と、都民は愕然とし、特に都境にお住いの方は「目の前の家はGoToトラベルしてるのにー!」ともやもやしたものです。
当時、小池都知事も「除外解除時は、東京都民だけ旅費援助の割引率を上げられないか」と政府に要請。しかし受け入れてはもらえず(現場か混乱するのは目に見えているのでこれは仕方がない…)、そういった「損した」感覚を取り戻すためにも、東京都が導入したものこそ東京都民割である「もっとTokyo」。
今行われている「GoToトラベルキャンペーンまでの代替えで、GoToトラベル事業の予算を使おう」という目的とは違った観点で再開していることもあり、「GoToトラベルキャンペーンで都民の損を取り戻そう」という都民割と2022年4月現在の地域観光事業支援の県民割とは、異なる誕生秘話があります。
GoToトラベル同時再開にしたかった小池知事
2021年11月、政府がGoToトラベルキャンペーン前に地域観光事業支援の県民割を隣県も使えるようにとし始めた際、小池都知事は都民割「もっとTokyo」は前回同様、GoToトラベル事業と同時期に再開させ、併用できるようにすると発表。
その際にも隣県縛りに東京都は入れず「いつまでもったいぶるんですか?」と都民は思ったものです。「だってGoToトラベルキャンペーンの予算から出ているのですから、私たちの税金ですよね…」なんて言う声も。
しかし、GoToトラベル+もっとTokyoの宿泊プランやツアーはお得すぎるだけに非常に競争率が激しく、再開時までに狙うべき宿泊施設や旅行先を決め、販売開始時に即予約できる体制を取らないと予約がとても難しかったことを覚えている人も多いことでしょう。お得なだけではなく東京都は日本で一番人口が多いため、競争率も激しいのです。
「ああ、あの伝説の幻の東京都民割?」
「最初から目的を絞って販売前にスタンバイしておかないと、外タレのライブ前に取れないやつ」
という冷静な反応をする人も多く、実はそこまで再開に期待をしていなかった人も多数。

しかし、東京都民が県民割を利用できない理由に、都民割が全国で使えないことがあげられるのはなぜなのでしょうか?
2022年4月・県民割エリア拡大が活発化
2021年10月に緊急事態宣言が完全に解除され、GoToトラベルキャンペーンを再開するという明るいニュースが流れたものの、年内再開を断念した政府。これまでも、感染拡大状況がステージ2の県には、GoToトラベルキャンペーンの予算から自治体内旅行(県内旅行)を支援していましたが、感染拡大で一時停止していたため、11月から続々と自治体旅行割引キャンペーンが一斉に再開します。
当初は県民の県民旅行のみを想定していたこの動き。11月19日、政府はまず準備ができた県から、隣県も使えるようにし、2022年は準備ができた県からエリア単位で使えるようにしていきたいと発表(関東エリア、東北エリアなど)。
しかし、ご存じの通り2022年11月末からオミクロン株が世界的に流行。日本は2022年1月からまん延防止等重点措置が適用される県が大部分を締め、全県民割が停止。
まん延防止等重点措置が解除される直前に、政府はGoToトラベルキャンペーンを時期が来たら迅速に再開したいと述べ、その前に地域観光事業支援を再開させ、県民割のエリア拡大を行うと発表。
県民割のエリア拡大「地域ブロック」の範囲は?
観光庁の示した県民割のブロック分けがこちらの図。

東京都民が予約可能な県民割は?
上の図で見ればわかる通り、本来東京都民は茨城県民割・栃木県民割・群馬県民割・埼玉県民割・千葉県民割・神奈川県民割・山梨県民割、そして再開したら東京都民割が使える「はず」なのです。
しかし実際はどうかというと…
神奈川県民割:神奈川県民・茨城県民・群馬県民・埼玉県民・千葉県民・山梨県民
埼玉県民割:埼玉県民・茨城県民・群馬県民・千葉県民・神奈川県民・山梨県民・長野県民
栃木県民割:栃木県民・茨城県民・群馬県民・埼玉県民・千葉県民・神奈川県民・山梨県民
群馬県民割:群馬県民・茨城県民・栃木県民・埼玉県民・千葉県民・神奈川県民・新潟県民・山梨県民・長野県民
などなど、2022年7月15日現在、東京都民が使える県民割は日本中どこを探してもひとつもありません!
都民が県民割が使えない理由
なぜ政府が日本を6つのブロックに分けて「このエリアはブロック内の県民割をつかっていいよ!」と言っているのに、東京都民だけ使えないのでしょうか?
理由その①県民割は県が主催
県民割のエリア拡大は、政府が県に依頼しているものの、県民割は国家事業ではなく地方事業です。
政府はGoToトラベル事業の中から県が県民の旅行を支援する割引キャンペーンなどを行う際に、地域観光事業支援として、各県に支援金を渡します。
国家事業と異なり「一斉にやりましょう!」とはいかないのが難しいところ。
理由その②各県同士で話し合い決定
同ブロックの県民割予約の開始は、同ブロックの県での話し合いの末、決定されます。
どちらかの県が「●●県民さんの予約もお願いしたい」とお願いしても相手県が首を縦に振らない場合は、話し合い決裂。
逆に「●●県民も●●県民割を使わせてください」とお願いしても「●●県民さんの予約はまだちょっと難しいかなあ」となれば。話し合いは決裂します。
東京都の場合、やはり一番人口が多いということもあり、多少は感染者数の高止まりも理由に入っていますが、首都圏の県の県民割は相互予約が可能なので、理由は他にあります。
理由その③同ブロックで同条件でなければ難しい
各県民割を追ってみていると、県民割の再開とエリア拡大を済ませた県が続々と追加されていきます。
東京都民が県民割を使えない一番の理由は「ほかの県と条件が同じではないこと」です。
これまでは小池知事はGoToトラベルキャンペーンと同時に再開したいとしており、そもそも「GoToトラベルキャンペーン前にエリア拡大を」と言っている条件に合いませんでした。
東京都が行っている「都民割」はあくまでも試験的な再開。関東ブロックが足並みを揃えて地域観光事業支援を同等ではないのです。県民割は8月31日まで延長されましたが、「もっとTokyo」の期限は7月31日のままです。
7月15日、東京都は新型コロナウィルスの緊急対策会議で「もっとTokyo」の再開を、お盆が明けた8月22日以降に感染状況を見極めてからと目安を決めました。
これは県民割が期限を迎える8月31日に迫っているものであり、相互利用ができる可能性は極めて低いでしょう。可能になる場合は、県民割の再延長か、全国旅行支援が再開した時ではないかと予想されています。
都民でもお得に予約できる自治体割引・県民割を探してみた!
全国旅行支援が延期、県民割は都民は使えず、他県は都民割が使えない…「なんということでしょう!」と嘆いている都民の方!実は、県民割でももう全国予約を可能としている凄い県もあります。また、人気の全国対象の「市民割」もありますよ!
すぐにでもお得な旅行割引キャンペーンを使いたい都民の皆さんのために、今、東京都民でも割引が受けられる県民割や、地方自治体の旅行割引キャンペーンをさがしてみました。
サッポロ割
北海道の「サッポロ割」です。「サッポロ割」は4月18日開始。第2弾、第3弾、第4弾と7月分も8月分も9月分もバンバン販売されるスケジュールが発表されています。
サッポロ割はワクチン・検査パッケージを活用しなくていいということが最大のメリット。気軽に予約ができるため、完売する旅行会社も出てきていますが、なんといってもすぐに次の部が販売されているので、最も予約しやすい自治体旅行割引キャンペーンと言えるでしょう。予約サイトで簡単に予約できます。狙い目ですよ!
もちろん全国の方が予約可能です!
奈良県民割
政府が「県民割を全国拡大する!」と発表する前に独自の判断で県民割を全国拡大するという、行動力抜群の県があったのをご存じの方も多いことでしょう。それは、奈良県。ただし、オンライン予約サイトでは「じゃらん」と「楽天トラベル」でしか予約はできません。
奈良県民割の予約はこちら! |
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奈良県民割の詳細については必ずこの記事をお読みください。
都民割「もっとTokyo」6月10日~7月31日まで
都民割は6月10日に再開。東京都民限定にもかかわらず、大部分の宿泊施設や開始したオンライン旅行予約サイトが完売。しかし随時、追加分の販売や、空室を「もっとTokyo」プランに割り当てる宿泊施設も多く、再度予約ができるようになっている場合が多いです。リサーチは怠らないように。
意外に完売していないのが東京都なのに、日本から移動時間が最もかかる場所と言われる小笠原諸島の都民割。ツアーは特に狙い目です。
小笠原諸島は都民割が使える最も遠くに行ける旅行なので注目です。
東京島しょエリア都民割予約はこちら! |
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東京都民割「もっとTokyo」の条件
さて、試験的に開催中の「もっとTokyo」。7月31日までの「もっとTokyo」の条件などを見ていきましょう。
販売期間
2022年6月10日から7月31日まで(8月1日チェックアウト分まで)
今回は試験的再開で、都民限定だったこともあり、お盆明けの8月22日以降に再開を検討するとしている東京都。7月31日までの都民割予約は今のうちに!
都民割「もっとTokyo」の割引額はいくら?
宿泊旅行:1人1泊5000円割引
日帰り旅行:1人1泊2500円割引
「もっとTokyo」は、GoToトラベルキャンペーンと併用する目的で作られたものでした。
しかし県民割が全国にエリア拡大される「全国旅行支援」がGoToトラベルキャンペーンより先に実施されることで、国家事業GoToトラベルキャンペーンはそれ以降に先送りです。
7月8日現在は、まずは都民の皆さん。GoToトラベル併用や他県の県民割のことを一瞬忘れて、都民割に集中して予約してみてはいかがでしょう!もちろん「泊まりたかったホテルが完売だった―」って時には、サッポロ割や奈良県民割のことも、思い出してくださいね。
誤解しないで!利用者が金額を決められない!
東京都民割は注意事項に「GoToトラベルと併用可能」と書いてあります。もともとGoToトラベルキャンペーンと併用する予定だった都民割なので、GoToトラベルキャンペーンがだいぶ先に先送りになった今も、書いてあります。
ただ「併用可能」と書いてあると、まるで利用者が自分でプランを選んで「併用する・しない」を選べるように錯覚してしまいますよね。多くの旅行媒体がそう書いたまま、そのあたりの説明をしていません。
でもたびハピははっきり書きます!
これ、実はこの解説、宿泊施設や旅行会社にむけての解説なんです。
つまり、私たちが「このプラン、GoToトラベルキャンペーンと、もっとTokyo併用でお願いします」というように選べません。
あくまでも宿泊施設や旅行会社が「GoToトラベルキャンペーン+もっとTokyo併用可能プラン」「もっとTokyoだけのプラン」「GoToトラベルキャンペーンだけのプラン」を作って販売し、我々はそれを選ぶのみ。
つい最近までホテルや旅館がとても安かったと思いますが、通常の価格自体が上がったと思いませんか?
その値段からもっと下がる!という期待はあまり持たないほうが良いでしょう。なぜって国から補助が受けられるので、身を削らなくても安くできるため、もともとの値段を通常料金に戻す現象が起こっています。
「急に東京のホテルの値段が上がった!」なんて言う人もいますが、これまでずっと我慢してきた東京のホテルの方々の気持ちを思えば、それでもお得に泊まれる今のチャンスに予約して、応援しようではありませんか!
都民割・もっとTokyo対象は関東ブロックになる?
2022年7月31日に一度終了する東京都民割「もっとTokyo」。現在は東京都民のみの予約が可能。
都民割は7月末で終了とされていますが、8月22日以降に再開日を検討すると、再開に前向きな発表がありました。それ以降であっても政府の「全国旅行支援」に乗っかる可能性もあり、いつか関東ブロックや、全国の人が都民割を利用でき、都民の方も県民割を利用できる日が来ると期待しましょう
ワクチン・検査パッケージを活用
2022年の県民割は、ワクチン・検査パッケージの活用が行われています。東京都民割を利用する場合もワクチンの接種証明もしくは陰性証明を活用することになります。
ワクチン・検査パッケージ自体も、2021年決定時から大きく変わり、3度目の接種完了がワクチン接種の完了とみなされることになりました。

都民割を含めた県民割で利用するワクチン・検査パッケージについては以下の記事で詳しく説明しています。
身分証明書が必要
東京都在住者であり、ワクチン・検査パッケージの本人であり、予約した本人であることを示すため保険証・免許証・パスポートなど住所が確認できる身分証明書は必要です。旅行会社の窓口やウェブでツアー料金を支払う場合は、予約購入時に身分証明書を提示する必要があり、宿泊予約の場合はチェックイン時に提示します。
チェックイン時、住所が東京都以外であることが判明した場合、割引以前の金額で宿泊することになります。
子どもや乳幼児も対象?
予約するツアーや宿泊施設が子ども料金が設定し、それが援助対象額であれば、対象になります。旅行代金がかからない乳児等は対象外です。
都民割の予約方法
じゃらん・楽天トラベル・yahoo!トラベル他旅行予約サイトで購入
最も簡単なのは、じゃらん・楽天トラベル・Yahoo!トラベル・一休.comなどのオンライン旅行予約サイトで予約すること。完売も目立ちますが追加販売もどんどん出ています。まだ準備中のサイトもあるので、チェックは怠らず、見つけたプランは即予約してしまうことが成功のカギです。
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都民割もっとTokyoは他の自治体キャンペーンのように一部の企業が参加するわけではなく、有名どころの旅行会社はほぼ参加し、中堅どころの予約サイトも参戦すると思った方が良いでしょう。
ただし、しつこいようですが予約の際は「もっとTokyo対象プラン」を選択すること!
好きなプランを自分で割引指定することはできません。
東京都内の対象ホテル・旅館の公式サイトや電話
東京都内で「もっとTokyo」に参加しているホテルや旅館の公式サイトから対象プランを購入する方法です。
再開時期が来た場合、対象ホテル・旅館の正式発表があり、宿泊施設側が「もっとTokyo対象プラン」と指定しているプランを購入することで、割引が可能です。
東京都にはマリオットやヒルトンなど、世界規模のラグジュアリーホテルが集中しているので、ホテルのポイントプログラムに加入している人はポイントを増やすチャンス!また、まだ会員になっていない人は、この機会に会員になることもおすすめ。
ポイントプログラムのあるホテルの予約はこちら! |
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旅行会社で購入
日帰りツアー・宿泊ツアーともに「もっとTokyo」に参画している旅行会社の店頭・および旅行会社の公式サイトで購入可能です。
対象旅行会社については再開時に発表となります。
ネット予約に予約が集中した2020年のもっとTokyo再開時は、旅行会社の店頭予約が少なく「穴場」と言われました。狙うのはアリです!
都民割・もっとTokyo利用注意事項
①1人1回5泊まで。回数制限なし(予定)
②新型コロナウィルス感染防止策を守りながらの旅のマニュアル「新しい旅のエチケット」が守れる方のみ購入できます。
③GoToトラベルキャンペーンとの併用が可能です
お問い合わせ先 都内観光促進事業事務局(公益財団法人東京観光財団地域振興部事業課内) 開設時間:9:00~17:00(平日のみ) TEL:03ー5484-5886 公式サイト:もっと楽しもうTokyoTokyo