タイ入国隔離無しに!11月からの最新入国方法現地レポート

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木本 美沙子

10月11日、プラユット首相が11月1日からのタイ開国を宣言。ついに、10月21日、「日本を含む低リスク国からのワクチン接種済みの渡航者であれば、2021年11月1日から隔離なしでタイ入国が可能」という発表がありました!日本でもタイでも、この日を待ちわびていたたくさんの人にとって、本当に嬉しいニュースでしたよね。

タイ入国隔離無しに!11月からの最新入国方法現地レポート
タイのインスタ映えスポット・ワットパクナム(バンコク)

コロナでハードルが高くなってしまったタイ旅行。
なかでも入国後10日間もの強制隔離は、以前の14日間よりは緩和されたとはいえ、タイ旅行を阻む高い高い壁でした。入国時に必要な書類も手続きも費用も膨大になり、当然ながら訪タイ観光客は激減。
タイ旅行が好きな皆さんにとっても試練の日々だったと思います・・・。

2021年7月からはプーケットとサムイで試験的に観光客受入を開始しましたが、これまでバンコクをはじめ、多くの地域では厳格な入国規制が続いていました。

タイ開国が発表されてからは、今まで自粛で静まり帰っていたバンコクの町も、何だか急に賑やかさが戻ってきたようです。

バンコク ショッピングモール
タイ開国宣言の後、バンコクにも賑やかさが戻りつつある

強制隔離だけでなく、タイ入国の手続きや必要書類も緩和される予定です。とはいえ、10月21日に発表されてからわずか10日間での実施。新しい入国条件については、毎日新しいニュースが報道されていますが、最終的な入国手続きがどのようになるのか、不明な点もたくさんあります。

11月1日以降、新しいルールで入国する旅行者が増えてくれば、だんだん実態がわかってくるだろう、とは思います。

でも、すぐにでもタイ旅行の計画を立てたい!という方のために、10月26日時点で入手できている、11月1日以降の新たなタイ入国条件について、最新の情報をまとめてみました。

タイ入国時の隔離が免除される条件とは?

2021年11月1日以降の新しいタイ入国ルールでは、海外からの渡航者を大きく3つのタイプに分けられ、それぞれ異なるルールが定められました。

①タイ政府指定低リスク国からの入国(ワクチン接種済み)

日本は①に含まれます。11月1日時点では、日本を含む46の国・地域が低リスク国に指定されていますが、2週間毎に見直しが行われる予定です。

強制隔離なしでタイ全国を自由に旅行できる。

②低リスク国以外の国からの入国(ワクチン接種済み)

到着後1週間はブルーゾーンに指定された地域に滞在すれば強制隔離なし。

ブルーゾーンとは旧サンドボックスに近い入国方法。住民のワクチン接種が進んだバンコク、プーケット、パタヤ、チェンマイなど、タイ全国17県の指定された観光エリアです。

③ワクチン未接種

タイ入国後10日間の強制隔離が必要

タイ ワクチン接種
首都バンコクのワクチン接種率はようやく70%達成

隔離免除の絶対条件はワクチン接種済み

つまり、今後のタイ入国において「隔離免除」になるにはワクチンが必要回数接種済みであること絶対条件です。ワクチン未接種であれば、今後も強制隔離が必要となります。

隔離なし入国の条件と必要な手続きとは?

ワクチン接種済みであれば、タイ入国時の強制隔離が緩和されたといっても、まだまだ世界のコロナ感染は完全に終息しているとは言い難い状況。

ワクチン接種完了が証明できればそれだけで入国できる国(主にヨーロッパ)もある反面、タイはワクチン接種以外にも、コロナ禍以前に比べると多くの細かい条件(本当に細かい!)や手続きが必要となります。

やった!ワクチン接種が終わったら自由にタイに入国できるんだ!と思った方には申し訳ないのですが、入国させせてもらうまでにちょと疲れてしまいそうです。

発表されている情報は下記の通りですが、コロナの感染状況によって、今後条件が変更される可能性もあるので、実際に渡航する場合は、在東京タイ大使館のウェブサイトなどで、最新情報を確認してくださいね。

強制隔離免除の対象者

 ・タイ政府が指定する低リスク国に渡航前21日以上滞在していること。
  ※日本から直接タイに渡航する場合は何の問題もありません。
 ・空路で入国すること。
 ・ワクチン接種後14日以上経過していること。

タイ入国に必要な書類と手続き

これまでタイ入国に必要だったタイ入国許可証(COE)が大幅に変わったためご注意を!

タイ入国前に準備するもの

 ・SHA+又はAQの認定を受けたホテル1泊分の支払済予約確認書

 ・コロナ対応医療保険(タイ滞在中有効で保障金額5万USドル以上)

 ・タイ入国許可証(Thailand Pass)

 ・英文陰性証明書(渡航前72時間以内)

 ・ビザ(30日を超えてタイに滞在する場合のみ)

タイ入国後の義務

 ・「モーチャナ」というアプリをスマートフォンにダウンロード。

 ・入国手続き後、空港から予約済みのSHA+又はAQホテルに移動。PCR検査を受け、陰性結果が出るまではホテルに一泊して待機。

これまでとどう違うの?11月1日からの主な変更点

11月1日から、入国手続きのルールも変更になって、規制が大きく緩和されるようです。主な変更点を挙げてみましょう。

変更①到着時のホテル1泊分の事前予約が必要

ワクチン接種済みであれば、10日間の強制隔離はなくなったものの、到着後のPCR検査で陰性であることが確認されるまで、指定ホテルに1泊して待機しなければなりません。空港からホテルの移動方法やホテルでの過ごし方については、まだ詳細が明らかになっていません。

変更②宿泊するホテルはSHA+ホテルも可能に

検査待ち1泊目のホテルは、以前はAQ(政府指定隔離ホテル)での宿泊が必要でしたが、今後はSHA+(タイ政府健康安全基準認定ホテル)での宿泊も対象になり、ホテルの選択肢が広がりました。各ホテルでも、PCR検査費用や空港送迎込みのパッケージ料金を準備しているようです。

到着した空港から車で2時間以内で行けるホテルに限る

1泊目の検査待ちホテルの選択肢が広がったとはいえ、実は条件があります。
それは「到着した空港から車で2時間以内で移動ができるホテルに限る」というもの。

例・バンコクのスワンナプーム空港に到着した場合:パタヤでの2時間以内なのでパタヤのホテルで検査と検査待ちをしてもOK。しかし3時間以上かかるホアヒンでのホテルの検査と検査待ちはNG。その場合、バンコクのホテルで検査をし1泊検査待ちとなります。

ワクチン未接種者にも少し入国制限の緩和が

ワクチン未接種の場合は、引き続きAQホテルでの強制隔離が義務づけられていますが、10月1日以降、以前の14日間から10日間へと短縮されています。

タイ開国 隔離なし入国
PCR検査待ちのためAQ又はSHA+認定ホテルでの1泊は事前予約が必要

変更③タイ入国許可証COEがタイランドパスに変更

タイ入国許可証については、以前のCOEからタイランドパス(Thailand Pass)という新しいシステムに変更になるとのこと。日本出発7日以上前にインターネット上(tp.consular.go.th)での申請が可能になる予定。

以前のCOEは登録後、承認を待つ必要があったのですが、タイランドパスは登録だけでいいとの情報もあります。ただ、まだ運用が開始されていないため、詳細はまだ不明です。

変更④コロナ対応医療保険の保証金額が減額

コロナ対応医療保険の保証金額は、以前の10万USドルから5万USドルに引き下げられたので、保険料の負担も少なくなりました。

11月1日の運用開始以降に注目

2021年10月28日時点のタイ現地報道で伝えられている情報をまとめてみました。
ただし、実際にこの通りになるのか、11月1日の開始を待ってみないとわからないという部分もあります。
タイの観光客受け入れ施策「サンドボックス」などでも突然条件が変わることはよくあることでした。
どうしても11月1日に行かなければならない方は、在日本タイ王国大使館や在タイ日本国大使館の最新情報を確認の上、準備をしてくださいね。

在東京タイ王国大使館:11月1日からの入国について
在タイ日本国大使館:11月1日(月)からのタイ入国の隔離免除国・地域の発表について

タイ国内のコロナは終息しているの?

タイ隔離無しの入国条件や11月1日からの変更点が発表されましたが、タイ国内の新型コロナウィルス感染状況はどうなっているのでしょうか?

2021年7月以降、タイ全国でデルタ株が猛威をふるい、ピーク時には新規感染者数が1日25,000人を記録。8月中旬以降ピークアウトしたものの、10月26日現在、1日8,000人前後の感染者が出ていて、日本と比較しても、まだまだ終息しているとは言い難い状況です。

10月26日現在、バンコクは最高厳格管理地域に指定されたまま、夜間外出禁止令や店内飲酒禁止令が続いています。ワクチンの接種率はバンコクでは70%を越えましたが、全国ではまだ40%台。地方にあるチェンマイやホアヒンでは、最近も大規模クラスター発生のニュースが報道されていて、タイ国民の過半数が「開国には早すぎる」と感じているという調査結果もあります。

ただ、11月以降はタイ観光のベストシーズンでもあり、タイ国内の観光産業への経済的影響から、かなり無理して開国に踏み切ったように思えます。

10月31日以降、バンコクをはじめとするブルーゾーン指定地域では、夜間外出禁止令は解除される予定ですが、店内飲酒禁止令は引き続き継続。バー・パブ・カラオケなど、夜遊び系のお店の再開は12月1日以降の予定です(プーケットなど、飲酒等が解禁されている地域もあります)。

現在バンコクでは夜遊び禁止中

一方、タイから日本帰国時の水際対策も、強制隔離がなくなり、一定条件を満たせば自主待機期間を14日から10日に短縮できるようになったものの(10日目にPCR検査を受け陰性証明書を厚生労働省に提出しなければなりません)やはりまだ以前のように、自由に旅が出来る状況ではありません。

早く日本の皆さんがタイに遊びに来れることを願っていますが、現地の状況や出入国のルールを十分に理解した上で、慎重に旅行の計画を立てていただければと思います。今後、お互いの国で、さらに入国規制緩和が進むようを祈りましょう!

タイ開国 隔離なし入国
タイ随一のパワースポット・エラワン廟のブラフマー神にタイ再訪を祈りましょう!

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木本 美沙子