五島列島おしゃれなホテル3選・おすすめリゾートを徹底取材!

ライター 塚本隆司

塚本隆司

日本観光士会認定観光士

海に囲まれた自然いっぱいの離島で、おいしい食事と自分時間を楽しめるリゾ−トホテルに泊まりたい!
そんな欲望を叶えてくれるのが、長崎県の五島列島です。五島列島では、移住者が年々増え定着率も高いことから、活気が生まれ新たな風が吹いています。2022年8月には、五島列島最大の島・福江島に新しいリゾートホテルが開業。リゾートアイランドとして注目されています。
五島列島でリゾートホテルの先駆けとして知られるホテル(上五島)と福江島に新たに開業したリゾートホテルを2軒紹介しましょう。どのホテルも五島の美しさや島自慢の幸に加え、それぞれの魅力が詰まったおすすめリゾートホテルです。

五島列島リゾートホテル マルゲリータ奈良尾

長崎県の五島列島でリゾートホテルの先駆けといわれているのが「五島列島リゾートホテル マルゲリータ」。2012年に1号店(新上五島町小串郷)の営業を開始、2019年に今回紹介する「五島列島リゾートホテル マルゲリータ奈良尾」(新上五島町奈良尾郷)が営業を始めました。
どちらも料理を楽しんでもらうためのオーベルジュスタイルのリゾートホテルです。

五島列島リゾートホテル マルゲリータ奈良尾のエントランス

建物は、遠洋漁業で栄えた奈良尾地区の漁師たちの保養所だった建物を改装して作られています。天井が高く広々としたエントランスは、ソファーもフカフカ。気持ちのいいスペースです。上五島のお土産品も販売しています。

五島列島リゾートホテル マルゲリータ奈良尾のお土産コーナー
棚に上五島のお土産品が並んでいる

五島列島リゾートホテル マルゲリータ奈良尾の客室

部屋は6タイプ29室。1〜2名用のスーペリアから最大3名まで宿泊できるエグゼクティブまであります。
ちなみに29という数字は、新上五島町にある教会の数と同じで、五島手延うどんの製麺所の数も29。偶然のようですが、縁のある数字に思えてきます。

五島列島リゾートホテル マルゲリータ奈良尾のエグゼクティブオーシャンスイート
エグゼクティブオーシャンスイート 左:バスルーム、右上:ベッドルーム、左下:リビングルーム

最上級の部屋は、エグゼクティブオーシャンスイート。名前通りの素晴らしい眺めが自慢の部屋です。

五島列島リゾートホテル マルゲリータ奈良尾のスーペリアツイン
スーペリアツイン 写真提供:五島列島リゾートホテル マルゲリータ奈良尾

上の写真は、9部屋あるスーペリアツイン。広々とした室内、清潔感のある落ち着いたデザインで、ゆっくり過ごすことができます。

料理自慢のレストラン 海ト空○ト星(うみとそら まるとほし)

五島列島リゾートホテル マルゲリータ奈良尾のレストラン「うみとそら まるとほし」
レストラン「海ト空○ト星(うみとそら まるとほし)」

マルゲリータ1号店のレストランは、五島の魚介と野菜で作るイタリアンが人気ですが、ここマルゲリータ奈良尾のレストラン「海ト空○ト星(うみとそら まるとほし)」では、五島の四季折々の鮮魚や五島牛などの地元食材を使った和食を提供しています。ランチ営業もあり、宿泊者以外でも利用が可能です(2022年12月現在ディナーについては予約のみ)。

夕食の基本コース「海ト空コース」7,480円
基本コース「海ト空コース」7,480円(内容は季節によって変わります) 写真提供:五島列島リゾートホテル マルゲリータ奈良尾

写真の基本コースの他、五島牛すきしゃぶコース、五島で水揚げされたクエや五島の伊勢エビなどを使ったコース料理の他、五島の食材を使った一品料理の数々。新鮮な刺身には、上五島の矢堅目地区で作られた辛みの少ない海水塩がよく合います。

「すべて中トロ!創作刺身5皿盛り」
新上五島町 生マグロ刺身皿「すべて中トロ!創作刺身5皿盛り」1000円

今、新上五島町で売り出し中の養殖マグロを使った「新・ご当地グルメ」もあります。水揚げしてから一度も冷凍処理をしていない新鮮なマグロを生のまま、1年を通して味わえるとあって人気です。

五島手延うどんの地獄炊き
五島手延うどんの地獄炊き

そして、五島といえば五島手延うどん。五島ならではの食べ方「地獄炊き」で味わうこともできます。

ホテルの隣に温泉施設あり

五島列島リゾートホテル マルゲリータ奈良尾のすぐ隣に温泉施設があり、宿泊者は入湯税の150円のみで利用できます、温泉施設での入浴時間は、13時から23時まで(外来立ち寄客は13時から19時まで)。
夜は美しい星空が見られ、条件が良ければ天の川も見えるとか。五島灘の心地よい風と共に楽しめます。

五島列島リゾートホテル マルゲリータ奈良尾の外観
五島列島リゾートホテル マルゲリータ奈良尾の外観 写真提供:五島列島リゾートホテル マルゲリータ奈良尾
DATA
五島列島リゾートホテル マルゲリータ奈良尾
所在地:長崎県南松浦郡新上五島町奈良尾郷712-3
TEL:0959-44-1701
アクセス:奈良尾港から車で5分(送迎車あり、要予約)
公式サイト:五島列島リゾートホテル マルゲリータ奈良尾 

カラリト五島列島

リゾートアイランドとして注目されている五島列島。なかでも、最も広い福江島がある五島市では、移住者が多いうえ定着率も高く、五島の環境を活かしたビジネスが次々と生まれています。リゾートホテルもそのひとつ。2022年8月14日にグランドオープンした「カラリト五島列島」は、もともと保養所だった建物をフルリノベーションしたうえ、新たな建物を増築し営業を始めました。

カラリト五島列島の広いエントランス
広いエントランス 2階席から撮影

宿泊者向けだけではなく、カフェとしても営業するほかイベントやウエディング会場など地域の人たちとの交流の場としても利用されています。 

カラリト五島列島エントランス
カウンター奥はホテルフロントを兼ねている

魅力は、ホテルでの過ごし方の幅の広さ。五島の素晴らしい自然と触れ合えるサイクリングやマリンスポーツ、釣りといったアクティビティ、レストランでのおいしい食事、夜には焚火(天候など条件あり)など宿泊者が思い思いに過ごせるようスタッフがフォローする体制がここにはあります。
また来たい、また泊まりたいと思う時、あのスタッフの皆さんにまた会いたいという思いが込み上がるようなホテルです。そこには、ホテル開業の目的が地域活性化にあり「ホテル営業は手段であり目的ではない」という意志が伝わってきます。

エントランスを抜けた先に広がる青い海
エントランスを抜けた先に広がる風景。海の青さが際だつ朝の散歩の気持ちよさは格別

カラリト五島列島の客室

海側から見たカラリト五島列島
海側から見たカラリト五島列島 上段左:West棟、上段中央:North棟、上段右:South棟

客室数は48室。116名まで宿泊できます。元保養所をフルリノベーションしたWest棟と海を近くに感じるSouth棟、家族やグループで利用しやすいメゾネットタイプのNorth棟に分かれています。

カラリト五島列島West棟のツインルーム
West棟のツインルーム

West棟にはツインルームとダブルルームがあり、1〜2名で利用できます。

カラリト五島列島のSouth棟客室
South棟の客室(引き出しを開けた状態で撮影)

South棟の客室は、海との近さをいかした机配置になっています。海風が吹き抜け気持ち良く、ワーケーション利用にピッタリです。

カラリト五島のNorth棟客室
North棟客室。メゾネットタイプで最大5名まで利用可能

メゾネットタイプのNorth棟は、最大5名まで宿泊できます。アウトドアキッチンを備えた部屋もあり、長期の滞在にもピッタリです。
写真は一例で、ロフト付きの部屋があるなど、一人旅から家族旅行やグループ旅行、団体での利用まで幅広い客層に対応しています。

カラリト五島列島の顔がほころぶレストラン

カラリト五島列島のレストランのコンセプトは「自然体でかわす言葉と料理で、顔がほころぶレストラン」。顔が見えるオープンキッチンで、五島の食材の魅力を余すことなく引き出した料理と島民との飾らない会話を楽しむことができる海辺のレストランになっています。

カラリト五島列島の夕食
夕食コースメニューの一例(写真提供:カラリト五島列島)

夕食コースメニューは、四季折々の五島の新鮮な海産物や野菜、五島牛、五島豚など地元食材で構成された内容になっています。他にもアラカルトメニューが用意されています。

カラリト五島列島の朝食
朝食の一例(写真提供:カラリト五島列島

朝食は和定食。米や魚はもちろん、五島の恵みが一杯詰まっています。レストランはカフェとしても利用できます。外にもテーブルがあり、本を読んだりワーケーションに利用したり、宿泊者や島民などいろんな人が集う場所です。

カラリト五島列島のレトロ感漂う浴場

カラリト五島の浴室
浴場(手前)と開放感ある半露天風呂(奥)

大浴場は、30年前の元保養所をリノベーションしたWest棟にあるためか、どこか懐かしさを感じるレトロ感が漂っています。

カラリト五島の浴室
タイル張りの壁や洗面台がレトロかわいい

夜になるとSouth棟とNorth棟の間では、スタッフが焚火を用意してくれます。自然と人が集まりお酒を飲みながら、宿泊者やスタッフとの間で誰とはなく語り合う時間が生まれます。22時には終了する決まりのもと、他にはない時間を過ごせるのも魅力です(天候条件など実施されない場合があります)。

夜のカラリト五島
写真提供:カラリト五島列島
DATA
カラリト五島列島
所在地:長崎県五島市浜町546-2
TEL:0959-78-5110
アクセス:福江空港(五島つばき空港)から車で約10分、福江港から車で約15分
公式サイト: カラリト五島列島

五島リトリート ray

2022年8月30日に福江島にグランドオープンした「五島リトリート ray」。コンセプトは「祈りの島、光の宿」。その意味は、館内の至る所で感じることができます。SPAや客室露天風呂など、館内でゆっくり過ごすことができるので、自分自身や同行者との時間を大切に過ごしたい方におすすめのリゾートホテルです。

五島リトリートrayのエントランス

館内に入れば、開放感あふれるエントランス。高さが6メートルもある天井と壁には鏡面のアルミパネルと大きな窓からの光。その先には美しい五島の海が広がっています。

五島リトリートrayのエントランス

中央に置かれた大きなテーブルは1枚もののオーク材に樹脂(レジン)を3センチほど流し込んだもの。海と続いているかのようで、満月に見立てた丸い部分の照明が夜になれば一層強調されます。

五島リトリートrayのレセンプションカウンター

レセンプションカウンターは、五島の教会群からインスピレーションを得たデザイン。その上には、ロビーから望める五島の海を際立たせるシンプルなデザインのステンドグラスがあり、揺らぐような明かりをもたらしてくれます。スタッフの制服も神父さんを彷彿させるデザインで、コンセプトでもある「祈りの島、光の宿」へと誘ってくれます。

バーカウンター

レセンプションカウンターの隣には、バーカウンターがあり、その奥に瞑想室もあります。

五島リトリート rayの客室

五島リトリートrayの廊下
部屋へと向かう廊下にもステンドグラスがあり、幻想的な照明デザインが施されている

建物は3階建てで2階がロビー。部屋は5タイプ26室あり、4名定員の広めの部屋からおひとり様向けまで用意されています。全てオーシャンビューで24時間利用できる露天風呂付き。最も部屋数が多いタイプは、19室あるオーシャンビュー露天スーペリア。最大3名まで宿泊ができます。

五島リトリートrayのユニバーサルデラックス
バリアフリー設計のユニバーサルデラックスルーム(写真提供:五島リトリート ray)

写真は、2階に1室だけあるバリアフリー設計のユニバーサルデラックス。ソファーがダブルベットになり最大4名まで宿泊できるファミリー向けの部屋です。特徴は大きな窓。朝、目覚めれば、美しい青い海が目の前です。

五島リトリートrayのユニバーサルデラックス
バリアフリー設計のユニバーサルデラックスルーム

部屋の照明はフレームが細く、夜に灯せば光が浮いているような感覚になる演出。絨毯やベッドクッションも海のさざ波をデザインしたもので、非日常を感じられる仕掛けが随所に見られます。

五島リトリートrayのユニバーサルデラックス
写真右中央 洗面台に置かれた木製のシェーカーボックスにアメニティーが入っている

露天風呂からも海が一望できます。アメニティーも充実。ウェルカムドリンクは椿茶、ウェルカムフードは五島の名産かんころ餅。コップ類は長崎のガラス工房の作品が使われています。

五島リトリート rayのレストラン「ray dining」で光の和食

五島リトリートrayのレストランからの風景
上:海側、下:鬼岳を望む風景

レストラン「ray dining」からの眺めも素晴らしいものがあります。海側はもちろんですが、福江島のシンボルでもある「鬼岳」の名前に似合わぬ姿が堪能できます。

五島リトリートrayの夕食
写真提供:五島リトリート ray

料理は、もちろん五島の食材。魚介はもちろん、離島であるからこそ地産されてきた農作物、生産量が少なく市場に出回らないゆえ幻ともいわれる五島牛など、料理長が島中から探してきた旬の食材が使われています。最後に生産者への敬意を込めたrayのエッセンスでもある光のストーリーを掛け合わせたrayオリジナルの創作料理「光の和食」が自慢です。
料理の器は長崎伝統の「波佐見焼」や長崎市にある工房「瑠璃庵」のガラス器などが使われているので、目でも楽しみながら食事ができます。

五島リトリート rayのスパで安らぎのひとときを

五島リトリートrayにはスパ施設があるのが特徴です。五島で育った椿を搾った椿オイルや五島の塩などを使ったスパメニューがあり、友人や家族、母娘が一緒に利用できる内容になっています。男性の利用も可能です。

五島リトリートrayのスパ施設
左:五島リトリート rayオリジナルの椿オイル、右上:ヴィシーシャワー、右下:施術室

シャワールームには、国内ではめずらしいフランス・ヴィシー地方で温泉療法にも使われているヴィシーシャワーを導入。ボディートリートメントの後、シャワーの水圧でツボに刺激を与え血流やリンパの流れを良くする効果があり、発汗を促しデトックス効果が期待できます。

五島リトリートrayの売店コーナー

館内では、五島椿のエキスを配合した化粧水やクリームなどを手掛ける人気のコスメブランド「ON&DO」の商品などを販売。他にも五島のお酒やアロマなど「地域のショーケース」のような品ぞろえで楽しませてくれます。

五島リトリートrayの夜のキャノビー
夜のキャノビー風景(写真提供:五島リトリート ray)
DATA
五島リトリート ray
所在地:長崎県五島市上崎山町2877
TEL:0959-78-5551(受付時間 10:00〜18:00)
アクセス:福江空港(五島つばき空港)から車で約10分、福江港から車で約15分
公式サイト:五島リトリート ray

リゾートアイランドとして進化する五島列島

五島列島のリゾートホテル紹介、いかがでしたでしょうか。それぞれ個性があり、五島旅行が楽しみになるところばかりです。朝ドラ人気もあって注目の五島列島ですが、リゾートアイランドとしての進化にも目が離せません。

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ライター 塚本隆司

塚本隆司

日本観光士会認定観光士