「床もみじ」といえば京都の瑠璃光寺など、関西方面に有名な名所があるイメージですが、関東でもそれに匹敵する名所があるのをご存知ですか?それが群馬県桐生市にある「宝徳寺」。秋の紅葉シーズンには昼の拝観のほか、夜のライトアップも行われ、関西の名刹にも引けを取らない「床もみじ」の絶景が昼も夜も楽しめるのです。
ただし2023年の群馬県の紅葉は猛暑の夏の影響を受け、例年より遅め。「宝徳寺」では床もみじの公開イベントを例年通り10月20日から行いますが、まだまだ2023年10月19日現在、色付きは見られません。
宝徳寺の昼の床もみじ
群馬県桐生市の宝徳寺は、室町時代の宝徳年間(1450年頃)に創建された臨済宗建長寺派の歴史あるお寺。
群馬県桐生市の郊外、市街地から7~8キロ離れた山あいの場所にあり、かつてここにあった桐生城(柄杓山城)の裏口を護るためこの場所に建てられました。
かつては地元の人々以外には知られることのなかったこの宝徳寺が一躍有名になったのは、秋や春、庭園を美しく彩るもみじが、ピカピカに磨き上げられた床にリフレクションする「床もみじ」の絶景が広く知られるようになったから。
「床もみじ」は毎年春の新緑時期、夏の風鈴祭り、秋の紅葉時期のみ特別公開されていますが、特に秋の紅葉時期には夜のライトアップも実施され、訪れる人も年々増えています。
今回は2022年秋の特別拝観の様子をご紹介します。まずは昼の特別拝観をご覧ください。
入口で拝観料を納め、色とりどりの花が並ぶアプローチから本堂へと入ると、視界に飛び込んでくるのはこの景観!
いきなりリフレクション!!
まるでもみじが水鏡に映るように美しく映えているのは、ピカピカに磨き上げられた床なのです。
この床の広さは28畳。ここに本堂を囲むように紅葉したもみじが映りこみ「床もみじ」となるのです。
秋の特別拝観は例年10月下旬から11月末となりますが、床もみじの見頃は11月中旬から下旬。2023年は11月下旬となり特別拝観の最も後半になる予定です。秋の特別拝観を目指して群馬旅行を考えている方は、11月下旬を狙いましょう。
大変な混雑となるためできるだけ平日に行かれることをお勧めします。
この床もみじは自由に撮影できますが、シーズン中は多くの人で賑わいますので、境内、本堂など全ての場所において、三脚・一脚の使用は禁止となっています。まわりの人に配慮して譲り合って撮影してください。
DATA ●2023年 秋の床もみじ特別公開【昼の部】 開催日:10月20日(金)~11月30日(木) 拝観時間受付:9:00~16:00 閉門:16:30 拝観料:10月拝観料800円/11月拝観料1,200円 ●2023年 秋の床もみじ特別公開【ライトアップ拝観】 開催日:11月11日(土)~11月28日(火) 拝観受付時間:17:00~20:00(閉門20:30) 拝観料1,200円 ※どちらも高校生以下無料
紅葉の境内散策も楽しい
紅葉の最盛期は昼の部が終了したのち、夜のライトアップが行われます。いったん全員が退出したあと、あらためて夜の部の入場となりますので、昼も夜も楽しみたい方には、インターバルが必要です。
その時間帯に楽しめるのが紅葉の境内散策。
境内にある100本以上のもみじが紅葉する中を歩くと、まさにそこは極楽浄土のよう。
また、宝徳寺の境内には、地蔵の小道があり、多くのお地蔵さまが出迎えてくれます。なで地蔵やほほえみ地蔵、よろこび地蔵、しあわせ地蔵など、参拝者をほっこりした気分にしてくれますよ。
いよいよ夜のライトアップ
晩秋の夕暮れが終えようとする頃、いよいよ床もみじのライトアップが始まります。
シーズン最盛期の夜のライトアップは時間指定の完全予約制となりますので、事前に予約が必要です。当日では空きがない場合もありますので、早めにネットでの予約がおすすめです(後述のDATA欄をご参照ください)
予約チケットを提示し、境内の客殿で控えていると、全員一緒に本堂へと案内されます。
ここで宝徳寺の案内やライトアップの際の注意事項等の説明があり、いよいよ消灯。
そしてまた、いきなり幻想的すぎるリフレクション!!!
どういうことでしょう、この燃えるような赤。何が起きたのか、すぐには頭が追いつかないくらい迫力満点です。昼もすごかったけど、夜はそのすごさが3倍くらいマシマシになっています。
この写真の右端に黒い人影の塊があるのが見えるでしょうか?
これは参拝者が這いつくばって床もみじのリフレクションを撮影している姿なのです。そのくらい、このライトアップリフレクションには不思議なパワーがあるのです(もちろん私も這いつくばって撮影しました)。
また、夜のライトアップでは、昼間は見えない(気づかない)リフレクションが現れます。
それはこの宝徳寺の本尊、釈迦如来。向かって右に文殊菩薩、左に普賢菩薩の脇侍(わきじ)を配した、釈迦三尊仏が暗闇の中から浮かび上がるようにリフレクションしています。
本尊の左右には「双龍」の襖絵がありますが、これも夜の方がはるかに迫力があります。
本堂の前に広がる枯山水の庭園。省略できるもの全てを省略し、水を使わずに、石と砂などで、自然の美を表現した石庭です。
時間が来ると参拝者は後ろ髪をひかれつつ、この石庭の眺めながら、幻想的な床もみじとお別れすることになります。
ライトアップ拝観の床もみじは2022年と異なり予約制ではありません。直接お寺に向かってください。最も込み合うのは17時~17時30分。時間をずらして向かうことをおすすめhします。
桐生名物の「ひもかわうどん」で温まる
群馬・桐生に来たらぜひ味わっていただきたいご当地グルメがあります。それがこの衝撃的なビジュアルの「ひもかわうどん」。
この見たこともない幅広い麺は、お店によっては10センチを超えるものまであります。
普通のうどんのようにツルツルと吸い込むことはできませんが、麺そのものは強いコシとつるんとした喉ごしで、独特の食感をじっくり味わうことができます。
桐生市内には、有名店が何店舗もありますので、晩秋の夜の拝観で冷えた体を温めるには最適なご当地グルメだと思います。
また、桐生は今や日本の各地で見られるソースカツ丼発祥の地のひとつとされています。ご飯の上にソースにくぐらせたカツのみというシンプルな見た目ですが、ひもかわうどんと絶妙にマッチする組み合わせですので、ぜひお試しください。
宝徳寺の床もみじは混雑必須!
今や関東屈指の床もみじとして、紅葉シーズンは多くの人で賑わう宝徳寺。週末ともなれば、日中は入場制限で待ち時間が発生する場合もあり、夜のライトアップは売り切れる時間帯が頻出。
ぜひ早めに計画して時間に余裕を持って、この幻想的な絶景をお楽しみください!
宝徳寺の基本情報
所在地:群馬県桐生市川内町5丁目1608
電話:0277-65-9165(9:00~16:00)
アクセス:JR桐生駅北口より「おりひめバス」:「名久木行き」にて旧川内北小学校前下車(帰りのバスは16時で終了)・「吹上行き」にて宝徳寺入口下車(2時間に1本程度なので注意!)
※本数が少ないので事前に時刻をご確認ください
公式サイト:宝徳寺
宝徳寺の床もみじを見るなら宿泊はどこ?
宝徳寺のあるエリアは、ホテルが少なく、公共交通機関で行く場合は、東武桐生線の桐生駅前のホテルに泊まるとバスの利用ができます。ただバスの利用の場合、本数がとても少ないのでバスに合わせて拝観時間を決めることをお勧めします。実は車であれば、日光の中禅寺湖あたりからもそう遠くはないので、日光と合わせた紅葉旅行も楽しいですね!
群馬の宿泊予約はこちらから!
紅葉シーズン到来!あなたがポイントを貯めているオンライン旅行予約サイトで早めに予約を済ませましょう。
群馬への交通手段予約やツアーはこちらから!
紅葉シーズンはツアーの方が取りやすい場合も!