泊まれるスナック街?「グッドオールドホテル(GOOD OLD HOTEL)」宿泊記

風祭哲哉

トラベルプランナー&ライター、ワーケーション伝道師

「スナックアロー」、「ニューうさぎ」そして「愛人」・・・これ、誰がどう見ても、どこかの妖しげなスナック街にしか見えませんよね?

しかしここ、ホテルなんです。このスナックの1軒1軒がすべて客室になっている、いわば「泊まれるスナック」。一周回ったおしゃれなデザインのホテル?とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこのお店はすべてかつてはスナックとして営業していたもの。そんな不思議な空間が広がる弘前の「グッドオールドホテル(GOOD OLD HOTEL)」に行ってみました!

グッドオールドホテルは青森県弘前市の繁華街ど真ん中

弘前は青森県津軽地方の中心であり、弘前城や旧弘前市立図書館などの瀟洒な洋館が立ち並ぶ、歴史と文化の香りが漂う町として知られています。

弘前大学や旧制弘前高校などもあり、一見お堅い文教都市のようにも見える弘前ですが、実は市街のメインストリートから一本脇道に入ると、かなり賑やかな夜の繁華街があなたを迎えてくれるのはご存知でしょうか?

文教都市のイメージのわりにけっこうディープな街です、弘前

今回ご紹介する「グッドオールドホテル(GOOD OLD HOTEL)※以下グッドオールドホテル」は、そんな繁華街のど真ん中、鍛冶町にあります。

それもそのはず、この「グッドオールドホテル」があるのは数多くのスナックがテナントとして入居する雑居ビル。現在もビルの1階部分には現役のスナックが並んでいます。

カラオケ「てんちゃん」からは日中もマダムたちの唄声が延々と流れていました

「グッドオールドホテル」の入口は2階にありますが、スタッフは常駐していないため、事前に渡された暗証番号で玄関のキーを解除して中に入ります。

いざ館内に入ると、いきなり目に飛び込んでくるのは「ザ・スナック街」。

まだ明かりがついてないので健全に見えます

このフロアにある客室すべてが元スナックで、その数は11室あります。

スナックホテルが誕生したわけ

「グッドオールドホテル」があるビルは昭和40年代に誕生した「グランドパレス」。
かつてはここにスナックやディスコ、飲食店が集まり、バブル時代の前から若者でにぎわう場所でした。

しかしそんな華やかだった場所も、時代に取り残されたかのような寂しい場所になっていたのですが、もう一度、賑やかだった頃のスナック街の雰囲気や文化を復活させたい、という思いで2020年7月にオープンしたのがこの「グッドオールドホテル」なのです。

最大の特徴は部屋の名前も看板もそのままであること。

誰もが一度は泊まってみたい(?)「愛人」のお部屋
男子にネーミング人気No.1(?)の「ぴちぴち」。部屋の中は意外にも畳があります

ドアもそのままで、営業許可証などがそのまま残っているお店(お部屋)もあります。

女子にネーミング人気No.1(?)の「ニューうさぎ」

どれもが昭和レトロなネーミング。ドアを開けると、満面の笑みを浮かべたママが出迎えてくれそうですね。

リノベーションされた客室の紹介

「グッドオールドホテル」の客室はスナック時代の壁や照明、インテリアなど使えるものはそのまま生かして当時の面影を残しつつ、客室内はきれいにリノベーションされているため清潔感にあふれています。

また部屋の開け閉めもスマートロックを採用するなど最新のITシステムを導入し、レトロとテクノロジーが融合したホテルとなっています。

部屋の開け閉めもスマートロック

今回泊まった部屋は「プードル」。

重厚な玄関を開け、中に入ってみるとベッド周りは思ったよりもずっとシンプルで明るい感じの客室でした。

反対側を振り返って見ると、こちらはスナック時代の雰囲気がそのまま残っています。このギャップがなんとも言えずエモい。

水回りはコンパクトながら新しくて清潔そのもの。タオルやバスタオル、歯ブラシなどのアメニティも揃っていますが、部屋着はありませんのでご注意ください。

客室は全体的にはツインルームが多いのですが、「和風スナック おあしす」は名前のとおり和のテイストで、畳に4名まで宿泊できます。

また、「ぴちぴち」はアダルティなピンクの看板と名前に似合わずファミリー向けのお部屋。和洋折衷で6名まで泊まれます。

どれもひとつとして同じデザインのない特徴的な作りなので、いくつものお部屋に泊まってみたくなります。
きっとそれぞれの部屋(店)で、たくさんの人々のたくさんの物語が紡がれていたに違いありません。
このホテルを初めて訪れる人も、かつて訪れたことがある人も、懐かしいような、ちょっと悲しいような、ノスタルジックな気分になるのは、この場所にそんな記憶が刻まれているからなのかもしれませんね。

グッドオールドホテル(GOOD OLD HOTEL) 予約はこちら
 じゃらんnetで予約する
 楽天トラベルで予約する
 Booking.comで予約する
DATA
グッドオールドホテル(GOOD OLD HOTEL)
所在地:青森県弘前市大字新鍛冶町80-2
アクセス:弘南鉄道中央弘前駅より徒歩4分/弘南バス「本町」バス停より徒歩2分
公式サイト:GOOD OLD HOTEL

ちょっと歩けば、弘前のまちは見どころいっぱい

「グッドオールドホテル」は泊まるだけではなく、弘前観光にもぴったり!近場の有名な観光地をお教えしましょう。

弘前城

「グッドオールドホテル」がある新鍛冶町からゆるやかな坂をちょっと上ると、弘前城や官庁街の洋館が残る観光スポットはすぐ。ホテルから弘前城の三の丸追手門まで歩いても1キロありませんので、チェックイン・アウトの前後でも、朝や夕方の散歩でも気軽に足を延ばせます。

弘前のシンボル、弘前城。なんといっても桜の名所として有名ですが、桜シーズン以外でもたくさんの観光客が訪れる人気のスポットで、江戸時代から残る現存天守12カ所のうち、東日本唯一の天守があり、国の重要文化財となっています。

また弘前城(弘前公園)の高台からは「お岩木山(様)」と呼ばれ、津軽人の心のよりどころとされている岩木山を美しく眺めることができます。

DATA
弘前城(弘前公園)
所在地: 弘前市下白銀町(弘前公園内)
電話:0172-33-8733
アクセス:JR弘前駅より徒歩約25分/JR弘前駅前弘南バス乗り場より、土手町循環100円バスに乗車(所要時間約15分)、市役所前下車
公式サイト:弘前公園

旧弘前市立図書館

弘前は瀟洒な洋風建築が数多く残っている町としても知られていますが、その代表的な存在で「グッドオールドホテル」からも近いのが「旧弘前市立図書館」。

明治39年に建てられ、昭和6年まで市立図書館として利用された木造洋風3階の建物。ルネッサンス様式を基調としつつも、随所に和風様式が取り入れられた美しい姿は、弘前の洋風建築のシンボルの一つとされ、青森県の重宝に指定されています。

現在は市立郷土文学館の施設として保存され、館内には郷土の出版物や文芸資料などが展示されています。

また、旧弘前市立図書館の隣のブロックにはスターバックスコーヒーの弘前公園前店があります。

この店舗は1917年に陸軍師団長の官舎として建設された木造の建物で、日本のスタバの中で2店舗目となる登録有形文化財の店舗となっています。

当時の会議室の雰囲気を残したバーエリアや庭園を望む和室、弘前公園を望む控室など、建物そのものの意匠を残しつつ、弘前の伝統工芸や地域の素材などを現代的にアレンジした、伝統と革新が共存する空間となっていますので、ここでひとやすみしてはいかがでしょうか。

DATA
旧弘前市立図書館
所在地:弘前市下白銀町2-1
電話:弘前市文化財課 0172-82-1642
アクセス:JR弘前駅前より土手町循環100円バスで約15分、「市役所前」下車すぐ

懐かしくてちょっとエモい?「グッドオールドホテル」へ行ってみよう!

「弘前に泊まれるスナックがあるらしい」。最初にそれ聞いたときは、ちょっとウケを狙ったディープなスポットだろう、程度に思っていたのですが、実際に行ってみるとそれとは別の不思議な感覚が湧き上がってきました。

1軒1軒のお店の前に立ち、じっと看板を見上げていると、そこで生まれた喜怒哀楽やら、刻まれたストーリーやら、言葉や形にならないその他いろいろなものがぐっと迫ってくるような気がしました。こういう気分をエモい、と言っていいのかどうかわかりませんが、そこはなんだかちょっと懐かしくてちょっとせつないような、不思議な感覚のホテルでした。

グッドオールドホテル(GOOD OLD HOTEL) 予約はこちら
 じゃらんnetで予約する
 楽天トラベルで予約する
 Booking.comで予約する

風祭哲哉

トラベルプランナー&ライター、ワーケーション伝道師