塩原の新湯温泉に源泉掛け流しのにごり湯に入れる「湯荘 白樺」という温泉旅館があります。浴室には温泉成分たっぷりの湯どろが備え付けてあり、これを一度使うと肌がつるつるになることから病みつきに。
以前、日帰りで利用したことはあったのですが、今回泊まってみたので詳しく紹介したいと思います。
塩原温泉とは?

栃木県の塩原温泉は6種7色3性質の温泉があるといわれています。6種は塩化物泉や硫黄泉といった泉質、7色は透明や乳白色、茶褐色などのお湯の色、3性質は酸性・中性・アルカリ性のいずれか。つまり塩原温泉ではそれだけバラエティに富んだお湯が楽しめるということです。
そして今回ご紹介する「湯荘 白樺」があるのは塩原の中でも新湯温泉と言われるエリア。ここでは酸性で白濁した硫黄泉に入れます。
みなさんは白濁した硫黄泉は好きですか?私は大好きです。
湯荘 白樺ってどんな宿?

先に一言お伝えしておきますと、「湯宿 白樺」は決して豪華な宿ではありません。どちらかというと建物は古く、お部屋も簡素です。しかしお湯は最高です。
宿泊価格はかなり押さえられているので、コストパフォーマンスはとても良いと思います。私は友人と二人1部屋で、アウトバス、トイレ共同、2食付きで1人8千円台でした。
お風呂に関しては詳細はこれからご紹介しますが、男女別の内風呂と混浴の露天風呂があります。混浴露天風呂は女性専用タイムがあるので、私はその時間帯に入浴しました。
湯荘 白樺に到着
最初に驚くのは噴火口との近さです。「湯荘 白樺」のすぐ後方にもくもくと湯けむりを上げる新湯爆裂噴火口跡。これだけ近ければそりゃ温泉も湧くでしょう!周辺一帯が傷んだゆで卵のような硫化水素の臭いを漂わせています。


チェックイン手続きを済ませて階段を上れば、踊り場に可愛らしい温泉むすめのパネル。グッズもたくさん販売していました。


ほかには白熊の剥製なども。意外と館内は入り組んでいて迷いそう。というか、実際に迷いました。

お部屋はごくごくシンプルです。浴衣やタオルなどのアメニティは備え付けてありますが、タオルはお持ち帰り用ではなく貸タオル、バスタオルのレンタルは有料です。必要なら持参するか借りましょう。

湯荘 白樺のお風呂紹介
それでは早速お風呂に行ってみましょう!明るいうちから温泉に入れるのが温泉旅館における何よりの楽しみです。

男女別の内湯は四角い木の浴槽。綺麗な白濁の温泉がたっぷり入っています。
源泉温度は高いのですが、この時はちょうど良い湯加減でした。そしてお湯の手触りはとてもすべすべとしています。
湯口の上にコップが置いてあったので味見をしてみましたが、酸っぱ苦い!あまり美味しくはありません。でも適量飲泉すれば身体には良さそう。

そして泥ですよ!目的の湯泥。
浴室の隅に四角いバケツに入って置かれています。でも蓋がしてあるので知らない人は気づかない可能性も。実際、以前立ち寄り入浴をした際に、私の夫はまったく気づかず使いませんでした。なんて勿体ない。
バケツに入った上澄みの下に手を突っ込むと、さらりとした白灰色の湯泥がすくえます。これを身体にぬって3分ほど乾かし洗い流すと、びっくりするほど肌がつるつるになります。だいたいサラサラですが、時々ザラッと砂のような手触りが混ざります。
目に入ると危険なので顔の上半分には使いませんでしたが、鼻や頬、顎にも塗ってみました。浴室に砂時計も置いてあるので3分おとなしく待ちます。

泥が白く乾いてきたところで流すと、つるつるになるだけでなくしっとりと保湿も。また小鼻のざらつきもなくなりました。こちらの湯泥を使うと、この後しばらく他の温泉に入っても温泉の手触りがまったくわからなくなる、そのくらいつるつるになるのです。
この湯泥は源泉を引いたタンクの底に溜まるものを集めてきたもの。いくらでも溜まるというものではないそうで、大切に使いたいと思います。
湯荘 白樺の露天風呂は混浴!?

ひょうたん型の露天風呂は混浴です。といっても、脱衣所が完全に男女別で、お湯はしっかりとしたにごり湯ということで、混浴の中では女性にも比較的入りやすいお風呂です。
加えて18時から21時は女性専用タイムなので、宿泊すれば女性もさらに安心して入ることができます。

混浴露天風呂の周りには七福神が祀られています。入れば七福神のご利益も期待できちゃうかも!
湯荘 白樺の食事は部屋食
湯荘 白樺の夕食朝食はお部屋食で、時間になるとスタッフが運んできて下さいます。

湯荘 白樺の夕食
塩原温泉は高原野菜の栽培でも知られたエリア。そして5~6月に旬を迎えるのが高原のカブなんです。
「湯荘 白樺」ご主人オススメのカブは、夕食の煮物で登場。野菜本来の甘さに出汁がじっくりと染みて口の中でとろけました。

また味噌鍋に入った豚肉も味が濃い!聞くと栃木県のブランド豚・那須郡司豚を使っているそう。

いずれも滋味深い味わいで、温泉の質の良さとあいまって、身体の中からも外からも日ごろの疲れで溜めてしまった毒素が抜けていくように思いました。
湯荘 白樺の朝食

また朝ごはんで一番美味しかったのは温泉卵。実際に塩原新湯温泉の源泉を使って作ったオリジナルの温泉卵です。
硫黄成分で殻が少し黒ずんでいるのも、いかにもという感じです。固さも濃厚さも絶品で、ご飯がいくらでも食べられちゃいます。

翌朝の温泉の話
朝食後にざっと朝風呂に入ろうと思って浴室に行ってみたら清掃中の札が掛かっていました。
諦めきれなくて中を覗いてみると、ちょうど清掃が終わったところでスタッフの方がどうぞお入りくださいと招き入れてくれました。

新しいお湯を入れている所だったので、まだあまり濁っていません。いつもは湯口に枝を指して湯量を絞っているところ、今は枝が外されて勢いよくお湯が出ています。同時にホースから水も足されていましたが、かなり熱そうだったので失礼して温度をチェック。
47度ちょうど。
なんとか入れそう!そう思って掛け湯をして入浴してみました。熱いお湯が苦手な人には難しいと思いますが、私は47度までは入れます。今回はそうとう熱かったのですが、その分湯上りはとてもさっぱりしました。
とびきり鮮度の良いお湯に入らせてくれてありがとうございました!
塩原新湯温泉の共同浴場について
ここで塩原新湯温泉の共同浴場についても紹介したいと思います。
新湯温泉には「中の湯」「寺の湯」「むじなの湯」と共同浴場が3ヶ所あり、入浴料は300円です。が「湯荘 白樺」など新湯温泉の旅館に泊まった人は、滞在中に限り無料。ぜひ入りに行ってみてください。
中の湯
中の湯は男湯と女湯が分かれていて入りやすく、「湯荘 白樺」と同じ源泉を使っています。浴槽の底の方に少し湯泥が溜まっているかもしれません。

寺の湯
寺の湯は混浴です。脱衣棚は入口を入って左右2ヶ所に。浴槽も2つに分かれていますが、浴室自体が1つしかないので女性にはハードルが高いかもしれません。なお源泉は独自源泉です。

むじなの湯
ところで非常に残念なことに、「むじなの湯」は2022年6月現在湯量減少につき休業中です。
以前は湯量の減る冬季のみお休みしていたそうですが、このところ一年を通じてお湯の量が確保できないとのこと。また湯量が増えたらオープンすることもあるようですが、なにぶん自噴する天然の温泉だけに、どうなるかはその時になってみないとわからないそうです。

「湯荘 白樺」に泊まれば、これらの共同浴場に徒歩1~2分で行かれます。
湯泥をお土産に
最後にお土産の紹介です。湯荘 白樺のオススメ土産はなんといってもあの温泉の泥です。館内で浴用湯花として販売しています。
これさえあればおうちに帰ってからも美肌活動が継続できること間違いなし。ただけっこう硫化水素臭がしますので、デートなど大事な日の前日に使うことはオススメしません。

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DATA 湯荘 白樺 所在地:栃木県那須塩原市湯本塩原14 電話番号:0287-32-2565 アクセス:白樺温泉バスターミナルから送迎車約17分(宿泊者は無料送迎あり、前日までに要予約) 公式サイト:湯荘 白樺