東京都心からは電車でわずか1時間、気軽に行ける山として人気の「高尾山」。例年は11月中旬から12月初旬にかけて、山一帯が鮮やかな紅葉に彩られ、多くの人で賑わいます。
ただ、2023年は異常な夏の暑さ、11月だというのに夏日まであるという気候から、全国的に例年より紅葉が遅れました。高尾山も例外ではありません。
多様な登山ルートに加え、中腹までリフトやケーブルカーも運行されているので、本格登山派から気軽に紅葉を見たい人まで、老若男女問わず誰でも楽しめるのが高尾山の魅力。2023年紅葉シーズン直前の見ごろ情報や、八王子在住ライターが、高尾山の紅葉の見ごろ&見所&おすすめ情報をお届けします!
高尾山の紅葉2023年の見頃はいつ?
2023年の高尾山紅葉の見頃:11月下旬~12月中旬
例年の高尾山紅葉の見頃:11月中旬~12月上旬
2023年11月8日の様子
「高尾山ビジターセンター」の情報によると2023年11月8日現在の紅葉の進み具合は以下
・高尾山山頂:もうすぐ見頃
・薬王院周辺(高尾山中腹): もうすぐ見頃
・ケーブルカー沿線: 色づき始め
・清滝駅(麓): 色づき始め
高尾山の紅葉は標高や樹木の種類によって色づくタイミングが異なります。
高尾山山頂にある「高尾山ビジターセンター」のウェブサイトで、最新の紅葉情報が発信されていますので、お出かけのタイミングの参考にしてみてください 。
DATA
高尾山ビジターセンター▶
所在地:八王子市高尾町2176
開館時間:10:00〜16:00
休館日:月曜日(祝日の場合はその翌日)、年末年始
電話番号:042-664-7872
最寄駅:京王高尾線 高尾山口駅
高尾山の紅葉が美しい理由
高尾山の紅葉の美しさの秘密は、自然界の色彩のグラデーション。色づく落葉紅葉樹と、年中色が変わらない常緑広葉樹が混在しています。暖温帯と冷温帯、ちょうど境目に位置する高尾山には、両帯で生育する約1600種もの植物が見られるのだとか。紅葉の季節は、多様性が織りなす景観の見せ場といえるでしょう。
高尾山への混雑状況は?混雑を避けるには?
紅葉の時期の高尾山は、都心部からのアクセスが便利なこともあり、例年混雑しています。特に土日は、駐車場は早朝に満車、午前中はリフトやケーブルカーが1時間待ち、山頂は人だらけ…という状況に。緊急事態宣言が解除になり、新型コロナ感染者数が減少していることから、この11月はかなりの人出が予想されます。
少しでも密を避けるなら、土日なら始発で出発するくらいの早朝、もしくは平日の早い時間がおすすめ。高尾山周辺のホテルやゲストハウスに前泊すれば、誰よりも早く登り始めることができます。タカオネやMt.TAKAO BASE CAMP、VILLA TAKAOSANなど、雰囲気のいいホテルやゲストハウスが増えています。
タカオネの予約はこちら | 楽天トラベル▶/じゃらん▶/agoda▶/Booking▶ |
Mt.TAKAO BASE CAMPの予約はこちら | 楽天トラベル▶/agoda▶/Booking▶ |
VILLA TAKAOSAN | agoda▶/Booking▶ |
高尾山へのお得なアクセス方法は?
片道ワンコインで行ける!お得な京王線
都心部からは、京王線が絶対お得。新宿駅や渋谷駅から高尾山口駅までは片道1時間の旅、乗車料金はなんと430円。ワンコインでおつりがきます。
ちなみにJRで新宿駅から高尾駅まで行き、京王線に乗り継ぐと711円!やはり安さでは京王線の勝ち。
これだけでも相当安いのですが、さらにお得な割引切符もありますよ!
リフト・ケーブルカー付き「高尾山きっぷ」は2割引!
高尾山で往復、もしくは片道でリフト・ケーブルカーを利用する予定なら、京王線の各駅から購入できる「高尾山きっぷ」がおすすめ。トータルの運賃から2割引になります。
リフト・ケーブルカーだけで片道490円、往復950円かかるので、相当お得です。
DATA 高尾山きっぷ(京王線・井の頭線各駅で販売) 料金:2割引(新宿駅・渋谷駅発着の場合、1030円もしくは1390円) 内容:往復乗車券、片道もしくは往復のリフト・ケーブルカー代金 購入方法:京王線・井の頭線の各駅自動券売機(高尾山口駅を除く) 有効期限:発売当日限り 除外日:12月31日〜1月3日
座席指定可能「Mt.TAKAO号」でほぼノンストップ高尾山!
新宿から高尾山口まで優雅に座って行きたい人は、座席指定ができる「Mt.TAKAO号」の事前予約を利用しましょう。
テーブル&WIFI環境&各席にコンセントが付いています。高尾山歩きの情報収集をしながら、ゆったり向かいましょう。土日祝のみ運行で、乗車日7日前の7:00から購入可能。
新宿駅を8:00と9:00に出発し、明大前で停車した後はノンストップ。約50分で高尾山口駅に到着します。
DATA Mt.TAKAO号(新宿駅・明大前駅で販売) 料金:410円(別途乗車券が必要、高尾山きっぷでも可) 購入方法:【web】乗車日7日前の7:00〜 座席選択可能(京王チケットレスサービスの優先予約サービスに登録すれば6:00〜)【自動券売機】当日限り、座席の選択不可 停車駅:【往路】明大前、【復路】高尾・めじろ台・北野・高幡不動・聖蹟桜ヶ丘・分倍河原・府中・明大前 運行日:土日祝
12月は平日限定、超お得な「高尾山ゆったりきっぷ」
12月の平日、晩秋の高尾山を楽しむなら「高尾山ゆったりきっぷ」が断然お得です。
京王線・井の頭線各駅からの往復乗車券、リフト・ケーブルカー往復、高尾山口駅直結の京王高尾山温泉/極楽湯の入館料&タオル&食事がついて、1000円以上もお得になる切符です。
新宿駅・渋谷駅発着を例に、通常料金を計算してみます。どれくらいお得なのでしょうか。
(通常料金)
新宿駅・渋谷駅発乗車券:往復860円
ケーブルカー・リフト:往復950円
高尾山温泉入館料&タオルセット:1350円
お食事:最低1000円
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合計:4160円
高尾山ゆったりきっぷ:3220円
差額は940円。往復乗車券が実質サービスということですね…驚きです。
高尾山トリックアート美術館、高尾山すみかの天狗焼き、高尾山さる園・野草園の割引券もついてきますよ。
DATA 高尾山ゆったりきっぷ(京王線・井の頭線各駅で販売) 料金:新宿駅・渋谷駅発着の場合、3220円 内訳:往復乗車券、往復リフト・ケーブルカー、京王高尾山温泉/極楽湯入館料+タオルセット+食事、各種割引券 購入方法:京王線・井の頭線の各駅自動券売機 有効期限:発売当日限り 販売日:平日限定(除く11月、12月31日〜1月3日、GW、お盆休み)
電車との組み合わせ…車派の裏技
都内からは中央道八王子JCT経由、圏央道高尾山インターから10分弱で高尾山周辺に到着します。こちらもアクセス至便ですが、紅葉シーズンは高尾山周辺の駐車場は早朝から満車になってしまいます。これは困る。
地元的におすすめなのは、京王線で2駅離れた狭間駅周辺のコインパーキング。入庫は8:30以降になりますが、駅近くのイトーヨーカドー八王子店に隣接したタイムズなら、最大料金770円で停められます。
9:30以降の到着なら、収容台数1000台近いイトーヨーカドー八王子店内のタイムズも利用可能です。1000円以上お買い物すれば、5時間無料!これで駐車場問題はクリア!
DATA タイムズイトーヨーカドー八王子店平面第2 所在地:八王子市狭間町1462 台数:165 出入庫可能時間:8:30〜23:30 料金:30分20円、最大料金770円
高尾山の紅葉見どころ
高尾山の紅葉といえど、見る場所により印象が異なり、魅力も異なります。
京王線の車窓から
パッチワークのような紅葉のパノラマを見られるのが、京王線高尾駅〜高尾山口駅の区間。赤く色づくイロハモミジ、オレンジのブナやイヌブナ、そしてスギや常緑樹の緑…高尾山まで自転車で行けるエリアに住んでいる私ですが、この眺めを見るために、わざわざ電車に乗って向かうこともあります。
ケーブルカー・リフトからの紅葉
ケーブルカーやリフトから見る眺望とイロハモミジは必見、往復どちらかはぜひ乗車をおすすめします。
ケーブルカーなら日本一の急勾配(約31度)を体感できます。レトロな車体にはファンも多数。今年は感染症対策のため、ケーブルカーは車両の定員を通常の5割(70名程度)にして運行します。ちょっと待ち時間が長くなるかもしれません。
DATA 高尾登山電鉄 ケーブルカー・リフト 運行時間:ケーブルカー/11月平日8:00〜17:45、土日祝18:00、12月平日8:00〜17:15、土日祝17:30 リフト/10・11月9:00〜16:30、12月9:00〜16:00、土日祝は状況により運転延長 所要時間:ケーブルカー約6分(15分間隔)、リフト約12分 運賃:大人(中学生以上)片道490円 往復950円 、子供(ケーブルカーは小学生、リフトは3歳以上)片道250円 往復470円
道幅の広い1号路のモミジ
麓から中腹までをつなぐ1号路は高尾山のメインストリート。道幅が広いので、混雑時でも安全に移動できます。イロハモミジが多くみられるので、ゆっくり紅葉をみながら登山を楽しめます。途中に眺望スポットの金毘羅台への分岐があるので、ぜひ寄り道を。八王子から都心方面を一望、甲州街道沿いのイチョウ並木も見られます。
霞台からの紅葉
リフト・ケーブルカーが到着する中腹には、霞台という眺望スポットがあります。目下に紅葉のカーペットのような景色が広がり、さらに先には都心部が見られます。隣接する十一丁目茶屋のテラス席では、休憩しながらこの絶景を楽しめます。紅葉シーズンは混雑が予想されますが、座れたらラッキー!焼きだんごや名物のとろろそばをいただきながら、 秋色に染まる景色を堪能してください。
薬王院の紅葉
高尾山の中腹に位置する薬王院の境内も紅葉の名スポット。朱の鳥居や本殿と、色づいたイロハモミジの調和をご堪能ください。平日11:00〜14:00は、薬王院境内の客殿で予約制で精進料理をいただけます(希望日の2日前までに申し込み)。
DATA 高尾山薬王院 客殿お食事会場 電話:042-661-1115 受付時間:9:00〜16:00
高尾山紅葉台のもみじ
高尾山駅から1号路を進み、薬王院を経て山頂へ。おそらく混雑していると思いますので、ここから陣馬山方面に15分ほど歩いた紅葉台に移動しましょう。その名の通り、紅葉に包まれた世界。山頂をゴールにせず、ぜひここまで足を伸ばしてみてください。
唯一の茶屋「細田屋」では、名物のなめこ汁をぜひ味わって帰りましょう。
DATA 細田屋 営業時間:平日10:00〜15:00、土日祝9:30〜16:00 電話番号:042-659-2646
番外編:甲州街道の紅葉&いちょう祭り
時間が許せば、ぜひ高尾〜西八王子間(4km)のいちょう並木も見ていってください。
甲州街道(国道20号)が、約770本のいちょう金色に彩られるシーズンです。2023年は11月18日(土)・11月19日(日)に「八王子いちょう祭り」が開催され、スマートフォンを使ったスタンプラリーや世界の屋台・ご当地グルメの屋台を楽しめます。
混雑する高尾山を前に心折れたら、いちょう並木の散歩に切り替えるのも、大いにありだと思います。甲州街道と並行に流れる南浅川沿いの遊歩道からは、色づいた山々を望めます。
DATA 第44回八王子いちょう祭り 開催期間:11月18日(土) 9:00~16:30、 11月19日(日) 9:00~16:00
11月中旬あたりから、高尾山の紅葉シーズンが始まります。東京都内から1時間というアクセスの便利さなので、かなりの混雑が予想されます。記事を参考に、平日の早朝などを選んだり、お得な切符を活用して楽しい時間を過ごしてくださいね!
今年に入り、高尾山口駅周辺にはおしゃれな宿泊施設や飲食店が増えています。高尾山に登った後は、ぜひ周辺も散策していってくださいね!