バンコク・ドンムアン空港からレッドライン乗り換えは便利?検証してみた

木本 美沙子

2021年8月2日、新都市鉄道レッドラインが開業し、バンコク・ドンムアン国際空港まで、市内から鉄道でアクセスできるようになりました。

レッドライン 電車
2021年8月2日に試運転が始まったレッドライン

バンコク・スワンナプーム国際空港と並び、ドンムアン空港はLCC専用のタイの玄関口。スワンナプーム空港はバンコク市内から都市鉄道「エアポートライン」が利用できますが、ドンムアン空港への移動はタクシーや旅慣れた人はバスが中心でした。

バンコクの渋滞は世界的に有名で、車での移動は、いつ、どこで、どれくらい渋滞にハマるか予測できません。電車でドンムアン空港に行ければ、渋滞の心配はなくなるはず(ちなみに、現在はコロナで外出規制が出されていて、バンコクの道路はガラガラですが、コロナが落ちついて規制がなくなれば、またあの渋滞も戻ってくるでしょう・・・)。

そんな期待はあるものの、本当にドンムアン空港までスムーズ行けるのかでしょうか?早速レッドラインに試乗して、ドンムアン空港までのアクセスを検証してみました!

ドンムアン空港
ドンムアン空港までレッドラインに乗って行ってみました!

都市鉄道SRTレッドラインの概要

レッドラインはタイ国鉄(SRT)が運営する新しい都市鉄道で、2021年8月2日に試運転が始まったばかり。バンコク市内の北部にあるバンスー駅が始発駅となります。レッドラインは、ダークレッドライン(濃い赤)とライトレッドライン(淡い赤)の2路線があり、ドンムアン空港に行くにはダークレッドラインを利用します。

ダークレッドライン・・・バンスー駅から北に延びる線。終着駅はランシット駅

ライトレッドライン・・・バンスー駅から西に延びる線。終着駅はタリンチャン駅

ダークレッドラインのドンムアン空港の最寄り駅は「ドンムアン駅」。バンスー駅からは7駅目です。ちなみに、ダークレッドラインは、現在ランシット駅が終着ですが、将来はアユタヤにまで延伸する計画もあるのだとか。バンコクの鉄道事情もどんどん進化していますよ。

レッドライン
今のところ運行区間は短いがこれから延伸される計画もあり

バンコクの都市鉄道の概要

始発のバンスー駅は、バンコク市内から少し離れた郊外にあります。バンコク市内からは移動する場合、レッドライン以外の鉄道路線を使って乗り継ぎが可能。まずはバンコク市内の鉄道について簡単に説明しておきましょう。

バンコク 都市鉄動 路線図
現在バンコクを走る都市鉄動は全部で9路線

バンコク市内を走る都市鉄道は、2021年10月現在では9路線。路線毎に色分けされているので、色で覚えると便利です。特に旅行者が利用する機会が多いのは、バンコク市内を走る次の3色の路線。まずはこの3つの路線を覚えておけば大丈夫ですよ!

黄緑・・・BTSスクンビットライン

緑・・・BTSシーロムライン

青・・・MRTブルーライン

バンコク ブルーライン
MRTブルーラインは中央の青色の環状線

BTSスクンビットライン(黄緑)とBTSシーロムライン(緑)の特徴

バンコクで初めて出来た都市鉄道でバンコクの最もにぎやかな商業地域を走る高架鉄道です。BTS沿線にはホテルやショッピングモールが多くて便利。中央のBTSサイアム駅でスクンビットラインとシーロムラインの乗り継ぎが出来ます。

BTS サイアム駅
BTSスクンビットラインとBTSシーロムラインの乗り継ぎができるBTSサイアム駅

MRTブルーラインの特徴

バンコク市内を中心にを走る環状線の地下鉄です。バンコク三大寺院や中華街などの近くにも駅があって、観光名所に行くのに便利。

バンコク滞在中の最寄駅がMRTブルーラインの場合は、バンスー駅まで乗り換えなしで行くことができますが、最寄り駅がBTSの場合は、まずBTSからMRTに乗り継ぎが必要です。BTSとMRTの乗り継ぎができる駅はいくつかあります。

MRTブルーライン
ホームに停車するブルーラインの電車

BTSとMRTの乗り継ぎが可能な駅

①BTSスクンビットラインのモーチット駅+MRTブルーラインのチャトゥチャックパーク駅

②BTSスクンビットラインのアソーク駅+MRTブルーラインのスクンビット駅

③BTSシーロムラインのサラデーン駅+MRTブルーラインのシーロム駅

乗り継ぎができるとはいえ、BTSとMRTで駅名が全く違うので、注意してくださいね。

レッドライン試乗レポート

新型コロナウィルス感染拡大の影響で、タイ旅行ができない間に、様々な路線が延長され、聞いたことのない名前の鉄道が走り、より便利になるバンコク。

既存の鉄道や乗り換えの位置関係が分かったところで、いよいよレッドラインの試乗レポートです!

バンスー駅でMRTからレッドラインへ

まずは、バンコク市内からMRTブルーラインのバンスー駅へ。バンスー駅というのは、現在のフアランポーン駅に代わって、2021年11月に正式オープン予定のバンコクの新しい中央ターミナル駅。日本でいえば東京駅のような存在です。但し、フアランポーン駅はバンコク市内の中心部ですが、バンスー駅はバンコク中心部から少し離れた郊外(ウィークエンドマーケットの近くです!)。サイアムやアソークなど、バンコクの中心部からは、BTSやMRTに乗って30分くらいかかります。

バンスー駅 改札
バンスー駅のダークレッドライン改札

MRTバンスー駅に到着すると、MRTブルーラインの改札を出て、タイ国鉄SRTバンスー駅まで、連絡通路をひたすら歩いて移動します。出来たばかりの真新しい駅の構内は、まるで空港のように巨大なので、徒歩で5分以上かかりました。

順路案内がちゃんとあるので、迷わずSRTレッドラインの乗り場に到着。すると目の前にレッドラインの(なぜかタイ語しかない)案内板を発見。ランシット方面に行くダークレッドライン(3&4番線)と、タリンチャン方面に行くライトレッドライン(9&10番線)は、ホームが全く別方向なので、ここで間違えると大変!ドンムアン空港に行くには、ダークレッドラインに行きましょう!

案内板 レッドライン
レッドラインのホーム案内板はタイ語のみだったので要注意!

電車は30分に1本しか発車しない

開通直後のレッドラインは、2021年8月〜10月まで試運転期間中だったため、チケットは買わず、無料で乗車することができました。2021年11月からは有料になりますが、料金は数十バーツ程度となる予定だそうです。

ホームには真新しい赤い電車が停まっていましたが、回送電車だったので、電車が来るのを待つことに。時刻表を確認すると、なんと30分に1本しか発車しないことが判明。仕方なく電車が来るまで20分ほど、エアコンも椅子も自動販売機もないホームで電車を待ちました。

レッドライン 電車
ホームに停車中の真新しい電車

レッドラインの運行スケジュールは、通勤時間帯の朝夕は1時間に4本ですが、昼間は30分に1本のみ。タイミングが悪く電車が発車したばかりだと、さらに30分待つことになってしまいます。電車の出発時間に合わせて、事前にバンスー駅への到着時間を逆算して移動した方がよさそう。ちなみに、バンスー駅の出発時間は、9時発、9時30分発、10時発・・・と覚えやすいですが、もっと本数増やしてほしいというのが正直な感想です。

レッドライン 時刻表
ホームの時刻表を確認すると30分に1本しかない

真新しい電車に乗ってドンムアン駅へ

いよいよホームに電車が入ってきました。電車に乗り込むと出発予定時刻から3分遅れで出発。真新しい電車で快適です。

レッドライン 車内
レッドラインの電車は新しくてどこもピカピカ

もともと空港利用者用の電車ではないため、スーツケースの置き場などはなく、代わりに車椅子の乗客用のスペースがありました。

ドンムアン駅はバンスー駅から7つ目の駅です。各駅停車で、各駅の走行時間は2〜3分程度。バンスー駅で電車に乗ってから15分ほどでドンムアン駅に到着です。ホームからは飛行機が停まっているドンムアン空港の滑走路が見える絶景に迎えられます。

ドンムアン空港
ドンムアン駅のホームから見えるドンムアン空港の滑走路

連絡通路でドンムアン空港国内線ターミナルへ

ドンムアン駅でホームから改札へ。エスカレーターが完備されていて、スーツケースを持っていても快適そうです。

ドンムアン空港 連絡通路
ドンムアン駅から空港につながる長い連絡通路

改札を出ると、ドンムアン空港に直結する長い連絡通路が新しく出来ていました。長い長い連絡通路を歩いていくと、ドンムアン空港の国際専用ターミナル2の2階から空港に到着。通路はずっと平坦で、動く歩道もあるのに、なぜかターミナルに入る直前に、旅行者泣かせの階段が!ここにもスロープがあれば完璧だったのに!

レッドライン 連絡通路
歩く歩道の先に見えるのは旅行者泣かせの階段

空港ターミナル内の通路は、フードコートやセブンイレブンの前を通って、エスカレーターやエレベータのある地点に到着。バンコク市内からの所要時間は約1時間。おつかれ様でした!

ドンムアン空港 ターミナル2
駅からの連絡通路は空港ターミナル2(国内線)の2階につながっていた

ドンムアン空港の2021年10月現在の様子はこの記事をご覧ください

BTSからMRTへの乗り継ぎ

レッドラインのバンスー駅が、サイアムエリアやアソークエリアなど、旅行者が思う中心部からは離れているため、中心部のホテルから移動するためには乗り換えが必要です。

筆者は今回のレッドラインでのドンムアン空港行き検証は、BTSスクンビットラインを利用してバンスー駅まで行きました。行きは上述①のBTSモーチット駅で、帰りは②のBTSアソーク駅で、MRTとBTSを乗り継いでみました。

BTSとMRTは別会社のため、乗り継ぎの際は一旦改札を出て、長い連絡通路を移動し、チケットを購入してから再度改札に入ることになります。

特に大きなスーツケースを持って空港に移動する場合は、エレスカレータやエレベータの有無も心配ですよね。2つの駅を比べた結果はいかに?

MRT 連絡通路
電車の乗り換えではかなりの距離を歩かなければならない

①BTSモーチット駅

エスカレーターは上り専用で、エレベータも建設中。さらには、MRTチャトゥチャックパーク駅の入口は階段があるという残念な構造になっていることが判明。スーツケースを持っての乗り継ぎは止めた方がいいでしょう。

BTSモーチット駅
BTSモーチット駅はエレベータがなく階段で降りる
MRTチャトゥチャックパーク
MRTチャトゥチャックパークの入口にも旅行者泣かせの階段

②BTSアソーク駅では、MRTスクンビット駅との乗り継ぎで、上りも下りもエスカレーターがあって、非常に快適だということが判明。もしBTSスクンビットラインからMRTに乗り継ぐ場合は、BTSアソーク駅が断然おすすめですよ。

BTSアソーク駅
BTSアソーク駅とMRTスクンビット駅の乗り換えはエスカレータ完備で快適
BTSアソーク駅
BTSとMRTの乗り換えはBTSアソーク駅(MRTスクンビット駅)一択でしょう

結論:レッドラインは、渋滞知らずだが体力勝負!

それでは検証結果をまとめてみましょう。今回はバンコク市内からBTSとMRTを乗り継いでバンスー駅に行き、レッドラインでドンムアン空港に行ってみました。バンコク市内からタクシーで行った場合と比較して、メリットとデメリットをまとめてみました。

レッドラインのメリット

・渋滞を心配しなくてもよい
・料金が安い(BTS/MRTも含めてバンコク市内からは約100バーツ)

レッドラインのデメリット

・それぞれの駅での乗り継ぎでかなり歩く(乗り継ぎ時間だけで15〜20分要)
・乗り継ぎ時間を含めると意外に時間がかかる(バンコク市内からは約1時間)
・レッドラインの本数が少ない(昼間は30分に1本のみ)
・深夜便など、電車が運行していない時間帯(0:00〜6:00)には利用できない

思ったより両手をあげて「快適ー!」ということでなさそうです。では従来使っていたタクシーはどうでしょう?

タクシーのメリット

・ホテルから空港まで直行するので楽で快適
・渋滞がなければバンコク市内からは約30分

タクシーのデメリット

・渋滞にはまると到着時間が読めなくなる(時間帯によっては1時間以上)
・料金が高い(バンコク市内からは高速料金を含め約300〜400バーツ)

うーん、どちらも一長一短ではあります。

例えば、大きな荷物がなくて、朝夕の通勤時間帯などにドンムアン空港に行くなら、レッドラインの方がよさそうです。でも、大きなスーツケースがあったり、早朝の出発便など車の少ない時間であれば、タクシーの方が楽ですよね。後はバンコク市内の渋滞の状況や出発地点など、総合的に判断してみてくださいね。

バンコク 渋滞なし
コロナで渋滞がなくなったバンコクならタクシーでもいいんですけどね!

木本 美沙子