日本の奇祭・宮古島パーントゥに遭遇!日程非公開だけに激レア!

東郷 カオル

トラベルライター

宮古島の島尻には「パーントゥ」という、開催日程が公表されない伝統行事が存在しています。日本の奇祭として知られるお祭りですが、実は、宮古島に目的もなくのんびりしに行った時に、たまたまこの「パーントゥ」に遭遇。「パーントゥ」が何なのかを知らずに行った旅人が見た、不思議なお祭りの一部始終をご紹介します。

宮古島の奇祭パーントゥ

10月初旬の宮古島旅行

特に何をする予定もない10月の平和な宮古島旅行。観光客も少なく、台風にさえ遭遇しなければ、のんびりと過ごせる良い気候です。

宮古島にはもう何度も来ているので、観光は一通り済ませていて、今回は現地で友人に会って、海を見てダラダラと過ごそうと考えていました。いわゆるチル旅ってやつです。

レンタカーを借りる時に違和感あり

ところが、この時の宮古島旅行では、いつも利用しているレンタカーショップで不思議なことを言われたんです。

宮古島ドライブ

「車、汚さないでくださいね」と。「えっ?なんでそんなこと言われるんだろう?いつもきれいに返してるし、そんなこと言われたこともなかったのに…」と内心驚き。「万が一、シートに泥とかついたら、弁償してもらうかもしれませんので、泥、くれぐれも気を付けてください」と念押し。事情を知らない私は、不思議に思いつつも、友人との待ち合わせに向かったのでした。

地元の友人に「そういえば今日…」と情報を得る

地元の友人と合流し、久しぶりの会話を楽しみ、そろそろホテルにチェックインする時間ということで解散。別れ際に友人が、「そういえばパーントゥ、今日みたいよ」と。「え?ぱーん???」

友人によると「襲われるかもしれない」、「臭い」、「泥だらけになる」とのこと。じゅうぶん気を付けて行くように言われたので、「一緒に行こうよ」と誘ったのですが、見事にお断りされました(笑)

友人から聞いたパーントゥのイメージがコレ。仮面を被っていて、泥だらけで、頭に草の蔓のようなものが付いている3体の来訪神

パーントゥのイメージイラスト
パーントゥのイメージ…

パーントゥとは

簡単に説明すると、パーントゥとは、仮面で顔を隠し、泥の付いた草をまとった異形の神が、集落内を巡り歩いて厄払いをするもので、「来訪神仮面・仮装の神々」の一つとしてユネスコ無形文化遺産にも記載されている由緒正しき宮古島の伝統行事。私が行った島尻では、毎年陰暦9月上旬の吉日に行われています。

詳しくは筆者が遭遇したここからの様子で、写真と共にご覧ください。

ホテルに「パーントゥ」に行ってもいいか確認

友人から「気を付けて」と言われていたので、どのような状態になるのか予想ができない。ラグジュアリーなホテルに泊まっていたので、念のためホテルの人に聞いてみた。「パーントゥに行くけれど、私がどうなっても受け入れてくれます?」と。

ホテルの人は、「もちろんでございます、お客様!」と引き攣った笑顔で送り出してくれました。よかった。これで安心。

いざ、パーントゥへ

憂いがなくなったところで、パーントゥへ!こんなレアな機会もそうそうない。おっかな楽しみ♪

パーントゥ周辺の警備
え?何これ?事故?と思いきや、まさかのパーントゥ渋滞。ん?警察?

宮古島では2つの集落でパーントゥが伝わっているらしいのだけど、今回訪れたのは島尻のパーントゥ。レンタカーで向かうものの、途中渋滞に遭遇し、近づけない。

「困ったな…、この先の島尻地区に行きたいだけなんだけどな…」と思っていたのですが、実はこれがパーントゥの渋滞だったのです…。左車線は既に路駐だらけなんですが、よく見ると、右車線なんて歩道に駐車してますよね、コレ。

仕方ないので私も路駐。でも上手に停めないと、後で抜け出せなさそうな感じ。ちょっと遠いところに停めて、歩いて目的地へ。

島尻パーントゥ購買店に到着

車を停めて徒歩で島尻パーントゥ購買店へ。この辺りが中心ぽい、多分。

島尻購買部
島尻パーントゥ購買店(旧:島尻購買店)。パーントゥグッズも販売されている。
DATA
島尻パーントゥ購買店
住所:沖縄県宮古島市平良字島尻553
時間:7:00~20:00、日曜定休
公式FB:島尻パーントゥ購買店

人だかりができている場所へ近づいてみると…

なんだか人だかりができている場所が!もしや…と思って近づいてみると、真っ黒な姿の物体を遠巻きに眺めている人たちが。

実はこの真っ黒な物体がパーントゥ。なぜかみんな近づかない。

パーントゥを遠巻きに見守る人々
真っ黒な人を遠巻きに見る人々

そんな中で、パーントゥを待っているかのように見える親子が…?

ん?何か語らってる?

そしてまた別の場所では…

こちらも親子連れ。共通するのは、親は冷静だけど、最終的には子どもがギャン泣きするところ。

パーントゥは、集落内を歩いて厄払いをしてくれる有難いものなのですが、その厄払いの方法が少々特徴的。新築の家に上がりこんで泥だらけにしたり、子どもに泥をつけたりして、厄払いをしてくれるらしいんです。

パーントゥは3体いて、全身に蔓草(シイノキカズラ)を巻きつけ、「ンマリガー」(産まれ泉)の底に沈殿した臭い泥をまとっています。この泥、臭いが数日とれないらしい…。頭の上の蔓のようなものは、マータというすすきを結んだもの。パーントゥの伝統行事は、数百年前に浜に仮面が流れ着き、村民がこれを来訪神として崇敬したところから始まったようです。

まぁ、私は子どもじゃないから泥を付けられることはないとは思うけど、念のため、前で動画を撮っている人の影に隠れて撮影(笑)

と、その直後!!

ええっー!!嘘でしょ?子どもじゃないのに?しかもそんなに容赦なしなの!?

泥を塗った後、立ち去るパーントゥ
もはやモザイク必要なし

あっ!逃げたww
ちょっと、見てはいけないものを見てしまったような感アリ(笑)

友人が「気を付けて」と言った理由がよくわかりました。私は泥だらけになるのは避けたいところですが、地元の人々にとっては有難い厄除けですよね。特に子どもにとっては無事に成長するために必要な儀式かも…。

ちょっとこれは危険?私が泥だらけになったらホテルが困る!そろそろ帰ろう!

そして、レンタカーを停めた場所に戻るまでに、泥だらけになった警察官や、泥を塗りたくられた車など、様々な惨事有難い光景を見かけました。レンタカーショップが恐れていた理由に納得。万が一私が泥だらけになったら、車内が泥まみれ&取れない臭いがついてしまう(笑)

パーントゥの日程が公表されなくなった理由について考えよう

パーントゥは数年前から日程が公表されなくなったらしい。その理由は、遊び感覚で見物に行った観光客がワンピースに泥を付けられてクレームをつけたり、男性がパーントゥに暴行したりという事件が起こったのが原因とか。営利目的のテーマパークのパレードじゃないんだから…。集落の伝統行事にお邪魔しているということを理解して参加したいものですね。

ちなみに2020年はコロナの影響で開催されなかった模様。2021年はどうなることでしょうか。もし10月上旬に宮古島に旅する予定の人は、現地でパーントゥの開催について聞いてみることをおすすめします。泥だらけになることを覚悟の上、万が一の場合はレンタカーショップやホテルに迷惑がかからないように配慮して楽しんでください。

東郷 カオル

トラベルライター