山形県・小野川温泉は小野小町ゆかりの湯!冬はかまくら村も

ライター 泉よしか

泉 よしか

女子目線温泉ライター

山形県の小野川温泉は米沢八湯にも数えられ、平安時代の美人歌人・小野小町伝説が伝わる温泉地。13軒の旅館と2軒の共同浴場があり、スマホのアプリを使っての湯巡りも楽しめます。

そんな小野川温泉に、冬になると雪のかまくらが並ぶ「かまくら村」が登場!ただし2024年は雪不足のため、開催が延期されています。伝統野菜の豆もやしも、この時期ならではのお楽しみです。

小野川温泉ってどんなところ?

小野川温泉街
小野川温泉街

日本の歴史上でもっとも有名な美女といえば、平安時代の歌人・小野小町でしょう。この小町さんが京都から出羽国(秋田県)に住む父を訪ねる長旅の途中に倒れ、峰のお薬師様のお告げから温泉を発見したと言われているのが、こちらの小野川温泉なのです。

すなわちここは絶世の美女が発見した温泉ということ。これはもしや、入浴すれば自分も美人になれるのでは?なんて考えちゃいますよね。少なくとも入る前より美肌にはなれるような気がします。

小野川温泉と手ぬぐい
冬に嬉しい、よく温まる小野川温泉のお湯

なお、小野川温泉の泉質は含硫黄―ナトリウム・カルシウム―塩化物温泉。硫黄成分を含むお湯なので、殺菌作用が高く硫化水素臭、いわゆる硫黄臭と呼ばれるようなにおいも楽しめます。また保温保湿効果に優れる塩化物泉なので、寒い時期にはぴったりだと思います。

冬の小野川温泉街を散策して共同浴場を楽しむ

小野川温泉には「尼湯」と「滝の湯」という2ヶ所の共同浴場があります。温泉街を散策しつつ、どちらか一ヵ所に立ち寄ってみてはいかがでしょう。

昔ながらの風情が楽しめる共同浴場「尼湯」

共同浴場「尼湯」
共同浴場「尼湯」

「尼湯」は温泉街の坂を上った正面に建っているので、すぐにわかります。入浴料は200円。入口の券売機で入浴券を購入し、自分の使う脱衣棚の入浴券入れに見えるように入れて入浴します。なお入浴券は山川屋商店でも購入できます。

「尼湯」前の峰の薬師には飲泉所も
「尼湯」前の峰の薬師には飲泉所も
DATA
小野川温泉 共同浴場 尼湯
所在地:山形県米沢市小野川町2472-2
営業時間:7:00~21:00
入浴料:200円

シャワーやロッカーのある共同浴場「滝の湯」

「滝の湯」は温泉街の入口近くにあり、「尼湯」ほど目立つ場所ではありませんが、シャワーやコインロッカーがあるため旅行者にも使いやすい共同浴場です。こちらは入浴料250円。入口に券売機があるのは同じです。丸田屋、龍華食堂、岩瀬商店でも入浴券を購入できます。

共同浴場「滝の湯」
共同浴場「滝の湯」

実は小野川温泉には協組4号源泉と協組5号源泉という2本の源泉があり、「尼湯」は4号源泉のみ(加水あり)、「滝の湯」は4号源泉と5号源泉の混合泉を使用しています。入り比べてみるのも楽しいかもしれません。

DATA
小野川温泉 共同浴場 滝の湯
所在地:山形県米沢市小野川町2501
営業時間:6:00~20:30
定休日:不定休
入浴料:250円
公式サイト:小野川温泉 共同浴場 滝の湯

小野川温泉のおすすめ旅館を紹介

小野川温泉には全部で13軒の旅館があり、その多くでは日帰り入浴も可能です。また小野川温泉の旅館に宿泊した人限定で使える「スマホで湯めぐり」を利用すれば、1,200円で3軒のお宿のお風呂に入浴できちゃってオトクです。

ここからは宿泊にも日帰りにもオススメの旅館を2軒ご紹介しましょう!

こだわりの湯遣いを実感「うめや旅館」

うめや旅館の外観
画像提供:うめや旅館

「尼湯」に向かって温泉街を進むと、右手に見える全11室の旅館。いつも明るい女将さんが出迎えてくれます。

こちらの温泉の特徴は4号源泉のみを用い、かつ非加水ですべての湯船に注いでいること。これを行っているのは小野川温泉の旅館で唯一ここだけです。

うめや旅館の浴室
うめや旅館の浴室

4号源泉と5号源泉も泉質は似ていますが、4号源泉の方が成分が大変濃く、温度も高い。具体的には78.8度とそのままでは入浴できないほど4号源泉は高温なので、水、または温度の低い5号源泉を混ぜて調節する必要があり、ほとんどのお宿や共同浴場ではそのようにして温度を適温に調節しています。

しかし「うめや旅館」だけは違います。熱交換という手間のかかる方法で、混ぜることなく薄めることなく4号源泉の良さを引き出すことにこだわっています。

お風呂はいたってシンプルですが、そのぶんお湯の良さが際立ちます。

うめや旅館の館内

「うめや旅館」のお湯は入浴以外にも使われています。熱交換では、熱い温泉の熱を冷たい水などに移動させるわけですが、この方法を使って温泉の温度を下げるとともに、館内をエコロジーに温めてくれます。

冬の「うめや旅館」の館内が、ストーブやエアコンを使わなくてもほんのりと暖かいのは温泉のおかげなんです。

またプランによっては夕食に米沢牛のしゃぶしゃぶが食べられますが、こちらをしゃぶしゃぶするお湯も温泉を使っています。

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DATA
うめや旅館
所在地:山形県米沢市小野川町2494
公式サイト:うめや旅館

冬はこたつでほっこり「名湯の宿 吾妻荘」

名湯の宿 吾妻荘の外観
名湯の宿 吾妻荘の外観

温泉街をさらに進んで、「尼湯」の左側の道を通ると見つかるのが「名湯の宿 吾妻荘」。小道を挟んで「尼湯」の斜め後方に位置しています。

この「吾妻荘」の冬のお楽しみといえば、コタツ!お部屋にコタツが置かれるので、冬の宿泊でもぬくぬくです。

吾妻荘客室のコタツ
吾妻荘客室のコタツ

「吾妻荘」のお風呂は熱すぎる4号源泉にぬるめの5号源泉を入れて、ちょうど入りやすい温度に調節されています。窓から見える雪景色も楽しんでくださいね。

吾妻荘の浴室
吾妻荘の浴室

また「吾妻荘」はペットと一緒に泊まれる温泉旅館でもありますが、お宿でもあずきちゃんとめかぶちゃんという猫を飼っています。もしかしたらロビーで会えるかもしれません。

吾妻荘の猫
猫ちゃんに会えるかも
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DATA
名湯の宿 吾妻荘
所在地:米沢市小野川町2471
公式サイト:名湯の宿 吾妻荘

雪が降ると登場!小野川温泉かまくら村

画像は2023年のかまくら村
画像は2023年のかまくら村

さて、そんな小野川温泉の冬の名物といえば「かまくら村」!

かまくらとは雪をくりぬいて作る家のこと。小野川温泉では降雪シーズン限定ですが、その「かまくら」が並ぶ「かまくら村」が登場するのです。とても楽しいですよ!

しかもそのかまくらでラーメンを注文すると、出前してくれるというのです。

かまくら村で出前を注文すると、かまくら村体験証明書が貰える
かまくら村で出前を注文すると、かまくら村体験証明書が貰える

ちなみに「かまくら村」が登場するのは例年1月後半から2月いっぱいぐらいですが、もちろん天然の雪を使って作るので、年によって時期は多少ずれます。

特に2024年は暖冬で雪があまり降らなかったこともあり、例年より「かまくら村」の設置時期が遅れることが予想されています(暖かい日が続く場合、2024年のかまくら村は中止になる可能性もあります)。

小野川温泉の冬の味覚!「小野川豆もやし」をお土産に

「かまくら村」の他にも、もう一つ小野川温泉の冬の名物があります。それは12月頃から3月頃までの寒い時期にしか手に入らない「小野川豆もやし」。温泉の熱を利用して栽培されるものなので、まさに小野川温泉だからこそ作ることができる特別な伝統野菜といえます。300年以上もの歴史があるんですよ。

小野川豆もやしをお土産に
小野川豆もやしをお土産に

私は2023年に「かまくら村」に出前してもらった「豆もやしラーメン」で、「小野川豆もやし」を初めて食べましたが、とってもシャキシャキしていて、今まで知っていたもやしのイメージを覆す歯ごたえと美味しさにびっくり。思わず翌日、お土産に購入してしまいました。それも朝一番の入荷を待っての購入!

自宅で豆もやしを食べれば、きっとまた冬の小野川温泉に行きたくなってしまうでしょう!

DATA
小野川温泉
所在地:米沢市小野川町
公式サイト:小野川温泉
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泉 よしか

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