北陸新幹線開通で注目!JR福井駅の観光スポットや楽しみ方は?

ライター 塚本隆司

塚本隆司

日本観光士会認定観光士

北陸新幹線の延伸で注目の福井県。その中心となる駅といえば、やはり「福井駅」ではないでしょうか。福井県における商業の中心地であるとともに、観光の拠点でもあります。
JR福井駅周辺は恐竜モニュメントや商業施設が充実。歩いて行ける範囲に歴史スポットが多く、少し足を伸ばせば恐竜博物館や永平寺など見どころがたくさんあります。
福井旅行が楽しくなるおすすめスポットを紹介しましょう。

福井市観光交流センター屋上モニュメント

福井県の中心地「JR福井駅」周辺

2024年3月16日に金沢駅〜敦賀駅まで延伸する北陸新幹線。福井駅へは東京駅から乗り換えなしで最短で2時間51分で到着できるようになります。これまで関西からの観光客が大半を占めていた街が、どのように変化していくのか楽しみです。
北陸新幹線開通に向けて福井県内は、賑やかさを増しています。ここでは、JR福井駅前の新しい施設や歴史ある観光スポットを簡単に紹介しましょう。

駅前恐竜広場のモニュメント

駅前広場のモニュメント

福井といえば恐竜王国。恐竜化石が多く発見され、国内外からも注目されています。
その福井駅で何かと目を引くのが西口駅前の恐竜広場にあるモニュメント。動きもすれば咆哮を上げるという、初めて見る人が驚く仕掛けがあります。福井に来たなら「とりあえず写真を撮っておこう!」という定番スポットです。
2024年、北陸新幹線開通に合わせて新しく1体が追加され、まさに恐竜王国福井の玄関口です。

DATA
福井駅西口(恐竜広場)
所在地:福井県福井市中央1丁目
営業時間:見学自由、ニュメント稼働時間 9時~21時 ※9時から30分ごとに特別演出(約3分間)
定休日:なし
料金:無料
アクセス:JR福井駅からすぐ
公式サイト:福井県公式観光サイトふくいドットコム 福井駅西口広場(恐竜広場)

福井市観光交流センター

福井市観光交流センター屋上

2024年3月2日に福井駅前に全体オープンしたのが「福井市観光交流センター」。特に屋上広場がおすすめ。楽しいスポットになっています。えちぜん鉄道の電車もバッチリ見えます。

福井市観光交流センター屋上モニュメント

ベンチには可愛い恐竜のモニュメント。
このままでも楽しいのですが、ネームプレートのとなりにあるQRコードをスマートフォンで読み取るとカメラの画面にAR(拡張現実)によって親恐竜が登場する仕組みになっています。

恐竜モニュメントは、大小合わせ7種類9体あり、楽しみ方もいろいろ。

福井市観光交流センター屋上モニュメント

デートでの撮影スポットにもなるモニュメントも。

福井市観光交流センター屋上モニュメント

ハートの下には、かわいい赤ちゃん恐竜。

福井市観光交流センター屋上モニュメント

「恐竜王国ふくい」のモニュメントも人気の撮影スポット。

福井市観光交流センター屋上モニュメント

よく見ると、越前ガニが。さすがに恐竜とカニの街です。

観光交流センターの2階には、人気のベビーカステラ専門店のカフェがあり、テイクアウトして屋上で楽しむのもあり。子どもたちを遊ばすのにもぴったりな場所です。

DATA
福井市観光交流センター
所在地:福井県福井市手寄1丁目1番1号
営業時間:6時〜23時
定休日:なし
料金:無料
アクセス:JR福井駅からすぐ
公式サイト:福井市観光交流センター

ハピリンモール

ハピリンモール外観

JR福井駅から徒歩1分のところにある商業施設「ハピリンモール」は、お土産の購入や食事をするのにぴったりのスポットです。
1階の屋根付き広場ではイベントが頻繁に開かれ、5階にはプラネタリウム(写真の右側の球体部分)もあって雨天や雪などで予定を変更せざるを得なくなっても楽しめそうです。

福井市観光物産館「福福館」

お土産を買うなら2階にある福井市観光物産館「福福館」。福井のお土産なら、なんでもそろいそうなくらい品数があります。
同じフロアに他のお土産店もあり、福井の伝統工芸品がズラリならぶので、展示会でもやっているのかと思うくらいの迫力です。

福井市観光物産館「福福茶屋」

飲食スペースは1階に、カフェや居酒屋、蕎麦店、ラーメン店、コンビニなど。2階の福井市観光物産館内にある「福福茶屋」は平日の昼時でも行列です。福井の味を集めた「お幸(こう)ざいバイキング」をはじめ、越前蕎麦や海鮮丼などの福井名物で楽しませてくれます。

スタイリッシュに再整備されている駅周辺。北陸新幹線開通の2024年3月16日には、福井駅新商業施設「くるふ福井駅」がオープンし、さらに賑やかになりそうです。

DATA
ハピリン
所在地:福井県福井市手寄1丁目2番1号
営業時間:
ウェルカムセンター(福井市観光案内所) 8時30分~19時
福福館(福井市観光物産館) 10時~22時
セーレンプラネット(福井市自然史博物館分館)平日・日曜・祝9時30分~17時30分、土・祝前日9時30分~20時
定休日:
ウェルカムセンター(福井市観光案内所) 無休
福福館(福井市観光物産館) 無休
セーレンプラネット(福井市自然史博物館分館) 火曜日・第2水曜日(祝日の場合翌日休)・年末年始
アクセス:JR福井駅から徒歩1分
公式サイト:ハピリン公式ホームページ

JR福井駅から歩いて行ける観光スポット

JR福井駅周辺は、歴史ある城下町。見どころがたくさんあります。いくつか紹介しましょう。

福井城址

福井城址
右手奥に御廊下橋が見える

福井城址へは、JR福井駅から徒歩5分。立派な堀に囲まれた石垣や復元された山里口御門や御廊下橋などを見ることができます。
福井城や城下町を築いたのは、徳川家康の次男であり越前松平家の祖・結城秀康。1606年(慶長11)から約270年間にわたり越前松平家が城主を務めました。残念ながら天守は失われ、今は県庁舎などが建っていますが、城跡の遺構は無料で自由に見学ができます。朝の散歩などにも最適です。

DATA
福井城址
所在地:福井県福井市大手3丁目17−1
営業時間:見学自由 
定休日:なし
料金:無料
アクセス:JR福井駅から徒歩約5分
公式サイト:福井県公式観光サイトふくいドットコム 福井城址

名勝「養浩館庭園」

名勝「養浩館庭園」

越前松平家の威光を今に伝えているのが名勝「養浩館(ようこうかん)庭園」。福井藩主松平家の別邸で、江戸時代には御泉水屋敷(おせんすいやしき)と呼ばれていました。養浩館と名付けたのは、幕末から明治に活躍した松平春嶽ですが、今でも旧御泉水屋敷と呼ばれることの方が多いようです。

名勝「養浩館庭園」

池を中心に数寄屋造りの屋敷と園路が設けられた回遊式林泉庭園で、戦時中の空襲で建物や樹木は焼失してしまいましたが、発掘された遺構の上に直接建設する手法で復元されています。
現在の庭園面積は約9,537平方メートル。当時に比べ若干小さくなっていますが、屋敷から庭を眺める際の視線の高さまで復元されているとても魅力的な庭園です。

名勝「養浩館庭園」
奥に蒸し風呂がある御湯殿

建物内には、御湯殿や御座ノ間、御月見ノ間などが再現され、庭の美しさとあわせ、海外からの評価も高い観光スポットになっています。
期間限定ですが、春と秋にはお茶席が開かれるイベントもあり、早朝に庭のみですが無料開放される時期があるなど、訪れる前には公式サイトをチェックするのがオススメです。

DATA
名勝「養浩館庭園」(旧御泉水屋敷)
所在地:福井県福井市宝永3丁目11−36
開園時間:9時〜19時(3月1日〜11月5日)、9時〜17時(11月6日〜2月末日)、入園は閉園30分前まで
休園日:年末年始(12月28日〜1月4日)
入園料:15歳以上220円
アクセス:JR福井駅から徒歩約10分
公式サイト:名勝 養浩館庭園

柴田神社

柴田神社

歴史好き、特に戦国史が好きならばオススメしたいスポットが「柴田神社」。戦国武将・柴田勝家と織田信長の妹・お市を祀る神社です。

柴田神社
中央が本殿、左側に北の庄城址資料館、右側に柴田勝家公の像

ここに北庄城がありました。羽柴秀吉に攻められ落城した後、福井城を築城する際に多くの遺構が失われてしまいましたが、わずかに石垣と堀が残っており、境内でみることができます。詳しくは隣接する「北の庄城址資料館」で、パネルなどで解説されています。

柴田神社境内

柴田神社の御祭神は柴田勝家公、御配祀神はお市の方と殉難武士とあるように、落城後から石祠を建て祭祀を行ってきたのが始まりです。
境内にはお市の方の3人の娘(茶々・初・江)を祀る「三姉妹神社」もあり、夫婦・きょうだい・家族の絆を御神徳とする「絆の宮」として大切にされています。

柴田神社境内
お市さんの社でモテ祈願

特に紹介したいのが、お市の方にあやかった「美(モテ)祈願」。異性はもちろん、友人や家族の他、同僚など仕事でもモテモテを願って祈願してみてはいかがでしょうか。

柴田神社 御守り

個性あふれるお守りが豊富で、御朱印・御城印ももちろんいただけます(御朱印:浄書500円、奉書600円、北庄城御城印1,000円)。

瓶割りせんべい
「瓶割りせんべい」(1,000円)

お土産には、柴田勝家公が城中の水瓶を割り味方の士気を鼓舞した「瓶割柴田」の故事にちなんだ「瓶割りせんべい」(1,000円)。瓶型のせんべいを割るための「鉾」が付いた煎餅です。他にはない趣向のお土産になること間違いありません。
授与所で購入できます。

DATA
柴田神社
所在地:福井県福井市中央1丁目21-17
参拝時間:見学自由(授与所開所時間は9時〜17時)
アクセス:JR福井駅から徒歩約3分
公式サイト:絆の宮 柴田神社
 
北の庄城址資料館
営業時間:9時〜17時
定休日:なし
入館料:無料
アクセス:JR福井駅から徒歩約3分

JR福井駅や福井城址周辺には、「福井市立郷土歴史博物館」や「佐佳枝廼社(さかえのやしろ)」などがあり、半日ほどかけてゆっくり散策するのもオススメです。
歩くのが苦手な人には、電動アシスト自転車シェアリングサービス「ふくチャリ」(30分110円)があります。

JR福井駅からちょっと足を伸ばして楽しもう

JR福井駅から少し足を伸ばしても楽しむべき代表的な観光スポットを紹介しましょう。

福井県立恐竜博物館

福井駅前でこれほど恐竜を見せられると行きたくて仕方なくなるのが「福井県立恐竜博物館」。こちらについては別記事で紹介していますので参照ください。

DATA
福井県立恐竜博物館
所在地:福井県勝山市村岡町寺尾51-11かつやま恐竜の森内
開館時間:9時から17時(入館は16時30分まで) *予約制、当日券は空き状況次第
休館日:第2・4水曜日(祝日の時はその翌日、夏休み期間は無休)、年末年始(12月31日と1月1日)、展示替えや施設の点検のため臨時休館あり(公式サイトで確認)
常設展観覧料:一般1,000円、高校・大学生800円、小中学生500円、70歳以上500円、未就学児無料
アクセス:(車)福井北JCTから約30分、(公共交通機関)えちぜん鉄道勝山永平寺線「勝山駅」からバスで15分(タクシー10分)

大本山永平寺

大本山永平寺
杓底一残水(しゃくていのいちざんすい)の文字

こちらも、福井県を代表するスポット。1244(寛元2)年に、道元禅師によって開かれた禅の修行道場。曹洞宗の大本山であり、今でも多くの修行僧が日々修行に励んでいます。
境内に入るところに「杓底一残水 汲流千億人」と書かれた石柱があります。意味は「どんなに水が豊かにあったとしても一滴の水も粗末に扱わない、その一滴を川に戻せば下流で水を使う人、またその先の子孫の為になる」という教えです。

大本山永平寺 境内

境内に一歩踏み入れば、背筋が伸びるような空気感。広い境内に70余りある殿堂楼閣に威風堂々と立つ杉木立。見るもの全てに圧倒されるような深山幽谷の地です。

大本山永平寺 傘松閣(さんしょうかく)

見どころは、160畳もの大広間「傘松閣(さんしょうかく)」。144名の日本画家による230枚もの天井絵があることから「絵天井の間」として知られています。

大本山永平寺 法堂
法堂

そして「七堂伽藍(しちどうがらん)」と呼ばれる七つの建物(山門、仏殿、法堂、僧堂、大庫院、浴司、東司)。それぞれ屋根付きの階段と廊下で結ばれ、その配置は人体のありように例えられます。
近年、禅は「ZEN」として海外から注目されていることもあり、訪日観光客の姿も多く見かけられます。日帰り参禅体験(坐禅)や一泊二日参禅体験もあります。門前町のにぎわいと合わせて楽しみたいスポットです。

DATA
大本山永平寺
所在地:福井県吉田郡永平寺町志比5-15
拝観時間:8時30分〜16時30分(16時までに来寺)
拝観料:大人500円、小中学生200円
アクセス:中部縦貫自動車道「永平寺参道IC」から車で約10分、JR福井駅から直行バスが毎日運行(約30分)
公式サイト:大本山永平寺

ESHIKOTO

2022年6月に誕生した新しいグルメスポットを紹介しましょう。

ESHIKOTO(えしこと)

福井の銘酒「黒龍」で知られる老舗蔵・黒龍酒造の親会社である石田屋二左衛門の複合施設「ESHIKOTO(えしこと)」。こちら、酒をはじめとする北陸の食や文化を発信する施設なので、20歳以上でなければ入店できません。

ESHIKOTO(えしこと) 外観
手前が「酒樂棟」、奥に「臥龍棟」

「臥龍棟(がりゅうとう)」(熟成庫)と黒龍酒造の直営店「石田屋ESHIKOTO店」とレストラン「acoya」が入る「酒樂棟(しゅらくとう)」があります。

石田屋ESHIKOTO店店内
「石田屋ESHIKOTO店」店内、床には笏谷石(しゃくだにいし)

「石田屋ESHIKOTO店」では、ここでしか販売されていない数量限定日本酒「永(とこしえ)」シリーズやスパークリング日本酒「ESHIKOTO AWA」、梅酒など、テイスティングとショッピングが楽しめます。

石田屋ESHIKOTO店店内

店内の装飾には、福井の伝統的工芸品「越前箪笥」や「越前和紙」などが使われ、地元作家による酒器の展示販売もあり、福井の文化を感じられる特別な場所で、特別なお酒がいただけるスポットになっています。

レストラン「acoya」アペロ店内
レストラン「acoya」店内

レストラン「acoya」は、禅と食と酒をテーマにしたレストランです。パティスリーとアペロ(食前酒・アペリティフの略称でおつまみと一緒に軽くお酒を飲むスタイル)があります。

アペロでは、朝膳(モーニング、完全予約制)と昼膳(ランチ)を永平寺の禅の教えを取り入れた、オリジナルのフランス料理で提供されます。

レストラン「acoya」昼膳
「越前産鮮魚の包み焼き」(3,000円)

この日の昼膳(ランチ)は「越前産鮮魚の包み焼き」(3,000円)。パンかごはんを選べ、サラダとスープ、小鉢、本日のお茶がつきます。からだ想いの内容に、心も体も元気になれそうです。

レストラン「acoya」日本酒テイスティング
3種テイスティング(1,800円〜)

合わせて日本酒の3種テイスティング(1,800円〜)。景色を楽しみながらワイングラスで味わう日本酒は、すがすがしい心持ちがします。

レストラン「acoya」
黒龍大吟醸ソフトクリーム(600円)

パティスリーでは、黒龍酒造蔵元のお酒をテーマにしたここでしか味わうことのできない特別なケーキや焼き菓子があります。イートインでは、パフェやデザートも。黒龍大吟醸ソフトクリーム(600円)と聞けば、食べずにはいられませんでした。ほのかな糀の香りと上質でなめらかなクリーム。上品な味わいにうっとりです。

九頭竜川と田園風景を眺めながらの食事や日本酒のテイスティング。大人だけの世界を満喫できます。今後は、宿泊施設などの計画が進められており、これからが楽しみのスポットです。

DATA
ESHIKOTO
所在地:福井県永平寺町下浄法寺12-17
営業時間:10時〜17時(入店は20歳以上)モーニングやランチなどの各営業時間等は季節により変動
定休日:水曜、第1・3・5火曜(不定休あり)
アクセス:JR福井駅からタクシーで約25分、 JR福井駅からえちぜん鉄道で約25分「永平寺口」駅下車タクシーで約5分
公式サイト:ESHIKOTO

北陸新幹線開通で大注目の福井旅

2024年3月16日に金沢駅〜敦賀駅まで延伸開通する北陸新幹線。東京駅から福井駅まで最短で2時間51分、乗り換えなしで行けます。
北陸新幹線開通に合わせたリニューアルや開業も多く、お土産やグルメでもお祝いムード。関西からの観光客が中心だった福井観光が大きく変わりそうです。関西からの旅行も、話題豊富な福井観光は注目です。

※本記事は「福井県 関西メディアを通じた北陸新幹線開業PR」のプレスツアーに参加し、現地での体験を記事にしたものです。

ライター 塚本隆司

塚本隆司

日本観光士会認定観光士