2024年の大河ドラマ「光る君へ」がスタートし、紫式部や源氏物語ファンの中には、新たにもっと知りたいと思っている人も多いのでは?
そんな大河ドラマにどっぷりはまっちゃったファン必見の場所が、紫式部ゆかりの地といわれている滋賀県大津市です。
中でも石山寺は源氏物語を起筆したという伝説もあるほど紫式部を知る上で重要な場所。そんな石山寺の境内に「大河ドラマ館」「恋するもののあはれ展」の2つが同時オープン。限定のお土産やかわいくおいしいカフェスイーツ情報も満載でお届けします。
千年の時を超える 紫式部ゆかりの石山寺
2024年はなんといっても大河ドラマ「光る君へ」の主人公まひろ(紫式部)がアツイ!日本最古の長編小説「源氏物語」を国語や日本史の授業で習ったことがない!なんて人はいないはず?
平安時代に観音信仰が広まると、京の都からほど近い石山寺へお参りする「石山詣」が貴族の間で流行り、多くの女流文学者も参拝しました。その中の一人が紫式部です。
紫式部が参籠中に「源氏物語」を起筆したという伝説があることから本堂の一角に執筆部屋といわれている「源氏の間」があります。
通常は紫式部の人形が座っているのですが、この日はお色直しのため不在。3月末ころには戻る予定です。
石山寺境内には紫式部供養塔もあります。その横には松尾芭蕉の句碑が。
ただ、この句は紫式部と関係あるかないかは本人のみぞ知るといったところだそう。
石山寺境内は広く、日頃の運動不足解消にうってつけというくらい歩く場所があります。巨大な硅灰石(けいかいせき)の岩盤の上に建立されているため、いたるところで巨石を目にします。
このダイナミックな石を昔の人は「霊石」と崇めたのも納得の造化。パワースポットの1つでもあるので、エネルギーをしっかりいただきましょう。
DATA
石山寺
所在地:滋賀県大津市石山寺1-1-1
電話番号:077-537-0013
時間:8時~16時30分
入山料:600円
ホームページ:大本山 石山寺
十二単無料着付け体験
石山寺の源氏の間は入れないですが、十二単を着て、さながら紫式部体験ができるのが大津市歴史博物館です。なんと、十二単無料着付け体験&源氏の間のレプリカがあるんです。
気分は紫式部。十二単がすでに重ねてあるので、着付けはたったの30秒!すぐに撮影できます。扇子といった小道具はありますが、カツラはないのでショートカットの人はロングのカツラを準備して、紫式部になりきってください。
そのほか、ゲーム感覚で「源氏物語」の世界にふれるデジタルコンテンツなど遊びながら紫式部と源氏物語を楽しめるのがポイント。
DATA
大津市歴史博物館
所在地:滋賀県大津市御陵町2-2
電話番号:077-521-2100
時間:9時~17時
着付け体験は無料ですが、紫式部源氏物語関連の展示は料金必要
一般:330円 高大生240円 小中生160円
ホームページ:大津市歴史博物館
大河ドラマ館限定のコンテンツが面白い
2024年1月29日~2025年1月31日までの1年間、「光る君へ びわ湖大津 大河ドラマ館」が開催されます。
紫式部と同じように石山寺に参拝した後で見れば、大河ドラマの世界観にいざなわれること間違いなし。ここでしか見ることができないキャストコメントや映像は必見。
入ってすぐにまひろ(紫式部)役の吉高由里子さんの大判パネルと流れるような美しい書体の「光る君へ」の文字がお出迎え。
そして、出迎えてくれるのは第4話「五郎の舞姫」で実際に着用した裳と唐衣。存在感たっぷりで展示されています。
白地に菱型の下り藤染めの美しさにうっとり。
次は「光る君へ」の入門編。脚本担当の大石静さんのドラマに込めた思い、音楽担当の冬野ユミさんがテーマにしたことなどが語られています。平安の世のはかなさのようなものを感じるオープニング曲の聞き方が変わるはず。
今回のドラマは藤原が多く、混乱している方も多いのでは?このパネル展示でおさらいすればさらにドラマが面白くなるに違いありません。
そのほか、ドラマの脚本や実際にまひろが書き写した和歌集などの小道具も展示。さらに面白いのが番組の考証担当による平安文化の解説。
実際に行って平安時代のあれこれの解説パネルを読めば、ドラマの衣装に詳しくなりますよ。
4Kシアターではメイキング映像も!大河ドラマファンであればたまらないコンテンツ満載です。
DATA
光る君へ びわ湖大津 大河ドラマ館(石山寺境内 明王院)
時間:9時~17時(最終入場:16時30分)
主催:大津市大河ドラマ「光る君へ」活用推進協議会
ホームページ:大河ドラマ館
平安時代の「恋」を体感!?源氏物語 恋するもののあはれ館
大河ドラマ館に隣接する趣ある日本家屋「世尊院」では、平安時代の「恋」を体感できる「源氏物語 恋するもののあはれ展」が開催されています。
もののあはれとは、一言では言い表せない、しみじみとした趣深い感情を表す言葉です。といっても何の展示かわかりませんよね。ここは平安時代と現代の時空を旅するような企画展なんです。
入ってすぐに出迎えてくれるのは紫式部らしき女性が筆をとり、現代の女性がスマホ片手に何かを思っているイラスト。
この企画展では千年の時を超えて、源氏物語の恋を現代的な解釈で人気のイラストレーターと音楽アーティストのコラボで見せる今までになかった源氏物語が体験できるんです。
たとえば、六条御息所が光源氏を思って書いた和歌では、実際の和歌の横に現代語訳があり、イラストの下には和歌を凝縮したメッセージが書かれている作り。
あなたが来てくれないことを嘆きすぎて、わたしの魂はあなたのところに来てしまった
↓
大好き。大好き、だいすきだよ、こっち見てよ
といった具合。
うまい!座布団一枚!といってしまいたくなるほどのドンピシャなメッセージ。
切なくも甘い和歌を盛り立ててくれるのはオリジナル楽曲の「恋するもののあはれ」。軽快な音楽の中に寂しさや苦しさ、時に楽しさが入るメロディーは耳に心地よく、まさに時空を旅するようなそんな気分にさせてくれます。
平安時代の恋を想起させる、色・香・花の展示も見逃せません。
オンラインはなみくじは、スマホでモニターのQRコードを読み取り、好きな花を選ぶ仕組み。源氏物語の登場人物にゆかりのある7種類の花があり、おみくじ画像がもらえます。
香りの世界でも源氏物語の登場人物をイメージした香りが楽しめます。光源氏、朧月夜、夕顔、若紫、空蝉の5種類のうち、3種類をランダムに設置。どれも優雅な香りで、当時の宮中の様子をほんのひととき垣間見れるそんな感じがします。
高貴な香りをかいでいると、自分もそれなりの人になったような気分になっちゃうかも!?
平安時代の色の世界では、源氏物語の登場人物をイメージした色カードが持ち帰れます。
出口付近には、花の寺と呼ばれている石山寺にぴったりの花のディスプレイも。源氏物語の世界観にまさに花を添えてくれます。
DATA
源氏物語 恋するもののあはれ展(石山寺境内 世尊院)
時間:9時~17時(最終入場:16時30分)
料金:600円(2つの展示が見られます)
ホームページ:源氏物語 恋するもののあはれ展
紫式部や源氏物語に関連したお土産が盛りだくさん
企画展の開催にあわせて紫式部や源氏物語をイメージして開発されたお土産ショップもオープン。
お寺といえば御朱印帳。紫を基調とした美しい色合いと柄が特徴です。
紫式部をイメージした和菓子も紫。食べるのがもったいないほどの可憐さです。
そのほか、この有名な紫式部の絵をモチーフにしたしおりや屏風、トートバッグなど盛りだくさん。3Dペーパーパズルといった変わり種も。
見てるだけでもたのしいラインナップです。
DATA 石山寺物産館 紫-MURASAKI-(石山寺境内 拾翠園) 時間:9時~17時
参拝後はスイーツ専門複合施設「石山テラス」でほっこりと
石山寺の参道にあるおしゃれな建物。なんとスイーツ専門の複合施設なんです。たくさん歩いた後には甘いものですよね。期待を裏切らないスイーツが目白押し!
1階はプリンやパン屋などのショップ、2階は1階のショップとコラボしたメニューが食べられます。窓から日差しがたっぷり入る開放的な雰囲気は休憩するのにぴったり。
一押しは芋スイーツ専門店「芋屋十三」のお芋のモンブラン。搾りたてモンブランはくちどけふわっふわ。
スポンジ生地とチーズ味のアイスクリームの上に特製の濃厚お芋ペーストをふわっとたっぷりとかけてくれます。
力をいれずともスプーンがすっと入り、ふわっふわなのがわかります。
食べると意外とボリューム満点。冷たいアイスとふわっふわのモンブランの相性抜群です。
石山寺プリン本舗のなめらかプリンもおススメ。生クリームをたっぷり使ったプリンはその名のとおりとってもなめらか。
コーヒーやチョコレートといったフレーバープリンもあります。店頭ではプリン屋さんがこだわって作ったプリンソフトクリームもあります。
DATA
石山テラス
所在地:滋賀県大津市石山寺3-1-7
時間:11時~18時
ホームページ:石山テラス
京都から気軽にアクセスできる石山寺
滋賀県というとちょっと遠いのかなと思う人も多いのでは?JR京都駅から石山寺の最寄りのJR石山駅までは新快速でたったの13分。石山駅からは京阪バスで10分乗車すると石山寺の入り口で降りられます。
京都から楽に行くことができますが、せっかく滋賀県にきたのなら琵琶湖を見ないと始まらない!
大津駅周辺に琵琶湖をのぞむホテルもいくつかあるので、宿泊して琵琶湖の朝散歩なんてどうでしょう。そこで一句生まれちゃうかもしれませんよ。