世界遺産登録を審査するユネスコ世界遺産委員会は7月26日、日本政府が世界自然遺産に推薦していた「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の登録を正式に決定しました!
日本国内の世界自然遺産を含む世界遺産はこれで24か所となり、世界遺産登録数ランキングで12位だったところ、10位のイランと並びベスト10内にランクインしたことになります。
しかし、7月27日に「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界遺産登録になり、25か所に!
まだまだ2021年の世界遺産委員会は開催中(7月31日まで)のため、ほかの国の世界遺産がどれだけ登録されるかわかりませんが、小さな国土の中にこれだけの世界遺産を有する国は世界でも稀少!
世界遺産保有国ベスト10内ランクインを守れるか否かも注目です!
2021年5月には自然遺産登録が妥当と勧告
あれ?このニュース、もっと前にどこかで聞いたような?と思った方も多いのではないでしょうか?
2021年5月、ユネスコの諮問機関「国際自然保護連合(IUCN)」は、日本政府から世界自然遺産として推薦を受けている奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島の自然遺産登録について、4島の生物多様性を評価。世界でも貴重な希少種・固有種の保全に大変重要な地域として「登録が適当」と勧告し、ニュースになっています。その際、ほぼ決定ということもあり、一度盛り上がったという経緯がありますね。
世界遺産委員会は、従来通り国際自然保護連合の勧告をそのまま認める形で、世界遺産リストへの登録を認めると決議をしました。世界自然遺産登録は、日本では5か所目、2011年6月24日の小笠原諸島の登録から約10年ぶり!
登録区域は広い!
今回の世界自然遺産登録区域の総面積は4万2698ヘクタールと広大。
沖縄島北部7721ヘクタール
西表島2万822ヘクタール
奄美大島1万1640ヘクタール
徳之島2515ヘクタール
気軽に世界遺産を訪ねて、というには、壮大な冒険になってしまうため、一度に訪ねるには時間が自由に使える方向けの旅となってしまいそうですが、エリアを分けて少しずつ制覇していくのも楽しそう。まだまだコロナ禍ということもありネイチャーツーリズムには良い旅先となりそうですが、素晴らしき世界に誇れる大自然への旅。できるだけ時期をずらし、密は避け、本来の自然が体感できる旅にしたいですね。
狭い地域に絶滅危惧種や固有種が生息
この4島の魅力は、手つかずの自然の中で多くの稀少な生物が生息していること。
よく聞く生物としては国の特別天然記念物であるヤンバルクイナ(沖縄本島北部)、イリオモテヤマネコ(西表島)、アマミノクロウサギ(奄美大島・徳之島)から、ほかにも多数のこの地にしか生息しない、この地で独自に進化を遂げた生物が生息しているのです。
山奥に踏み入らないと会えない天然記念物もいれば、ごく普通に旅行で遭遇してしまう場合もあります。例えば、沖縄旅行で本島の北部までドライブすると、こんな表示に遭遇した人も多いはず。天然記念物のヤンバルクイナが車にはねられてしまう事故が多発しているのです。
沖縄だけではなく西表島ではイリオモテヤマネコとも衝突の危機が!文明の利器、車が島をビュンビュン走ることで、特別天然記念物が命の危機にさらされるのは、とても切ない。観光で訪れたらレンタカーに乗って移動する方も多いことでしょう。
世界遺産に登録されたからといって安易に観光地化されるのではなく、絶滅危惧種を保護し、保護する自然を守りながらの観光への誘導が計画される必要がありそう。
世界遺産委員会は2021年7月31日まで開催
本来1年に1度、各国政府から推薦された世界遺産を登録する世界遺産委員会遺産委は7月16日から31日まで開催。通常であれば、毎年開催国で行われるものの、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、2021年はリモートでの開催となりました。
また、2020年は中国で行われる予定でしたが、同じく新型コロナウィルス感染拡大の影響で中止に。
2021年は2年分の世界遺産の登録決定をしていくという、世界中から最も多くの世界遺産が登録されるかもしれない、注目の年になっています。
ちなみに日本の自然遺産に関しては政府が推薦したものは今のところ「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」が最後。また「北海道・北東北の縄文遺跡群」も登録されたことで2020~2021の日本の世界遺産は2か所登録。
沖縄は未だ緊急事態宣言の中にいて、押し寄せる観光客を心から喜んで迎え入れられる状況ではないかもしれませんが、緊急事態宣言が開けたら。最新自然遺産の中で癒しの休日を過ごしたいものですね!
同じく世界自然遺産に登録されている小笠原諸島の旅行も注目です!