広島⇔尾道を移動するなら、山陽本線を利用するのがセオリー。でも、これは地元住民に限ったことで、観光客はこれに乗っちゃダメ!観光客はぜひ呉線で遠回りをして、ここにしかない特別な旅時間を楽しみましょう。風光明媚な呉線で是非おすすめしたいのが、観光列車「エトセトラ(etSETOra)」の旅。車窓から見えるせとうちの美しい海と島々に、しばし癒されてください。
美しい呉線の沿線をご紹介
「エトセトラ(etSETOra)」は、広島と尾道の間を運行する観光列車。呉線を走るのですが、ここから見える景色がとても素晴らしく、乗る度に脳内で「あ~あー、日本のどこかに~」という歌声が流れ、旅情を掻き立てられます。
「エトセトラ(etSETOra)」は、広島と尾道の間をずっと乗る必要はなく、一部の区間だけでも楽しめるので、気になる駅で下車しての観光も可能です。ということで、「エトセトラ(etSETOra)」が走る呉線沿線をザクっと紹介していきたいと思います。
「大和」のふるさと、呉
呉は、大きな潜水艦がある「てつのくじら館(海上自衛隊呉資料館)」や、「大和ミュージアム」がある駅です。
「てつのくじら館」では、海上自衛隊の歴史や潜水艦について学ぶことができます。また、呉は、戦艦「大和」を建造した東洋一の軍港でした。「大和ミュージアム」には、「大和」の10分の1の模型が置かれているのですが、その大きさに驚かされることでしょう。
面白いのが「大和ミュージアム」のホームページ。見学所要時間の目安が書かれているのですが、注意書きに「館内の見学時間は、ご関心の程度によって大きく異なります」とあります。これ、本当にその通り!興味のない人は比較的すんなりと見学が終了しますが、興味のある人にとっては、この「大和ミュージアム」は時間を忘れて夢中になる空間なんです。
ホームページには2時間コースや3時間コースが載っていて、「そんなに時間かかる?」と思われるかもしれませんが、私は実際2時間くらいかかりました。電車の時間がある人は、期限を切って見学することをおすすめします。
DATA 大和ミュージアム 住所:広島県呉市宝町5−20 電話:0823-25-3017 料金:一般500円、高校生300円、小中学生200円 時間:9:00〜18:00(展示室入館は17:30まで) 休館:火曜日(火曜日が祝日の場合は翌日休館) web:大和ミュージアム
歴史ある竹原の町
竹原は江戸時代に製塩地として栄え、「安芸の小京都」と呼ばました。その町並みは国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されています。ニッカウヰスキーの創業者の竹鶴政孝の生家で、NHK連続テレビ小説「マッサン」では「亀山酒造」として登場した竹鶴酒造もあり、ロケ地巡りの人々で賑わった時期も。というか、私もその一人です(笑)
その後、JALのCM「幸せのハート」編の撮影で嵐の5人が竹原を訪れたことから、ファンの聖地巡礼の旅先としても人気に。嵐ファンの人は、竹原で、5人が見つけた景色を探してみてくださいね。
DATA たけはら町並み保存地区 住所:広島県竹原市本町3丁目11−7 電話:0846-22-1473 web:ひろしま竹原観光ナビ
忠海からうさぎの島へ
忠海駅で降りれば、大久野島(うさぎの島)へ行くこともできますよ。忠海駅からフェリーの出る忠海港までは徒歩3分。忠海港からフェリーで15分でうさぎの天国、大久野島です。
大久野島では、野生のうさぎと触れ合うことができます。フェリーで人が降りてきたのが見えると、走って駆け寄ってくるうさぎもいて、めちゃくちゃ可愛くて癒されます!野生ですが、エサをくれる人間が大好き。エサは忠海港でも販売されていますが、スーパーなどでニンジンやキャベツなどを購入しておくのがおすすめ。新鮮なお野菜を持っている人は、うさぎから人気が高いのです。
いくらうさぎが可愛くても、無理に抱き上げたりしないように気を付けてくださいね。大久野島を訪れる前には、事前に下記の忠海港のwebでうさぎとの触れ合い方について学んでおきましょう。
DATA 大久野島 住所:広島県竹原市忠海町 アクセス:忠海港(忠海駅から徒歩3分)からフェリーで15分 web:うさぎの島への玄関口 忠海港
大久野島を訪れるなら、2020年9月から運航を開始した「SEA SPICA」という観光船を利用するのもおすすめ。広島港や、JR三原駅からすぐの三原港から乗船でき、島々を巡りながら観光を楽しむ優雅な船です。大久野島で自由時間がありますので、うさぎと触れ合うのにぴったりです。
DATA SEA SPICA 乗り場:広島港、プリンスホテル前、呉港、瀬戸田港、三原港 電話:082-253-5501 web:瀬戸内しまたびライン
三原名物タコ料理
三原はタコの産地。駅周辺には、タコ料理を提供するお店が何軒もあり、タコ飯やタコ天など、タコグルメが豊富。
写真は和食料理・仕出し料理のお店「登喜将」で提供されている「たこお手軽コース(3,200円)」のたこの釜飯。このコースでは、たこのやわらか煮・活たこ刺身・たこピリ辛鍋・たこ天など、たこ尽くしが味わえます。
また、三原駅で買えるタコの駅弁も楽しみのひとつ。タコにちなんで八角容器に煮タコ、煮エビ、錦糸玉子や筍、椎茸の旨煮が盛付けられた「元祖珍辨たこめし」も人気です。
DATA 登喜将 住所:広島県三原市城町3丁目2−7 電話:0848-62-7393 時間:11:30~13:30、17:00~22:00 定休:毎週水曜日・火曜日 web:登喜将
呉線の旅は観光列車エトセトラ(etSETOra)で
さて、ここまでで呉線の魅力をご紹介してきましたが、2020年10月にお目見えした呉線を走る観光列車「エトセトラ(etSETOra)」について詳しく見ていきましょう。
「エトセトラ(etSETOra)」の外装は、海の「青」と海岸線から見える波の「白」をイメージした、シックなデザイン。車両は2両編成で、1号車と2号車で異なる内装が楽しめます。
1号車は宮島の落ち着いた秋の雰囲気を表現した暖かみのあるテイスト。2号車は山々の新緑を表現した爽やか系です。
レイアウトもそれぞれ異なりますので、予約の際には座席表を確認してじっくりと選びましょう。
復路の車内にはバーカウンターがあり、「オイスターダークエール」や、瀬戸内らしい柑橘薫る爽やかなジントニック「SETOUCHI BLOSSOM」など、この地ならではのドリンクが楽しめます。
また、事前に予約しておくと、特別なスイーツも入手可能。これ、事前予約ということを知らずに、車内で他の人が受け取っているのを見るとかなりショックなので(笑)、必ず事前に予約しておきましょう。往路と復路でそれぞれ2種類、合計4種類のスイーツBOXが用意されています。
ドリンクやスイーツばかり紹介しましたが、「エトセトラ(etSETOra)」では景色が何よりのご馳走!景色の良い場所では、徐行して走ってくれるので、シャッターチャンスを逃さないようにしてくださいね。
DATA etSETOra 運行区間:広島-尾道間 運行日程:月・金・土日祝(最新の情報は公式webをご確認ください) 運賃・料金:片道、おとな2,520円、こども1,760円(広島駅~尾道駅) 予約開始:乗車日の1か月前の10:00から web:JRおでかけネット 観光列車の旅時間 せとうち広島デスティネーションキャンペーン アフターキャンペーン
観光列車「エトセトラ(etSETOra)」の活用方法
広島から尾道はフルで「エトセトラ(etSETOra)」に乗って楽しむのもアリですが、呉や安芸津、竹原、忠海、三原でも停車しますので、一部だけを「エトセトラ(etSETOra)」に乗って、気になる駅で下車して観光するという方法もあります。
また、広島港から三原港までは観光船「SEA SPICA」で海上からの観光を楽しみ、三原港で降りて徒歩で三原駅に移動、そこから呉線を走る観光列車「etSETOra」に乗車するというゴールデンコースもおすすめ。
例えば、広島港を8:30出航の「SEA SPICA」に乗ると、三原港には13:15に到着します。三原でランチを食べて、三原駅を14:54に出発する観光列車「etSETOra」に乗れば、ゴールデンコースの出来上がり!
まだ登場してから1年しか経っていない「etSETOra」と「SEA SPICA」。上手に活用して、ぜひ新しいせとうちの旅を楽しんでみてくださいね。