熊本城復興・天守閣リニューアルで観光もできる!最新改修レポート

もこすこ

お絵描きライター

熊本地震(2016年・平成28)発生後の報道の中で、屋根瓦が崩れ落ち、白い煙が立ち上る熊本城。正直、言葉も出ないほどショックだったのを今でも鮮明におぼえています。

それから5年の年月を経て、ついに2021年春に天守閣全体の復旧工事が完了!ちょうど地元熊本に帰省中だった筆者は、熊本城へ足を運んでみることに。リニューアルされた城内部の見どころ、目で見て感じた復旧工事の様子をお伝えします。

晴天の日の熊本城
晴天の日は一層写真映えする熊本城!

今さら聞けない!熊本城はどんなお城?

リポートの前に!皆さんはどのくらい熊本城についてご存知でしょうか?城内を見て回る前に、熊本城についてサクッとおさらいします。

加藤清正が手がけた熊本城とその歴史

加藤清正 イラスト もこすこ作
熊本城最強伝説①:築城の神、加藤清正がプロデュースした城

時を遡ること400年ちょっと前。1599(慶長4)年、熊本城は戦国武将の加藤清正によって築城が開始されました。そう、当時は安土桃山時代!!!正確には安土桃山と江戸をまたぐ時期になりますが、それにしてもそんなに長い歴史があるとは。
加藤清正は築城の名手とも言われ、熊本城の他に江戸城や名古屋城などの建設にも携わっています。幼い頃から豊臣秀吉に仕えていた加藤清正。そこで一流の築城術を学んでいたのでしょうね。

そんな一流の建築技を駆使して設計された熊本城ですが、城そのものが文字通り“形変わらず”残っているというわけではなく。歴史的に見ると2016年の地震にとどまらず、これまで幾多の天災や戦いを乗り越えてきているのです。

西南戦争を乗り越えた「難攻不落の城」

熊本城 西郷隆盛と薩摩軍 イラスト もこすこ作
熊本城最強伝説②:かの薩摩軍でさえ大苦戦!

中でも、熊本城は西南戦争の最後の舞台となったことでも有名です。
明治政府率いる約4,000名の新政府軍vs旧薩摩藩藩士である西郷隆盛率いる約14,000名の薩摩軍の熾烈な戦い!圧倒的不利な人数の差、敵は「THE 精強」の薩摩軍。ちなみに熊本城は新政府軍。ただの負け戦じゃん!と怖気付いてしまうのも無理ないです。

よりによって西南戦争の前年には陣風連の乱という士族反乱も起きていたため、物理的にも兵士のメンタル的にも城の攻防戦はかなりキツい状況だったそう。そんな最悪の状況に見舞われる中、司令官たちは作戦会議の末、籠城戦へと持ち込みます・・・

が!
死闘が繰り広げられた結果、薩摩軍は城へ一歩も入れず。城門まで漕ぎつけたものの、城郭内へは進入は難しかったのです。政府の征討軍が来て、薩摩軍による包囲がようやく解き放たれたのは約2ヵ月後。それまでの間、熊本城は見事耐えしのぎ、新政府軍を勝利へと導くに至りました。「難攻不落」を天下に響かせた出来事であることは言うまでもありませんね。

熊本城は熊本県民の誇り

熊本市内から見る熊本城
熊本市内の繁華街から見える熊本城天守閣

過去に何度も崩れては再生を繰り返してきた難攻不落の熊本城。今では県の観光スポット、日本3大名城のひとつとして親しまれています。

これまでの歴史から見ても“必ず戻って来る”熊本城の存在は本当に特別で、人々の心の拠り所でもあります。
熊本地震の後、熊本城は地元で「復興のシンボル」と称され、街から見える天守閣の復旧工事の様子は少なからず市民に希望と活力を与えてくれていました。
筆者自身もそのパワーの恩恵を受けた一人。今回の帰省で震災前と変わらず美しくよみがえった天守閣を久しぶりに見て、思わず「おかえり〜〜〜」とかけたくなるほど嬉しくなりました!

「おかえりー!天守閣!」

個人的には>>>難攻不落(ドドン!!!)<<<の肩書きはもちろんのこと、熊本城といえば白黒のスタイリッシュな見た目もまたカッコイイんですよね。無駄がなく洗練された外観は、現代の新しい熊本の街並みにも自然と溶け込みんでいるように見えます。

やっぱり熊本城あってこその熊本!昔ながらの城下町なんだなあと思う今日この頃です。

熊本出身ライターが今の熊本城をリポート

熊本城の前にあるひごまるのフォトスポット
熊本城といえば!こちらの(くまモンの目を避けて頑張っている)ひごまるくんもお忘れなく

以上、熊本城が長らく県民から愛され、信頼を置かれる存在であることがお伝えできたかと。
ここからが本題です!リニューアルされた熊本城の見どころや、復旧の様子など、現在の熊本城についてレポートします。

熊本地震での城の被害と工事の現状

崩壊した石垣
天守閣は戻ったけれど・・・

熊本地震の影響で城内の国指定重要文化財建造物13棟、再建・復元建造物20棟、石垣などが甚大な被害を受け、現在も城の完全復旧に向けて工事中です。

今回、開放されたエリアのメインである大天守最上階も、熊本地震で建物全体の壁や床のコンクリートにひび割れが生じたり、床の沈下や石垣の崩落が見られました。その一方、天守閣内部の破損に比べて外面のダメージは少なかったそう。

崩壊した石垣の上に佇む櫓
ギリギリのところで形を保っている櫓。角の石垣は残っているものの、ほぼ中は崩れてしまっています

また、石垣の崩壊箇所のほとんどが城を構築した当初の石垣ではない点も興味深いとところ。詳しい要因は不明ですが、築城当初の石垣と一度修繕が行われた石垣の境目の被害が目立っていたことがわかっています。

もしも加藤清正が一流の築城の知識がないままに城を建てていたら(悲しい妄想話)…熊本地震よりもずっと前に熊本城は跡形もなく消えていたかもしれないし、もはや熊本ではなく、この地は鹿児島県の一部になっていたかも。

入園券を購入し、城内へ

熊本城入園チケットを持つ手
熊本城への入園券をゲット

まず、熊本城の天守閣へ行くには入園券が必要になります。城の各所(二の丸券売所、わくわく座券売所、南口券売所、北口券売所)で販売されているので、城到着後に近くの券売所から購入してください。

入園券を買う際、コロナ感染拡大防止のために代表者の連絡先登録を行っていました。入園調査票、もしくは、接触確認アプリ「COCOA」のいずれかひとつ登録することになります。
筆者自身はアプリ登録を選び、3分くらいで手続きが済みました!

熊本城入園後に出会ったキャストさんたち
マスクに手を当てるなんてやらしいですよう(大褒め)!素敵なポージングのキャストさんたち

城へ入る手前、素敵な美男美女のキャストさんたちを発見し慌てて撮影。コロナの影響で写真撮影時もマスクは着用必須ですが、黒マスクのちょいワル感はありですね。

震災で崩壊した石垣

二の丸駐車場から城までの道のりでも、地震の被害で石垣が崩れている箇所がいくつもありました。後で城のスタッフに尋ねたところ、石に割り振られた番号の順に石垣をひとつずつもとに戻すのだそう。

熊本城復興 観光はできる?
いざ城郭内へ入ってみると・・・

石垣そのものが文化財なので、とにかく傷つけないように修復する意味でも、時間の要す作業だということがわかります。

崩壊した石垣のそばに佇むショップ
未だ生々しい被災の跡が城の各所に見られます

ところで、石に番号があるとはいえ本来の石垣の姿に戻せるの?と不思議に思いますよね。

今回の熊本城の再構築にあたっては、3D測量という最新技術を駆使しています。ざっくりと説明するなら、石垣をレーザーで計測し、デジタルデータとして解析するイメージです。これによって、もとの石垣がどのような積み方だったのか推測したり、石材の特徴まで記録することも可能なのだとか!
既に姫路城や名古屋城などでも、3D測量を利用した石垣データの解析は採用されていて、今後の災害対策として注目されている技術です。

熊本城といえば「武者返し」

熊本城復興 観光はできる?
熊本県民なら一度は登ってみようかなと挑戦した武者返し

二の丸駐車場から入ると、最初に城の裏側にたどり着きます。熊本城の天守は裏、表、右、左のどの面も、同じような形の屋根に見えるのが特徴的。

そして、写真からもわかるようにぐに〜っと反った石垣「武者返し」が有名です。武者返しは忍者でさえも登れないと言われている究極の石垣。一見簡単に登れそうですが、近くで見ると上部の反り返りが急になっているのがわかります。

「熊本城天守閣 入口」と書かれた掲示板
「いざ、天守閣」

ようやく城の正面に到着。天気も良く、城巡りにはうってつけの1日でした!
さっそく城内部に行ってみましょう。

・・・それにしても熊本城の外観、美しい!!!近くから見るとより惚れ惚れしてしまいます。

復活!熊本城天守閣内部の見どころ

熊本城公式アプリについて書かれた掲示板

城内には入ってすぐのところに「熊本城公式アプリ」のQRコードが掲げられていました。このアプリをダウンロードすると、天守閣常設展示の解説文や映像内容について、音声・字幕(対応言語:日本語、英語、北京語、広東語、韓国語)で聞くことができます。展望階へ行って「AR」機能を発動すると、昔の熊本城周辺の景色と眺望をあわせて見ることができるんですって!現代的な城巡りを楽しめます…なんと便利な!

展示は全部で6つのフロア(地階/1階:加藤時代/2階:細川時代/3階:シアター/4階:復興城主デジタル芳名板)に分かれています。

入り口から展望階までどのフロアも見どころ尽くしでしたが、筆者個人が最もじっくり見たのは、1階「加藤時代」のエリア。周囲の河川改修や城下の形成など、築城当初の内容をレプリカや映像を通じてわかりやすく解説されています。

解説とは別に熊本城の豆知識が詰まった遊び心のある展示も。別フロアまでの通り道やなんでもない場所に、忽然と現れるゆるっとしたイラスト…筆者はこのおまけ要素にキュンとして、見つける度に写真を撮っていました。

「おかえり」の言葉が書かれた著名人のサイン
佐藤健、コロッケ、高良健吾、石川さゆりまで・・・!豪華著名人からの温かい応援のメッセージ

展望階に行く手前で、熊本にゆかりのある著名人のサイン色紙の展示がありました。いろんな人の「おかえり」という言葉の温かさに思わず泣きそう。

熊本城天守閣最上階の展望窓からの眺望
熊本城天守閣からの眺望

最後は展望階です。城のヒストリーをひと通り見た後なので、熊本の街の眺望は美しいことはさながら、感慨深いものがあります。天守閣が復活したことで、熊本の街は無事に城の守りの中にある気がして、誇らしげな気持ちになりました。

ちなみに、展望エリアまでは「おもいやりエレベーター」というエレベーターもありました!
ただ、時間に余裕のある方はぜひ各フロアの解説を読みつつ、城巡りをお楽しみいただければと思います。
情報量が多くて展望階に着くまでは時間がかかるかとは思いますが・・・一度の熊本城訪問で熊本観光の質がぐっと高まることは間違いなしです。

以上、かな〜り見どころポイントを絞ってご紹介させていただきましたが、いかがでしたか?

熊本城のランチスポットは?食事なら「城彩苑」

食事処「城彩苑」の掲示板
そろそろお腹が減ってきた頃・・・食事は「城彩苑」にて

見応えのある城巡りの後は腹ペコになりますね?
そんな時は、熊本城から市内までは徒歩10分ほどなので、繁華街まで出向いてお店を探すのもあり。

ですが!

熊本城内にも「城彩苑」という食事処が集まる場所があるんです。
城彩苑はレストランだけでなく、お土産が買えるショップや小さな屋台式のフードコーナーも展開しています。

「城彩苑」のステージで熊本城おもてなし武将隊が踊っている様子
あれ、どこかで見たような方たちが踊っている・・・

中央に位置するステージ(城彩苑親水空間)では、熊本城おもてなし武将隊によるパフォーマンスが定期的に開催。熊本城に到着して最初に出会ったキャストさんたちが、武将隊のメンバーだったことにここへ来て気付く筆者。スタイリッシュなダンスを披露されていました!

熊本城の復旧作業はいつ終わる?

崩壊した石垣と復旧工事が進められている櫓
復旧作業はまだまだ続きます

熊本城は今もなお復旧作業が続いており、城全体の復旧が完了するのは約20年後と言われています。熊本城の最新アップデートは公式サイト「お知らせ」の中で随時更新されているので、興味のある方はチェックしてみてくださいね。

熊本駅から熊本城への行き方・交通手段など

熊本駅〜熊本城までの交通手段は、主に市電とバスの2つがあります。

市電であれば、熊本駅から建軍町行き(赤のAライン)に乗車して「花畑町」で下車すると、城彩苑入り口付近まで徒歩5分ほどで到着します。上熊本駅方面(青のBライン)の路線と間違えないよう注意してくださいね。

筆者のおすすめは駅内バス停(2番のりば)から出ているバス「しろめぐりん」の利用です。しろめぐりんは平日、祝日ともに本数も多くて城観光にはぴったり。
それから、コロッケさんのモノマネ車内アナウンスが聞けるのもしろめぐりんならではでしょう。「志村けんさんまで協賛してくださったのか!?!」と内心驚いていたらコロッケさんでした!他は武田鉄矢さん、美川憲一さん、田原俊彦さんがいらっしゃいます(笑)。
モノマネレパートリーは区間ごとで違うのでお楽しみに。ちなみに、筆者のモノマネベスト1は「美しい武者返し・・・ア”ァ”ァン!!!」の美川憲一さんです。

しろめぐりんに乗る際は「熊本城・二の丸駐車場」で下車すると、バス停目の前に二の丸券売所があります。ここで入園券を買って城へ入りましょう。

熊本城内は無料シャトルバスで移動しよう

熊本城〜城彩苑(熊本城ミュージアム)までは「熊本城 無料シャトルバス」が運行しています。しろめぐりんとは異なり、ピンク色の車体が目印です!

城彩苑でランチを食べて城を見学するプランなら、こちらの無料シャトルバスが便利。城彩苑の正面出口(くまモンがいるところ)から出て、バス停「乗り場1」から乗れます。「乗り場2」はしろめぐりん専用のバス停なので、お間違えのないように。

※無料シャトルバスは9:00〜17:00の間、20〜30分間隔で運行しています。

熊本城内を移動する無料シャトルバス
熊本城内を移動する無料シャトルバス

頑張れ熊本城!

普段は灯台下暗しで熊本城へ行く機会がないという地元の方、まさに筆者自身がその例ですが、とにかく充実した展示内容には期待以上の満足感を得ることができるでしょう!熊本人なら、改めて熊本愛がひしと伝わる地元スポットかと。

現時点(2021年9月)は新型コロナウィルスの感染拡大防止に伴い、残念ながらご紹介した天守閣内部公開展示は一時中止となっています。コロナ明けで一気に観光客で賑わう可能性大ですが、平日午前などは比較的空いています。
県外からの観光スポっとにも良し、地元であれば家族イベントにも良し。

ぜひ訪れてみてください!

DATA
熊本城
所在地:〒860-0002 熊本県熊本市中央区本丸1−1
電話番号:096-223-5011(観覧に関するお問い合わせ)
営業時間:9:00〜17:00(最終入園 16:30)
入園券:高校生以上 800円/小・中学生 300円
公式サイト:熊本城
※8月2日(月)より当面の間、熊本城特別公開を中止(臨時閉園)しています。再開時期の詳細については、公式サイト内「お知らせ」にてチェックしてください。

アクセス:
1.市電利用(中学生以上 170円/小学生以下 90円均一料金)…電停「花畑町(Aライン)」下車徒歩5分→城彩苑入り口付近
2.バス しろめぐりん利用(中学生以上 160円/小学生以下 80円均一料金)…バス停「熊本城・二の丸駐車場」下車(二の丸券売所すぐ) ※城彩苑へ直接行く場合は「桜の馬場 城彩苑」で下車

もこすこ

お絵描きライター