オーストラリア旅行いつから行ける?コロナ禍の入国事情と現地の状況

Mayumi Iwasaki

フォトグラファー&トラベルライター

オーストラリアへはいつから行ける?海外旅行の再開は?日本からの入国はいつから可能になるのでしょうか?国民と永住者以外は外国人を入れないという徹底した入国制限の元、新型コロナウィルス感染拡大を抑えてきたオーストラリア。同じく感染制御国であるニュージーランドのみとの行き来は再開しています。日本からの入国はいつから可能になるのでしょうか?現地ライターが最新情報をお伝えします。

オーストラリア旅行いつ行ける?コロナ後の入国は?

海外から外国人の入国を規制する「鎖国状態」

2019年の終わりから始まり、2021年7月現在も、世界中で深刻化している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

2020年3月20日から、オーストラリア国内で新型コロナウイルス感染症患者が増え始めたことを受け、オーストラリア政府は基本的に市民と永住者(特別な許可が降りた人)のみの入国を許可するという事実上の「鎖国」状態。2021年7月現在もその状態が続いています(後述しますが、ニュージーランドのみとの行き来は可能です)。

入国した人達は14日間のホテルでの隔離が義務付けられ、隔離期間中は一切外出することができません。必然的に旅行者の数も減り、各航空会社も従業員の解雇を開始。観光業界は大打撃ですが、海外からウイルスが入る機会が少ないことから、比較的ウイルスの蔓延を抑えることができていると言えます。

2020年4月シドニーがロックダウンしていた頃の誰もいないオペラハウス

2020年10月からは感染状況も落ち着いているニュージーランドにのみ国境を開き、2021年5月からは、ニュージーランド出発の72時間前までに、オーストラリアの入国許可証を取得していれば、14日間の隔離措置が免除になっています。このおかげで、お互いの国を旅行で行き来できる状態になったことが、このところで最も明るいニュースだったと思います。

今後はシンガポール、次に日本や韓国との国境を開いていく計画だと時折ニュースなどで聞きますが、この状況もオーストラリア各州の感染状況によって日々変動していくため、正確なことはまだまだ不透明です。

ここからはコロナ禍で変わったオーストラリアの様子と、感染防止対策について紹介します。

ソーシャル・ディスタンスと施設の収容人数上限

基本的には「ソーシャル・ディスタンス」ルールが適用され、人と人との間隔に必要な距離を取るよう義務付けられています。これは各州ごとに異なり、私の住むシドニーでは1.5m。)を取るよう義務付けられています。スーパーやショッピングセンターのレジなど、人が並ぶ場所の足元にはシールが貼られ、看板などで注意喚起がされています。

各州によってソーシャルディスタンスの距離は異なります

レストランやカフェなどは厳しい時は1人につき4㎡ルールが適用され(2㎡になるなど感染状況によって随時変動)、店舗の面積によって入場できる人数が決められ、客席も隣の席との距離を取り余裕を持って配置されていました。

緑のマークが「立ってていいよ」の証

電車やバスなどの公共交通機関でも乗車人数が規制され、立つ位置や座っていい位置にグリーンのシールが貼られています。また定期的に清掃員が乗車。つり革や手すりなどの清掃を念入りに行っています。

チェックイン・アプリで行き先確定

シドニーのあるNSW州では専用のスマホアプリがあり、自動車免許など個人情報がこのアプリの中に入っています。現在、シドニーではレストランやお店、スーパーやショップなど、全ての施設に入場する際にはこのアプリでのチェックインが必要です。

日本よりはるかに厳しい・・・

客側がアプリでお店に入る前にチェックインし、退出時にチェックアウトすることで、店側は人の流れを把握できるのです。お店側もこの管理をしっかり徹底していないと罰則が発生!そのため、特にレストランやカフェなどはチェックインした記録を店員さんに見せないと入店やオーダーはできません。

感染判明と同時に感染者の訪問先がリスト化される!

上のアプリのおかげで、もし感染者が出た場合は同じ時間帯にいた人に速やかに連絡が入ります。州保健局のホームページでは感染者が訪れた場所や日時を細かくチェックすることができる画期的なもの。プライバシー云々の話もありますが、基本的にはこの方法で感染抑制ができている状況です。

あいつ、あそこに行ったのか…とばれてしまう

実は先日、私が休暇で訪れたジャービス・ベイ(Jervis Bay)というビーチエリアで感染騒ぎがありました。隣のVIC(ビクトリア)州メルボルンで急激に感染者が増えていた時期だったのですが、メルボルンで感染が発覚したカップルが、私達と同じ日時にジャービス・ベイにいたらしいのです。

オーストラリアのベストビーチ常連のジャービス・ベイ

ここで便利だったのが前述の感染者訪問先リスト。場所と日にち、時間まで細かく記載されているので、感染者と接触した可能性をチェックできます。今回は同じ時間帯に滞在した場所はありませんでしたが、1軒のカフェに1~2時間程度の時間差で訪れていたので、大事を取って一応PCR検査を受けることにしました。

市内各所で無料で誰でもPCR検査

オーストラリアでは簡単にPCR検査が受けられます。「検査して早期にあらゆる目を摘む」という方針のもと、少しでも不安があれば誰でも無料で検査が受けられるので、無意識に自分が感染を広げるという可能性が少なくなります。

NSW州では州内に300箇所以上ものPCR検査会場があり、もちろん無料で受検が可能。州保健局のホームページに郵便番号や地域名を入れて検索すれば、最寄りの検査場が表示されるシステムです。筆者は自宅から徒歩10分圏内に5〜6か所の検査場があり、一番行きやすい検査場に訪れました(予約不要です)。

市内に300箇所以上ある検査場

この当時シドニーでの感染者は0人の状態が続き、検査場には誰も並んでいませんでした。半分屋外のテラスのようなスペースで、簡単な登録(検査に訪れた理由、名前、住所、電話番号、メールアドレス、国籍 etc)を済ませ、隣のブースで係の人に両鼻をスワブ(長い綿棒)でぬぐってもらい終了です。くしゃみする可能性があるから口元はマスクをしたままで、ティッシュを持ってスタンバイするよう促されました。個人的な感想ですが気になる痛みは全くなく、「もう終わり?」という感じです。

1. どこにも寄らず家に直行し、2.自主隔離すること、と注意書きが

空いていたこともあり、検査自体がすべて5分程度で終了。入口でも念を押されましたが、そのまま何処にも寄らずにまっすぐ家に帰り、検査の結果が出るまで大人しく自宅待機していました。結果が出たのは検査してから約18時間後。スマホのSMSに「NEGATIVE(陰性)」とのテキストが入りホッと一息です。その日の予定をキャンセルするだけで済みましたが、これから会う予定の人達に迷惑を掛けることにもなるので、簡単に検査が受けられるシステムは本当に有難いです。

オーストラリア(シドニー)のマスク事情

マスク着用者の方が少ない!

日本と違い、オーストラリアでは新型コロナウィルス感染拡大前まで、公共の場でマスクをするということがほとんどなく、逆に風邪気味でマスクをしていると、「変な菌でも持ってるんじゃないか」と怪訝な目で見られることもありました。

お店には手の除菌、ソーシャルディスタンス、マスク着用、カード払い推奨の看板が。

コロナ禍になってマスクをしている人も増えましたが、シドニーではマスク着用が義務化されていなかったのでマスクをしている人は多くはありません(2021年6月現在は室内、公共交通機関でのマスク着用が義務化)。

2021年6月25日 シドニーでロックダウン

実はシドニーのあるNSW州では、2021年6月16日に40日ぶりに感染者が発覚し、現在徐々に感染者数が増えている状況です。感染者が増える度にその人達が訪れたお店リストもアップデートされるので、毎日冷や冷やします。そして2021年6月25日(金)23:59から、遂にシティを中心に一部の地域を一週間ロックダウンすることが決定しました。ロックダウン中に許可されている行為は下記の4つです。

【1】食べ物や生活必需品の買い物
【2】病院への通院や付き添い
【3】10名以下の屋外でのエクササイズ
【4】在宅でできない仕事の出勤や通学

買い物やお散歩ランニングなどで外出するのは基本的に自由なので、家から一歩も外に出てはいけない訳ではありません。ただレストランやカフェなどはテイクアウトのみの営業になるので、客席を倉庫に片付け始めているお店もありました。

テイクアウトのみの営業になるので、椅子とテーブルを倉庫に片付ける海辺のカフェ

シドニーではこのロックダウンで、人の動きを一週間制限して、とりあえず様子を見るということです。今まで市中感染0人が続いていたのでマスク生活をほぼ忘れていましたが、私ももう少し気を引き締めて動向を見守ります。

2021年2月からワクチン接種開始

オーストラリアでは2021年2月から医療従事者や出入国管理者などの「エッセンシャル・ワーカー」や、高齢者施設の介護職員や入居者を先行して、ワクチンの接種が始まっています。その後5月からは50代、6月現在は40代(州によっては30代)の接種がスタートしていますが、なかなかワクチン接種が進まないことで国民から怒りの声も上がっています。

一時は全く飛んでいなかった飛行機の数も、最近は少し増加

11月頃までにはワクチン接種を一旦完了させ、徐々に国境開放を目指していく想定だそうですが、現状はまだわかりません。ワクチンの接種は義務ではありませんが、国としてはワクチン接種を広めるためにも接種者に対してスマホアプリで表示できる「証明書」の発行を検討しています。将来的には国内の行き来、または海外へ出入国する際にも提示することになるかもしれません。

各州ごとに違う規制とロックダウン

オーストラリアでは国の連邦政府とは別に各州首相(日本の知事)の権限が大きいため、コロナ対策も州によって大きく異なります。一番大きな違いと言えば、オーストラリアの2大都市、シドニーのあるNSW州メルボルンのあるVIC州でしょう。

世界屈指の厳しさと言われた111日に及ぶロックダウンを決行したメルボルン

できる限り州境を閉鎖せず観光客を入れ、マスクを義務化せず、大規模なロックダウンを回避し続けたシドニーのあるNSW州に対して、111日にも及ぶハードなロックダウンを行い、外出制限や夜間外出禁止令ほか最近もマスク着用が義務化されていたメルボルンのあるVIC州。コロナ禍の過ごし方も2つの州では大きく違いました。

オーストラリアは州によって、ここまで対応が異なる、ということを一応ご注意ください。

シティ中心部でのロックダウンは2020年5月以来のシドニー

筆者は比較的制限の制限の緩いシドニー都市部に暮らしているので、そこまで大変な思いはせずに済みましたが、今こうして記事を書いている間も新たな感染者が増え、ロックダウンも始まります。決してのんびり構えてはいられません。

州保健省のツイッターには最新情報が続々とツイートされます。

このような状況ですので、オーストラリアに訪れる際は州保健局のTwitterなどのSNSのチェックをオススメします。また感染者情報などはスマホのSMS(ショートメッセージ)に来ることも多いので、万が一のためにSIMフリーのスマホを持参し、電話番号付きの旅行用SIMを入れると安心です。

以上が2021年6月現在のオーストラリア、シドニーの状況です。国境が閉鎖されている今、まだ日本からの観光客の皆さんを迎え入れられる状況ではありません。

日本からの入国制限に何か変化が起きましたら、最新情報をお届けしますね。

Mayumi Iwasaki

フォトグラファー&トラベルライター