タイ・コロナ禍のLCC玄関口ドンムアン空港の現在は?

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木本 美沙子

ドンムアン国際空港といえば、バンコクのLCC専用空港。スワンナプーム国際空港と並ぶタイの玄関口です。日本からタイに入国する時だけでなく、タイ国内の国内線での移動で利用したことのある方も多いのではないでしょうか。

ドンムアン空港
タイLCCの玄関口ドンムアン国際空港

ただ、コロナでタイへの入国規制が厳しくなった2020年4月以降、日本発のバンコク行きLCC便はほぼなくなってしまいました。2021年9月現在、バンコク着の国際線は全てスワンナプーム空港に集約されています。

タイ国内でも、デルタ株の感染者が急増したことから、2021年7月21日からタイの国内線が全て運行停止に。ドンムアン空港の貨物ターミナルは、コロナに感染した軽症者を収容する野戦病院として活用されるというショッキングなニュースも流れてきました。

2021年9月になって感染者が減少し始めたことから、ようやく国内線が再開しましたが、県をまたがる移動は、ワクチン接種証明や陰性証明が必要になるなど、新たな条件が加わり、まだまだ国内旅行も以前ほど気軽には行けない状況です。

「コロナ禍のドンムアン空港はどうなってしまったの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか?日本でタイ旅行を待ちわびている皆さんのために、コロナ禍のドンムアン国際空港の今の様子を取材してきました!

ドンムアン空港
コロナ禍のドンムアン空港の様子をレポート!

電気が消えた国際線用ターミナル1

ドンムアン空港の旅客ターミナルは、国際線用のターミナル1と国内線用のターミナル2があります。どちらのターミナルも3階が出発ロビー、1階が到着ロビーになっていて、通路でつながっているので、徒歩ですぐに移動が可能です。

まずは、国際線ターミナル3階の出発ロビーに立ち寄ってみました。そこで見たものは、電気が消えて真っ暗になった国際線のチェックインカウンター・・・。のっけからショッキングな光景を見て、愕然としてしまいました(泣)。

ドンムアン空港 国際線 チェックインカウンター
電気の消えた国際線チェックインカウンター

当然といえば当然で、現在国際線はスワンナプーム空港のみで離発着、ドンムアン空港は国内線しか使われていないんですよね・・・。ちなみに、東京−バンコク間を運行しているバンコク行きの唯一のLCC便ジップエアーも、スワンナプーム空港発着となっています。

真っ暗な出発ロビーの後ろの方に、何故かスターバックスだけ電気が灯り、営業しているのが、ちょっとシュールでした・・・。

ドンムアン空港 スターバックス
灯りの消えたロビーで営業を続けるスターバックス

閑散とした国内線用ターミナル2の出発ロビー

暗闇でうろうろしていたら、怪しい人物と思われるのではないかと、国際線ターミナルの取材は5分ほどでさっさと切り上げ、すぐ隣の国内線ターミナル3階にある国内線出発ロビーに来ました。電気が明るい場所に来てほっと一安心。ただ、こちらも利用客は少なく、どのカウンターにも人がいません・・・。

国内線チェックインカウンター
国内線のチェックインカウンターも人気がない・・・

フライトスケジュールを確認してみると、現在はエアアジア、ノックエア、そしてタイ・ライオンエアが運行しているようでした。コロナによる国内の移動制限で旅行者が少なくなり、便数が大幅に減っていることに加え、2020年9月からエアアジアの一部フライトがスワンナプーム空港発着になったこともあって、国内線ターミナルも以前より閑散としている印象です。

フライトスケジュール
ロックダウン中で国内線の便数も激減・・・

国内線ターミナル4階のフードコードは無事か?

国内線ターミナルの4階はレストラン街になっています。ドンムアン空港を利用する際に、ここで食事をしたことがある方も多いのではないでしょうか?

4階に行ってみると、なんと見覚えのあるレストランは半分以上がクローズ。でもフードコートはかろうじて健在でした!

ドンムアン空港 レストラン街
気になる4階のレストラン街もクローズ中の店が目立つ
フードコート
あの懐かしいフードコートは営業していた!

現在、コロナ感染対策としてソーシャルディスタンスを確保するため、2人掛けのテーブルは1人、4人掛けのテーブルは2人しか座れません。食事をしている人も少なくて、寂しい雰囲気でしたが、それでも食事が出来るというだけで安心です。

フードコート
ソーシャルディスタンスで1人ずつしか座れません

ところで、この4階には滑走路が一望できる展望デッキもあるのですが、現在は立入禁止に。残念ながら滑走路に停まっている飛行機の写真を撮ることはできませんでした。

国内線到着ロビーのタクシーの長い列

念のため、1階の到着ロビーの様子も見てきました。3階の出発ロビーと同じで、やはり人が少なく、お店なども半分くらいは閉まっていました。

ドンムアン空港
誰もいなくて閑散とした到着ロビー

それでも、タクシー乗り場にはたくさんのタクシーが列になって停まっていて、お客さんがくるのを待っていました。観光客が少なくなって、タクシーの運転手さんたちも大変だろうな・・・と、ちょっと悲しくなってしまいました。

ドンムアン空港 タクシー
お客さん少ないのにずらりと並ぶタクシーが悲しい

レッドライン開通でドンムアン駅への連絡通路ができた!

ドンムアン空港の現在の様子をレポートしてきましたが、閑散とした空港を見ていると、何だか悲しくなってしまいますよね。

そこで最後に一つだけ、ドンムアン空港の明るいニュースをご紹介しましょう!

2021年8月、バンコク市内からドンムアン空港まで、新たな都市鉄道レッドラインが開通。今までは、バンコク市内からドンムアン空港に行くには、タクシーを利用するしかなかったのですが、レッドラインが出来たことで、バンコク市内を走るBTS(高架鉄道)やMRT(地下鉄)を乗り継いで、ドンムアン空港にアクセスできるようになったのです!

レッドライン
2021年8月に開通したばかりのレッドラインの真新しい電車

駅から空港まで続く新しい連絡通路も作られて、国内線ターミナルの2階につながっていました。

ドンムアン駅 通路
レッドラインのドンムアン駅から空港につながる連絡通路

国内線ターミナル2階には、ドンムアン空港への連絡通路のほか、セブンイレブン(現在はクローズ中)やローカルなフードコートもあるので、覚えておくと便利ですよ。

ドンムアン空港 連絡通路
駅から空港への連絡通路にはローカルなフードコートやセブンイレブンもある

タイ入国時の強制隔離は10月から7日間に短縮!

ということで、ドンムアン国際空港の今の様子をご紹介しました。バンコク在住の私自身も国内旅行にすら行くことができず、約1年ぶりのドンムアン空港でした。想像はしていたものの、やっぱり実際に見てみると、寂しさがつのります・・・。

タイのコロナ第3波の新規感染者数はピークアウトしたとはいえ、連日1万人前後で推移。まだまだ完全な規制緩和にはほど遠い様子です。

実は2021年10月1日にプーケットサンドボックスやサムイプラスに続き、バンコク、パタヤ、ホアヒン・チャアム、チェンマイでの強制隔離なしでの外国人観光客受け入れが予定されていましたが、11月1日まで延期になってしまいました。

ドンムアン空港 国内線ターミナル
またドンムアン空港が利用できる日はいつ?

とはいえ、タイ国内のワクチン接種も徐々に進んで来て、ついに10月1日からは、タイ入国時の14日間の強制隔離が、ワクチン接種済みであれば7日間(ワクチン未接種の場合は10日間)に短縮することが発表されました。

同じく、日本の水際対策として義務づけられていた帰国後14日間の自主待機も、10月1日からは10日間に短縮されることが発表されたばかりですよね。

少しずつですが、規制が緩和されているので、近い将来またドンムアン空港にかつての活気が戻ってくるのではないかと期待しています。早く自由に旅行が出来る日が来て、皆さんがタイに戻ってこれますように!

DATA
ドンムアン国際空港(Don Mueang International Airport)
所在地:222 Vibhavadi Rangsit Road, Sanambin Subdistrict, Don Mueang District, Bangkok 10210
公式サイト:ドンムアン国際空港

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木本 美沙子