2021年に世界遺産の登録が決定した奄美大島。多様な生物の営みが見られ、固有種も残る、自然豊かな島です。「南の島」への旅は人気ですが、奄美大島は沖縄ほど混雑していなくて、ストレスなく休日が楽しめるおすすめの旅先。今回は初めての人向けに、有名どころの観光スポットを中心にリストアップしてみました。2泊3日でレンタカーで巡る奄美大島のモデルコースをご紹介します。
奄美大島 1日目
奄美大島に到着したら、観光しながら南部に向かいましょう。レンタカーは空港前に数店舗あります。送迎を待つよりも、歩いて店舗に行くほうが早いくらいの近さにありますので、送迎車が待機していないようなら、歩いてお店に行くのも一つの手です。
【到着後】恋愛パワースポット「ハートロック」
空港からレンタカーで約20分。海岸にある潮だまりがハートの形に見える「ハートロック」を見に行きましょう。南国っぽい緑のトンネルを抜けて浜辺に出たら、右手に進んでください。
「ハートロック」は常に見えるわけではなく、潮が引いた干潮時にしか見られません。「恋愛パワースポット」なんて紹介してしまいましたが、ヒトカケラのロマンチックも持ち合わせていない私は、単なる自然現象だと割り切っております(笑)
ですが、何事も気の持ちよう!恋愛成就を祈って、ハートロックを狙ってみるのもいいでしょう。
また、干潮時であっても波が高い場合は厳しいことも。ザッパーンと波が打ち寄せ、ハートを壊してしまいます。カップルで見ると言葉を失います…。女子旅なら笑って済ませられますが、カップルで「ハートロック」を狙う人は、くれぐれも干潮に加え、波の状態を調べてから訪れることを強くおススメします。
DATA ハートロック 住所:鹿児島県大島郡龍郷町赤尾木1346-1 備考:見られるのは干潮時のみ web:龍郷町 ハートロック
【ランチ】奄美大島の郷土料理「鶏飯」
国道58号線を走っていると、「鶏飯(けいはん)」と書かれたお店を何軒も見かけます。鶏飯は、鶏肉、干ししいたけ、錦糸卵、パパイヤの味噌漬けなどをごはんに乗せて、鶏ガラスープをかけていただく、奄美の郷土料理です。
なんと言っても、このスープがめちゃくちゃ美味しく、最後にはスープだけをゴクゴク飲むというのが、毎回のルーティン。ぜひ気になるお店でチャレンジしてみましょう。
【午後】カヌーで「マングローブ林」を探検
空港から車で1時間ほどの住用には、国内で2番目の大きさのマングローブ林があり、2社がカヌーの貸し出しを行っています。
カヌーのレンタルは2,000円もかかりません。出発前には漕ぎ方のレクチャーがありますので、初心者でも安心です。マングローブの中にいくつもある水路を探索でき、太陽が出ている時だと、マングローブのトンネルにキラキラと陽射しが降り注ぎ、癒し効果絶大です。
DATA マングローブ茶屋 住所:鹿児島県奄美市住用町大字役勝7 電話:0997-69-2189 web:マングローブ茶屋 黒潮の森マングローブパーク 住所:鹿児島県奄美市住用町石原478 電話:0997-56-3355 web:黒潮の森マングローブパーク
【午後】眺めサイコー!「高知山展望台」
奄美大島の南部・瀬戸内町には、島々が浮かぶ穏やかな海が広がります。この景色を上から眺められるのが高知山展望台。空港からは1時間半ほど、マングローブ林からは30分ほどの場所にあります。
テレビ番組で無人島脱出の企画がありますが、撮影はこの瀬戸内町の海で行われたことも。「とったどー!」で有名なあの番組も、この瀬戸内町の海で撮影されたそうですよ。V字に見える町が、対岸の島へのフェリーが出る古仁屋です。
DATA 高知山展望台 住所:鹿児島県大島郡瀬戸内町久根津 web:瀬戸内観光協会 高知岳展望台
【夕方】奄美大島最南端の「ヤドリ浜」
奄美大島の最南端にあるヤドリ浜は、波の穏やかな天然の砂浜です。キャンプ場やトレーラーハウス、リゾートホテルで宿泊することができますが、近辺にはスーパーやコンビニが全くなく、ヤドリ浜に行くなら車で20分ほどの古仁屋辺りで買い物を済ませておきましょう。
西を向いているので、夕日がとてもキレイ!砂も細かくサラサラなので、裸足で楽しみたい浜辺です。
DATA ヤドリ浜 住所:鹿児島県大島郡瀬戸内町蘇刈972-8 web:のんびり奄美 ヤドリ浜
奄美大島 2日目
フライトの予定がなく、一日まるっと観光に使える2日目は、朝から積極的に動きましょう。
【早朝】ホノホシ海岸
ヤドリ浜から車で2分しか離れていないのですが、すぐ近くのホノホシ海岸は、穏やかなヤドリ浜とは全く異なる様相の海岸。最近では、ドラマ『天国と地獄』で注目を集めました。ヤドリ浜は夕日がキレイなスポットですが、ホノホシ海岸は東を向いていて、朝日で有名なスポットです。
私は初めて訪れた5年ほど前、あまりのパワーに怖くなって、走って逃げたという過去が…。足元の石がゴロゴロと丸いので、何度も足をくじきそうになりながら、必死に逃げました。人によっては、私のようにダメな人もいるようですよ。
外海に洗われて丸く削れた石がみっちりと浜を埋め尽くし、波が引く度に、ガラガラガラ、ゴロゴロゴロという恐ろしい神秘的な音を鳴らします。これ、子どもの時に連れてこられたら、トラウマになりそう…。ちなみに友人は楽しそうに石で遊んでいたので、怖いと感じるか、神秘的と感じるか、楽しいと感じるかは、人それぞれ随分と違うようです。
ここには昔から言い伝えがあり、この丸い石を持ち帰ると良くないことが起こるとのこと。現在、石の持ち帰りは禁止されています。私はこの場所が苦手なので、絶対に持ち帰ろうなんて思いませんが、全く何も感じない人でも、持ち帰らないように気を付けてくださいね。
DATA ホノホシ海岸 住所:鹿児島県大島郡瀬戸内町蘇刈 web:のんびり奄美 ホノホシ海岸
【朝から午後】神の住む島「加計呂麻島」
奄美大島の南部にある古仁屋港からフェリーで、“神の住む島”と言われる加計呂麻島に渡ることができます。ちなみに古仁屋は、養殖マグロで有名な町です。「せとうち海の駅」でも気軽にランチなどで食べることができるのですが、土日などは、マグロが売り切れていたり、人が並んでいたりするので、早めの行動がおすすめです。
DATA せとうち海の駅 住所:鹿児島県大島郡瀬戸内町古仁屋大湊26-14 web:せとうち海の駅
加計呂麻島には手つかずの自然が残り、樹齢数百年のガジュマルの神々しい姿や、神様が神山から集落に降りてくる時の通り道(カミミチ)などが残されていて、島全体がパワースポットと言われるのも納得の美しい島です。
DATA 武名のガジュマル 住所:鹿児島県大島郡瀬戸内町武名 web:武名のガジュマル
加計呂麻島は『男はつらいよ』のロケ地になった島で、あちらこちらにロケ地を示す看板があります。私のように『男はつらいよ』を知らなくても、ひたすら美しい青い海や、神々しいガジュマル、デイゴ並木を楽しめます。
写真は樹齢300年にも及ぶ諸鈍のデイゴ並木。のどかな島の集落では、時間がゆっくりと流れるような錯覚に陥ります。デイゴは5月には赤い花を咲かせるそうですが、私が訪れたのは11月。しかも大きな台風の後で、葉っぱも随分散ってしまった状態のものです。夏に訪れるともっとフサフサのはずですよ。
DATA 諸鈍デイゴ並木 住所:鹿児島県大島郡瀬戸内町諸鈍 web:奄美せとうち観光協会 諸鈍デイゴ並木
【午後】『西郷どん』オープニングロケ地、「宮古崎」⇒時間のある人向き
宮古崎は、リュウキュウチクというひざ丈くらいの草が群生している開放的な岬です。大河ドラマ『西郷どん』のオープニング映像を撮影したことで、一気に有名になった場所です。奄美大島は、国道58号線に沿って観光するのが効率的なのですが、この宮古崎は少し外れています。それ故に、「時間があれば」とカテゴライズされている観光スポットかもしれません。現地では人と遭遇しませんでした。
空港からは約1時間。奄美大島の大自然を感じられるスポットなので、ぜひ訪れてほしいポイントではあるのですが、駐車場から岬までは徒歩で往復40分ほどかかるということと、夜行性とは言えハブの危険がありそうなので(看板あり)、熱望される人だけにオススメします(笑)
DATA 宮古崎 住所:鹿児島県奄美市名瀬大字根瀬部 web:大和村 宮古崎
【夜】名瀬のビジネスホテルや海沿いのリゾートで
2泊目の宿泊は、宮古崎から車で30分ほどの場所にある名瀬が便利。奄美大島で一番賑やかな街で、ビジネスホテルも何軒もあります。名瀬に宿泊すれば、夜、飲みに行くにも困りません。
また、赤尾木湾あたりのリゾートホテルもオススメ。景色もさることながら、空港からも近いので、翌日のんびりできますよ。
奄美大島 3日目
3日目は、フライトがあるので、余裕のある計画を立てておきましょう。ホテルでのんびりしつつ、空港周辺の観光スポットをめぐるのがいいでしょう。
【午前中】奄美大島の最北端「笠利崎灯台」
ヤドリ浜やホノホシ海岸のあるエリアは奄美大島の最南端ですが、こちらは最北端に位置する笠利崎灯台。灯台の麓に車を停めて、スロープと階段を上って行くのですが、この道のりが南国植物が生い茂る秘境っぽい景色で、また良いんです!もちろん眺めも最高。空港から南部は遠いのですが、北部なら20分ほどでアクセスできますので、最終日の観光スポットとしてもオススメです。
DATA 笠利崎灯台 住所:鹿児島県奄美市笠利町大字用 web:のんびり奄美 笠利崎灯台
はじめての奄美大島なら国道58号線沿いを中心に
初めての奄美大島なら、国道58号線に沿って観光すると、主要なスポットは網羅できるでしょう。また、今回はプラスアルファの観光スポットとして加計呂麻島も紹介しましたが、加計呂麻島に渡ると島で結構な時間を要しますので、3泊4日など余裕のある旅程の場合におすすめです。
また、空港から近い北部の観光スポットは、最終日の時間調整に温存しておくというのもテクニックです。