安価で便利、大都市であれば本数も路線も多い便利な旅の足と言ったら、高速バス! 乗りこなせたら便利だけど、初めての人にはちょっとわかりにくいこともありますね。特に夜行バスというと、最初は躊躇してしまう人もいるかもしれません。
でも、バス旅は慣れればとっても簡単。それに安くてラクなんです!
今回は、初心者さん向けに高速バスの旅のイロハをまとめました。
バス便の上手な探し方、予約の仕方、コツや注意点や確認ポイントまで、詳しくお届けします。
今さら聞けないバスの種類
では早速、高速バスの予約方法……と、その前に、あなたの目的とするバスはそれでいいのでしょうか?
ひと口にバスと言っても、バスの種類は色々あります。ややこしくなる前に、まずはざっくりご説明しますね。
高速バスと路線バスの違い
まず明らかに別モノとして区別する必要があるのが「路線バス」と「高速バス」。この2つはなんとなく「都市内を細かく回るのが路線バス・都市間の長距離を繋ぐのが高速バス」と思いがちですね。それで大体は正解ですが、実は時々例外があって、紛らわしいことがあります。
路線バスと高速バスの大きな違い、それは乗車・降車バス停の自由度と、予約の有無です。
路線バス
予約不要。路線内であれば、どのバス停で降りても乗っても良し。座席は不確定。たらなければいけない場合もある。
高速バス
乗車・降車のバス停を決めて、乗降地を事前に指定して予約。座席は指定(※路線によっては当日直接乗車が可能な場合も)。
例外もある
都市間の長距離を、数時間もかけて繋ぐ路線バスもあります。ちなみに日本で一番長い路線バスは、奈良県の「八木新宮特急バス」。全長169.8㎞を、約6時間半かけて走りますよ。
高速バスと長距離バスの違い
「高速バス」とは、本来は、高速道路を利用して都市間を結ぶバスのこと。対して「長距離バス」は、厳密には高速道路は使わないけれど遠距離の都市間を結ぶバスを指します。それらのほかに、空港と都市間を結ぶ「リムジンバス」もあります。
とは言え、厳密に言い方の規定があるわけではありません。「リムジンバス」も「長距離バス」も、全部まとめて「高速バス」と考えてOK。「高速長距離バス」と呼ばれることもあります。
昼行便・夜行便の違い
高速バスには、「昼行便」「夜行便」があります。運行する時間だけでなく、到着日時も違ってきます。
- 昼行便(昼行バス):乗車と同じ日に到着。
- 夜行便(夜行バス):夜に乗車し、次の日の朝に到着。
どちらも予約・支払い方法などは同じですが、夜行便の場合は予約時の日にち指定にご注意を。
高速バスの選び方
高速バスを選ぶ時には、高速バス比較ができる予約サイトを利用するのがおすすめ。複数のバス会社のバスを比べて条件の合うものを選べますし、そのまま予約もできます。
初めて高速バスに乗車する時にチェックすべきこと!
高速バス予約をする場合に、チェックすべき基本項目をまとめました。
出発・到着地と到着時間をチェック
まずはここ。大前提ですね。もし出発場所・目的地・到着時刻がまさに自分のスケジュールにピッタリのバス便が見付けられたら、第一候補に入れましょう。ただし到着時刻は当日の道路状況により前後する場合があるため、30分以上は余裕をもって見積もりを。
また、バス会社によっては、乗降者の多いバス停近くに、乗車前・降車後に利用できるラウンジを置いていることがあります。もしスケジュール的に無理なくラウンジのあるバス停が利用できるなら、ぜひ活用を。荷物預かりやコインロッカー、パウダールームなど、バス旅に便利なサービスが受けられますよ。
無料(一部有料)で利用できるバスラウンジは
VIPライナー・VIPラウンジ
WILLERエクスプレス・WILLERバスターミナル大阪梅田などがあります。
座席タイプをチェック
数時間乗車することになる高速バスでは、座席タイプは重要な要素です。高速バスでもっとも多い座席タイプは、4列シートと3列独立シート。この2つで大きく違ってくるのは「体の疲れ方」です。
4列シート
・3列独立シートと比べて安価
・隣席が他のお客さんになる(女性の隣は女性となるよう配慮してくれる場合が多い)
・リクライニングが浅く、座席周り設備もあまり充実していない場合が多い。
4列シートにおすすな方
・移動を安価に抑えたい
・2,3時間程度の移動
・体力に自信がある
・到着した後に休む余裕がある
・隣に知らない人がいても寛げる
3列独立シート
・4列シートと比較すれば、料金は高い
・座席は全て通路を挟んで独立
・リクライニングが深く、フットレストやレッグレストなどの座席周り設備も充実している場合が多い
3列シートにおすすな方
・夜行バスのように睡眠時間を伴う長距離の移動
・体が大きい
・なるべく体力温存したい
・隣に知らない人がいると寛げない
詳しいシート状況はバス会社やバスタイプによって異なります。
中にはバス会社独自のシートを使用している場合や、ゆったり座れる2列シート、扉が閉まる個室仕様の高速バスも。お財布と体力と相談して、最適なタイプを選びましょう。
トイレの有無をチェック
バスの車内設備の中で、バス旅への影響が一番大きいのは車内トイレかもしれません!
高速バスの休憩は、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)で10~20分程度取ることが多いのですが、ソそれ以外の時間にトイレに行きたくなった場合、申し出れば最寄りのSA/PAへ立ち寄ってくれます。
ただし、これはあくま緊急の場合。なるべくトイレは規定の休憩内ですませたいものです。
トイレ付バスなら、バスの走行中でもトイレに行くことができます。その分休憩時間に余裕ができるため、昼の便ならちらっとSA/PAのお店を覗いたり、夜行便なら休憩時間も車内でゆっくり眠ったりということもできます。ちょっとのことながら、トイレのある、なしの差は大きい!
バス旅は普段と違う環境で長時間過ごすことになるため、普段はそんなにトイレ回数が多くない人でも、トイレが近くなることもあります。初めて乗る時は、トイレ付バスにしておくのがおすすめです。
車内設備やサービスをチェック
Wi-Fi・電源の有無なども確かめておきましょう。
特に電源はコンセント(A型)の場合とUSBポートの場合があるので、どちらのタイプかも確認したいところ。わからない場合はアダプターを用意しておけば、どちらにも対応できますよ。
そのほかにも、各座席にタブレットがついていたり、車内Wi-Fiで映画や雑誌が見放題・読み放題となったり、枕がついていたりと、バスによって車内サービスはさまざま。ぜひ好みに合うバスを探してみてくださいね。
高速バスの出発バス停を確認
「そんなん当日で良くない?」と思いがちですが、これが意外と重要な準備。というのも、高速バスのバス停はとてもわかりにくいことがあるのです。なるべく予約後にバス停の詳しい位置を一緒に確認しておきましょう。
特にややこしい・間違えやすいバス停のパターンは、ざっくり3つ。
似た名前のバス停が複数あるパターン
「バス停あった!」と思ったら、ようくバス停名を確認。『●●駅』『●●駅前』『●●駅●口』『●●駅(〇〇ホテル前)』など、間違い探しのようにちょっと名前が違うだけのバス停は、全部違うバス停の可能性が高いです!
しかしバス停名が違ったら絶対に違うかと言うとそうでもなく『●●駅』と『●●駅前』が同じバス停という場合もたまにあります。紛らわしい!
このトラップに引っ掛からないためには、事前にバス会社や信頼できる情報サイトでバス停の位置を調べておくのがベストです。
同名のバス停が複数あるパターン
「バス停あったー!名前もあってる!」と思いきや、その隣もそのまた隣も同名のバス停…「えっ、どれが本物?」なんて迷ってしまうことも。それぞれ違うバス会社で同名のバス停が並んでしまっていることがあるのです。その場合はどのバス停に何のバスが留まるのかそれぞれ記載してありますが、夜行バスに乗車する時は当然夜なので、暗くて見にくいこともあります。意識して確認を。
バスターミナル内では、同じ出発時間・同じ行先のバスに注意!
個別のバス停だけでなく、バスターミナル内でも注意が必要です。
通常、ターミナル内の発着バスは待合所などに一覧表示されていて、出発時間・目的地・バスの名前(バス会社名)などが一目見れば確認できるようになっています。ですがここでも紛らわしいことに、同じ出発時間・同じ行先のバスがある場合があるのです。何なら、バス会社まで同じことも!(3列独立シートと4列シートで運行していたりします)
もしバス停を間違えても、乗務員による乗車確認があるので、乗車前には気付くことができます。ですがバスの乗車確認が始まるのは大体バス出発の10分前頃から。この短時間でバスターミナル内を急いで移動するのは避けたい!(筆者はやらかしたことがあります)
バスターミナルのバス案内は、同時刻に出発する他のバスまで確認しておくと安心です。
高速バスの予約方法・チケット準備
高速バスのチケット予約の方法は、ざっくり分けて以下の2つです。
・バス会社指定の窓口や券売機で直接購入する方法。紙のチケットが種類
・比較サイトやバス会社サイトでそのままオンライン予約する方法。チケットレスが主流
予約方法や規定は、購入窓口や各バス予約サイトでご確認くださいね。
大概の場合、乗車予定のバス便と乗降バス停を先に決めておけば、スムーズに予約できます。
その予約時に一緒にチェックしておきたいのが、チケット確認の方法。これはバス会社によって様々な形があります。
予約確認画面を見せる
一番多いのがこの形。スマホで予約確認画面を出し、バス乗車時に乗務員に見せて確認してもらいます。先に予約画面をスクリーンショットなどで保存しておくとラクですね。また、このパターンの場合は紙面でも大丈夫なことが多いので、可能ならプリントアウトしておくのがおすすめ。乗車時に充電が心配な時や、バス停付近で上手くWi-Fiが拾えない時にも慌てずにすみますからね。
予約確認画面をプリントアウトし、乗務員へ渡す
予約確認画面をあらかじめプリントアウトしておき、チケット代わりに乗務員へ渡す形。事前に印刷しておく手間はかかりますが、乗車時の確認は一番ラクです。
口頭確認のみ。手ブラでOK!
バス乗務員へ口頭で予約番号と名前を告げ、確認してもらう形。用意するものが何もないので事前準備は一番ラクです。ただしこの場合、バス会社の規定期日までに支払いを完了しておく必要があり、それ以降に支払いした場合は支払い証明(領収書や受領書など)を用意する必要があります。
バス停到着は15分前までに
高速バスのバス停へは、遅くとも15分ほど前までに到着しておくのがおすすめ。前述しましたが、バスは遅延がなければ、発車時刻の10分前ほどを目安に到着することが多いのです。
乗客の多いバス停やバスターミナル内では、係員に先に預け荷物を渡して、整列して待つよう求められる場合もあります。トイレや買い物などを済ませて並んでおけば、乗車がスムーズ。なおバスの座席は全席指定。予約時に座席指定をしないタイプのバスは、乗車時に指定されますよ。
さあここまでくれば、あとは乗車するだけです。どうぞ、楽しいバス旅を!