イタリアを代表する観光都市フィレンツェ。ルネッサンス文化の中心となった歴史地区は世界遺産に登録されていて、毎年世界中から多くの観光客がこの町を訪れます。小さな旧市街にギュッと多くの見どころが存在する様は、まさに「屋根のない美術館」。古い街並みを歩けば、ルネッサンス時代にタイムスリップしたような気分が味わえます。
フィレンツェに鉄道利用で移動する際に到着するのが「フィレンツェ中央駅」。フィレンツェでは一番重要な駅で、ほとんどの列車がここから発着します。
今回は
✓フィレンツェへ列車で行ってみたい
✓フィレンツェから周辺の町へ列車で行ってみたい
というあなたのために、フィレンツェ中央駅で鉄道乗車券を購入する方法や列車の乗り方について徹底解明!
駅構内や列車内での実際に起きたトラブルについても紹介しています。
フィレンツェ中央駅とは
フィレンツェ中央駅(サンタ・マリア・ノヴェッラ駅)は、フィレンツェ旧市街の北側に位置するフィレンツェで一番重要な駅。ここからミラノやローマなどの主要都市に向かう特急列車の他、フィレンツェ周辺の町に向かうローカル列車が出発します。
日本語ではフィレンツェ中央駅ですが、実際の駅名は「サンタ・マリア・ノヴェッラ駅(Santa Maria Novella)」なので注意!
しかもフィレンツェには中央駅以外にも駅があります。中央駅発着の列車の乗車券を購入する時には「Firenze Santa Maria Novella」を選んでくださいね。
イタリアの鉄道予約サイトから乗車券を購入する場合の注意
もう一つ注意しておくと、イタリアの鉄道予約サイトから列車の乗車券を予約すると…なんだこれは!?そう。「Firenze」と入力するとたくさんの「Firenze」と名が付く駅の名前が出てくるのです。
鉄道予約サイト利用時も、中央駅発着の列車の乗車券を購入したい場合は「Firenze Santa Maria Novella」を選びましょう。
フィレンツェ中央駅からどこに行ける?
フィレンツェ中央駅から列車に乗れば、イタリアの有名な都市や、絶対に見逃せない町に行くことができます。フィレンツェ中央駅から行くことができる町一覧はこちら。
高速列車(フレッチャロッサまたはイタロ)
・ミラノ
・ヴェネツィア
・ボローニャ
・トリノ
・フェッラーラ
・パドヴァ
・ローマ
・ナポリ
・バーリ(イタロのみ)
・サレルノ(イタロのみ)
ローカル列車
・ピザ
・ルッカ
・シエナ
・アレッツォ
・ペルージャ
・ラ・スペツィア 等
フィレンツェ中央駅で列車の乗車券を買おう!
フィレンツェから行きたい場所が決まったら、駅構内で列車の乗車券を買ってみましょう。
駅構内で乗車券を買う方法はこちらの2つ。
◎駅構内の乗車券売り場で購入する
◎駅構内の自動券売機で購入する
それぞれの方法について、もう少し詳しく見ていきましょう!
フィレンツェ中央駅の乗車券売り場
フィレンツェ中央駅の乗車券売り場はホームエリアの反対側にあります。
「SALONE BIGLIETTI(サローネ・ビリエッティ)」と書いてある場所を探しましょう。中に入ると乗車券売り場の窓口があります。
ここは乗車券売り場の窓口。2021年6月撮影時にはまだ観光客が少なかったので空いていましたが、通常はいつも観光客で混雑しています。列車までの時間がない場合、窓口に並んでいると列車の時間に間に合わなくなってしまう場合があるので注意!
乗車券は自動券売機か事前の鉄道予約サイトでの予約がおすすめ。
フィレンツェ中央駅の券売機
乗車券売り場の窓口の近くにあるイタリア国鉄Trenitalia(トレニタリア)の自動券売機。窓口への長蛇の列に嫌気がさした人が買えるように置いてあるのかも(笑)。現金またはクレジットカード払いが可能です。
窓口の近くには数台しか自動券売機がないため、券売機で乗車券を購入したい場合は窓口の隣にある自動券売機が並ぶ部屋へ直接行きましょう。
こちらがずらっと自動券売機が並ぶ部屋。乗車券売り場の窓口の隣にあります。観光客が少ないので入口は閉まっていましたが、観光客が戻ってくれば販売機もフル回転。この部屋もオープンすることでしょう。乗車券を早く購入したい人(乗車券売り場の窓口に並びたくない人)は、自動券売機で購入することをおすすめします!
※イタロの乗車券を購入したい場合は、ここではなくホームエリアの横にイタロのスタッフがいる乗車券売り場があるので、最初からそこを目指しましょう。
イタリアの鉄道乗車券は事前にネット予約がラクチン♪
直前まで予定が決まらない場合は駅構内で乗車券を購入すればいいのですが、列車に乗る時間が大体決まっている場合は事前に公式サイトから購入しておくのがおすすめ。
トレニタリア(Trenitalia):公式サイト
イタロ(Italo):公式サイト
ちなみにイタロの予約購入方法についてはこちらの記事をご参照くださいね!今回私が乗車した際の予約方法をレポートしています。
乗車券の見方
駅構内の乗車券売り場や自動券売機で購入した乗車券は、鉄道会社の公式サイトで購入した乗車券とは少し違います。しかし、書いてあることは大体同じ。
・出発地と出発時間
・列車番号
・車両番号
・席番号
これさえ分かれば乗車には全く問題ありません!今回は、私が実際に購入したイタロのEチケットで解説しますね!
①出発駅と出発時間
②到着駅と到着時間
③列車に乗る日付
④列車番号
⑤クラス
⑥予約コード
⑦車両番号と席番号
フィレンツェ中央駅から列車に乗ろう!
乗車券を買ったら、いよいよ列車に乗りましょう!
以前はホームエリアに自由に入ることができたフィレンツェ中央駅も、現在は乗車券を持っている人しか入れなくなりました。また、特急列車(フレッチャロッサやイタロ)とローカル列車の入口も別になっているので注意!
入口には必ずスタッフがいるので、入る時に乗車券を見せてくださいね。
フィレンツェ中央駅のホームエリアへの入り方
「ALTA VELOCITA」とはフレッチャロッサやイタロのような特急列車のこと。特急列車に乗る場合はこちらの入口から入りましょう。
ローカル列車に乗る場合の入口はこちら。「REGIONAL TRAINS」と書いてある入口から中に入りましょう。
ローカル列車の乗車券には刻印が必要
イタリアの駅構内で見かけるこんな機械。乗車券に日付を刻印する機械なのですが、この機械で刻印する必要があるのは「ローカル列車の乗車券」のみ。ローカル線は自由席で乗車券を購入してから一定期間いつでも購入した区間の列車に乗ることができます。
そのため「この日に乗りました」と乗車券を使用済みにする必要があるので、列車に乗る前にこの機会で日付・時間を刻印しなければならない…というわけ。
相対して特急列車は全席指定席なので刻印の必要はありません。
ローカル列車に乗る時には、列車に乗る前に必ずこの機械で刻印してくださいね!(機械の真ん中にある口から乗車券を奥までグッと入れると、ガチャン!と自動的に刻印されます)
電光掲示板の見方
イタリア各都市の列車の駅にある電光掲示板。見方はこちら。
①列車の種類(特急列車、ローカル列車など)
②列車番号
③最終目的地
④到着時間
⑤遅延(分)
⑥停車駅
➆プラットフォーム番号
自分の列車を確認するときには、必ず「列車番号」を確認するようにしてください。
※これは実際に時々起こることなのですが、最終目的地だけを見て列車に乗ってしまうと「特急列車の予約を取っていたのにローカル列車に乗ってしまった」と間違えてしまうことも…。
自分の列車のホームを確認するときには、列車番号の確認をお忘れなく!
フィレンツェ中央駅から乗車したイタロ車内の様子
今回、私が乗ったイタロ(Italo)の車内の様子をちらっとご紹介。まだまだ他国からの観光客が戻ってきていないので、この静けさ!
全席指定席の特急列車はビジネスマンや旅行者が利用することが多いため、車内の雰囲気も怪しい感じはありません。女性の一人旅でも安心して乗れますよ!2021年6月現在は新型コロナウィルス感染防止策のため、2席につき1人しか座れないようになっています。
隣に誰もいなかったため、とっても快適な移動でした♪
列車利用時には注意!駅構内や列車内で実際に起こったトラブル
スリなどの軽犯罪が多いイタリア。特に、観光客が多く集まる中央駅や観光都市にはスリたちも集まってくるので注意が必要です。最後に、実際に私が聞いた駅構内や列車内でのトラブルについて紹介します。
日本は世界的に見ても特に安全な国なので、日本人はイタリアで狙われやすい存在。日本を出たら、常にバッグや貴重品から目を離さないようにしましょう!
ケース① 駅構内で財布をすられた
駅構内で道がわからずにウロウロしている隙に財布をすられた、という話はよく聞きます。
他のことに気を取られているとスリたちの格好の餌食に…。
※列車とは関係ありませんが、「観光地の見どころで写真を撮るのに夢中になっている隙にすられた」という話もよく聞きます。他のことに気を取られてしまう場所では特に気をつけて!
ケース② 雨の日の列車内でスマホをすられた
雨の日の夜に傘や買い物袋を持って地下鉄に乗り、列車から降りたらコートのポケットに入れていたスマートフォンが無くなっていた…という人がいました。
特にたくさんの荷物を持って列車に乗る場合、両手がふさがっているとその隙にコートのポケットから何かを取られてもすぐに対処できない場合も…。
ケース③ 座席に座ってから2人組に財布をすられた
特急列車の席に座った後、向かい側に座った2人組。
1人に「あなたの荷物を動かして。そこに載せて、そっちじゃなくてもう少しこっち…」などと言われ、荷物を動かすことに気を取られている間にもう1人に座席に置いてあったバッグから財布を取られた、という体験をした人も。結局その2人組は乗る列車を間違えたと降りていき、その後で財布をすられたことに気づいたそう。
※現在は多くの駅で列車の乗車券がないとホームエリアに入れなくなっているため、このような事件は少なくなっているようです。
ケース④ 親切に荷物を運んでくれた後チップを要求された
重いスーツケースを持っていると「手伝いますよ」と手伝ってくれ、後でチップを要求されるケース。道に迷っていると行きたい所まで連れて行ってくれ、その後でチップを要求されるというケースも。
最近多くなっているトラブルです。
ケース⑤ スーツケースを列車内の荷物置き場に置いていたら無くなっていた
特急列車内の荷物置き場にスーツケースを置いて席に座り、列車を降りるときにスーツケースが無くなっていたというケース。
列車が発車する前に誰かがスーツケースを持ち出した可能性が高いです。
トラブルに遭いにくくなる対策は?
最後に、イタリア旅行時に「これに気をつければトラブルに遭いにくくなるはず!」と私が考えるポイントをお教えします。
◎斜め掛けバッグやリュックサックは体の前に来るように持つ
◎バッグのチャックに南京錠などのロックを付ける
◎財布にウォレットチェーンなどを付ける
◎貴重品袋を首からかける、または腰に巻くなど別に持つ
◎冬ならバッグはコートの下に持つ
◎列車内の荷物置きにスーツケースを置く場合はチェーンなどで固定しておく
◎列車内でも出発まではバッグは体から離さない
◎特に夜間の市内移動には、列車やバスではなくタクシーを利用する
◎人の多い列車やバスに乗る場合、コートのポケットに携帯は入れない