妙見石原荘宿泊記・鹿児島県妙見温泉の名宿を徹底紹介

ライター 権丈俊宏

権丈俊宏

一級建築士

鹿児島県霧島市にある妙見温泉(みょうけんおんせん)「妙見石原荘」は鹿児島、いや日本を代表する名温泉宿の一つ。とりわけ温泉と食事の良さに定評があり、旅行サイトの口コミでも非常に高い評価。さらには空港から至近距離であり、全国から温泉ファンやリピーターが絶え間なく訪れます。

日帰り入浴やランチ利用も可能ですが、「妙見石原荘」を宿泊で堪能しました。今回は、泊まってみないと分からない多彩な魅力を徹底紹介。温泉好きなら憧れのラグジュアリー宿!たっぷりと紹介しますね。

全ての浴室が自家源泉100%かけ流し

妙見石原荘の雰囲気は?

妙見石原荘 外観
妙見石原荘 外観

鹿児島県の北部に鎮座する名峰「霧島山」。妙見温泉は、霧島山南麓の天降川(あもりがわ)に沿って温泉場が点在する新川渓谷温泉郷の中心的存在です。環境省から「国民保養温泉地」にも指定され、豊富な湯量と良質な泉質が湧く名湯。

アクセスは、車なら九州自動車道 溝部鹿児島空港ICから約15分。鹿児島空港からも近く、空港から妙見路線バスに乗車し「石原荘バス停」で下車すると、目の前が「妙見石原荘」です。山間部ながらもアクセスが良好なので、全国各地からファンやリピーターが訪れます。

エントランスホール
エントランスホール

館内へ入ると、高級宿ならではの凛とした雰囲気に包まれています。ラグジュアリー感たっぷりですが、スタッフの接客が良いせいか、お高くとまったような印象は皆無。独特な気品を保ちつつも、ゆるりとした雰囲気がどことなく感じられます。

湯上りラウンジ

気品溢れる佇まいは、館内各所で感じられます。例えば、上写真にある「湯上りラウンジ」。大浴場横に併設され、大切な人と一緒にゆるりとしたひとときを過ごすのにピッタリ! 館内どこを切り取っても、洗練された大人の空間が演出されています。

妙見石原荘の大浴場と露天風呂で“生源泉”を満喫

浴室棟へつながる通路。左は飲泉場

妙見石原荘といえば泉質自慢の温泉宿。チェックインを済ませて、まず温泉へ向かってみました。温泉施設は宿泊棟とは別の場所に点在し、数分程歩きます。それは、源泉が湧出する場所から極力近い場所に浴室を造っているため。長い通路の途中には、源泉をそのまま使った飲泉場が設置。浴室に近づくにつれ、期待がどんどん高まってきます!

大浴場「天降殿」
大浴場「天降殿」

チェックイン時には小雨がパラついていたので、まずは雨に濡れない大浴場の「天降殿(あもりでん)」へ行ってみました。泉質名は「ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-炭酸水素塩泉」。湯船の縁に“析出物”と呼ばれる温泉成分の塊が付着するタイプの泉質で、肌の余分な皮脂を落としてくれる美肌の湯です。大浴場では、その美肌の湯が惜しげもなくドバドバと贅沢にかけ流されています。

妙見石原荘の温泉が凄いのは、完璧主義!とさえ言える程の徹底したお湯へのこだわり。自家源泉を7本所有し、各浴室で一つずつ異なる源泉を使用。もちろん源泉100%かけ流しです。更には特殊な熱交換器を使用し、約56度の源泉を一滴も水を加えることなく42度程度に下げ、適温に調整。霧島火山帯を源とした上質な“生源泉”を、最高に新鮮な状態で湯船へ提供しています。

混浴露天風呂「椋の木」
混浴露天風呂「椋の木」

続いては、雨も止んだので続混浴露天風呂「椋の木(むくのき)」へ行ってみました。眼前は天降川という清流で、手すりや柵など一切ありません。渓流のせせらぎをBGMに、インフィニティ温泉を楽しめます。混浴なので女性には抵抗あるかもしれませんが、湯浴み着レンタル可能。ここまで野趣溢れる渓流露天風呂はなかなかありませんので、恥ずかしがらず思い切って混浴を楽しむのも一興です!
また、「椋の木」の源泉は炭酸成分を多量に含有。炭酸ガスは血管を拡張させ、心臓に負担をかけることなく血流を良くする効果があり、お風呂を上がった後もずっとポカポカ感が持続します。

※「椋の木」は、11~15時の日帰り入浴可能時間帯は男性専用露天風呂になります。

妙見石原荘の貸切風呂は絶景渓流露天風呂

妙見石原荘には2つの貸切風呂があります。

貸切風呂「七実の湯(ななみのゆ)」

貸切風呂「七実の湯」
貸切風呂「七実の湯」

ひとつは「七実の湯(ななみのゆ)」といわれる露天風呂。宿泊者は無料で貸切できますが、一組30分の当日予約制です。
「七実の湯」は夜よりも、明るさが残る日暮れ前や朝がおすすめ。天降川を見下ろすように作られた湯船で、清流を臨みながらダイナミックな湯浴みを満喫できます!

※11~15時の日帰り入浴可能時間帯は女性専用露天風呂になります。

貸切風呂「睦美の湯(むつみのゆ)」

貸切風呂「七実の湯」
睦美の湯(むつみのゆ)

もうひとつの貸切風呂は「睦美の湯(むつみのゆ)」。有料の貸切風呂で、利用は一組30分。「睦美の湯」でおすすめの時間帯は、私ならズバリ!ブルーアワーを推します。
ブルーアワーとは、日の出直前と日の入り直後に発生する空が濃い青色に染まる時間帯のこと。ここでは、湯船を照らす暖色系のライトアップと周囲の青みが対比され、ブルーアワーならではの幻想的な光景を体験できます!

「七実の湯」と「睦美の湯」も、もちろん自家源泉100%かけ流し。温泉通の中には、温泉を生ビールや刺身に例える人もいますが、これは“温泉は鮮度が命”という意味です。妙見石原荘では注ぎたての生ビールやさばきたての刺身のごとく、最高に新鮮で入りごろな温泉を、どの浴室を選んでも楽しむことが出来ます。

妙見石原荘の客室は?

本館 和室(山側)
本館 和室(山側)

客室は大きく分けて2種類。露天風呂付き客室である「石蔵」と「本館」があります。今回、私はリーズナブルな本館をセレクトしましたが、本館でも十分すぎるほど立派で、ラグジュアリーな滞在を存分に満喫できます!

私が宿泊した部屋は、現代和風という山側の和室。メインの部屋は8畳で、窓からは、緑豊かな木々や温泉街の通りが臨めます。

談話スペース
談話スペース

また和室の隣には、椅子とテーブルがセットされた洋風の談話スペースも設置。他にはバス・トイレは完備。他には、テレビ・wifi・冷蔵庫・お茶セット・タオルやバスタオル・浴衣等、必要十分な設備類は整っています。また、客室の蛇口は、宿の敷地内で湧出する湧水を使用。ミネラルウォーターをわざわざ購入するのがもったいないほどの美味です。

妙見石原荘の夕食&朝食は食通にも評判

妙見石原荘は、多くのリピーターが食事目当てで宿泊。
夕朝食共にレストラン「石蔵」で頂きます。レストランとはいえ全席半個室。決して密になることなく、プライベート感を保持。落ち着いた雰囲気の中で食事を楽しめます。

談話スペース
レストラン石蔵  写真提供:妙見石原荘

妙見石原荘の夕食

一品一品運ばれる創作会席料理  写真提供:妙見石原荘
一品一品運ばれる創作会席料理  写真提供:妙見石原荘

夕食は、鹿児島の地物に徹底的にこだわった創作会席料理。旬の食材を使用するために、メニューは季節ごとに変わります。料理は、客の食するペースを見計らいながら、一品一品丁寧に運ばれてきます。どの料理も、名門料亭で食するような洗練された味わいと食材本来の味も同時に感じさせる美味。薩摩の芋焼酎との相性もバッチリです!

妙見石原荘の朝食

地産にこだわる朝食
地産にこだわる朝食

朝食も鹿児島の旬の食材を使用した和食。妙見石原荘は山間の温泉宿ですが、桜島で有名な錦江湾や東シナ海にも程近い地。海・山の食材問わず霧島市一帯は、実はグルメ天国として密かに知られています。

妙見石原荘は温泉通と食通に特におすすめ

このように「妙見石原荘」は、湯・食・泊…すべてに死角が無く、総合的に満足度の高いラグジュアリー宿です。とりわけ自家源泉100%かけ流しの温泉と、鹿児島の味覚を集結させた料理は、群を抜いたハイレベル。温泉の泉質と食事双方がハイレベルに揃う宿は、全国見渡しても意外と希少な存在。「妙見石原荘」はそういった点で日本屈指の温泉宿の一つと言えるでしょう。

また、スタッフの接客の良さも印象的。付かず離れずの程良い塩梅で、至れり尽くせりの接客を臨む方には物足りないかもしれませんが、必要十分かつ迅速な対応力です。この様なホスピタリティの高さが、きっと「妙見石原荘」での上質な滞在の根底を支えてくれているに違いありません。

DATA
妙見石原荘
住所:鹿児島県霧島市隼人町嘉例川4376番地 
電話番号:0995-77-2111 
公式サイト:妙見石原荘
アクセス: 
【車】九州自動車道 溝部鹿児島空港ICから車で約15分 
【バス】鹿児島空港から妙見路線バスに乗車(乗車時間約25分)。石原荘バス停下車後すぐ

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