2021年に世界自然遺産登録が決定した「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」。私も大好きなエリアでよく訪れるのですが、星を見るにも山道に入るにも、ヒヤヒヤ。そう、クマはいないけど、ハブがいるんですよね…。ところがっ!奄美群島の中でも、喜界島にはハブがいないんですよ。ハブにビクビクしながら観光するのが嫌な人はぜひ喜界島へ!
奄美大島から飛行機で5分の喜界島
奄美群島は、奄美大島・喜界島・加計呂麻島・請島・与路島・徳之島・沖永良部島・与論島などからなる区域。それぞれフェリーで結ばれていて、美しい海を眺めながら島々を旅をするアイランドホッピングを楽しめるエリアです。
喜界島がどこにあるのか正確に答えられる人は少ないと思います。喜界島は奄美大島の東20Kmほどの場所にあり、フェリーで約2時間半、飛行機で5分~10分ほどで到着。飛行機を使う場合は、水平飛行に入った直後に再びベルト着用サインが点き、もうずっとベルト着用でもいいんじゃないかな(笑)…という短時間フライトです。
また、使用機材はプロペラ機。フライト高度も低く、美しい海岸や青い海を間近に見ることができるのも魅力ですよ。ぜひ窓際の席をおすすめします。
喜界島でおすすめの宿は2020年オープンのゲストハウス
喜界島って、良い意味でまだまだ開発されていなくて、あまり新しいホテルがないのが実情。そんな中、泊まるなら、2020年にオープンした新しいゲストハウス「ココネドコ喜界島」がおすすめ!
実は私、ゲストハウスは初めてだったのですが、古めのビジネスホテルに泊まるより新しいゲストハウスのほうが居心地いいかな…と思考え、思い切ってゲストハウス初挑戦したのですが大正解。
新しいのでキレイだし、寝具も気持ちいい。女性専用スペースもあります。隣はAコープ(スーパー)なので、食べるのにも困らない。バスの営業所も隣なので、バスを使った島巡りにも便利です。
ちなみに受付は老舗の「喜界第一ホテル」。直接ココネドコ喜界島に行かずに、まずは喜界第一ホテルでチェックインしてください。
DATA ココネドコ喜界島 住所:鹿児島県大島郡喜界町湾62−1 公式サイト:ココネドコ喜界島 注意点:チェックインは喜界第一ホテル(下記参照)
喜界第一ホテルでは、とても親切なフロントスタッフの方が対応してくれました。「ココネドコはシャワーしかないので、大浴場に入りに来ていいですよ」と言われましたが、2021年5月時点の情報なので、利用の際には最新の情報を調べてくださいね。必要なら、レンタカーやレンタサイクルの手配も、喜界第一ホテルでお願いできますよ。
レンタカーで喜界島ドライブ
今回はバスで巡る予定をしていたのですが、「見晴らしのいい高台に行くなら、自転車は厳しい…」と教えてもらい、急遽、喜界第一ホテルさんに手配をお願いしてレンタカーでドライブ。
シュガーロード
喜界島中心地から車で15分ほどで、サトウキビ畑の中を2.5Km続く「シュガーロード(一本道・東シナ海へと続く道)」です。ちょっと北海道っぽくも見える景色ですよね。喜界島は、まだまだ訪れる旅人も少なく、シーズンや曜日によってはほとんど観光客に遭遇することがありません。
喜界島は小さな島なので、レンタカーを借りる場合も、1泊2日ではなく、日帰り利用でじゅうぶんですよ。2日間いるからといって、1泊2日借りるのはちょっともったいない感じです。
DATA シュガーロード(一本道・東シナ海へと続く道) 住所:鹿児島県大島郡喜界町伊実久 前スポットからの所要時間:ココネドコ喜界島から車で12分
魔女の木
云われが不明なのですが、「魔女の木」と呼ばれる、ポツーンと一本だけ立つ木があります。一応Google mapにも乗っていて、観光スポットのようで、たまにインスタに載っていたり。
いわゆる、ご神木なのでしょうか。何か祀られているようです。日中はそうでもありませんが、夜ここに一人で来るのはちょっと怖いかも。真偽は不明ですが「あまり撮影するのは良くない」という噂も。昼間でも存在感のある木です。
DATA 魔女の木 住所:鹿児島県大島郡喜界町 前スポットからの所要時間:シュガーロードから車で約5分
百之台公園
魔女の木から車で15分ほど。百之台(ひゃくのだい)公園からは、パノラマの景色が楽しめます。近くにもう少しだけ標高の高い七島鼻(しちとうばな)というスポットがあるのですが、景色は百之台のほうが上!
喜界島は隆起サンゴ礁の島で、百之台は広大な隆起サンゴ礁高台です。過去に隆起しただけではなく、喜界島は今でも年間約2ミリメートルずつ隆起しているらしい!地球って生きているんだなぁと実感。
DATA 百之台公園 住所:鹿児島県大島郡喜界町滝川 前スポットからの所要時間:魔女の木から車で13分
テーバルバンタ
百之台から車で20分ほどでテーバルバンタに到着です。ここは、「うわーっ!キレイっ!!」という場所ではありませんので、絶景を期待するとちょっとがっかりするかも。ただし、この場所は、喜界島の成り立ちがわかる貴重な場所で、タモさんのような地形フェチの人が見たら、とてつもなく魅力的な場所なのです。
ここからは、サンゴ礁でできた階段状の地形が見られます。なんと、6万年前のものらしい…。でも、立っているその足元は、8万年前のサンゴ礁なんですって。そして背後には、10万年前のサンゴ礁の台地が…。という、すごい場所なんです。
DATA テーバルバンタ 住所:鹿児島県大島郡喜界町浦原 前スポットからの所要時間:百之台から車で18分
夫婦ガジュマル
続いて、サンゴの石垣でできた集落に向かいますが、その前にちょっと寄り道。テーバルバンタから車で5分ほどの場所に、巨大ガジュマル群があります。写真はその中の「夫婦ガジュマル」と呼ばれるもの。
他の島でもそうですが、樹齢の長いガジュマルはなんだか神秘的で、生命のパワーを感じます。鬱蒼と茂る木々の隙間から差し込む陽射しのせいかもしれませんね。
DATA 夫婦ガジュマル 住所:鹿児島県大島郡喜界町花良治 前スポットからの所要時間:テーバルバンタから車で6分
サンゴの石垣が残る阿伝集落…喜界島にハブがいない理由とは?
喜界島に来たなら、ここはぜひ訪れてください。海沿いに、サンゴの石垣が美しい集落があります。台風の多い土地に暮らす、先人の知恵ですね。
島の東側に位置する阿伝集落は、家々の垣根がサンゴ礁でできています。こういう石垣を見ると、「ハブが…!」と恐ろしくなるのですが、喜界島にはハブがいないので、こういった石垣でも大丈夫だそうです。
なぜ喜界島にハブがいないかというと、これまで巡ってきた百之台やテーバルバンタで説明したことに関係します。奄美群島の中でも、喜界島・沖永良部島・与論島にはハブがおらず、奄美大島や徳之島にはハブがいます。これは、島の成り立ちに理由が。喜界島・沖永良部島・与論島は、標高が低い隆起サンゴ礁の島なんです。これらの隆起サンゴ礁の島々は、海面上昇により島が完全に沈んだ時に、ハブは死に絶えたといわれています。また、隆起サンゴ礁の島は土壌がアルカリ性のため、ハブが生きられないという説も。
どちらにしても、ハブがいないなんて、ラッキー!!喜界島では石垣のそばや茂みでも、ビクビクせずに観光できます!
DATA 阿伝集落サンゴの石垣 住所:鹿児島県大島郡喜界町阿伝 前スポットからの所要時間:夫婦ガジュマルから車で6分
喜界島は蝶の楽園
この阿伝集落は、観光用に石垣の道が作られたわけではないので、こういった脇道も昔ながらの石垣です。突き当りも石垣。この集落を散策すると、違う時代に来たような不思議な気分になります。
実は喜界島は「蝶の島」とも呼ばれていて、この脇道には沢山のオオゴマダラが優雅に舞っていました。オオゴマダラは、“南の島の貴婦人”とも呼ばれる美しい蝶で、羽を広げると13~15cmほどあります。喜界島には「オオゴマダラ保護条例」があり、オオゴマダラの捕獲が禁止されていますので、小さなお子さんと一緒の旅では、間違って捕獲しないように気を付けてくださいね。
喜界島を発つ前に、空港裏の絶景
喜界島空港はものすごく質素な造り。早く到着してもカフェやラウンジなどはありません。でも、空港裏手のスギラビーチが恐ろしく美しいのです!滑走路を横切ってアクセスできないので、ぐるっと回りこむ必要がありますが、空港からは徒歩10分ほど。空港利用前後に時間があるなら、このビーチでのんびりすることを強くおすすめします。
宮古島にあるのはシギラビーチですが、こちらはスギラビーチ。空港裏という立地を忘れさせてくれるような透明度とラムネ色の海が美しいスポット。空港からすぐなので、ギリギリまでここで過ごすことができるのが利点ですが、あまりにも美しいので時を忘れてしまわない注意だけは必要です。できればスマホにアラームをセットしておきましょう。
水深も浅く、干潮時は岩にの上に登れたりするので、高い場所から美しい景色を堪能することもできます。ただし、隆起サンゴ礁の島なので足元が悪く、こけたらザクっと足を切ります…。怪我をしないように細心の注意を払ってくださいね。
DATA スギラビーチ 住所:鹿児島県大島郡喜界町中里202−1 場所:空港裏
蝶の島をレンタカーで巡ってみて
ハブのいない平和な喜界島。しかも多くの蝶が優雅に舞う姿も楽しめる。喜界島はコンパクトな島なので、1泊2日や2泊3日であっても、レンタカーは1日でじゅうぶん。あとの日程はレンタサイクルとバスで楽しむほうがお財布にも環境にもエコですよ!