タイ王室の保養地として知られ、首都バンコクから約3時間、車で行けるリゾート地ホアヒンにあるハイアットリージェンシー ホアヒンに宿泊しました。
広大な庭園に、改装された客室、定評のあるプールなども魅力的なのですが…私が滞在した1番の理由は、併設のスパ「THE BARAI SPA(ザ・バライ・スパ)」への訪問。ビジターとして訪れるより、宿泊しながらの利用がより落ち着いて楽しめると思ったからです。
まるで遺跡のような空間で受けるマッサージ♪
さらに言えば、トリートメント目的と言うより建築鑑賞(笑)。とにかく施設全体が、感覚を研ぎ澄まされる雰囲気に満ち溢れている様子をお伝えいたします!
ハイアットリージェンシー ホアヒンの宿泊記はこちらをご覧ください。
THE BARAI(ザ・バライ)はスパ・ヴィラ・ダイニングから成る複合施設
ハイアットリージェンシー ホアヒンの敷地内にある「THE BARAI(ザ・バライ)」はスパ、宿泊出来るヴィラ、海沿いのダイニングから成る複合施設。名称の由来はクメール語の『貯水池』から来ているそうです。
当時の人々の暮らしに欠かせなかった貯水池は豊かさの象徴。そんな自然の恵みを感じて欲しいという意味があるのでしょうか?
そんなBARAIは下のリゾートマップを見てもおわかりの通り、ハイアットリージェンシー併設というより独立した施設のような、広い敷地面積と大きな建築です。
THE BARAIのミステリアスなエントランス
ホテルのアプローチを抜け…エントランスの斜路を上がる手前右側に、建物と施設のエントランスが見えます。
しかし、スパは分かりやすい入口があるものの、ヴィラはどこにレセプションがあるのか…!? スタッフも外にはおりません。
バライの建物は巨大かつ厚い壁に囲まれており、さらに植栽があるので建物の全容を伺い知る事は出来ません。
初めて訪れると、どこに行けば受付してくれるのか迷うと思います。
とりあえず、リージェンシーのロビーに行って案内してもらった方が早いかも??
17時オープンのスパ。オープン前はクローズ状態
ハイアットリージェンシー ホアヒン内からは、クラブラウンジとプールを抜けて左奥に入口が。スパの文字と、矢印を頼りに進みます。
途中、ヴィラへ入る入口が。赤い巨大な壁と階段…まるで古代遺跡のようなスケール感です。
今回スパ内の様子を撮影する為、予約時間より30分早く入館しようとしましたが、スパエントランスは鉄扉が閉じられたまま。
えっ!?なんで??と思いながら周囲をウロウロ。他にそれらしき入口も見つからず。
THE BARAI内にある海沿いのダイニング「マクファーランドハウス」のスタッフに尋ねると、プールから入って奥との事。方角的には全く逆で、戸惑いながら向かいます。
訪れた際は、営業時間はリサーチしてませんでした。実はこちらのスパ、日曜以外の営業は17~23時(日曜10~23時)。だから正面は閉まっていたのか~。
公式HPの予約フォームも、昼間は日曜以外予約不可だったのも納得です。
海側の庭園からは、ヴィラ棟の外観が見えました。126平米と149平米の広い客室は全8室のみ。2階建てで、1階はプライベートプールが付いているようです。リージェンシーの客室はお手頃ですが、こちらはとってもお高く、ホアヒンでもトップクラスの宿泊料です。
いよいよスパの内部へ…
エントランスはまだ空いていないので、庭園から見える、赤土色の壁面の切れ目から内部に入ります。
えっ!? すごーい!!
まるで禅庭のような、砂地の広場の中央を貫く黒い水路。これ、BARAIのヴィラ宿泊者専用のプールなんです。
画像で見ると「こんな閉鎖的で、細くて黒いプールなんて泳ぎたくないわ」と思っていましたが…
実際は、凛としたデザインと静寂に包まれており「ここにずっと佇んでいたい!」と思える空間でした。
木陰が壁に映る様子は、モダンアートを眺めているのような気分になります。
そのプールを通り過ぎ、奥の青い入口に進みます。
こちらの小さな広場の南側がレセプションです。リゾートマップでは『デイ・スパ』と表記されていました。
予約した17時まではまだ時間があります。受付スタッフに「館内の撮影がしたいんですが、あの四角い水盤がある場所は何処ですか? 表のエントランスが閉まっていて…」と伝えると「ああ、ここは17時オープンだから閉めているんです」との事。
THE BARAIは遺跡に迷い込んだような異空間
17時からしか入れないという事は、明るい館内の雰囲気を楽しむ時間が限られている…急いで探索に向かいます。
海側から入った場合、レセプション前の通路左側と奥に入口があり、そこを入るとトリートメントルームが並んでいるというレイアウト。公式ホームページによると18室あるそう。私はそれ以上の規模を感じましたが…それだけ贅沢に空間を取ってあるという事ですね〜。
館内は遺跡のように複雑かつ、外の景色が全く見えないので迷路のよう。ワクワク・ドキドキしながら進みます。
トリートメントルームも、土・水・風・火のテーマをイメージして作られているのだとか…ますますミステリアスな気分に。
ついに念願の空間へ!
1番奥まで進むと…着きました! 水盤のある回廊!!
クメール王朝の寺院を、モダンに昇華させたようなデザインが素晴らしい~♪
わたくし、こちらを訪れる機会を数年前から願っておりました。バライの名前の通り、クメール王朝時代の貯水池を再現したような空間です。
回廊の西側は、エキゾチックな形状に切り取られた通路。
その向こうには、壁一面を星型にくり抜いた空間が。
光と影が織りなす異空間。ここまでの探索は、やはり施術を予約しているからこそ楽しめるというもの。
しかし、陽が沈むのが遅い5月だったから良かったものの…冬場であればオープン直後に行っても、ここまで強い光のコントラストは見られないのでは?と思ったので、昼間の館内を見たい方は夏場もしくは日曜の利用をオススメ致します。
神秘的な空間で受けるトリートメント
トリートメントの種類は多彩。シグネチャー・ハーバル・ボディスクラブ・フェイシャル・バス&ボディなどの各種トリートメントはそれぞれ土・水・風・火のテーマに分けられた種類から選べます。
今回予約したのは、『AROMATHERAPY MASSAGE 90min』。90分のアロマオイルマッサージです。
お値段は3200バーツ+税金とサービス料(大体17.7%が目安)。
マッサージ天国タイでは高いですが、高級ホテルのスパとしては比較的お手頃価格。
なんとハイアットリージェンシー宿泊者は10%引きになります!
私は知らずに、公式HPから予約。ホテルチェックイン時に聞かされて、既に予約したと伝えると…速攻でスパに内線で連絡。割引確定いただきました〜!
受付でセラピストを紹介され、トリートメントルームへ。ほの暗いお部屋、更衣室で着替え(ストッキングみたいな素材の黒いパンツ)にガウンを羽織り、ベッドに向かいます。
広々とした個室。神秘的な雰囲気で施術に集中出来そうです。
まずは、特にマッサージをして欲しい部位、して欲しくない部位を尋ねられ、4種類の中から好きな香りのアロマオイルを選びます。
ベッドに寝そべり、施術が始まります。まずはうつ伏せで足から背中・腰や肩など全身を、セラピストが指を滑らせながらマッサージ。
眠っている間にマッサージ終了
中盤から仰向けになり…気付くとセラピストに起こされ終了。
よく、いつの間にか眠ってましたとの感想を聞きますが…そのような経験が無かった私も、今回初めて眠ってしまったようです。気持ち良くてリラックス出来て、90分とは思えないほど短く感じました。
終了後は、お茶とドライフルーツをいただきます。上手く聞き取れませんでしたが、フルーツから出来るお茶のようです。
セラピストが、灯り取りの為お部屋の扉を開け放ちました。
いやすごい!こんなバスルームがあったとは〜!!
こちらは、バスセラピープランを選んだ場合に使用出来るようで…オイルマッサージやタイマッサージだと、こちらの使用は含まれておりません。
セラピストにエントランスまで見送っていただき、トリートメントが終了。宿泊しており、気が緩んでつい手ぶらで来てしまったので…チップを忘れておりました。一旦セラピストに謝り、支払いは部屋付けにしてスパを後にします。
夢を見ているような…BARAIの夜
スパを出た頃は18時半過ぎ。空も段々暗くなり、BARAIの夜景も美しく際立ちます。
夕食後、チップを届けに再びスパへやって来ました。
夜の館内へ潜入…
せっかくここまで来たので、あの水盤の夜景も見てみたい…特に止められる様子も無かったので、正面エントランスから入ると…
夜も素敵過ぎる〜なんて神秘的なんでしょう…
ずっと佇んで見ていたかったです。
こちらのデザイナーは、クラビのリッツカールトンリザーブやランカウイのフォーシーズンズも手掛けたというタイ人のレック・ブンナン氏。独特の素晴らしい空間を、初めて体験出来て感動もひとしおでした。
潮風が抜けるダイニングでランチ
THE BARAIの敷地海沿いには、19世紀のタイ建築を復元したダイニング『MCFARLAND HOUSE(マクファーランドハウス)』があります。基本はグリル料理を中心とした、タイと西洋にインスピレーションを得たメニューを提供するインターナショナルダイニングです。
海沿いに立つ、窓の無いオープンな店内は開放感抜群。波音を聴き、潮風を感じながらお食事を楽しむ事が出来ます。
当初は午前中にスパでマッサージを受け、夢見心地でダイニング移動、そのままランチをいただきホアヒンを後にする…という優雅なプランを立てていましたが、スパは日曜以外夕方オープンなので前日に済ませ、ランチはチェックアウト後に伺いました。
空いているのにほとんど予約席!?
2階建てですが、ランチ時は1階海沿いのテーブルのみ使用している様子。
テラス席や海に近いテーブルは全て予約済みのプレートが置かれていましたが…
13時にうかがい滞在した90分の間、他のゲストが座った席は半分以下でした。
目の前に案内された韓国人カップル、ドリンク1杯だけで出て行きましたが予約しているようには見えず…
他にもアフタヌーンティーで訪れたタイ人カップルは、簡単に予約席同士を席替えしていました。
どうやら海側のテーブルはとりあえず予約済みにしていて、ゲストを見て案内している様子。
私はひとつ陸側の端っこに案内されたのに…という事で、良い席に座りたいのであれば事前予約、もしくは強めのリクエストをした方が良いでしょう。
肉厚パティのハンバーガーランチ
こちらのダイニング、公式HPには前菜・メイン・デザートからそれぞれ好きなメニューを選べて990バーツというセットランチメニューがあり、楽しみに来店したのですが…
セットランチメニューが無いのでスタッフに尋ねると「そちらは今やってません」との事。
ガーン!どうしましょう?? こちらは高級ダイニング、アラカルトメニューは結構高いのです。
おすすめされた和牛ステーキは1万近く…帰国して公式ホームページを確認すると、セットランチメニューは普通に掲載されていました。謎だわ…
という事で…ひと皿でお腹いっぱいになる、安定のハンバーガー「THE GEORGE BRADLEY BURGER (683バーツ)」をオーダー。
さすがグリル系に強い高級ダイニングだけあって、大きくて美味しい!
こだわりのバンズにジューシーかつ香ばしいパティ。ポテトも冷凍っぽくない大ぶりなもの。
まぁ、ホテルダイニングのハンバーガーはどこも外さないですよね。
絶品!ココナッツクレームブリュレ
ハンバーガーも美味しかったけれど、このお店らしい料理が出るセットランチ、いただきたかったわ…デザートメニューに、セットランチで選びたかった『ココナッツクレームブリュレ(259バーツ)』があったので追加注文。
くり抜いたココナッツの実に直接入ったクレームブリュレ。上には大好きなココナッツアイスがどーん。周りは炙ったココナッツフレークがどっさり…の、かなりボリュームのあるデザート。2人でシェアが丁度良いボリューム。
シナリオから外れまくりのランチとなりました
タイの海沿いらしく、ココナッツデザートを堪能出来て大満足。これはオススメ!…ですが、一緒に楽しもうと思ったアイスコーヒーが催促するまで出て来ず…待っていたらアイスクリームが溶けてしまいました。デザートと同時に出していただけるのは日本だけの心遣いなのかしら…?
ここではオーダーの際にデザートと同時に持ってくるようお願いすると良いと思います。
ちなみに食事時に頼んだヘルシーなスムージーは、野菜の青みが全面に出ている味で、わたしはちょっと苦手でした。
あと、この記事をよんですぐに行こうとしている人は、ちょっと気を付けて。2023年5月は隣の敷地が工事中で、ショベルカーの音が聞こえていました。
夜には作業が終わるので、ランチではなくディナーにするなど時間をずらしての訪問の方が良いかもしれません。
雰囲気と料理のクオリティは高かったので、是非海沿いの席を予約して、たまには贅沢なお食事を楽しんでみてはいかがでしょうか?ちなみに、気軽に楽しめるアフタヌーンティープランもありましたよ。
THE BARAIで五感を刺激する体験を
異空間にトリップしたような気分になれる建築の中で受けられる、極上のマッサージ。歴史を感じる建物でいただく上質なお食事。敷地内は静寂に包まれ、波の音・潮風・鳥の鳴き声・木々の葉が揺れる音がより感じられます。
まさに五感を刺激するというか、自身の感覚がピーンと研ぎ澄まされた気持ちになるTHE BARAI。
ホアヒン滞在時のスパイスとして、ご利用してみてはいかがでしょうか?
DATA THE BARAI Spa and Residential Suites (ザ・バライ・スパ・アンド・レジデンシャル・スイーツ) ハイアット リージェンシー ホアヒン内 29 91 Nong Kae,Hua Hin District, Prachuap Khiri Khan 77110 タイ 営業時間:スパ・17:00~23:00(日10:00~23:00)/マクファーランドハウス・6:30~22:00 公式HP:THE BARAI ※こちらの記事は、2023年5月の体験記です。