東武鉄道の日光・鬼怒川エリアは、東京の浅草駅から、北千住駅、春日部駅、栃木駅を通って特急列車で約2時間。普通列車だと時間はかかるけど、片道交通費がなんと1,390円(大人料金)、都心からそこそこ近くて交通費が比較的安い、アクセスの良さに優れた観光地です。乗り入れている列車、列車から見える景観、そして2022年3月のダイヤ改正による変化については、別の記事にまとめましたので合わせてお読みください。
2017年から、東武鬼怒川線の下今市~鬼怒川温泉間では、今時めずらしくなった蒸気機関車による「SL大樹」が運行中です。ダイヤ改正でいろいろ変わったとはいえ、鬼怒川まで来たらやっぱりSLは外せない!
SL大樹に乗ってみよう!
「SL大樹」は、東武鉄道鬼怒川線の下今市~鬼怒川温泉間で運行しており、その距離は12.4kmと大して長くはありませんが、片道35分かけてロマンあふれる旅を堪能できます。一部のSL列車は東武日光駅まで乗り入れており、その際は「SL大樹ふたら」という名称で運行されます。「ふたら」は、男体山の過去の呼び名、二荒山に由来します。
起点となる下今市駅は、浅草駅から特急列車で約2時間。東武日光駅の2つ手前の駅です。埼玉県・栃木県の平野部を越え、東武日光方面に続く上り坂を越えた先に、蒸気機関車の機関庫や、転車台、そしてSLが全国どこでも見られた時代を彷彿とさせる、黒い木造駅舎が見えてきます。ここが「SL大樹」鬼怒川温泉行きの出発地点!
DATA 東武鉄道「下今市駅」 所在地:栃木県日光市今市1110 電話番号:0288-21-0201 公式サイト:東武鉄道
SL大樹には2種類のSLがある
2022年4月現在、「SL大樹」で使用される蒸気機関車は2種類。
JR北海道より借り受けているC11形207号機と、真岡鐵道より譲渡されたC11型325号機の2種類です。
C11形207号機
207号機は「SL大樹」運行開始時から活躍している個体で、霧が多い日高地域を走っていたことから、前照灯が左右に2つ設置されているのが特徴。その見た目から「カニ目」と呼ばれることもありますよ。また、寒地向けの装備として、機関車の下部にはスノープロウ(雪かき)も取り付けられています。
C11型325号機
一方の325号機は、蒸気機関車ではおなじみの前照灯が1つの外観。2020年7月に東武鉄道にやって来て、同年12月に運行を開始しました。それ以前は真岡鐵道「SLもおか」として客車をけん引していました。
客車は2色・展望車もあり!
SLがけん引する客車は、どれも国鉄時代から活躍していた懐かしの客車。北海道や四国から東武鉄道に渡ってきました。青色または茶色の客車が3両連結され、往年の雰囲気そのままに、北関東の地で観光客を迎えます。2021年11月4日からは、展望車「オハテ12」も登場しました。既存の客車の車端部を展望デッキに改造。デッキでは、窓がなくなったことで風や音、煙の匂いも感じやすくなり、懐かしさあふれるSLのひとときをさらに楽しめるようになりました。
また、蒸気機関車と客車の間には車掌車が連結されています。本来の車掌車は、車掌が乗務し、貨物列車の最後部に連結されるものですが、「SL大樹」の保安装置が車掌車に設置されているため、ここではSLと車掌車が隣同士になっています。これは、現代の鉄道に必要なものであるがゆえの、昔とは違うところといえるでしょうか。
ちなみに「SL大樹」は運行スケジュールによって本数や運行区間が変わり、SLが運転しない日はディーゼル機関車による運行になります。その場合は「DL大樹」という名称で運行されます。ディーゼル機関車による「DL大樹」も、それはそれで珍しい列車なので、運行予定などは東武鉄道公式サイトにてご確認ください。
硬券で乗車し、人情あふれる旅を体感しよう
「SL大樹」は座席指定列車のため、乗車券とは別に料金が必要です。懐かしの客車に乗り込むには、乗車駅から下車駅までのきっぷと、座席指定券の両方を持っていなければなりません。
「日光・鬼怒川エリア鉄道乗り放題きっぷ」は下今市~東武日光・新藤原間が1日乗り放題になるフリーきっぷですが、これを利用していても、SL指定券は別途購入する必要があるので注意。
そのかわり、指定券は硬券!筆者は鬼怒川温泉駅で購入しましたが、その際に打刻の体験をさせていただきました。
その他、「SL大樹(DL大樹)」座席指定券の購入は、乗車日1ヶ月前の午前9時から、東武線の各駅、主要旅行会社各店で取り扱われます。事前予約は、電話または「SL大樹」公式サイトから、乗車日1ヶ月前の午前9時より取り扱われます。インターネットの事前予約はクレジットカード決済のみなのでご注意を。
「SLアテンダント通信」は読み応えあり
「SL大樹」には「SL観光アテンダント」が添乗し、沿線の観光情報や、車窓から見られる景色などのお話でSLの旅をガイドしてくれます。合わせて、記念乗車証と「SLアテンダント通信」が一人一人に配布されますよ。カメラマンも同乗しているので、撮影のため乗客一人一人に声をかける時があります。
「SLアテンダント通信」は、筆者が2月23日にもらった時点で第26号まで発行されているようです。
第26号では、SLの運行を陰で支える作業員の仕事の様子や、SNSで募集された「SL大樹」の魅力に関するアンケート結果の発表が掲載されていました。綿密に取材された内容が、A4サイズ(配布時は4つ折り)とは思えないほど高い密度とかわいい挿絵で紹介されているので、硬券や記念乗車証と一緒に持って帰ってじっくり目を通してみましょう。実際、筆者にとっても大いに勉強になりました。
「SL大樹」に乗ったら手を振りまくろう
また、「SL大樹」乗車中、駅員さんや沿線の地元住民、ファンらが列車に手を振ってお見送りしてくれることも!もし手を振ってくれる人を見かけたら、ぜひとも車内から手を振り返してみませんか。車内・沿線から多くの人がSLに(SLから)手を振る光景には、鉄道関係者と、地域の人々・ファンの双方が「SL大樹」を応援している暖かさを感じられます。「SL大樹」のまわりには、様々な人のにぎわいがあるのです。
筆者も撮影のため、丸一日沿線を転々としましたが、シャッターを切った後はノリノリで手を振っていました。
力強く発進!流れる風景と機関車の鼓動を感じよう
さあ、発車時刻になり、客車のドアが閉まれば、蒸気機関車は汽笛を鳴らして発車します!電車とは比べ物にならないほど遅い加速ですが、ゆっくりゆっくり、徐々に徐々に速度を上げながら、手を振ってくれる駅員や他の利用者らに見送られながらゆっくりホームを発つ場面は、まさに旅の始まりといっても過言ではないでしょう。
ところどころで行われる汽笛吹鳴の迫力や、「ドッ、ドッ・・・」と体の芯まで響くような走行音、風や匂いなどを感じ、「SL観光アテンダント」の解説も参考にしながら、ふだんよりもゆっくり移ろう鬼怒川線の景色を客車の中からお楽しみください。
その汽笛の音は、線路沿いでSLを待っている間にもちゃんと耳に入るほど遠くまで響きます。大谷向~大桑間の「倉ケ崎SL花畑」では、地元民有志により線路沿いいっぱいに植えられた花々がSLの風景に彩りを添えてくれます。季節ごとに違う花が整備されるというので、春から秋にかけて、季節に合った花の風景が見られるかと思います。車道を挟んで駐車場があるので、車での来訪も大丈夫。
ここで写真を撮る場合、下今市行きの列車のほうが、撮影位置に向かってくる様子が分かりやすく迫力があります。しかし鬼怒川温泉方面に過ぎ去っていく列車を撮るのも味があり、どっちから列車が来ても良い感じです。
大桑~新高徳間では、新高徳駅の直前で鬼怒川橋りょうを渡ります!ここは筆者個人的に超おすすめ!列車から眺める場合、鬼怒川温泉方面に向かって左手下方に鬼怒川の絶景が拝めるポイント。崖からせり出す木々と、それに囲まれた静かな水面をじっくり眺めることができます。一方、沿線から撮影する場合は、列車がまっすぐ橋を渡る雄姿を収めることのできるポイントになります。筆者の他にも鉄道ファンが訪れていました。
ちなみに、新高徳駅直前に急カーブと急こう配が待ち構えているため、鬼怒川橋りょうではどの列車も大きく速度を落とします。かなり急なカーブで、通過時に車輪と線路がきしむ音が響くほど。普通の電車さえも大変な場所なので、SLにとってはさらに難所になりますが、そこが機関士さんの腕の見せ所。進む足が遅くとも力強く確実に難所を越えるSLの姿は必見!
そして「SL大樹」は鬼怒川温泉駅へ。下今市駅からここまでは約35分と、他地域のSL列車に比べてやや短いかもしれませんが、川を渡ったり、森を駆けたり、急カーブや急こう配を力強く越えたりする35分は、きっと密度の濃い時間になるでしょう。
DATA 東武鉄道「鬼怒川温泉駅」 所在地:栃木県日光市鬼怒川温泉大原1390 電話番号:0288-77-1151 公式サイト:東武鉄道
終点に着いたら転車台広場へ!SLが180度方向転換
「SL大樹」で終点に着いても、まだ駅を離れるには早い!
終点の下今市駅と鬼怒川温泉駅では、SL列車到着後、蒸気機関車だけが切り離され、方向転換すべく転車台へと入線します。SLを満喫するならぜひとも見ておきたい迫力のシーンです!筆者は鬼怒川温泉駅でその様子を撮影しました。
客車から切り離された機関車は、前進後退を繰り返しながら転車台へと入線します。車両が完全に入りきったら方向転換開始!赤い可動部分が時計回りに回転を始め、ゆっくりと大きな機体を回転させていきます。貴重で、迫力あるSL転車台シーンにカメラを向ける人も数多いです。機関車の方向転換中も、運転台に座っている機関士さんは笑顔で手を振ってくれますよ。
180度の方向転換が終わると、機関車は転車台を離れ、再び元の線路へ。
ある程度進んだところで一度止まり、駅構内のポイントを切り替えた後に後ろ向きで入線。そして客車と再び連結し、また発車していくのです。
ちなみに、東武鬼怒川線沿線には「EDO WONDERLAND 日光江戸村」があることから、1年に1回、2~3月くらいに同施設とのコラボイベントも行われています。
これまでは、記念ヘッドマーク掲出や、SL・客車への記念装飾、記念乗車証の配布が行われ、さらには「SL大樹」に同乗した江戸の住人らによる、車内と沿線で繰り広げられる活劇も!今回筆者が撮影に訪れたのは2月。もうお気づきですか?本稿に掲載している「SL大樹」写真の一部には、日光江戸村とのコラボヘッドマークや記念装飾が見られますよ。
大手私鉄が挑む蒸気機関車の復元、3機目のSL発進は近い
現在、東武鉄道日光・鬼怒川エリアの「SL大樹」は、C11形207号機とC11形325号機の2機体制で運行しています。それらに加えて現在、C11形123号機が復元が進められています。
C11形123号機は、元々は滋賀県の江若鉄道(現在のJR湖西線)より1947(昭和22)年に発注され、日本車輌製造で製造された「C11形1号機」という蒸気機関車。私鉄が発注した個体のため、1号機の番号が振られていました。琵琶湖西部で活躍した後、1957(昭和32)年に北海道に渡り、1975(昭和50)年に役目を終えました。これを、東武博物館が日本鉄道保存協会より譲受し、2018年から復元作業を行ってきたとのこと。
「SL大樹」公式サイトによると、同車のSL事業が今後力強く飛躍していくように願いが込められ、車体番号を「C11形123号機」と改められました。これが成功すれば、私鉄が発注した国産蒸気機関車の中で唯一の動態保存個体に。同時に、大手私鉄で初めて蒸気機関車の復元を成し遂げる快挙にもなります!
もちろん、C11形123号機の復元が成功し、「SL大樹」の車両に加われば、C11形蒸気機関車の3機体制で「SL大樹」が運行されることになります。運転計画次第では、重連(機関車が2機以上連結して走ること)も夢ではありません!焦らず続報を待ちましょう。
そもそもなんで日光・鬼怒川にSLが走っているのか。「SL大樹」公式サイトによれば、「鉄道産業文化遺産の保存と活用」「日光・鬼怒川エリアの活性化」「東北復興支援の一助」を目的としているそう。SL運転の復活にあたり、事業に賛同した他の鉄道会社から設備や車両を譲り受け(SL1機は借り受け)、運転・保守面の協力を得たとのこと。現在は東武鉄道のみでSL・DLの運転・保守ができるようになっています。
鉄道会社だけでなく、実際に地元の人々や、各地から訪れるファンからも暖かく見守られている「SL大樹」。
この列車には、事業者・利用者双方の熱い思いが詰まっていると勝手ながら思っています。
ずいぶん大袈裟に言いましたが、現地でSLを見て、乗っていただければわかるはず。ぜひ、車内空間や車窓風景を楽しみながら、蒸気機関車の良さを体感してみてはいかがでしょうか。
なお、曜日や時期によっては車内や駅構内・ホームが混雑する可能性もあります。他の人の迷惑にならないよう、安全とマナーを守って楽しく乗車しましょう!
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