箱根は車で行くか、箱根フリーパスなどお得な周遊パスを使って行くか悩むところ。
本当は車で行きたいけど、ロープウェイや海賊船を乗り放題でお得に乗りた~いという要望は少なからずあったはず!
しかし車で行ってロープウェイなどに乗ると、片道のため駐車場に戻るには往復運賃がかかってしまい、箱根フリーパスのお得さには到底勝てませんでした。そんなドライブ派の皆さんの声を一気に解決してくれるWin-Winな乗り物パスが2021年10月に新たに登場!
その名も「箱根のりものパスLite」。本当にお得なのか、実際に体験してきました!
箱根のりものパスLiteとは?
一般的に箱根の王道観光ルートは「箱根ゴールデンコース」と言われます。
このコースは「ロープウェイ」「登山電車」など様々な乗り物を駆使して箱根湯本から芦ノ湖を経由して一筆書きで箱根を一周するルートで、非常に効率よく箱根が観光できるのみならず、箱根ならではの様々な乗り物を楽しめるのが特徴。
従来、この「箱根ゴールデンコース」を回るのに最適とされてきたのが「箱根フリーパス」というオトクなチケット。鉄道で箱根に向かう人にとってはありがたいとてもお得なパスでした。
しかしついにマイカーやレンタカーで箱根に来る人も、車を停めて箱根の乗り物を楽しめる新しいパスが登場したんです。
車派に特化したチケット「箱根のりものパスLite」
2021年10月1日に新たに登場した「箱根のりものパスLite」は、車で箱根まで行き、現地の駐車場に車を置いてから、「箱根登山電車」「箱根登山ケーブルカー」「箱根ロープウェイ」「箱根海賊船」「箱根登山バス」の5種類の乗り物に乗り、ぐるりと箱根を回って元の駐車場まで戻ってくることができるチケットです。
「箱根フリーパス」との大きな違いは、「箱根ゴールデンコース」の一部をショートカットしていることと、一方通行で逆回りができないことなどです。完全に「車で箱根に来ていろいろな乗り物を楽しむこと」に特化したパスと言えるでしょう。
箱根の駐車場の詳細はDATAのリンクをご覧ください。
DATA 箱根のりものパスLiteに関するリンク 箱根のりものパスLiteの詳細 箱根の駐車場
箱根のりものパスLiteで得するモデルコース
どこからでもスタートOK?駐車場の選び方
それでは早速、「箱根のりものパスLite」を使って回ってみたいと思います。
「箱根のりものパスLite」は一方通行ですが、スタート地点は選べます。コース上から適した駐車場を選択して、そこを起点に一周すればOK。箱根は意外と無料駐車場が充実しているので、無料の駐車場を起点にお教えします。
スタート地点としておすすめなのは以下の3ヶ所
・桃源台
・早雲山
・箱根町港(元箱根港の駐車場に空きがあれば、コースの一部をショートカットできる元箱根港もおすすめ)
なぜこの3か所かというと、無料なのに多くの車が停められる駐車場のキャパシティがあるからです。
私はその中から「桃源台」を選びました。理由はラストに海賊船を取っておきたかったから。旅の最後を締めくくるのが海賊船だなんて盛り上がるじゃないですか!
DATA 桃源台駐車場 住所:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根164 電話番号:0460-84-8439 アクセス:東名高速道路 裾野ICから車約21分
ロープウェイで大涌谷へ!
というわけで、早朝の桃源台へやってきました。駐車場に車を停めて、動き出したばかりの
「箱根ロープウェイ」に乗車します。
「箱根のりものパスLite」はスマホでもデジタルチケットが購入できるので、夜中でも早朝でもその場ですぐに買って使えるのが便利。
ローウェイは芦ノ湖を眼下に高度を上げ、姥子駅を通過すると絶景の富士山が見え…あれれ?晴れているのに富士山が見えな~い。
最初のクライマックスは不発。こんな日もあります。
白い噴煙の上がる大涌谷に到着したら、名物の黒たまごを食べましょう。温泉池で茹でることにより鉄分と硫化水素の働きで殻が真っ黒になったゆで卵です。1つ食べると7年寿命が伸びると言われていますよ。
なお、大涌谷に着いてから富士山は無事、顔を出しました。
DATA 大涌谷 住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原 電話番号:0460-84-8437 アクセス:「桃源台駅」からロープウェイ約16分 公式サイト:箱根ロープウェイ
早雲山駅の「cu―mo(クーモ)箱根」
ロープウェイの終点「早雲山駅」の駅舎には「cu―mo箱根」という人気スポットがあります。ここでは写真映えのするドリンクを販売。綿あめを乗せたスムージー「ニューベル」がその代表ですが、レモンポーションで色の変わるブルースカイティーも綺麗でおすすめです。
「cu―mo箱根」には箱根外輪山を一望できる足湯があるので、そこでひと休みしながら飲食できます。
DATA cu―mo(クーモ)箱根 住所:神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300 電話番号:0460-87-7560 営業時間:9:00~16:00(展望テラス) アクセス:「大涌谷駅」からロープウェイ約8分 公式サイト:cu―mo箱根
箱根強羅公園は箱根のりものパスLiteで無料入園に!
「早雲山駅」ではロープウェイからケーブルカーに乗り換えます。
しかしケーブルカーをそのまま終点の「強羅駅」まで乗ってしまっては勿体ない。ぜひ「公園上」駅で途中下車して、日本初のフランス式整型庭園「箱根強羅公園」に立ち寄ってみましょう。
なぜなら通常大人550円かかる公園の入園料が、「箱根のりものパスLite」提示で無料になるからです。
見どころは四季折々の植物と、ヒマラヤスギ、噴水池など。急斜面に作られた公園なので、階段や坂を下りながら散策できます。
この後は「公園下」駅から再びケーブルカーに乗っても良いのですが、待ち時間が長いようなら歩いて「強羅駅」まで下りてしまいましょう。徒歩5分の下り坂です。
DATA 箱根強羅公園 所在地:神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300 電話番号:0460-82-2825休園日:不定休(年3日程度) 入園料:大人550円、小学生以下無料 アクセス:箱根登山ケーブルカー「公園上駅」または「公園下駅」下車2分 公式サイト:箱根強羅公園
登山電車を途中下車して「彫刻の森美術館」へ
「強羅駅」からは登山電車に乗車。一駅乗ったら「彫刻の森」で下車してください。次の見どころは「彫刻の森美術館」です。
ここはおよそ7万平方メートルという広大な敷地にダイナミックな作品が点在するユニークな美術館。
そろそろお腹がすいてきたと思うので、作品鑑賞の前に館内のレストラン「彫刻の森ダイニング」へどうぞ。
おすすめメニューはピザ窯で焼いたチーズトロ~リの焼きたてピザ。またシェフ特製のスパイシーなシーフードカレーはらっきょう酢をたっぷり吸い込んだプチトマトの酸味がアクセントに。
お腹がいっぱいになったら写真映えで人気一番のステンドグラスの塔「幸せをよぶシンフォニー彫刻」に上ってカロリー消費を。2021年4月に新オープンしたエリア「ポケっと。」も大注目!カラフルで可愛らしく、記念写真スポットとしてもばっちり。
DATA 彫刻の森美術館 所在地:神奈川県足柄下郡箱根町二ノ平1121 電話番号:0460-82-1161 営業時間:9:00~17:00 休館日:無休 入館料:大人1,600円、大高生900円、小中学生800円 アクセス:箱根登山鉄道「彫刻の森」駅徒歩約2分 公式サイト:彫刻の森美術館
宮ノ下のナラヤカフェでほっこり
再び登山電車に乗車し、次は「宮ノ下駅」で下車します。登山電車自体は箱根湯本まで行きますが「箱根のりものパスLite」で乗車できるのは、強羅駅~宮ノ下駅間だけ。うっかり乗り過ごさないように注意してくださいね。
駅前の坂道の途中に気になる居心地の良さそうな足湯が!こちらは「ナラヤカフェ」。お洒落で手作り感溢れる広場みたいなカフェで、足湯に入りながらドリンクや軽食が楽しめます。
カフェ2階はギャラリーになっていて、ギャラリー内やテラスなど足湯の他にも隠れ家みたいな座席が点在。食べる席を探すのも楽しいカフェなんです。
DATA ナラヤカフェ 住所:神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下404-13 電話番号:0460-82-1259 営業時間:10:30~17:00 定休日:水曜・第4木曜日 冬期休業:1月中旬~下旬 アクセス:箱根登山鉄道「宮ノ下駅」から徒歩約30秒 公式サイト:ナラヤカフェ
箱根のパワスポ!箱根神社参拝
宮ノ下からはバスで芦ノ湖方面へ。「元箱根港」バス停の一つ手前、「箱根神社入口」バス停で下車します。ここから芦ノ湖沿いに北西に歩けば箱根神社の参道に。
なお、この段階でもし時間に余裕がなかったら、箱根神社参拝は諦めてこのまま「元箱根港」バス停まで行って海賊船に乗ってください。
関東総鎮守として親しまれてきた箱根神社は、まさに箱根最大のパワースポット。また参道の石段をまっすぐ芦ノ湖畔まで下りれば、湖に面した平和の鳥居が立っています。
DATA 箱根神社 住所:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根80-1 電話番号:0460-83-7123 アクセス:箱根登山バス「箱根神社入口」下車、徒歩10分 公式サイト:箱根神社
最後のミッション!海賊気分で芦ノ湖を渡ろう
箱根神社から元箱根港まで歩いて15分弱。もし箱根海賊船の乗船時間までまだ余裕があったら、芦ノ湖沿いに神社とは反対の方角に少し歩いてみてください。
晴れた日なら芦ノ湖越しに端正な富士山の姿が見えてくるはず。ここから見える富士山、芦ノ湖、平和の鳥居が揃った風景は、箱根を代表する絶景の一つです。
ラストは夕方の海賊船の甲板で、風に吹かれつつの旅を締めくくりましょう。終点はスタート地点の桃源台になります。
DATA 元箱根港 住所:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根6-40 電話番号:0460-83-6022 アクセス:箱根登山バス「元箱根港」下車すぐ 公式サイト:箱根海賊船
「のりものパスLite」の注意点
◎「のりものパスLite」は一方通行で逆回りはできません(箱根登山電車の乗車区間は例外的に両方向に乗れます)
◎「のりものパスLite」は当日限り有効のチケットです。日をまたいでは使えません。
◎各乗り物と駐車場の営業時間にご注意ください
※例えば今回ご紹介した桃源台の駐車場を使う場合は、元箱根港を出港する最終の海賊船に間に合うように回らなければなりません(ロープウェイも海賊船の運行と連動していますので、姥子駐車場を利用した場合も同様です)。時間が心配な場合は、最後にバスで駐車場に戻る「箱根町港」または「元箱根港」を起点とすることをおすすめします。
ちなみにここでご紹介した桃源台起点のモデルコースは、その気になればここまで回れるぞと見どころをたっぷり詰め込んでいますので、かなり盛りだくさんです。乗り物のみを楽しみたい場合やのんびり余裕を持って回りたい場合は、紹介したスポットをお好みに合わせて削るなどしてコースを調節を。
土日祝日は道路が混むことがあり、バスが時刻表通りに走れないこともあります。そのため土日祝日は特に立ち寄りスポットを欲張りすぎないようにご注意ください。
結局お得だったのか?
今回紹介したモデルコースを通常の乗車料金で計算すると1人4,440円。
「のりものパスLite」を使えば1人640円お得に(コースによってはもっとお得に!)。
家族でお出かけすればさらにパスのお得感が感じられると思います。
また乗り物ごとに切符を買う手間を考えても、提示するだけのパスは便利。これは実際に使ってみると実感できます。
片道ではなく往復でき、乗り放題になる箱根フリーパスと比較すると、たくさん回るなら軍配は箱根フリーパスですが、これまでなかったマイカーやレンタカーで箱根に来る人向けの、ちょうどいいサイズ感の日帰り割引パスができたことは大きな進歩。
これならドライブで箱根旅をしても、箱根の乗り物をお得に楽しめますね!