タイ旅行再開?プーケットサンドボックスを現場からお届け!8月1日最新情報

プーケット在住ライター 大椙リン子

大椙 リン子

プーケット在住ライター

タイは日本人にも人気の高い観光地の一つ。その中でも特に世界的に有名なビーチリゾートとして知られ、通常時はいつも各国の旅行者で賑わっているプーケットが、新型コロナウィルス感染拡大とともに、観光客受け入れを停止してから1年4か月…2021年7月1日に観光客受け入れを再開したことは、みなさんも報道でご存知かと思います。

夜はやはりひっそり…のプーケットパトンビーチ

タイは日本人にも人気の高い観光地の一つ。その中でも特に世界的に有名なビーチリゾートとして知られ、通常時はいつも各国の旅行者で賑わっているプーケットが、新型コロナウィルス感染拡大とともに、観光客受け入れを停止してから1年4か月…2021年7月1日に観光客受け入れを再開したことは、みなさんも報道でご存知かと思います。

その名もプーケット開放「サンドボックス」!なんだか、かっこいい!しかしそれは「砂場の中では自由に遊んでいてもいいよ」という意味でもあります。
なんだかむなしさを感じるのは筆者だけ?

コロナ後初の観光客の大胆な受け入れということもあり、当日、プーケット国際空港にはたくさんのテレビ取材も入ったようです。
私も今回、ちょっとそこまで「たびハピ」ユーザーさんのために撮影に行こうと思ったら…なんと!撮影料が2万バーツ(2021年7月のレートで66,760円)かかると言われましたよ(衝撃)!
ってなわけで、あっさり断念した私。こんなこと今までなかったのに、世界中から注目されるとなると、がめつ…あっ!言いすぎました。しっかりしているのねぇ。

プーケット・サンドボックスの現場

プーケットサンドボックスのおかげで、予約済みの指定ホテルで14日間の隔離措置、海を目の前に一切外には出られないという過酷な条件はなくなりました。14日間プーケット以外のタイ各地に行かなければ、島内を自由に観光を楽しめるようになったのですが、まだまだ始まったばかりということもあり、そしてタイという事もあり(苦笑)、日ごとに変更、更新されるルール。前回の記事でご紹介したルールですら少し変わってきました。

旅行者が戻ってきたオープンエアーのレストランは、ここともう一か所のみ

変わってきたサンドボックスのルールとは?

①日本からの観光での入国もOKに!

当初ビジネスでの渡航のみとされていた日本からの渡航者は、7月9日から、観光での入国も可能になりました。もちろん、これは「日本人」だからというわけではなく「日本在住者」ということですので、受け入れ可能国に住んでいる日本人は条件を満たしていたら入国は可能です。

しかーし!後ほど説明しますがそう簡単には入国できませんよ。

②プーケット国際空港での入国のみ。日本からは直行便がない!

サンドボックスが始まる直前まで「バンコクでの乗り継ぎに関しては、限られたゲートのみを使用すること」とネット情報に書かれ、混乱を招いたバンコク経由のサンドボックス。これはいつの間にか存在自体がなくなっていました。

というか、今タイは新型コロナウィルス感染拡大ピーク。日本からはタイの近隣諸国経由でしかプーケットに入ることができず、タイが許可していない経由先の場合、乗り継ぎの段階で様々な制限が課せられる可能性も。

日本からプーケットに渡航した場合、どうなるの?

この日、雨季とは思えないほど快晴でした!

日本からの旅行者の多くはプーケットの滞在期間が2~3泊と、通常はとても短期間。日本特有の短いお休みを利用して来るんですものね。仕方がありません。
しかし欧米諸国や、近年では中東から来る多くの方は2週間から1か月ほど滞在する方が多く、特に今は、ヨーロッパの方のホリデー期間を利用し、14日間どころか1か月以上滞在する旅行者も多いのではないでしょうか。筆者のノルウェー人の友人も、毎年この時期は2~3か月、様々な国に旅行します。今、通常では高額で泊まれないホテルにも、安いプロモ―ション価格でひっそり、ゆっくりと過ごすのにはうってつけな時期だと思います。

もし、日本の皆さんがサンドボックスでいらしゃるのなら、今回は長期滞在をしないと実質的に難しい状況です。

①入国許可証 (COE)ほか泣くほど書類や条件がある

タイ入国には入国許可証 (COE)が必要です。またほかにも、たくさん条件があります。それを死に物狂いでまとめてみたので本気でプーケットサンドボックスでタイに入国したいという人はこの記事をお読みください

②7月30日・日本のワクチンパスポートがタイが承認

7月26日に申請が始まったばかりの日本のワクチンパスポート。まだ「このワクチンパスポートで入国すれば入国制限を緩和しますよ」と認めている国が、非常に少ない状況。

タイは日本のワクチンパスポートを「プーケットサンドボックス」と「サムイプラス」の利用のみ許可しました。この2つ以外、タイはまだワクチンパスポートでの入国制限緩和をしていません。

詳細は外務省の公式サイトをチェック!

③PCR検査が多すぎる

日本からプーケットに到着し、6日以内で帰国する場合は、入国時1回のPCR検査のみ。プーケット以外のタイの都市に移動したい場合は、14日間以上滞在する必要があり、数日おきにPCR検査を受けなければなりません。

1回目:プーケット空港到着時にPCR検査を受け、予約済みのホテルへ直行します(検査結果が出るまでホテルで待機)
2回目:滞在6~7日目に2回目のPCR検査を受けます。
3回目:滞在12~13日目に3回目のPCR検査を受けます。

ここまですべての検査で陰性の場合、他県への移動が可能です。しかし、当然のことながら日本帰国時には日本入国時のルールがあります。

④日本帰国時の入国制限が非常に厳しい!

◎検査証明書の提出

検疫所へ滞在国出国前72時間以内の検査証明書を提示。これが提示できない場合、検疫法に基づき、日本への上陸が認められないことになります。提示は所定のフォーマット(厚生労働省の公式サイトからタイ語版のフォーマットがダウンロードできるので事前に用意しておくと便利)が必要となります。

これがあるためプーケットでのPCR検査が1回で済む6日以内に帰ろうとしても、日本の帰国するためのPCR検査を受けなければならないため、どうしても6日以上にする方が合理的です。しかも検査は日本で認められた有効な証明書の記入が必要で、どこの検査所でもいいわけではなく、渡航前に入念なリサーチが必要です。

◎誓約書の提出

14日間の公共交通機関の不使用、自宅等での待機、位置情報の保存・提示、接触確認アプリの導入等について誓約。誓約書が提出できない場合は、検疫所が確保する宿泊施設等で待機しなければなりません。万が一誓約に違反した場合は、検疫法に基づく停留措置の対象となり得るほか、氏名や、感染拡大防止に資する情報が公開され得るかも知れないとのこと。誓約書は厚生労働省の公式サイトからダウンロードできます。

◎スマートフォンの携行、必要なアプリの登録・利用

誓約書の誓約事項を実施するため、位置情報を提示するために必要なアプリ等を利用できるスマートフォンの所持が必要となります。ちなみに、検疫手続の際に、必要なアプリを利用できるスマートフォンの所持を確認できない方は、入国前に、空港内でスマートフォンを自費でレンタルしなければいけません。

◎質問票の提出

検疫時にメールアドレス、電話番号等の連絡先を確認します。日本国内で入国者本人が使用できるメールアドレス、電話番号を質問票に必ず記載しなければいけないとのこと。また、QRコードを作成し、QRコードはスクリーンショットまたは印刷し、検疫時に提示してください。

◎タイから帰国すると、入国時に検閲所所有の施設で隔離に近い待機

2021年7月29日現在、タイから帰国するともれなく日本の検閲所が指定する施設で3日間(帰国日は含まれません。便によっては4泊5日以上になることも)極めて隔離に近い待機となります。

情報は日々変わるので厚生労働省の公式ページをチェックのこと!

公式サイト:厚生労働省の公式ホームページ

結論・プーケットサンドボックスでの日本からの入国は厳しい

まだまだ制限緩和の可能性もあるサンドボックスですが、2021年7月末の時点では、ワクチンパスポートがタイにまだ認められず、直行便がなく、タイから帰国すると隔離に近い待機が待っているということで、もう少し、渡航は待った方がいいというのが、素直な感想です。

結局、プーケットにたくさん外国人はきたのか?

ご覧の通り!思ったより多いなあと言った印象…だがしかし。

やはりコロナ前の頃とは比べ物にならないくらいまだまだ閑散としてるプーケット。ビーチにジェットスキーを出しているお兄さんも、サンドボックスが始まったからビーチには来てみたものの、お客さんはほとんどいないと言ってました。通りを歩くと目立つのが、他県から国内旅行として訪れた外国人男性とタイ人女性のカップルや、タイ人同士のグループ旅行、欧米人の家族旅行者の姿が目立ち、まだまだ本格的な観光客受け入れ再開という雰囲気にはほど遠いよう。
プーケットサンドボックスにはまだまだ規制が多く、気軽にリゾートとはほど遠く、タイ全土が感染拡大のピークを迎えている今は、仕方がありませんね。

パラセイリングの帆に風を通すビーチのお兄さん。

観光客の受け入れ開始と聞きつけ戻ってきたビーチボーイ。この人はパラセイリングの担当。

パラセイリングって、毎日のように傘にホツレはないか、破れはないかと入念な確認と手入れを行うんですって。他人様の命を預かるんですものそりゃそうですね。
パラセイリングは一回だけやったことがある筆者。最初は恐る恐るだったのですが上昇するにつれ爽快感極まりなし!でした。ちなみにプーケットに旅行で来ていた当時からジェットスキーは何度も乗っていました。

早くこのマリンスポーツの快感を楽しみに来てほしいなあ!

誰もいなかったバングラー通りはどうなった?

世界的に大々的に報道されたプーケット解禁。書類や照明、検査が多すぎる今の制度では、自由で楽しいタイ旅行を求める人々を完全に呼び寄せることはできません。でもそれはしかたがありません。プーケットサンドボックスは施策なのですから!

7月以前、誰も歩いていなかったプーケットの歓楽街バングラー通りに足を運んでみたところ、まだ、何の音も聞こえてきませんでした。通常、バーがひしめき合い、オープンエアのクラブからはこれでもかと重低音が地響きのように響き渡っていたものです。レストランとして営業登録を行っているお店は時間限定で営業が可能なのですが、バーとして営業許可を取っているお店はまだ営業ができないのです。

と思ったら…バーが一軒営業していました(笑)。しかし厳しいルールの下、数日後に取り締まられ営業停止になった噂を耳にしましたよ。こういうところは厳しいタイランド。

路地のバーは誰も来ないので、アートな空間に生まれ変わっていました。

今のプーケットの美味しいところ

これまでは、プーケットサンドボックスがいかに制限が多く、日本からの入国がまだ厳しいかをお話してきましたが、厳しい面だけではありません。

旅行者の多くはプーケット一の繁華街のパトンに集中しがちですが、プーケット郊外の世界的高級ホテルマリオット系のホテルや、タイ資本で世界的なリゾートとして知られるアナンタラは、そこそこ稼働はある様子。

高級ホテルの方が、今のプーケットではきちんと予防対策が取られていて、安心するのかも。そこそこ稼働はしている、といっても通常時と比較すると、空室が多く、各ホテルともとてもお得なプロモーションを出しています。
えーっ?プーケットのあのホテルって、高いでしょう?というホテルが、信じられない価格で泊まれるというのは今だけの魅力でしょう。

高級リゾートのひとつ「トリサラ」のインフィニティープールから見るサンセット

これからのタイの開放計画

プーケットサンドボックスだけではなく、タイは徐々に一部ずつ、エリアを分けて観光客受け入れを拡大していきます。

7月15日:「サムイプラス」
サムイ島、パンガン島、タオ島が再開しています。このコロナですっかりときれいになった海。ジンベイザメやマンタなどが沢山戻ってきたポイントでのダイビングは最高なんでしょうね!

8月:プーケット経由でピピ島、ライレイ島などを含むクラビへの移動が可能に。カオラックやヤオ島を含むパンガー県への移動も可能となります!

ヤオ島の超高級ツリーハウス「TreeHouse Villas」はおいくらかしら。激安プロモーションやってたら泊まりたいですが、もう一年以上主人も仕事がないので、どんなにリゾートホテルが激安でも激貧な我が家ではとうてい無理です。あっ!話がそれました。

9月:チェンマイ市街地とメーリム、ドイタオ、メータン、パタヤを含むチョンブリの一部、ブリラム市街地が開放されます。

10月:バンコクを含む首都圏

ここのところ、バンコクのみでも新規感染者数は、一日あたり3,000人以上となっています。現在は10月を目処にバンコクでも旅行者の受け入れを再開しようという前提ではありますが、地域によりロックダウンや教育施設ではオンライン授業が行われているバンコクでは、その状況でも旅行者を本気で受け入れるつもりなのかは予想ができません。

今後の感染拡大、縮小状況にかかってくることでしょう。

タイのコロナ感染拡大の現状

大々的に報道されている「プーケットサンドボックス」のイメージでは「観光盛り上げよう!」「みんなが気持ちよく旅行のできる世界に戻そうじゃないか!」など、ポジティブなイメージが感じられるのですが実際生活をしている私たちにとっては不安も怖さもあります。

事実、バンコクなどと比較するとプーケットは少ないようですが、サンドボックスが開始されてから、プーケットでの感染者数は増加。

筆者の家庭環境からいうと、やはり子どもの学校問題は深刻です。
昨年末からの新規感染者激増問題を引きずりながら、長い長い夏休み(タイでは4月が一年で一番長い夏休み)を終えて、ようやく通常の学校生活が送れると思い元気に登校した数日後、プーケット内の学校に通う生徒が新型コロナウィルスに感染したという理由で、まずはその地域の学校がオンライン授業に切り替わり、そしてその数日後には、プーケット県内のすべての学校がオンライン授業になりました。

勝手に想像してるだけのことなのですが、タイに住むこの世代の子供たちは、将来的に学力低下世代などと言われないだろうか、と不安になってます。

空の青と木々の緑は本当によく似合います。

前述したように現在のタイは新規コロナ感染者数の増加が著しく、かつてない感染率です。困ったことには死亡率が高い。…要因には、基礎疾患がある方が多いから(糖尿病の方はタイにとても多くいます)、病院の受け入れが困難だからなど、様々な要因があると思うのですが、どうしたらこの問題を回避できるのか。

新規感染者が増えたらロックダウン、休校、それだけを繰り返しているだけのように思えるタイのコロナ対策。抜本的に何かを変えていかなければいけないのでは?と、個人的に思います。

▼ワクチン接種状況
・1回目接種者+122,127名(累計:12,429,925名)
・2回目接種者+ 16,755名( 累計:3,669,745名)
(7月27日時点)

タイの2020年12月末時点での人口が66,186,727名なので、人口比率で言うとワクチン接種率は全人口のわずか約5%ほど。プーケットは各ホテル、施設共に従業員の70%以上がワクチン接種を行っていないと営業許可が下りないので全体的にもっと多いイメージでしたが、まだまだ低いのが現状です。
さらに、中国製のワクチンを使用しているからかどうかを決めつける気はありませんが、インド株には効力がないなど問題も多く、それをネタにしたデモ活動も行われています。

タイの観光客受け入れ計画が感染拡大に阻まれないか、注目しておきたいとこです。

プーケット在住ライター 大椙リン子

大椙 リン子

プーケット在住ライター