鹿児島県にある霧島温泉郷は鹿児島空港から車で約30分とアクセス至便なうえ、大小9つの温泉地があり、湯量も豊富な温泉ファンに人気の温泉地です。100%源泉かけ流しの贅沢なお湯を楽しめる霧島温泉郷の中でも長年温泉マニアに愛されているのが霧島湯之谷温泉の湯之谷山荘。
愛される理由はずばり、硫黄泉と炭酸泉のハイブリッド温泉が楽しめるから!
一度入ったら出られないほど気持ちがいい極上湯とはいかに?!
山奥にポツンと佇む一軒宿
霧島温泉郷の中心部から細く狭い山道を走ること5分。うっそうと茂る緑に囲まれた霧島湯之谷温泉に到着します。といっても温泉宿は湯之谷山荘のみ。
温泉に長期滞在をして体を癒す「湯治場」としての機能もある昭和15年開業の老舗旅館です。
山奥らしいひなびた雰囲気がありつつも、館内は掃除が行き届き、自宅にいるような和みくつろげる空間になっています。
硫黄泉と炭酸泉のハイブリッド温泉を楽しむなら断然宿泊
湯之谷山荘の温泉は日帰り入浴でも利用可能ですが、ハイブリッド温泉をとことん堪能するなら断然宿泊です。
その理由を順番にご説明しましょう。
湯之谷山荘に宿泊したい理由1 夢の貸し切り状態も!
湯之谷山荘は日帰り入浴でも人気があるため、狭い浴槽がぎゅうぎゅうの可能性大。しかし、宿泊すれば日帰り入浴客が帰った後、ゆったりと入浴できます。うまくいけば貸し切り状態で入浴できる可能性も!
湯之谷山荘ご自慢の温泉は総木造り。
天井が高く、解放感あふれる空間に和みくつろげるはず。
入った瞬間気になるのがこぢんまりとした3つの浴槽。
人気の温泉宿であればもう少し広い浴槽を作ればいいのにと考えますよね。実は、この浴槽、それぞれの源泉の温度と湯量を計算しつくした絶妙な大きさなんです。
湯之谷山荘に宿泊したい理由2「飲む温泉」を人の目を気にせずに飲める
3つの浴槽はただ単に3つあるわけではありません。
一番奥の広い浴槽は少し熱めの46度の硫黄泉です。
このドッバドッバ流れる湯量を見てください!
新鮮なお湯がこれでもかと注ぎ込まれています。
この新鮮な温泉は飲むこともできます。温泉は飲む野菜といわれ、整腸作用があるとも言われています。
宿泊すれば好きな時間に好きなだけ、人目を気にせず飲むことができますが、あまりおいしいものではありません。がばがば飲む人は少ないと思いますが、飲みすぎにはご注意ください。
湯之谷山荘に宿泊したい理由3 炭酸泉の小さい浴槽が十分堪能できる
一番手前の小さい浴槽は30度の炭酸硫黄泉。
泡がぷくぷく出ているのが見えるでしょうか。
奥の硫黄泉でがっつり温まった後に炭酸硫黄泉に入ると、体からしゅわしゅわ~と気泡が出てきてるような気分に。この交互浴がたまらなく気持ちいいんです。
ちなみに横にある赤い蛇口をひねると上からお湯がドボドボと落ちてくるので打たせ湯もできちゃいます。
一人用程度の浴槽の広さしかないので、日帰りだと他の人が入浴している場合、時間の都合上何度も楽しむことはできないかもしれませんが、宿泊すればこの交互浴が何度でも楽しめます。
湯之谷山荘に宿泊したい理由4 ハイブリッド温泉寝湯に寝放題!
3つめの浴槽はなんと2つのお湯が絶妙に流れ込む混合泉、いわゆるハイブリッド温泉!
37度くらいのぬる湯で気持ちいいったらありゃしない。
しかも、浅めの縦長の浴槽なので、頭をのせて足を伸ばしたら寝湯の完成!
いつまでもいつまでも浸かっていられるぬる湯は温泉をじっくり味わうことができ、何より熱い!という負荷がかからないので気持ちいいのなんの。
一度入ったら、もう出られません!
日帰りの場合は、他のお客さんも多く入浴しているため、ゆっくり寝るのは難しい…でも宿泊すればこの寝湯状態で寝放題です。
湯之谷山荘に宿泊したい理由5 新鮮なお湯を新鮮なまま楽しめる!
日帰り入浴終了時間の15時~16時は清掃タイムになるため入浴できません。
ということは、16時にいけば一番風呂!
硫黄泉独特の香りも濃いかも?!
湯之谷山荘に宿泊したい理由6 宿泊者専用の貸し切り露天風呂あり!
宿泊者は極上のお湯を貸し切りにできちゃうんです。
こりゃ、入らなきゃ損!ということで、夕ご飯のあとの20時に予約をし早速露天風呂へ。
内湯の一番奥にある扉をあけて、外履きに履きかえててくてくと歩いていると、右側にぼんやりと光る2つの目!?
ひゃ~~~~~~!!!オオカミ~、いや幽霊!化け物!!!!
と七転八倒しながら母屋に戻り、宿の人にこれこれこうであ~でと説明すると
「天狗さまじゃないですかね(笑)」
とのこと。
とはいえ、12月の寒空の中もう一度行く気にもなれずに朝7時にリベンジ。
するといらっしゃいました!天狗さま。
そういえば、入口の露天岩風呂(天狗湯)と書いてました。
夜は目が光ったように感じて恐ろし気だったものの、昼間にみると小学生が作ったような滑稽さで見るほどにかわいらしく感じちゃうほど。
肝心の露天風呂はというと岩に囲まれたこぢんまりとしたもの。
脱衣所も横にあるだけの簡易なもので、貸し切りにする理由がこれかと納得。
ちなみに超ぬる湯のため、一度入るとほんとに出られない。
冬は露天風呂のあと、内風呂の硫黄泉に入らないと体が冷えますのでご注意を!
湯之谷山荘の食事
夕食は地元食材を使ったお母さんの手作り風
温泉旅館のお楽しみといえば地元食材を使った夕食。
地元鹿児島県とお隣の宮崎県の畜産食材を豊富に使った料理は、どれもこれもお母さんが作ったような素朴な味わい。
小鉢や酢の物、煮物などシンプルな味付けがお風呂上りで空腹のお腹に染みわたります。
鹿児島といえば薩摩黒豚ですよね。
豚肉と味噌を朴葉で焼いた豚肉の朴葉焼きは濃厚な旨味があり、ごはんが進みます。
温かい鍋はしゃぶしゃぶ風で。
宮崎といえば地鶏。
鶏たたきの歯ごたえと弾力は病みつき必至。
一つ一つがほどよい量なので、女子でもぺろっとたいらげちゃいます。
いやいやもっと食べたいという人は、ご飯はお代わり自由ですし、追加でお刺身なども注文できます。
湯之谷山荘の朝食
朝ごはんはシンプルイズベスト。
生卵、サバ焼き、納豆、サラダ、海苔などこれぞ元祖日本の朝食といったメニューがいただけます。
田舎の自宅のような和める客室
客室はトイレ、洗面台がついているだけのシンプルな和室。
布団はセルフサービスなので押し入れから取り出して、準備しましょう。
温泉をたっぷり楽しむ宿なので、部屋以外の設備もシンプルそのもの。
フロント横のスペースにある漫画や絵本、観光パンフレットなどは、ソファや部屋に持ちこんでもOK!
ただ、あの魅惑の極上湯が入り放題なので、読む暇があれば寝湯でうたたねしている方が日頃の疲れを癒せるはず!
ぬる湯好き、温泉にどっぷり浸かりたい人必見の宿
数年前の秋に日帰り入浴で訪れた際は、登山客や紅葉客で大賑わい。
狭い浴室内はすぐにいっぱいになり、極上のハイブリッド湯に入るときは体育座りをしてちょこんと入っていました。
満を持して宿泊した今回は、宿泊客が少なかったというのもありますが、ほぼ独占状態。
一人で思う存分足を伸ばして、交互浴をし、最後はハイブリッド湯で体をぷかぷかさせてトド寝。
ちょうどいい温度なので、あ~のぼせちゃうから上がろう!なんてことにはならず、上がるタイミングがわからなくなるほど。
なが~く湯につかっているせいか、体が芯から温まり湯冷めはいつ訪れる?と感じるほどポッカポッカです。
ゴージャスなごはんや広い浴槽、ホスピタリティー満載といったものはありませんが、温かいおもてなしと他ではなかなか味わえない極上のハイブリッド湯があなたを待ってます!
DATA 霧島湯之谷温泉 霧島湯之谷山荘 住所:鹿児島県霧島市牧園町高千穂4970 電話:0995-78-2852 公式HP:霧島湯之谷山荘