首都圏からお手軽にお出かけできる観光地「箱根」!麓の箱根湯本から標高723mの芦ノ湖まで、高低差があるため紅葉の見ごろの時期もエリアごとに異なります。2023年は夏の異様な暑さから、いきなり寒くなったり、また熱くなったりと、全国の紅葉エリアの見ごろ予測も2週間から10日ほど遅れた日程となっています。
箱根も例外ではなく、箱根で最も木々の色付きが早い芦ノ湖も、例年は10月下旬ごろから色づき始めますが、2023年の見ごろは11月10日頃からの予測が…。
ホテルや旅館の予約を考えている人は、
箱根観光の強みはなんといっても車なしでも不便なくまわれるところ。箱根の紅葉を見に行くためのお役立ち情報をお届けします。
箱根の紅葉の見ごろは?いつどのエリアに行けばいい?
エリア別紅葉の見ごろ
例年であれば箱根の紅葉は早いところで10月前半から少しずつ色づき始め、標高の高い芦ノ湖周辺などは10月後半から11月初旬に見ごろを迎えます。そして麓の箱根湯本のあたりも12月に入ってから。
ただ冒頭で触れたとおり、2023年の夏や初秋は異常気象による高温で、紅葉シーズンがずれ込んでいます。
例えば北海道や、紅葉の名所奥日光なども、例年とは異なります。
2023年10月17日現在の各社の予測をまとめると…
芦ノ湖周辺
11月上旬~11月中旬が見ごろ(例年は10月下旬~11月初旬)
強羅・仙石原・宮ノ下
11月中旬~12月上旬が見ごろ(例年同様)
箱根湯本・塔ノ沢
11月下旬~12月上旬が見ごろ(例年11月中旬~12月初旬)
箱根の紅葉時期はいつ?
その年の気候により見ごろの時期がズレることもありますが、逆に箱根であれば紅葉の見ごろの標高のエリアに移動すれば良いだけ。紅葉時期に箱根湯本から芦ノ湖まで往復すれば、いずれかの地点で見事な紅葉スポットに出会える可能性大。あまり心配はいりません。
例年12月上旬まで楽しめる箱根の紅葉。全盛期の紅葉を楽しみたければ、11月中にお出かけの予定を入れておくといいかもしれません。
箱根のおすすめ紅葉スポットとその見ごろ
箱根の紅葉は標高が高い芦ノ湖からスタートします。見ごろが早い標高順に麓の箱根湯本までおすすめのスポットを8ヶ所ご紹介しましょう。
成川美術館・芦ノ湖の定番紅葉スポット
箱根の観光といえば、だいたい芦ノ湖を目指します(時間が無い場合や目的のはっきりしたリピーターを除く)。富士山が見える日にはこれぞ箱根という絶景が拝めますし、海賊船の形をした遊覧船に乗ることもできますので。
そんな芦ノ湖は箱根山のカルデラ湖。標高が高いことから箱根エリアでは紅葉も真っ先にスタートします。
湖畔の木々も色づきますが、芦ノ湖周辺でオススメなのは芦ノ湖畔・元箱根の成川美術館。入口の紅葉がとても見事です。そして成川美術館は館内からも芦ノ湖が一望できますので、紅葉だけでなく入館してゆっくり展示や眺望を楽しむのもアリです。
2023年紅葉の見ごろ時期:11月上旬~11月中旬が見ごろ(例年は10月下旬~11月初旬)
DATA 成川美術館 所在地:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根570 電話番号:0460-83-6828 営業時間:9:00~17:00 休館日:無休 入館料:大人1,300円、大高生900円、小中学生600円 アクセス:箱根登山バス「元箱根」バス停下車すぐ 公式サイト:成川美術館
小田急 山のホテル・庭園の紅葉が見事
芦ノ湖畔の「小田急 山のホテル」の庭園も、実は紅葉の名所。こちらの庭園はツツジ・シャクナゲがとても有名で、ツツジの開花時期には庭園入場も有料になるのですが、なんとその他のシーズンは無料で散策できます。もちろん秋の紅葉も例外ではなく。
どこか欧州のホテルのようなクラシカルな建物も絵になり、大人の雰囲気が味わえます。歩き疲れたらホテルのラウンジでお茶するのもいいですね。
2023年紅葉の見ごろ時期:11月上旬~11月中旬が見ごろ(例年は10月下旬~11月初旬)
DATA 小田急 山のホテル 所在地:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根80 電話番号:0460-83-6321 営業時間: アクセス:箱根登山バス「元箱根港」バス停徒歩15分。「元箱根港」から送迎バスあり。 公式サイト:小田急 山のホテル
移動しながら紅葉鑑賞「箱根ロープウェイ」
芦ノ湖畔の「桃源台駅」から「大涌谷駅」を経由して「早雲山駅」まで連れて行ってくれる箱根ロープウェイ。
大涌谷自体は硫化水素の影響で植物は生えないのですが、途中の森の上を通る際に空中から紅葉狩りが楽しめます。ゴンドラの中では「紅葉だ」「芦ノ湖だ」「富士山だ」「大涌谷だ」と、撮影に忙しいことになるかも。
2023年紅葉の見ごろ時期:11月中旬~12月初旬(例年は11月上旬~11月下旬)
箱根美術館・最も箱根で有名な紅葉スポット
箱根の紅葉といえば真っ先に名前の挙がる「箱根美術館」。強羅に建つこの美術館は、昭和27年開館とアートスポットの多い箱根でも最も歴史ある美術館として知られています。
展示作品は日本の焼き物が中心ですが、特に紅葉の時期には、国の名勝に指定された庭園「神仙郷」の紅葉を目当てに入館するお客さんでいっぱい!220本のモミジが色づく庭園内の「苔庭」は、緑の苔にモミジの赤が映えてまさに箱根の秋の絶景に。
例年の紅葉見ごろ:11月上旬~11月中旬
DATA 箱根美術館 所在地:神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300 電話番号:0460-82-2623 営業時間:4月~11月 9:30~16:30、12月~3月 9:30~16:00 休館日:木曜日(祝祭日、11月は開館)、年末年始 入館料:大人900円、大高生400円、中学生以下無料 アクセス:箱根登山ケーブルカー「公園上駅」下車すぐ 公式サイト:箱根美術館
箱根強羅公園・箱根美術館とセットがおトク
日本初のフランス式整型庭園とされる「箱根強羅公園」も紅葉で染まります。この公園は「箱根美術館」のすぐ隣。両施設の窓口で販売する共通入場券もあるのでいっぺんに回ってしまうのがおトク!
なおこの公園は急斜面に作られていますので、楽に見て回りたい時は「公園上」の入口(箱根美術館に近い方)から入園しましょう。
例年の紅葉見ごろ:11月上旬~11月中旬
DATA 箱根強羅公園 所在地:神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300 電話番号:0460-82-2825 営業時間:9:00~17:00(季節変動あり) 休館日:不定休 入館料:大人550円、小学生以下無料 アクセス:箱根登山ケーブルカー「公園上駅」または「公園下駅」下車3分 公式サイト:箱根強羅公園
長安寺・五百羅漢と紅葉のコラボに癒される
「箱根美術館」と並び、紅葉時期に訪れたい箱根のスポットとしてテッパンなのは仙石原の「長安寺」。
室町時代創建の古刹で、江戸時代に箱根の姥子から仙石原に移ってきました。特にこのお寺でオススメしたいポイントは境内と裏山に表情豊かな五百羅漢のお姿があること。羅漢様の頭上に色とりどりのモミジ、羅漢様の足元に絨毯のような敷きモミジ。モミジにうずもれている羅漢様のお姿を見て歩くだけで癒されます。
例年の紅葉見ごろ:11月上旬~11月中旬
DATA 長安寺 所在地:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原82 入場料:境内自由 アクセス:箱根登山バス「仙石」バス停下車徒歩約3分
彫刻の森美術館・紅葉とアートが美しい
「彫刻の森美術館」は写真映えする作品の多いミュージアムですが、箱根の風景や自然を借景に作品を鑑賞できるのが大きな特徴。館内にはモミジやサクラなど秋に色づく植物が多く、紅葉の時期だからこその華やかな写真が撮影できます。
ただし館内は思った以上に広いので、鑑賞時間はたっぷりと取っておいてくださいね。
例年の紅葉見ごろ:11月中旬〜11月下旬
DATA 彫刻の森美術館 所在地:神奈川県足柄下郡箱根町二ノ平1121 電話番号:0460-82-1161 営業時間:9:00~17:00 休館日:無休 入館料:大人1,600円、大高生900円、小中学生800円 アクセス:箱根登山鉄道「彫刻の森」駅徒歩約2分 公式サイト:彫刻の森美術館
箱根登山電車・移動しながら紅葉鑑賞スポット
先ほどはロープウェイから見下ろす紅葉をご紹介しましたが、登山電車の車窓から見る紅葉もおつなもの。
「強羅駅」から「宮ノ下駅」までは急カーブが多く、窓からは隣の車両と紅葉という写真が撮れるかも。「宮ノ下駅」から「塔ノ沢駅」まではスイッチバックや鉄橋といった見どころも!
例年の紅葉見ごろ:11月上旬~11月下旬
元湯 環翠楼・温泉街の風情とともに紅葉を楽しむ
個人的に好きな紅葉です。箱根湯本から宮ノ下方面に続く国道を登っていくとちょうど塔ノ沢の道沿いに、「福住楼」「元湯 環翠楼」「塔ノ沢一の湯 本館」といった複数の木造建築旅館が見えてきます。
これらは全て登録有形文化財。なんとこの道路からは歴史ある建築と紅葉と早川という3つがコラボした風景が眺められるのです。特に「元湯 環翠楼」を彩る紅葉が見事!
例年の紅葉見ごろ:11月下旬~12月初旬
DATA 元湯 環翠楼 所在地:神奈川県足柄下郡箱根町塔之沢88 電話番号:0460-85-5511 アクセス:「箱根湯本駅」徒歩約13分 公式サイト:元湯 環翠楼
箱根湯本・12月初旬まで楽しめる麓の紅葉
箱根で最も遅い紅葉と言われるのは箱根の玄関口である「箱根湯本」。温泉旅館や日帰り温泉も充実したエリアで、ちょうど早川とその支流の須雲川が合流するので川沿いの紅葉が見どころに。
「箱根湯本駅」から近いので、箱根旅行の帰りがけにこの景色を目に焼き付けて帰るのもいいでしょう。「ホテル河鹿荘」と「吉池旅館」の間の湯本橋から、早川沿いの紅葉を見るのもおすすめです。
例年の紅葉見ごろ:11月下旬~12月初旬
DATA 箱根湯本 所在地:神奈川県足柄下郡箱根町湯本 アクセス:「箱根湯本駅」下車徒歩約10分
【番外編】箱根の秋の風物詩「仙石原のススキ草原」も忘れずに
番外編として、秋の箱根に行くならこちらもぜひ。見ごろは9月下旬から11月下旬。2023年10月17日現在は丁度見ごろです。もし、お目当ての紅葉を外してもここなら秋を存分に堪能できます!
DATA 仙石原 すすき草原 所在地:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原 アクセス:箱根登山バス「仙石高原」バス停下車すぐ
箱根の紅葉 渋滞の混雑回避のコツ
箱根は公共交通機関か車で回ることになると思いますが、紅葉の季節の週末に困るのはやはり渋滞。特にお宿のチェックイン、チェックアウト前後の時間は非常に道路が混雑します。
これを避けるために公共交通機関メインの移動がおすすめ。幸い新宿から小田急ロマンスカー、箱根登山鉄道、箱根登山ケーブルカー、箱根ロープウェイと乗り継げば、車無しで芦ノ湖まで到達できます。
一方、車を利用するなら朝早く出発するといいでしょう。朝のうちに箱根町または桃源台まで上ってしまい、駐車場に車を置いてから公共交通機関で移動するのもおすすめです。