台東区、浅草。「浅草寺」の門前町として栄えたこの場所は東京きっての観光地としても有名な場所です。下町情緒を感じられる街として国内外問わず多くの観光客で賑わっていますが、特に週末ともなると歩くのがやっとのほどの大混雑!
そこで今回は浅草をスムーズに観光するモデルコースをご紹介。愛犬と一緒に巡ってきたので「わんこと一緒に浅草観光したい」と言う人は、ぜひ参考にしてください。
浅草は訪日観光客でいっぱい!待ち合わせは朝がおすすめ!
浅草観光のモデルコースをご紹介する前に、浅草観光を成功させるためのポイントを一つご紹介します。
「待ち合わせはお昼前に雷門の前!」と約束してしまったあなた。アウトです。インバウンド需要が戻ってきた今、平日休日問わず浅草は海外の観光客の人たちで大混雑。
お昼前には写真の通り、仲見世通りは右も左も人・人・人の大渋滞になり、雷門前での写真を撮るなんてできません。
せっかく来たのに人酔いして疲れただけなんてことにならないように「浅草は早朝に行け」が鉄則。では、さっそく愛犬と巡る浅草ツアー、スタートです!
7:30 雷門で写真撮影
雷門に出るには都営地下鉄「銀座線」の1番出口が最寄りです。1番出口にはエレベーターもあるので、ペットカートでも余裕!
ちなみにこの日は2月下旬の土曜日。週末ですが早朝ならまだまだ雷門も空いていました。すでに数名の外国人観光客の方がいましたが、順番待ちもほとんどなく余裕で写真撮影完了!ササッと撮影して次へ移動しようと思ったのですが「ペットカートに乗った洋服を着た犬」というのがよっぽど珍しかったのか、逆にモデルを頼まれてしましました(笑)。
7:50 仲見世通りで「浅草絵巻」鑑賞
雷門をくぐるとすぐそこは仲見世通り。この時間はまだお店が開いていないので、お散歩中の地元の方が何名かいたくらいでとっても静かです。ちなみにこれが1枚目の写真と同じ場所だなんて信じられますか?
でもお店が開店前じゃつまらないのでは?
確かに、この時間では食べ歩きやショッピングは楽しめません。でもこの時間だからこそできるのがシャッターアート鑑賞です。仲見世通りのシャッターアートは「浅草絵巻」と呼ばれ、浅草三社祭の様子や、金龍の舞など江戸の風情を描いた作品がずらりと描かれています。これは平成元年に完成したもので東京芸大とのコラボで作成されたのだとか。お店の開店前と閉店後しか見られない限定アートを楽しんでくださいね。
8:20 五重塔と宝蔵門へ
350年以上前に奉納された「小舟町」の大提灯
仲見世通りを抜けると見えてくるのが五重塔と参拝者を迎える宝蔵門。朱色が美しい宝蔵門は両サイドに仁王像が安置されてることから「仁王門」と呼ぶ人もいるそうです。ちなみに「小舟町」と大きく書かれた提灯は日本橋、小舟町が寄贈したものだから。日本橋魚河岸信徒の心意気を示したもので万治2年(1659年)に奉納され平成15年に新調されました。
15階建てビルの高さに相当する五重塔
日本でも歴史ある五重塔としても有名な浅草寺の五重塔はができたのは平安時代天慶5年(942年)。その後、戦火により崩壊しますが、昭和48年(1973年)に再建されました。今の五重塔は鉄筋コンクリート構造で棟の高さは地上53m。塔の最上階層にはスリランカより送られた仏舎利が奉安されているそうです。
ちなみに五重塔は日没後にはライトアップされより幻想的な姿を見せてくれますよ。
8:30 浅草寺を参拝
早朝の浅草寺は境内にも人はまばらでゆっくり参拝することができます。浅草寺の始まりは、西暦にして628年まで遡ります。宮戸川(現在の隅田川)で漁をしていた兄弟が一躰の仏像を発見し、その仏像に豊漁を願うと大豊漁に!
そこで兄弟が出家してお寺を建てたのが浅草寺の始まりともいわれているのだとか。ちなみに余談ですが浅草寺がこんなに大きいのは「江戸っ子は見栄っ張りだから」とも言われているのだそう。筆者も東京の下町生まれ。ちゃきちゃきの江戸っ子なのでそれを聞いて大いに頷いたのでした(笑)。
わんちゃんは建物内には入れません
浅草寺の境内には本堂をはじめ、観音さまをお助けする十二支の守り本尊のお堂「影向堂」や、女人守護のお堂「淡島堂」などたくさんのお堂があり、ひとつひとつ参拝しながらお散歩するのも楽しみのひとつ。ただし、わんちゃんは建物の中には入れないので、本堂をお参りする時などは交代で行くなどの対応をしてくださいね。
また境内はリード歩行OKですが、マーキングさせたり排泄物を放置なんて絶対NGです!
「凶」が多いと有名な浅草寺のおみくじ
浅草寺のおみくじエリアは本堂に上がる前にあるのでわんちゃんの同伴も可能です。浅草寺のおみくじは「凶」が出る確率が多いと言われていて、私もこれまで参拝のたびに何十回も引いてきましたが冗談じゃなく全部が「凶」。さすがに今回こそはと思ったのですが…
はい、出ました「凶」。なんでも凶が多いのは凶より下はないのであとは上がるのみというポジティブな意味合いと「凶」いう漢字は中に「メ」という文字が隠れていることから、これから芽が出るという意味があるそうです。なるほど、私はうん十年たってもまだ芽が出ていないのか…。いや、むしろ一緒におみくじを引いた旦那は「末吉」。この中途半端(失礼)よりは伸び代があるということでいいのか!?
となんとも複雑な気持ちに(笑)。ぜひぜひ浅草寺を訪れたら運試ししてみてくださいね。
DATA
浅草寺
所在地:東京都台東区浅草2-3-1
アクセス:都営メトロ「銀座線」より徒歩1分
開堂時間:6:00-17:00(10月~3月は6:30開堂)
URL:浅草寺▶
10:00 「ロッジ赤石」でモーニング
朝食は純喫茶喫茶「ロッジ赤石」がおすすめ。朝9時オープンですが、週末にはオープン前から行列ができることもある人気店なので早めに到着することをおすすめします。昭和48年創業という店内は昭和にタイムスリップしたような味のある趣。ゲーム台のテーブルなんてエモすぎませんか?
わんちゃんはカフェマットを敷けば椅子に座らせてOKです。
モーニングは4種類あり、トーストとゆで卵のAセットと、ホットドックのBセットが各650円。ハムエッグとトーストのCセット、オムレツとトーストのDセットが各750円です。もちろんすべてにコーヒーか紅茶つき! 店内は常連さんや朝から競馬新聞を片手にコーヒーを楽しむおじさまたちの姿が。ここだけ時間が止まったような不思議な感覚を味わえるレトロ喫茶でした。
DATA ロッジ赤石 所在地:東京都台東区浅草3-8-4 アクセス:都営メトロ「浅草駅」から徒歩12分 TEL:03-3875-1688 営業時間:9:00-24:00 ※予約不可 お席の移動は不可。ペットカートやベビーカーは店外に置いて入店を。
11:00 浅草「花やしき」周辺を散策
10時を過ぎると開いているお店も多くなり、一気に観光客の数も増え始めます。食べ歩きも楽しいのですが、モーニングでお腹が満たされているので浅草の街を散策することに。ふわりもせっかくなので持参したお着物にお着替えです。
花やしきにはわんちゃんは入れません
浅草といえば、日本最古の遊園地「花やしき」がある場所としても有名ですが、残念ですがわんちゃんの入場はNG。
入り口のパンダちゃんと写真を撮らせてもらって、行った気分だけを味わいました。ちなみに、園内では今でも現役で活躍する日本最古のローラーコースターがあり、今にも壊れそうな恐怖感が楽しめる(⁉︎)ので、犬なし観光の方はぜひ乗ってみてくださいね!
DATA 花やしき 所在地:東京都台東区浅草2-28-1 アクセス:都営メトロ「浅草駅」より徒歩8分 営業時間:10:00~18:00 (営業時間は季節・天候により異なります)※最終入園は閉園30分前。 入園料:大人1,200円、小人&シニア600円(4歳以下無料) ※ペットの入場はできません。 URL:花やしき
インスタ映えスポットでの写真もお忘れなく
「花やしき」からもほど近い、西参道商店街の入り口にあるのがメロンパンで有名な『浅草 花月堂本店』の「かざぐるまの壁」。
インスタ映えスポットとして有名なこの場所は、昼過ぎにもなるとレンタル着物を着て写真を撮りにくる観光客の姿で大混雑!午前中のうちに撮影することをおすすめします。
ちなみに「かざぐるまの壁」の反対側には「金魚ちょうちんの壁」もあるのでぜひ併せてチェックしてくださいね。
DATA 浅草 花月堂本店(かざぐるまの壁) 所在地:東京都台東区浅草2-7-13 営業時間:9:00~18:00(壁での撮影は営業時間外でも可能)
12:00 人力車体験
浅草駅の周辺にずらりと並ぶ人力車。実はわんちゃんも乗れるって知ってましたか?
浅草駅1番出口目の前にあるのが「東京力車」のチケットセンター。元気のいい車夫さんたちが「人力車いかがですかー?」「わんちゃんも乗れますよ!」と声をかけてくれます。私たちは事前予約をして伺いましたが、予約がなくても当日に空きがあればその場で乗車可能!
私たちは混雑する場所は避けた観光ルートをおまかせで回ってもらうことにしました。ペットカートやトランクなどはチケットセンターで預かってもらえるので一気に身軽に!
犬アレルギー対策もばっちり
わんちゃんを乗せる人力車はその都度ブランケットを総取替してアレルギー対策を徹底しているのだそう。わんちゃんはブランケットの上に自前のカフェマットを敷いて乗車できます。ちなみにお膝の上に乗ることができれば小型犬なら数匹まで同乗OK。足元に大人しく座っていられる子なら大型犬も乗れちゃうそうです!
見えてきたのはスカイツリーと黄金に輝くアレ。
いよいよ出発! まず見えてきたのがスカイツリーです。そしてその横に輝くのがビールの形をしたアサヒビールの本社。そしてその横にある黄色の“アレ”。首都高からも見えるこのビル。浅草を訪れたことがある人じゃなくとも一度は「え、“う⚪︎ち!?”」と思った人も多いのではないでしょうか(笑)。これは「新世紀に向かって飛躍するアサヒビールの燃える心」を表した黄金の炎だそうで、アサヒビール100周年を記念した1989年にフランス人作家によって作られたんだとか。
まぁ、大半の人が“う⚪︎ち”だと思っているわけですが、それはそれで「運がつく」としてパワースポットとしても人気だそうです。
写真撮影タイムもあります
浅草に精通している車夫さんが混んでないルートを選んでくれるので人力舎はスイスイ街中を進んでいきます。スカイツリーがきれいに見える場所では記念撮影のサービスも!
知らなかった浅草の知識を教えてもらえるだけでなく、家族写真まで残してもらえるなんて。めちゃくちゃいい記念になりました。
浅草神社を経由すればあっという間の1時間!
そして人力舎は浅草寺の横にある浅草神社へ。ここは徳川家光により1649年に建立されたもので、 度重なる火災や戦争や関東大震災などの被害を免れてきた歴史ある場所。1951年に国の重要文化財にも指定されています。
なぜ「三社」かと言えば、ここにはお祀りされている御祭神が3柱祀られていて、その神様たちを総称して「三社様」と呼んでいたからだそう。毎年華やかな神輿渡御が行われる三社祭の日は浅草が一年で1番活気付く日だそうです。
そんな浅草知識をわたしたちに教えてくれたのは車夫歴9年のしおりんさん。実は先に書いた浅草寺の由来やおみくじの話を教えてくれたのも彼女です。車夫さんたちはみんな浅草のプロ中のプロなので基本情報はもちろん、美味しいお店や写真映えスポットなど気になることがあったら何でも聞いてみて!
人力車観光なら混雑知らずで快適!
人力車がスタート地点に戻ってきたころには浅草駅前はすごい人!
それを横目に人力車の上から楽しむ浅草観光は快適すぎて病みつきになりそうです。着物を着たわんこが珍しいのか、多くの観光客の方がカメラを向けてくれて、ふわりもちょっと誇らしそうでした(笑)。
DATA 東京力車 所在地:東京都台東区浅草1-2-1 アクセス:都営メトロ「浅草駅」から徒歩1分 TEL:03-5830-8845(受付時間9:00〜18:00) 料金:お試しコース10分2名で5,000円、おすすめコース1時間コース2名で20,000円など予算と時間に合わせて貸切可能。 URL:東京力車 ※事前予約なしでも乗車できますが、ペット同伴の場合は支度に時間がかかるので事前予約がスムーズです。 今回はモニター乗車させていただきました。
13:30 著名人にも愛された「カフェ・ド・ラーク」でランチ
ランチは創業29年の歴史を誇る「カフェドラーク」へ。
ビルの2階にあるここはカウンター席とテーブル席が数卓あるだけの小さなお店ですが、加山雄三さんをはじめ多くの著名人からも愛される歴史あるお店。レトロポップ店内にはいろんな方のサインが飾られています。ランチタイムは混むので少しずらしていくのがおすすめです!
卵を贅沢に使ったオムライスは必食
ここの名物はLサイズ以上の卵を4つ以上つかったとろとろオムライス!
特製デミグラスソースのかかったオムライスの中はエビピラフになっています。この卵が高い時代に値上げしないのかと伺うと「みんな上げろって言ってくれるだけど、面倒だし。だからうちは利益がないのよ」と店員さん(笑)。この下町感もこのお店が愛される秘密です。ちなみに私がオーダーしたナポリタンも驚くほどのボリューム!
ケチャップたっぷりのナポリタンは初めて食べるのに懐かしくて優しい味がしました。ぜひ行く時はお腹を空かせて行ってくださいね!
DATA カフェ・ド・ラーク 所在地:東京都台東区浅草1丁目20-12 2階 アクセス:都営メトロ「浅草駅」から徒歩2分 TEL:03-3841-8772 営業時間:9:00~19:00 不定休
15:00 ホッピー通りでモツ煮とビール!
よりディープな体験をしたいなら「ホッピー通り」がおすすめ!
「ホッピー通り」とは浅草寺境内の西側、花やしきからもほど近い80メートルほどの酒場通りのこと。下町の懐かしい雰囲気の居酒屋がずらりと立ち並び、昼からお客さんを呼び込むスタッフさんの声が響きます。
筆者が子供の頃は酔っ払いのおじさんたちが集まるちょっと危ない場所という印象でしたが、今では女の子だけのグループや外国人観光客の姿も増えて昼から楽しく飲める場所になりました。
「ホッピー通り」の名物といえばもつ煮!
ここの居酒屋さんのほとんどと言っていいお店にあるのが牛すじやもつの煮込み。それゆえにこの通りは「煮込み通り」「煮込みストリート」と呼ばれるくらい。なのでお店に入ったら「ビールと煮込み!」とオーダーすれば間違いありません!
「浅草酒場 岡本 ホッピー通り店」はわんちゃんOK
「ホッピー通り」のお店がほぼテラス席という名の路面席を持っていますが、すべてがわんちゃんOKというわけではないのでご注意を。入れるかどうかはお店の人に聞くのが1番手っ取り早いのですが、筆者が愛犬を連れてよく行くのが「浅草酒場 岡本 ホッピー通り店」です。
本店はわんちゃんNGですが、ホッピー通り店は「いらっしゃーい!」と迎えてくれます。さらにお願いすればわんちゃん用に味なしで焼き鳥を焼いてくれることもあるので、愛犬ふわりも大満足なのでした(忙しいときは無理な場合もあります)。
DATA
浅草酒場 岡本 ホッピー通り店
所在地:東京都台東区浅草1-40-7
アクセス:都営メトロ「浅草駅」より徒歩5分
TEL:050-5485-9734
営業時間:月~水・金・土11:00~23:00(L.O.22:30)
木 17:00~23:00(L.O.22:30)
日 11:00~22:30(L.O.22:00)
※月曜日が祝日の場合は、日曜日23:00・月曜日22:30に閉店
URL:浅草酒場 岡本 ホッピー通り店▶
17:00 帰途へ
ホッピー通りでだらだらと飲んでいたら、あっという間に時間は夕方に。
駅に向かう途中に寄った浅草寺の境内は朝とは大違いの大混雑。参拝の順番待ちの人で溢れていました。この混雑の中、愛犬を歩かせるのはとっても危険なので抱っこで早々に避難です。もちろん大混雑の仲見世通りは避けて、大通りから駅へ向かうことをおすすめします!
駅に着いた頃には雷門もライトアップされていましたが、その下には無数の人‼️ とっても記念写真なんて撮れる状況じゃありません。今回は春節も重なり、いつも以上に人が多かったということもありますが、日本きっての観光地浅草は「空いているのは午前中のみ」と覚えていて間違いないと思います! ぜひモデルコースを参考に愛犬との浅草散歩を楽しんでくださいね。