福井観光で人気!福井県立恐竜博物館は噂以上に面白い!見どころ徹底解説

ライター 塚本隆司

塚本隆司

日本観光士会認定観光士

「福井県立恐竜博物館」は、福井県内で最も人気のミュージアム。
2000年の開業以来、のべ1300万人が来館。2023年7月にリニューアルオープンしてからは、来館者数がさらに増え、過去最高ペースのにぎわいです。
館内には約1800点の標本が展示され、恐竜の全身骨格標本は50体。そのうち実物化石標本が10体も。ロボットや映像を駆使した見せ方もおもしろく、恐竜好きでなくても1日ではとても足りない見応え抜群の博物館なのです。

恐竜博物館 フクイラプトル
フクイラプトル・キタダニエンシス

福井県に恐竜博物館があるのはなぜ?

外観 スキージャム勝山が見える
写真右側の山にスキージャム勝山のゲレンデが見える

福井県立恐竜博物館(以下、恐竜博物館)があるのは山奥。人気のスキー場(スキージャム勝山)が見えるような場所です。「なぜ、こんなところに?」というのには理由があります。それは、この場所からさらに山奥へ7キロぐらい入ったところにある谷に、恐竜の化石が出る地層があるからです。

1億2000万年ぐらい前の地層で、恐竜の歯の化石などが見つかっていたため、1989年から本格的に発掘調査を開始ししたところ、恐竜の化石が次々と出土し、調査・研究の末、学名の付く新種の恐竜が6種(国内で発見された新種は全部で11種)発見されています。

外観
写真左の本館奥に大きな銀色の卵型ドームがある。右は新館の卵形ドーム(小タマゴ)

恐竜博物館は、これらの貴重な恐竜資源を学術研究や生涯教育、観光振興などに活用し、国内外に福井県をアピールするため2000年に開館しました。世界三大恐竜博物館(ロイヤル・ティレル古生物学博物館(カナダ)、自貢恐竜博物館(中国)、福井県立恐竜博物館)の一つに数えられます。
2023年7月には、大規模リニューアルが行われ新館がオープン。恐竜をさらに身近に感じられる施設になりました。来館者数は、多い時で年間93万人。総来館者数は、のべ1300万人を越え、リニューアル以降は過去最高の勢いで多くの人が訪れています。

今や福井県、特に福井市では、恐竜が街のシンボルです。JR福井駅前の恐竜に始まり、恐竜博物館へ向かう道中でも、多くの恐竜関連の看板やオブジェを見かけることでしょう。

屋外の恐竜モニュメント
駐車場脇にある巨大な恐竜オブジェ

福井県立恐竜博物館の展示演出がスゴイ!

恐竜博物館は、日時指定の事前予約制になっています。1日最大1万2000人。リニューアル前は待ち時間が長い時もありましたが、リニューアル後はシステムが整備され、繁忙期でも20分以内に案内してもらえます。
当日券は、予約に余りがある場合にのみ販売。夏休みやGWなどの連休はもちろん、平日でも開館の9時など午前中に入館したければ予約必須です。

恐竜が眠る世界へ

エスカレーターで1階へ
エスカレーターで地下1階へ(エレベーターもあります)

入館ゲート(3階)を通過すると、エスカレーターに乗り、恐竜の化石が眠る地中深くへ、降りていきます。

ダイノストリート
「ダイノストリート」草食恐竜の足の実物化石。触ることができる

その先にある通路は、木や海の生き物などの化石がむき出しになったタイムトンネル「ダイノストリート」。トンネルを抜けると、恐竜化石が見つかった状態の展示(アメリカで見つかった実物を購入し、化石を削り出す前にかたどったレプリカ)が待っています。

発掘現場

化石を発見・発掘してから研究が始まる第一歩を初めに見せる仕掛けに、館内へと進む期待が高まります。

本館1階「恐竜の世界ゾーン」

2階から見た本館1階「恐竜の世界ゾーン」
本館2階から見た1階の常設展示室

恐竜博物館の常設展示は、本館の1階2階で3つのゾーンで構成されています。建物の外観の特徴からいえば、大きな銀色の球体の中が常設展示。

本館1階「恐竜の世界ゾーン」 ロボット

まず目を引くのが、リアルに動く恐竜。リニューアルでより迫力を感じるよう改修され、特に口周りの動きがリアルになっています。

本館1階「恐竜の世界ゾーン」 骨格標本

周りを見渡すと数多くならぶ骨格標本。館内には全身骨格標本が50体も展示され、その中には10体の実物化石標本があります。レプリカの骨格標本との見分け方を教えてもらいました。

本館1階「恐竜の世界ゾーン」 骨格標本
手前が実物化石。フレームに沿って化石が組まれている。奥はレプリカの骨格標本

実物化石はとても重いため自立できません。そのため、はじめに金属フレームを組み上げ、実物化石をフレームで支えるようにして組みあげられています。レプリカの場合は軽いため、フレームを組む必要はありません。

標本や展示物の脇には、解説の展示パネルがありますが、詳しい説明なら音声ガイドアプリの利用がオススメ。利用方法は、事前に専用アプリをスマホにダウンロードしておくだけ。日本語、英語、中国語(繁体・簡体)、韓国語のほかに、子ども向けの解説(日本語のみ)があり、無料で利用できます(イヤホン使用推奨)。

本館1階「恐竜の世界ゾーン」 ダイノシアター

見どころは、骨格標本だけではありません。対面スクリーンの「ダイノシアター」は迫力満点。肉食恐竜が対面にある草食恐竜に向かって襲いかかる映像が臨場感たっぷりに流れます。

本館1階「恐竜の世界ゾーン」 恐竜

「中国四川省の恐竜たち」と名付けられたジオラマ空間もおもしろい。中国四川省の中生代(2億5000万年前から6550万年前。三畳紀、ジュラ紀、白亜紀に分けられる)の環境を実物大で再現しています。

恐竜ジオラマの動きとともに、いろんな角度から恐竜たちの息づかいや咆哮、足音など聞こえてくる演出にキョロキョロしてしまう、まさにタイムスリップしたようなコーナーです。

本館1階「地球の科学ゾーン」

次に目にするのは「地球の科学ゾーン」。地球科学の歴史、陸と海の堆積物、化石や岩石、鉱石、鉱物などを系統的に展示しています。恐竜博物館には、16名の研究員が在席。恐竜の専門家だけではなく、地質、植物などさまざまな分野の専門家が集まり、恐竜と恐竜が生きた時代を見せてくれています。

本館1階「地球の科学ゾーン」 発掘現場
福井県勝山市北谷町発掘現場の紹介

展示の中には、福井で恐竜化石が発掘されたきっかけから実際の発掘、発掘現場の解説が並んでいます。

本館1階「地球の科学ゾーン」 福井で発見された恐竜
「フクイベナートル・パラドクサス」全体の70%以上の骨化石が発見された

福井の山中が大陸の一部だった1億2000万年前は、どのようなところだったかを研究員たちが示してくれているのが、こちらのジオラマ。

本館1階「地球の科学ゾーン」 恐竜がいた世界

どんな地形で、そんな植物があり、恐竜以外にもどのような動物がいたかが再現されています。鳥類が飛び、小動物が虫を追っています。他の展示では、海や陸の堆積物から何がわかるのか、太古の地球の姿などを解説。恐竜ばかりに目がいきがちですが、多くの研究成果があって博物館が構成されていることがわかります。

本館2階「生命の歴史ゾーン」

ダイノラボ ティラノサウルスの全身骨格

本館1階から2階へと向かうルートは「ダイノラボ」を通るのがおすすめ。「ダイノラボ」は、ティラノサウルスの全身骨格を見回すように階段を上がりながら、恐竜のからだ・くらしが学べる展示コーナーです。

ダイノラボ ティラノサウルスの大腿骨

実際に、実物のティラノサウルスの大腿骨に触れられるコーナーもあります。

本館2階「生命の歴史ゾーン」展示
中生代の海に住んでいた亀

「生命の歴史ゾーン」では、46億年という地球の歴史の中で、生命が誕生し、環境変化の中で進化と絶滅を繰り返し、人類誕生まで時間の流れに反って解説されています。

本館2階「生命の歴史ゾーン」展示

海から地上へと進出した脊椎動物が植物とどう関わってきたのかなど、興味深い解説の数々。最後には、私たち人間についても。地球に生命が誕生してからの歴史から見れば、ごく短い期間なのがよくわかります。

本館2階「生命の歴史ゾーン」展示
写真左奥に人類。展示スペース全体の中で占める割合の短さを実感できる

新館は体験がいっぱい

2023年7月14日にリニューアルオープンした恐竜博物館。3階建ての増築棟(新館)が登場し、恐竜研究体験教室や大迫力の恐竜映像など、体験に重きを置いた施設になっています。

感動!シンボルモニュメント

恐竜の塔
新館内にある「恐竜の塔」

新館卵型ドーム内には1階から3階までを貫く、全長約13メートルの大きなタワーが立っています。福井で発見された5種の恐竜と1種の鳥類のシンボルモニュメントで、時間帯によって変わる光の演出付き。思わず「カッコいいな」と声がもれてしまうほどの美しく格好のいいモニュメントです。

特別展期間外も楽しめる特別展示室

新館1階の特別展示室は、特別展の開催スペースなのですが、期間外も楽しめます。壁面3面が、高さ9メートル、幅16メートルの大型スクリーン「ダイノシアター」になっているので、大迫力の恐竜映像が繰り返し映し出されます。

例えばこの映像の場所、見覚えないでしょうか?

ダイノシアター 福井駅前(昔)

正解はこちら。

ダイノシアター 福井駅(今)

JR福井駅前です。駅前モニュメントの恐竜がいます。この映像を一度見ておけば、福井駅前を歩くのが一層楽しくなることでしょう。
恐竜だけではなく、植物や小動物なども福井で見つかったものを再現してあるので、隅々まで楽しめる映像になっています。

見せる収蔵庫と化石研究体験室

新館の1、2階は、化石や骨格などの収集した標本や資料を保管するスペースになっています。どこの博物館も収蔵庫はバックヤードツアーでもない限り見せてくれませんが、恐竜博物館では大きな窓ガラスを設置し中が見えるようになっています。貴重な資料を少しでも見て欲しいという気持ちが伝わります。

化石発掘体験

新館3階は、化石研究体験室になっています。
恐竜博物館では、屋外での発掘現場見学や化石発掘体験ができるイベントを開催してきましたが、冬場は開催できないなどの課題がありました。
新館に「化石研究体験室」を設けたことで「オールシーズン体験が可能な博物館」としてリニューアルを果たしたことになります。

恐竜頭部の3Dパズル
恐竜頭部の3Dパズル

内容は「化石をどうやって見つけ、観察し、調べてゆくのか」といった本格的な化石研究の一部を、実際の研究と同じ設備で体験ができます。
事前申込がおすすめですが、定員に空きがあれば当日の申込でも可能。申込要件や内容、所要時間、料金などについては、後述するDATA内の公式サイトを参照ください。

レストランやミュージアムショップもおもしろい

福井県立恐竜博物館 レストランとミュージアムショップ

とても1日では楽しみきれない恐竜博物館。レストランとミュージアムショップの内容も気になるところ。
時間帯によっては混み合うので、少し時間をずらすなどしてでも、楽しむ価値ありです。レストランとミュージアムショップは、本館の3階のゲート内で隣り合っています。

楽しいメニューがいっぱいレストラン

福井県立恐竜博物館 レストラン内観
写真提供:福井県立恐竜博物館

恐竜博物館らしい個性的なメニューの数々に楽しさが込められています。メニューは、カレーやハンバーガー、福井名物ソースカツ丼やおろし蕎麦など。子どもが喜ぶメニューももちろんあります。

福井県立恐竜博物館 レストラン
左上:化石発掘オムライス(1,350円)、右上:スピノサウルスカレー(1,250円)、左下:ミクロラプトルカレーセット(950円)、右下:ノンアルコールカクテルソーダ(各600円)、写真提供:福井県立恐竜博物館

メニュー名だけでもワクワクします。「化石発掘オムライス」は、ハヤシソースのオムライスですが、名前からすると中から何か出てきそうですね。
気になる不思議なメニューも。

福井県立恐竜博物館 レストラン
恐竜の歴史をたどるケーキ(1,600円) 写真提供:福井県立恐竜博物館

「試験管を順番にケーキへ振りかけて、「恐竜の歴史」を美味しく楽しく辿ろう!」の説明書き。とても気になります。

きっと悩む楽しさいっぱいのお土産

福井県立恐竜博物館 お土産

ミュージアムショップは、恐竜好きにはたまらないことでしょう。もう、本当に恐竜だらけです。
恐竜のフィギュアやぬいぐるみ、Tシャツもあれば、本や文房具といっぱいあります。

福井県立恐竜博物館 お土産

もちろん、ここでしか買えない商品がいくつもあります。

福井県立恐竜博物館 お土産

恐竜にちなんだお菓子も色々。恐竜とは関係ありませんが、福井県の定番土産も置いてあります。

福井に行くなら恐竜博物館

JR福井駅前をはじめ、福井市内のお土産店や飲食店などでも「恐竜だらけ」と感じるほど、街をあげて恐竜推しです。
その中心にあるのが恐竜博物館。楽しいと噂のスポットに期待して訪れると、期待以上の楽しさに驚きます。まさに、恐竜がいた時代へタイムスリップ。地元の人たちが年間パスポートを購入するのもよくわかります。

北陸新幹線の延伸でさらに注目スポットになる福井県立恐竜博物館。一度行っておくべきスポットであり、また行きたくなるスポットです。

福井県立恐竜博物館 玄関
DATA
福井県立恐竜博物館
所在地:福井県勝山市村岡町寺尾51-11かつやま恐竜の森内
電話番号:0779-88-0001(代表)
開館時間:9時から17時(入館は16時30分まで) *予約制、当日券は空き状況次第
※夏季繁忙期(令和5年度の繁忙期は7月22日から8月20日まで)は8時30分から18時(入館は17時30分まで)
休館日:第2・4水曜日(祝日の時はその翌日、夏休み期間は無休)、年末年始(12月31日と1月1日)、展示替えや施設の点検のため臨時休館あり(公式サイトで確認)
常設展観覧料:一般1,000円、高校・大学生800円、小中学生500円、70歳以上500円、未就学児無料
アクセス(車):北陸自動車道「福井北JCT」から中部縦貫自動車道(無料区間)「勝山IC」から国道416号で約10分(福井北JCTから約30分)*冬季は必ずスタッドレスタイヤ着用のこと
アクセス(バス):えちぜん鉄道勝山永平寺線「勝山駅」からバスで15分(タクシー10分)
駐車場:かつやま恐竜の森駐車場(無料) 約1200台
公式サイト:福井県立恐竜博物館

※本記事は「福井県 関西メディアを通じた北陸新幹線開業PR」のプレスツアーに参加し、現地での体験を記事にしたものです。

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ライター 塚本隆司

塚本隆司

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