東京から電車で約1時間の場所にある横須賀本港。アメリカ海軍施設と海上自衛隊の基地が共存しており、国内外を問わずさまざまな艦船が停泊する港として有名です。これらの艦船基地を間近に見られるのが、横須賀の港を船で巡るツアー「YOKOSUKA軍港めぐり」。今回はライターが実際に乗船して、その魅力をお伝えします!
YOKOSUKA軍港めぐりって?
今から約160年前に米国ペリー艦隊が上陸して以来、海軍港として発展してきた横須賀。現在もアメリカ第7艦隊の海軍施設(横須賀本港)と海上自衛隊の自衛艦隊司令部(長浦港)が置かれています。そして、これらの港を船でめぐるご当地クルーズが「YOKOSUKA軍港めぐり」です!国内にアメリカ海軍基地や海上自衛隊が配置されている港はいくつかありますが、アメリカ海軍と海上自衛隊の艦船を同時に見ることができるスポットは相当レアなのです。これは俄然興味が湧いてきますよね!
YOKOSUKA軍港めぐりチケット購入・予約方法
YOKOSUKA軍港めぐりは横須賀の汐入港から発着します。まずは京浜急行などで汐入港へGO!
乗船料は大人1,600円、小学生800円。小学生未満のお子様は、大人1名につき1名無料となります。チケットは汐入駅すぐの場所にあるショッピングモール「CoaskaBayside Stores(コースカ ベイサイド ストアーズ)」2階の汐入ターミナルで購入できます。
重要:土・日・祝、春・夏・冬休みは大変混雑するため、Webサイトもしくは電話(046-827-6616)での事前予約がおすすめです。
万が一、予約枚数が終了しても、天候次第で当日券が朝10時から発売されますので、どうしてもその日に乗船したい場合には汐入ターミナルで当日券をゲットしましょう。なお、予約した乗船チケットの支払いも窓口で行うため、乗船前に汐入ターミナルで発券する必要があります。
レトロな雰囲気の汐入ターミナルは、かつて汐入駅前(現・よこすか芸術劇場)にあった海軍下士官兵集会所「EMクラブ」の内装を参考にしたもの。天井のシャンデリアは、EMクラブで使われていたものをそのまま利用しています。さらに店内には30年以上にわたり雑誌「ぴあ」の表紙を描き続けてきたイラストレーター・及川正通氏による大作「YOKOSUKA」も展示されており、乗船前から気分も盛り上がります!
汐入ターミナルから外に出て階段を降りれば、船が発着する汐入桟橋です。乗船時間の15分前までに汐入ターミナルでチケットを購入すれば間に合いますが、船内は自由席のため、いい席を確保するためには早めに待機するのがおすすめです。取材当日は平日でしたが、すでに多くの人が列をなしていました。
時間になったらいよいよ乗船!
スタッフさんにチケットを見せたら、いよいよ乗船です。桟橋にはすでに船が停泊しています。この日の船は2016年4月から就航している「シーフレンド7」。2階建てとなっており、2階後部の赤い煙突が目印です。全長26.20mで、最大250名を載せることができます。
1階と2階、どちらを選ぶかは好みによりますが、私は断然2階をおすすめします。特に晴れた日は、潮風をきって走る爽快感が味わえます。窓がないため、道中の艦船がより近くに感じられるというのもポイント高し。
写真を撮りたい方は迷うことなく2階ですね。2階はベンチシートになっていますが、後方にはスペースがあり、航行中も船内を自由に移動できます。ただし、2階へ上がる方は冬は防寒対策、そして階段などの足元には十分お気をつけくださいね。
ツアーの立役者「軍港めぐり案内人」
「軍港めぐりって言っても、そんなに艦船に詳しくないし……」という方もご安心ください。YOKOSUKA軍港めぐりの船内では、常にスタッフによるガイドがマイクを通して行われ、初心者でも楽しめるように工夫がなされているんです。
そのガイドを担当するのが「軍港めぐり案内人」の皆さん。その日の便によって担当が異なります。
当初は「案内人」という肩書きから、社会見学的な、至って真面目なガイド内容を想像していたのですが、これが予想に反してめちゃめちゃ面白い!公式サイトには「それぞれが特徴を持った、個性豊かな案内人」とありましたが、思わず「個性ありすぎだよ!」とツッコまざるを得ないくらい話がお上手で、45分のクルーズが本当にあっという間でした。
さらに、現在は「軍港めぐりスタンプカード」なるものもあり、1度の乗船ごとに案内人がスタンプを1つ押してくれます。これを10個集めると、乗船が1回無料に!スタンプはそれぞれが案内人の顔となっており、全13種類。これまでは乗船するまでどの案内人が担当するか分かりませんでしたが、現在は汐入ターミナル内のモニターで事前に公表されています。お気に入りの案内人さんを探すのも、軍港めぐりの新しい楽しみ方かもしれません。
スタンプカードを入手したい方は、チケット購入時にスタッフさんにお声がけを。
いざ!45分の船旅へしゅっぱーつ!!
乗船したら、まずは座席の確保です。取材だというのに深くにも並ぶのが後ろになってしまったため、いい席が取れないのではと心配していましたが、多くの方々が集まる2階にちゃっかり紛れて、席の確保に成功。出港時間が近づくと、泉谷さんもマイクを持って前方にスタンバイ。そして船は時間きっちりに出港しました。
エンジン音とともに最初はゆっくりと、そして徐々に加速する船体。ラッキーなことにこの日は晴天で、青い空に向かって進んでいるようで本当に気持ちが良かったです。そして、出港後すぐに始まる泉谷さんの軽妙なトーク。やや緊張気味だった私を含む乗客の皆さんも、気づけばすっかり心をつかまれてしまいました。恐るべき話術。まさに船上の話術師……!
船は汐入桟橋を出発し、航空母艦専用埠頭「12号バース」、アメリカ海軍横須賀基地施設、などを通過しながら、自衛艦隊司令部などがある長浦港をぐるっと一周して汐入桟橋に戻ります。走行中は絶え間なく「右手に見えますのは……」「左手をご覧ください」など、泉谷さんから艦船の紹介が。細かな説明に関心しながら、予想していたよりも遥かに多い、さまざまな艦船を見ることができました。
ここでご紹介した以外にも、まだまだもたくさんの艦船が停泊していましたが、驚いたのはこれだけ多くの艦船を泉谷さんが完璧に把握されていたこと!軍港はそもそも観賞用ではないため、常に同じ船が停泊しているわけではありません。季節や情勢によって入港する艦船は日々変わるため、毎回同じアナウンスをしているわけにはいかないのです。
「入港している船の情報が当日の朝まで手に入らない、もしくは乗船してみるまで分からないこともあります。そのような時でも案内人はそれぞれの知識をフル活用しながら、お客様に楽しんでいただけるようにご案内しています」と泉谷さんは話してくれました。
下船後のお楽しみ!抽選会もあるんです
45分の航海を終え、無事に汐入桟橋にて下船。帰りのお楽しみが、チケットの下3桁で行われる抽選会です。当選番号は汐入ターミナルに掲示されており、当たった方にはプレゼントがありますので忘れずに立ち寄ってチェックしてくださいね。また、軍港めぐりのチケットを、これも横須賀の観光名所である、東京湾唯一の無人島・猿島観光に持っていくと、猿島までの乗船料が割引になるので、横須賀を訪れて猿島観光も考えている人は、なくさないように。提示してお得に旅しましょうね!
目移りしちゃう!お土産もしっかりチェック
汐入ターミナルにはさまざまな横須賀土産が揃います。ここでしか手に入らないオリジナル土産あるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
よこすか海軍カレーはもちろん、お菓子から雑貨までさまざまなお土産が揃います
海上自衛隊の潜水艦をモデルにした、人気のボールペン兼フィギュア「潜水艦型ボールペン」650円
泉谷さんおすすめの「空母チョコクランチ」1000円(税込)。ミニサイズの空母には細部までこだわりが!
種類豊富で選ぶのも楽しい艦船の「ピンバッジ」350円(税込)。私はせっかくなので「うらが」を購入しました。
たまごせんべい(70円/1枚)と、軍港めぐりブレンドドリップバッグ(120円/1袋)。思い出話に花が咲くコーヒータイムはいかが?
何度でも行きたい!乗船中も下船後も大満足のツアー
45分のツアーでしたが、数多くの艦船を間近に見ることができ大興奮!案内人・泉谷さんの軽快なトークも相まって、非常に中身の濃いクルーズでした。「海上自衛隊とアメリカ海軍の艦船を一緒に見られるツアーは他にはありません。毎回違う景色が見られるので、何度でも足を運んでいただきたいです」という泉谷さんの言葉どおり、ぜひともまた訪れてみたくなりました。
DATA YOKOSUKA軍港めぐり 所在地 神奈川県横須賀市本町2-1-12 料金 一般 大人1,600円、小学生800円、小学生未満無料 お問い合わせ 046-825-7144(9:00~17:00) 公式サイト YOKOSUKA軍港めぐり