政府は2022年9月7日から、新型コロナウィルスの水際対策として義務化している日本入国者及び帰国者の帰国前PCR検査と陰性証明書の提示を、ワクチン接種完了を条件に免除すると発表しました。
目次
- 9月7日から日本の入国制限が大幅に緩和!
- 帰国前のPCR検査と陰性証明書の提示が不要に
- 帰国前PCR検査と陰性証明書免除の条件
- 日本入国上限は9月7日から1日5万人へ
- 8月26日現在の入国制限緩和・入国ルールのグループ分け
- 最も感染リスクの低いグループの国と地域(青色)
- アジア・大洋州
- 北米
- 中南米
- 欧州
- 中東・アフリカ
- 2番目に感染リスクの低いグループの国と地域(黄色)
- アジア・大洋州
- 中南米
- 欧州
- 中東・アフリカ
- 最も感染リスクが高いグループの国と地域(赤色)
- 8月26日現在は日本帰国時は陰性証明書取得は必須!
- 主な渡航可能国と地域(2022年8月23日現在)
- イギリス・フランス・イタリア・ドイツほかヨーロッパの多くの国が入国制限を撤廃
- ヨーロッパの航空券予約で気を付けること
- 東南アジアやハワイ・アメリカ・グアムの旅行は活発化!
- ワクチン未接種の方へのアドバイス
- 日本政府指定の陰性証明書を出してくれる施設は見つかる?
- ファストトラックの方法も変わる!
- MySOSに登録するもの
9月7日から日本の入国制限が大幅に緩和!
岸田総理は8月24日、日本の新型コロナウィルスのための入国制限を大きく緩和することを発表。
当初先進国7か国(G7)同様にしたいとしてきた入国制限の緩和は、日本の感染第7波で大幅におくれていましたが、ついに9月7日から、日本の水際対策が大きく変わります。
帰国前のPCR検査と陰性証明書の提示が不要に
現在日本からの渡航者は、帰国の際、渡航した国で日本入国72時間前の検査を受ける必要があります。
これは訪日外国人も同じく国籍に関係なく義務付けられているのです。
また、陰性証明書は日本が要請している項目が必要です。
(1)氏名
(2)生年月日
(3)検査法(有効な検査方法を参照)
(4)採取検体(有効な検体を参照)
(5)検体採取日時(検体採取のタイミングを参照)
(6)検査結果
(7)医療機関名
(8)交付年月日
以前は必ず厚生労働省公認の陰性証明である必要がありましたが、現在は上の項目が日本語または英語で記入してあればよしとされています。
ただし、抜け漏れがあり、日本に帰国できなかった、乗継便で搭乗拒否されたなど多くの問題が起こっているため、結局のところ公式の陰性証明の方が安心と言う構図ができています。
原因は日本の発表が各航空会社のカウンターに届くまでに時間差があり「日本の陰性証明書はこれでなければだめでしょ?」という思い込みが生じているのです。
これが不要になるというのですから、海外旅行の時間も有効に使える上に、検査結果におびえることもなくのびのびと過ごせるようになるわけです。今話題の帰国難民(※帰国前PCR検査で陽性となり、隔離が終わっても陽性反応が出るためいつまでも帰国ができないこと)にならずに済みます。
何よりも解放感が違いますよね!
帰国前PCR検査と陰性証明書免除の条件
「やった!これなら簡単に海外旅行ができるぞ!」
と大喜びしたいところですが、実は帰国前の新型コロナウィルス検査と陰性証明書提示免除の条件は、ワクチン接種を完了させていることが条件です。
多くの国はワクチン接種2回終了を完了の条件としていますが、日本帰国時のワクチン接種完了条件は3回、または4回のブースター接種となります。
実は3回目のワクチン接種を終えている人は首相官邸の公式サイトにあるデータによると8月23時点で64%程度。ワクチン未接種者が海外旅行をする場合は、陰性証明書を条件に入国が可能な国や、完全に入国制限を解除している国へ渡航することとなります。しかし、未接種者の場合は日本への帰国時には従来通り、帰国前PCR検査と陰性証明が必要です。
日本入国上限は9月7日から1日5万人へ
8月26日現在、1日の日本入国者の上限は2万人です。政府は9月7日から1日の入国者数の上限を5万人に引き上げる方向で最終調整に入っています。
8月26日現在の入国制限緩和・入国ルールのグループ分け
実は2022年6月1日から、日本は海外旅行ができるレベルに入国制限を緩和しています。その最後の砦が帰国前検査と陰性証明書の提示でした。
政府は現在全世界の国を3色に色分けして入国制限を変えています。
最も感染リスクの低いグループの国と地域(青色)
2022年8月26日現在、ワクチン接種の有無に関係なく、日本入国時の検査や自宅などでの自主待機を免除するグループです。
アジア・大洋州
インドネシア、オーストラリア、韓国、カンボジア、シンガポール、タイ、台湾、中国、ニュージーランド、ネパール、パプアニューギニア、パラオ、バングラデシュ、東ティモール、フィリピン、香港、マレーシア、ミャンマー、モンゴル、ラオス
北米
カナダ、米国
中南米
アルゼンチン、エクアドル、エルサルバドル、グアテマラ、コスタリカ、コロンビア、ジャマイカ、チリ、ドミニカ共和国、パナマ、パラグアイ、ブラジル、ペルー、ボリビア、メキシコ
欧州
アイスランド、アイルランド、アゼルバイジャン、アルメニア、イタリア、英国、エストニア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、キルギス、クロアチア、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、セルビア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベルギー、ポーランド、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モナコ、モルドバ、モンテネグロ、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、ルクセンブルク、ロシア
中東・アフリカ
アフガニスタン、アラブ首長国連邦、アルジェリア、イスラエル、イラク、イラン、ウガンダ、エチオピア、ガーナ、カタール、カメルーン、ケニア、コートジボワール、ザンビア、ジブチ、タンザニア、ナイジェリア、西サハラ、バーレーン、ベナン、マダガスカル、マラウイ、南アフリカ、南スーダン、モザンビーク、モロッコ、ヨルダン、ルワンダ
2番目に感染リスクの低いグループの国と地域(黄色)
2022年8月26日現在、3回目のワクチン接種完了を条件に、入国時の検査を免除。自主待機を免除するグループです。
アジア・大洋州
インド、北朝鮮、キリバス、クック諸島、サモア、スリランカ、ソロモン諸島、ツバル、トンガ、ナウル、ニウエ、パキスタン、バヌアツ、フィジー、ブータン、ブルネイ、ベトナム、マーシャル諸島、マカオ、ミクロネシア、モルディブ
中南米
アンティグア・バーブーダ、ウルグアイ、ガイアナ、キューバ、グレナダ、スリナム、セントクリストファー・ネービス、セントビンセント及びグレナディーン諸島、セントルシア、ドミニカ国、トリニダード・トバゴ、ニカラグア、ハイチ、バハマ、バルバドス、ベネズエラ、ベリーズ、ホンジュラス
欧州
アンドラ、ウクライナ、ウズベキスタン、カザフスタン、北マケドニア、キプロス、コソボ、サンマリノ、ジョージア、タジキスタン、トルクメニスタン、バチカン市国、ベラルーシ、ポルトガル、マルタ、リヒテンシュタイン
中東・アフリカ
アンゴラ、イエメン、エジプト、エスワティニ、エリトリア、オマーン、カーボベルデ、ガボン、ガンビア、ギニア、ギニアビサウ、クウェート、コモロ、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、サウジアラビア、サントメ・プリンシペ、シリア、ジンバブエ、スーダン、セーシェル、赤道ギニア、セネガル、ソマリア、チャド、中央アフリカ共和国、チュニジア、トーゴ、トルコ、ナミビア、ニジェール、パレスチナ、ブルキナファソ、ブルンジ、ボツワナ、マリ、モーリシャス、モーリタニア、リビア、リベリア、レソト、レバノン
最も感染リスクが高いグループの国と地域(赤色)
2022年8月26日現在も入国時の検査を実施。検疫所が確保する宿泊施設での3日間の隔離に近い待機を求め、入国後3日目に検疫所が確保する宿泊施設で受けた検査(PCR検査)の結果が陰性であれば、検疫所が確保する宿泊施設退所後の自宅等待機を免除。
3度目のワクチン接種を完了している場合も、入国時の検査が必要ですが、宿泊施設での待機の代わりに、原則7日間の自宅等での自主待機。入国後3日目以降に自主的に受けた検査(PCR検査または抗原定量検査)の陰性の結果を厚生労働省に届け出た場合のみ厚生労働省の確認後、自宅等待機の継続を求めません。
欧州:アルバニア
中東・アフリカ:シエラレオネ
8月26日現在は日本帰国時は陰性証明書取得は必須!
前述通り9月7日からは日本入国72時間以内のPCR検査の陰性証明書の帰国便チェックイン時の提示はなくなりますが、8月26日現在は、義務となっています。
唯一の例外は、2022年8月15日に、72時間以内の短期旅行で外国を出国する前72時間以内に取得(検体採取)した陰性証明書を取得しての海外旅行であれば、日本への帰国(再入国)で、再度渡航国で陰性証明書を取得しなくてもいいですよ、という内容が、外務省の公式サイトに掲載されたこと。
とても小さな緩和ですが、出張などとんぼ返りしなければならない人が受ける恩恵は大きいでしょう。
主な渡航可能国と地域(2022年8月23日現在)
ヨーロッパの入国制限撤廃が目立っています!これらの国はワクチン未接種でも旅行が可能!
イギリス・フランス・イタリア・ドイツほかヨーロッパの多くの国が入国制限を撤廃
イギリス・フランス・イタリア・ドイツ・オーストリア・ポルトガル・トルコ・ギリシャ・クロアチアなどの人気渡航先が入国制限を完全撤廃しています。ワクチン接種証明書もPCR検査の陰性証明も不要。入国の申請も必要なく、パスポートと航空券でコロナ禍以前と変わらない入国ができます。
大人気のイタリアの入国制限撤廃についてはこの記事で紹介しています。要チェック!
オクトーバーフェスト悲願の復活が決定したドイツ。秋冬は楽しいことばかりです。クリスマスマーケットも例年の規模になるのではと開催日が続々決定していますよ!ドイツの最新入国方法についてはこの記事を確認してください。
最も早く入国制限を撤廃したイギリスの入国方法はこちら。
他にも多くのヨーロッパの国が入国制限を撤廃しています。
ヨーロッパの航空券予約で気を付けること
ロシアのウクライナ侵攻で、大きな影響を受けている国もあります。
ロシア上空を飛べないことで通常より便数が少ないのが現状。まずはしっかりと航空券のリサーチを。
また燃油サーチャージも今の時期は大変高いため、カタール航空など燃油サーチャージがかからない航空会社を選ぶのも手でしょう。
マイルを航空会社で貯めている人は、各航空会社のリサーチと予約を、特に決めずに一番安い航空券を探している人は、航空券予約サイトで購入できます。
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東南アジアやハワイ・アメリカ・グアムの旅行は活発化!
このところとても厳しかった東南アジアの入国制限緩和が進み「実際に旅行する」人も増えています。
タイ、シンガポール、インドネシア、ベトナムなど東南アジアは入国制限のスピードを上げています。これは東アジアのスピードとは比較できないスピード!
JALのLCC、ZIPエアは燃料サーチャージがないことで知られ、非常に評判も良いようです。ほかのLCCも日本の入国制限緩和を受け、就航が始まることでしょう。
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ハワイを含むアメリカ合衆国は、6月12日、入国時の陰性証明書が不要になりました!ただしコロナ前から申請が必要だったESTAの申請は必要です。
また、オセアニアではオーストラリアが入国制限を完全撤廃!
南米ならカリブ海のリゾート、カンクンを有するメキシコも人気。メキシコは、2020年の第一波の感染拡大以降、入国制限を撤廃して以来、その姿勢を貫いて今まで観光客を受け入れ続けてきました。政府への入国申請をウェブ登録で行うのみです。この姿勢は凄いですね。
ワクチン未接種の方へのアドバイス
ワクチン接種を完了しているひとがいいけれど、完了していない場合、やっぱり海外旅行は諦めるべき?そんなことはありません。ただ、帰国前に陰性か陽性が判明してしまいます。接種完了者が伸び伸びと過ごしている中、ちょっとくやしいですが、入国制限が完全に撤廃されるまでは、いつもの旅行より控えめに過ごしましょう。
日本政府指定の陰性証明書を出してくれる施設は見つかる?
そんなに困ることはないだろう、と思いがちですが、日本政府指定の証明書フォームに明記してくれる検査施設は意外に少なく、予約もその国の言語で、限られた帰国までの時間を考えながら行う必要があります。
情報を多く持つ在住者にとってはそこまで大変なことではありませんが、国によっては旅行者としてのリサーチは大変な場合も。短期滞在であれば、日本出発前にリサーチを済ませ予約をすることをお勧めします。
ただし、簡単に検査が受けられる国が多いのも事実。
ハワイは日本語が通じるPCR検査センターがワイキキにあり、比較的簡単に受けられます。アラブ首長国連邦ドバイも安価に様々な場所で帰国のためのPCR検査が受けられるように環境が整えられています。タイのバンコクに至っては日本語の看板や日本語通訳も在籍した検査機関が複数あり、こちらも簡単に検査が受けられます。
ちなみに筆者も渡航中ですが、無休・24時間予約なしで日本の渡航者の陰性証明書を出してくれる検査機関が複数あり、安心して検査当日が迎えられそうです。
条件は以下です。
・日本政府が指定する検査方法であること
・帰国前72時間以内の検査であること
・政府指定のフォームを利用した陰性証明書を提示すること
日本政府指定の検査証明書フォーム⇒厚生労働省公式サイト
現在の海外旅行を制限する唯一の壁は、渡航先での陰性証明取得。これさえ簡単に取得できるようにしておけばもう海外旅行は簡単にできるということ。
現地の検査機関リサーチや予約を代行してくれるサポートもとても増えています。
ファストトラックの方法も変わる!
政府は現在、帰国者及び入国者にファストトラックを利用するよう強く勧めています。
「MySOS」というアプリを使いスマホで操作しますが、9月7日から登録するものも人によって変わることでしょう。
MySOS公式サイト⇒ファストトラックの方法
MySOSに登録するもの
・パスポート番号
・ワクチン接種証明書※任意ですが日本政府が認めたものに限ります
・検査証明書
※9月7日からワクチン接種完了者は不要。
8月26日現在は、渡航国の出国前72時間以内に実施された新型コロナウィルス検査の陰性証明書で日本政府がみとめたものに限ります。
岸田総理大臣は検疫方法の詳細も決定次第速やかに公表するとしています。
分かり次第この記事でもおしらせしますね!