2021年12月21日から日本からの「フルワクチン接種者の隔離なし入国」がスタートしたオーストラリアですが、遂に2022年2月21日から全ての海外からの渡航者に隔離なしの入国が可能になります。
2月19日時点で、2月21日からの入国最新情報がある程度決定。最新入国方法は新しい記事にまとめましたので、そちらを参照ください。
以下の記事は、これまでの経過となるため、お気を付けください。
目次
オーストラリアが年2月21日から全世界からの入国を隔離なしに!
新型コロナウイルスが全世界的に流行し、感染者数が増え始めた2019年3月から、海外からの旅行者の入国を禁止する「鎖国」状態に入っていたオーストラリア。2021年末からは「International safe travel zones(海外旅行安全国)」として、ニュージーランド、シンガポール、韓国と日本の4カ国に向けてフルワクチン接種の渡航者の入国を段階的に認め始めました。
2021年12月1日に「日本との国境がオープン」と一喜一憂したのも束の間、オミクロン株がオーストラリアに上陸。感染拡大で状況は二転三転し、3日間のホテル隔離が急遽義務付けられたりなど、日替わりでルールが変わっていきました。そして遂に12月21日に、条件付きではありますが、隔離なしの入国が可能になりました。
そして2022年2月、政府から「2022年2月21日から全世界に向けて、フルワクチン接種者の入国制限を全面解除する」と発表されました。
今まで4カ国のみだった旅行者受け入れが、これで全世界に向けてオープンします。鎖国を続けていたオーストラリアにとっては、実に2年ぶりの大ニュースです。
「日本から隔離なし入国が可能なら、別に2月21日からも何も変わらないんじゃない?」と思うかもしれませんが、実は細かいルール変更もあります。
しかも、オーストラリアは連邦政府と州がほぼ同等の権限を持っているので「国がOKを出していても州によってはNG」ということが普通にあるのもかなり面倒なところ。
国境オープンについても揉めに揉めている状況ですので、2月10日現在の状況をご紹介したいと思います。
※留学生や技術系移民などビザによって要件は異なりますが、ここでは日本からの旅行者(観光ビザを持つ人)に向けての新しい入国方法についてご紹介します。
2022年2月21日からオーストラリア入国に必要な条件
まずは2022年2月21日からオーストラリアに入国する際の、必要な条件がこちらです。
- 指定のワクチン接種を完了している
- 正式なワクチン接種証明書を提示できる
- 各州指定の規制に遵守する
- 有効なオーストラリアのビザ(観光ビザでOK)がある
- 出発72時間前までにオーストラリア渡航申告書(ATD)を提出
- 出発72時間以内のPCR検査の陰性証明書がある
詳細はオーストラリア政府内務省の下記リンクを参考にしてください。
DATA 【オーストラリア政府内務省】ワクチン接種済み旅行者の渡航について
ほとんどの州で隔離なしの入国が可能
今まで日本から隔離無しでオーストラリアに入国できたのは、NSW(ニュー・サウス・ウェールズ)州とVIC(ビクトリア)州へのみでしたが、2022年2月21日からほとんどの州への入国が可能になります。
ただオーストラリアでは「州」によってコロナ対策に大きな違いがあるので、義務付けているルールも実は州ごとで異なります。ここからは現在わかっている、各州で義務付けられている入州ルールについて確認してみましょう。
主な州で採用している入州ルール
1. 到着後24時間以内にRAT(迅速抗原検査)またはPCR検査
入州後24時間以内の検査と、陰性判明までは自己隔離は、ほとんどの州で必要とされています。
ただ、今までは検査結果が出るまで半日(長い場合は3日間という人も)待つ必要があったPCR検査が必須だったのに対し、現在はRAT(迅速抗原検査)も認められるようになったので、日本から検査キットを準備しておけば宿泊施設ですぐ検査できますね。
陰性結果が出れば、晴れて自己隔離終了!旅行が楽しめます!
因みに空港から宿泊先や検査場への移動の際は、公共交通機関の使用が禁止されています。自家用車やタクシー、ウーバーなどのライドシェアを利用しましょう。
2. 数日後に再度の検査
シドニーのあるNSW(ニューサウスウェールズ)州では、入州6日目に再度検査を受けなくてはいけません(他州は無し)。
実は日本に帰国する際にも飛行機搭乗72時間以内にPCR検査を受けなくてはいけないので、この辺りのスケジューリングはしっかり旅程に組み込みましょう。
3. 隔離場所や入州申請書の提出
メルボルンのあるVIC(ビクトリア州)をはじめ、複数の州で入州前に申請書の提出が義務付けられています。自分の訪れる州の状況をしっかりチェックして、あらかじめ準備しておきましょう。
4. オーストラリアで使用できる電話番号とスマホは必需品!
RATではなくPCR検査を受けた場合、検査結果はスマホのSMS経由で送られてきます。
その他にもレストランや店舗に入店する際にQRコードのチェックインが必要だったり、入州申請書が必要な州では電話番号も必要です。オーストラリアに訪れる際はスマホはSIMフリーにしておき、現地で使用できるSIMカードを手に入れましょう。
空港ではTelstra(テルストラ)、Vodafone(ボーダフォン)、Optus(オプタス)などの通信会社のブースがあります。現地で使用できるトラベルSIMカードをそこで購入するか、オーストラリアで使用できるSIMを予め日本のAmazonなどで手に入れておくと便利です。因みに空港には無料Wi-Fiがあります。
オーストラリア各州の入州状況
ここからは2月21日からの各州の主なルールについてご説明します。オーストラリアでは州ごとに全く異なる独自のルールを採用しているので、オーストラリア内で他州へ移動する際はくれぐれもご注意ください。
NSW(ニューサウスウェールズ)州 – シドニーなど
オーストラリア第一の都市・シドニーのあるNSW(ニューサウスウェールズ)州では、入州後24時間以内にRAT(迅速抗原検査)またはPCR検査を受け、陰性結果が出るまで自己隔離が必要です。
さらに6日後の再検査も強く推奨されています。
DATA 【NSW州政府】海外からの旅行者について
VIC(ビクトリア)州 – メルボルンなど
メルボルンのあるVIC(ビクトリア)州では入州後24時間以内にRAT(迅速抗原検査)またはPCR検査を受け、陰性結果まで自己隔離が必要です。
さらに事前に隔離先施設の届出も必要。オンラインで申請が可能なので、ホテルや宿泊施設が決まり次第、申請をしておきましょう。
DATA 【VIC州政府】海外からの旅行者について VIC州隔離用申請フォーム(ホテル用) VIC州隔離用申請フォーム(自宅用)
QLD(クイーンズランド)州 – ブリスベン、ゴールドコーストなど
ブリスベンやゴールドコースト、ケアンズのあるQLD(クイーンズランド)州では、入州後24時間以内にRAT(迅速抗原検査)またはPCR検査を受け、陰性結果まで自己隔離が必要です。
DATA 【QLD州政府】海外からの旅行者について
SA(南オーストラリア)州 – アデレードなど
アデレードのあるSA(南オーストラリア)州では、入州後24時間以内にPCR検査を受け、陰性結果まで自己隔離が必要です。他州とは異なりPCRテスト推奨なのでご注意ください。
DATA 【SA州政府】海外からの旅行者について
WA(西オーストラリア)州 – パースなど
パースのあるWA(西オーストラリア)州の州境は、海外のみならず国内にも固く閉じられています。当初2月5日にオープンする予定でしたが、現在無期延期状態です。
DATA 【WA州政府】海外からの旅行者について
TAS(タスマニア)州 – ホバートなど
フルワクチン接種者であれば、現在事前登録などせずに入州することが可能です。
DATA 【TAS州政府】海外からの旅行者について
NT(ノーザンテリトリー・北部準州) – エアーズロックなど
到着前に入州申請書(Border Entry Form)を申請する必要があります。
またノーザンテリトリーはオーストラリア先住民の人達が多く暮らしており、疫病に弱いとされている彼らの暮らす国立公園周辺は、安全のため入場が規制されています。世界遺産のエアーズロック訪問は、もうしばらくお預けになりそうですね。
DATA 【北部準州】海外からの旅行者について
ACT(首都特別区域) – キャンベラなど
首都キャンベラのあるACT(首都特別区域)では、入州24時間以上前に申請書(Online Declaration Form)の提出が義務付けられています。
DATA 【ACT政府】海外からの旅行者について
VIC(ビクトリア)州とQLD(クイーンズランド)州はブースター必須?
実は連邦政府のスコット・モリソン首相が「ワクチンを2回接種した接種完了者に向けて国境を開く」と発言したにもかかわらず、メルボルンのあるVIC(ビクトリア)州とブリスベンのあるQLD(クイーンズランド)州では「3回目のブースターを接種して初めて接種完了者としよう」という流れも出ています。
本日行われる連邦政府の議会でも議題に上がるかもしれませんが、西オーストラリア州が州境を閉じていたり、ブースター接種の是非で右往左往していたりと、「オーストラリアの国境全面開放」はまだまだ道のりは長そうです。
ハードルの高い日本への入国
オーストラリア全土からの帰国者は3日間待機
現在オーストラリア全土からの日本帰国者は、空港からそのまま指定施設で3日間の隔離が義務付けられています。施設内での3日目のPCR検査の陰性で、その後の7日目までを自宅での自己待機に切り替えることが可能です。
オミクロン株の影響で自己待機期間が一転することもあります。外務省のホームページなどをこまめに確認しましょう。
【外務省公式サイト】新型コロナウイルス感染症に関する新たな水際対策措置
落ち着きを見せ始めている感染者数
一時はNSW州で一日6万人越え、VIC州では5万人越えなど、新規感染者数が爆増していたオーストラリアですが、最近では感染者数も減少し、徐々に落ち着きを見せ始めています。昨年末の「日本との国境オープン」は明るいニュースではありましたが、「こんな時に国境オープンしてどうするの」という微妙な空気が流れていたのも事実です。
長い時は8時間待ちの時期もあったPCR検査ですが、今は自宅でできるRAT(迅速抗原検査)でOKになり、感染者数も各州ごとに1万人を超えることはなくなりました(それでもまだ多いですが)。インドアでのマスク着用や入場制限はありますが、シドニーのシティ周辺ではほぼほぼ普段通りの生活に戻っています。
恐らく2月21日の国境開放までは日毎に条件が代わり、段階的ではなく急遽変更されることも予想されます。今後、状況がどうなっていくか筆者もまだわかりませんが、引き続き注視していきたいと思います。