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長野県の秘湯「渋御殿湯」宿泊記・武田信玄ゆかりの名湯“天下の霊湯“を満喫


長野県の秘湯「渋御殿湯」宿泊記・武田信玄ゆかりの名湯“天下の霊湯“を満喫

「渋御殿湯」(長野県茅野市)は、八ヶ岳連峰天狗岳の西山麓、標高1,880mの地に佇む秘湯の一軒宿。武田信玄の隠し湯として知られ、特に「渋長寿湯」と言われる浴槽は湯船の底から温泉が自噴する足元湧出温泉。比類無き“天下の霊湯”として温泉ファンに親しまれています。

今回は筆者自ら宿泊体験し、その魅力をたっぷりとご紹介。またアクセス面での注意点・周辺観光のおすすめも併せてご説明します。

渋御殿湯とは

渋御殿湯 外観

渋御殿湯(読み方:しぶごてんゆ)は、奥蓼科温泉郷の最奥に佇む一軒宿。八ヶ岳連峰の北側に位置する天狗岳の登山口、標高1,880mにあり、多くの登山客に利用されています。また、「信州秘湯会」に属する秘湯の宿でもあり、熱烈な温泉ファンにも愛される存在です。

渋御殿湯 玄関

玄関をくぐると、いかにも山の素朴な一軒宿、とでもいった質素な佇まい。ラグジュアリー・贅沢といった言葉には無縁の世界ですが、不思議とホッと落ち着き、心が癒されます。

“天下の霊湯”の全貌

渋御殿湯の最大の魅力は、温泉そのものと言っても決して過言ではないでしょう。戦国時代から多大の傷病兵を治療したとされる名湯であり、“武田信玄の隠し湯”と呼ばれていました。現在は「東の湯」と「西の湯」という2つの内湯があります。

以下、信玄ゆかりの“天下の霊湯”の全貌をたっぷりご紹介します。
※霊湯(れいとう)とは、不思議なききめのある温泉のこと。霊泉(れいせん)と呼ぶ場合もあります。

東の湯

東の湯の3つの湯船

東の湯には2つの源泉を使用した3つの湯船があります。上写真の右手前が「渋長寿湯」、左奥が「渋御殿湯」、中央奥が「渋御殿湯」の加温浴槽。それぞれ異なる特徴があります。

渋長寿湯(手前浴槽)・渋御殿湯(奥浴槽)

「渋長寿湯」は、1953年に発掘された新湯。最大の特徴は、源泉が湧出する場所の直上に湯船が造られた足元湧出温泉である点。源泉保護の観点でスノコ状になった湯船の底の隙間から、常時ブクブクと源泉が湧き出しています。

泉質名は「単純酸性硫黄温泉(硫化水素型)」。泉温は31度です。火山性特有の硫化水素の香りが特徴のお湯ですが、天然の炭酸成分も多量に含有。炭酸&足元から常時自噴する状況が相まって、湯船の中はほぼジャグジー状態。このバブルがたまらない心地良さで、至福の湯浴みを満喫できます。

※渋長寿湯の足元湧出温泉は男性浴室のみ。女性浴室は男性浴室から引かれた渋長寿湯源泉を使用。

渋御殿湯。硫黄成分で変色した湯口にも注目

一方で、宿名と同じ名称の「渋御殿湯」は、開湯当初から脈々と受け継がれる元湯。泉質名は「単純酸性硫黄温泉(硫化水素型)」、泉温は27度です。渋御殿湯源泉を使用した2つある浴槽のうちの1つは、加温無しの源泉かけ流し。ややぬるめの水風呂といった温度で、肌がキュッと引き締まるような浴感が特徴です。

冷たすぎると感じたら、渋御殿湯源泉を40度程度に加温した浴槽があるので、交互浴すると良いでしょう。
※加温浴槽はお湯の温度が冷めないよう、普段は木の蓋がされています。入浴後は必ず蓋を閉めましょう。

西の湯

西の湯では、渋御殿湯源泉を使用した非加熱かけ流し浴槽(下写真の右)と天然水の循環沸かし湯(同左)の2つがあります。渋御殿湯源泉は酸性と硫黄成分がやや強いので、肌が弱い人には癖の無い天然水浴槽も有りがたい存在でしょう。

西の湯の2つの湯船

また、西の湯ではシャワーが設置されており、サッパリと体を洗い流せます。
(東の湯は純粋にお湯に浸かる場所であり、シャワーやソープ類は設置されていません。)

※本記事の浴室画像は、全て男湯です。
※日帰り入浴は西の湯のみ。宿泊もしくは部屋休憩付き日帰りプランの場合は、東の湯・西の湯の両方利用できます。

渋御殿湯の客室

和室6帖客室

筆者は一人泊だったので、今回はリーズナブルな和室6帖客室を予約。トイレは共用になりますが、一人泊なら十分な広さで不便はありません。何よりも「東の湯」の浴室に近い配置の部屋で、何度もお風呂に行ける点が嬉しい限りです。

ちなみにファミリーやグループなら、和室6帖2間続きの客室も有ります。また新館利用ならば、縁側付きのやや上級な部屋もセレクトできます。

客室には浴衣・羽織・タオルセットなど最低限のアメニティは揃っています。

渋御殿湯の食事はどんな感じ?

食事は、夕食・朝食共に食堂で頂きます。

渋御殿湯の夕食

夕食

夕食は山の幸を中心とした料理。中には山奥の宿にもかかわらず、マグロなどの海の幸が出る旅館もあります。しかし、ここではそういった事はありませんでした。内容は、山菜の天ぷら・川魚の塩焼き・鯉の洗い・肉鍋など。豪勢さは皆無ですが、素朴な家庭料理といった印象です。

山菜の天ぷら。サクサクと衣が揚がっていました。
肉鍋。夜は意外と肌寒い地なので、体の芯から温まります。

渋御殿湯の朝食

朝食

朝食は、ご飯・味噌汁・玉子・海苔・ハムなど、何の変哲もない日本の朝ごはん。ただ、朝食はシンプルにこれくらいあっさりした方が良いという方もいるでしょう。中には朝食でも会席コース並みに立派な料理を提供する宿もありますが、旅館の豪勢な料理が苦手の方には丁度良いかもしれません。

渋御殿湯へのアクセスの注意点

渋御殿湯は標高1,880mの一軒宿にもかかわらず、冬季も休まず通年営業。公共交通機関・車どちらでもアクセス可能ですが、いくつか注意点があります。

公共交通機関のアクセス

渋の湯バス停

公共交通機関の場合は、JR茅野駅からアルピコ交通バス 渋の湯線に乗車します。乗車時間は1時間弱、終点の渋の湯バス停で下車します。ただし基本的に土日祝日の1日3往復しか便が無いので、バスの時間は事前に調べておきましょう。

タクシー利用の場合は、JR茅野駅から40分ほどで渋御殿湯に到着します。

車のアクセス

県道191号線の行き止まりが渋御殿湯

車利用の場合は、中央自動車道 諏訪ICもしくは諏訪南ICが最寄りのインターチェンジ。県道191号線をひたすら上り、行き止まりが渋御殿湯になります(最寄りICからの所要時間は約40分)。ただし、冬季はタイヤの滑り止めが絶対必要。また宿の数km手前は急カーブが連続するので、徐行運転が望ましいです。

周辺観光のおすすめ

御射鹿池の晩秋の紅葉。画像提供:写真AC

渋御殿湯の4kmほど手前にある「御射鹿池」(読み方:みしゃかいけ)は、絶景紅葉スポットとして有名な地。車利用だと渋御殿湯へ行く道中にあり、駐車場も完備。車で渋御殿湯へアクセスするのであれば、ぜひ立ち寄ってみましょう。

※御射鹿池の紅葉の見頃:例年10月中旬~下旬(2023年はやや遅れ気味の予想です。)

奥蓼科温泉郷「渋御殿湯」はどんな人におすすめ?

以上、「渋御殿湯」の宿泊記をご紹介させて頂きました。

渋御殿湯の温泉は硫黄成分を含むため、湯をかき混ぜると硫黄の湯の花が舞って白濁します。

最後になりますが、「渋御殿湯」は以下のような方におすすめです。

・泉質にこだわる温泉ファン
・ぬるい温泉や冷たい温泉がお好きな方
・八ヶ岳登山の拠点にしたい方
・自然豊かな地で心身をリフレッシュしたい方
・豪勢な旅館より素朴な宿がお好きな方

以上、ぜひ参考にされて下さい!

DATA
奥蓼科温泉郷「渋御殿湯」
所在地:長野県茅野市北山5520番地3
電話番号:0266-67-2733
アクセス:
【車】中央自動車道 諏訪ICもしくは諏訪南ICから車で約40分
【バス】JR茅野駅からアルピコ交通バス 渋の湯線に乗車(乗車時間約55分)。終点 渋の湯バス停下車後すぐ。
公式サイト:渋御殿湯

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