たびハピ

クルーズ再開!アメリカ発カーニバル乗船記2022メキシコ編


コロナ禍で休止していたクルーズ船旅行も、2021年からじょじょに再開されています。
2022年5月にクルーズ船カーニバル(Carnival) によるカリフォルニアロングビーチ発のメキシコクルーズ旅行に行ってきた7日間の乗船記とその旅についてご紹介したいと思います。

クルーズはコロナ以降ワクチン接種と陰性証明が必要

まず筆者はカリフォルニアのロングビーチ発クルーズ参加のために、住んでいるハワイから飛行機で向かいました。ハワイからカリフォルニアまでは国内線。国内線の場合はすでにコロナに関する規制は解除されており、陰性証明やワクチン接種証明書は不要です。
また、飛行機内のマスク着用義務もありませんでした。

クルーズ会社指定の家庭用検査キット

ただし、クルーズ船に関しては、事前にワクチン接種証明書をクルーズ船のアプリにアップロードし、さらに、乗船72時間以内前にPCR検査を受け、陰性であることを証明しないと旅行には参加できないことになっていました。

このPCR検査に関しても、自分が住む地域の医療機関でももちろん大丈夫ですが、もしくはクルーズ船公認のホームキットを購入(1人$40 + 送料)し、オンラインで検査をする方法でもOKです。今回は後者の方法で行いました。

出発3日前にテレビ電話でPCR検査

出発3日前に指定の電話番号にかけPCR検査

指定の電話番号に電話し、ビデオ電話で相手にこちらが見えるようにします。
事前に購入したホームキットを開封。万が一電話に繋ぐ前に開封してしまったら無効になります。

あとは先方の指示通りに進めていき、検査結果がでるまでの15分間も必ず画面をオンにしたまま待ちます。時間が経つとアラームがなり、再度電話の前に戻り、そして無事陰性であることが確認できて終了になります。

その後すぐに陰性証明書がeメールで送られてきて、そちらをまたアプリにアップロードして、無事クルーズ船に乗船できることになります。

ロングビーチのチェックインターミナルへ

クルーズ船Carnivalのロングビーチ、チェックインターミナル

予約時に11時〜16時の間で希望のチェックイン時間を選択。13時半を選択していたので、ちょっと早めに到着するとすでに長蛇の列。このドームの中で、さまざまチェックインの手続きをします。この会場でPCR検査場も設けられ、ここで検査をすることも可能です。

今回アメリカからメキシコに行くということで全員パスポートが必要。筆者の場合はさらにグリーンカードの提示が必要でした。

船上での支払いはカードで全て完結

船上ではお財布は一切いらず、すべてこのカードで支払い。

顔認証システムも導入されているため、顔写真の撮影もあり、全ての個人情報が入ったカードが手渡されます。
今回の旅行ではカードが一番の貴重品。
このカードで船内の部屋の出入りから、船の乗り降り、そして船内での買い物の支払い(クレジットカードの情報も紐付けされている)も行われます。

乗船したら真っ先に防災訓練

乗船したらすぐにセーフティドリルを受けることが必須

いよいよ乗船をすると、まずは指定された場所に行き、救命胴衣の装着の仕方など緊急時の避難についてのブリーフィングに参加します。これは必須事項で、乗客全員がこれを受けないと、船は出航できないことになっています。

クルーズ船カーニバルは内側客室でも快適で大満足

内側客室ルームでも、想像以上に広い

クルーズ船の客室はすごい狭いのではないか?というイメージがありませんか?

クルーズ船の客室タイプは料金が安いものから「内側」「海側」「海側バルコニー」「スイート」の4つのタイプから選べます。いずれも使用人数の基本は2名1室となっていますが、もし3名1部屋、4名1部屋で利用したい時はリクエストができます。今回宿泊したのは一番安い「内側客室」。
写真からはわかりにくいかもしれませんが、日本のシングルユースのビジネスホテルよりよっぽど広いです。
しかも、しっかり防音されており、部屋に入ると静かで、隣りの部屋の音も一切聞こえません。
また今回デッキに出れる扉の真横にあり、人の出入りが頻繁にある位置であったにも関わらず、廊下を歩く音やドアの開閉の音も一切聞こえませんでした。

クローゼット、冷蔵庫、テレビ、そしてトイレとシャワールームも完備されています。この部屋でも十分快適に過ごせました。

船上でのアクティビティも満載

小さな子供から大人まで楽しめるスライダー

船上には様々なアクティビティができるようになっており、誰でも利用できるプールが2つ、写真のようなスライダーがあり、子供から大人まで大はしゃぎ。

遊び場もたくさん

ミニゴルフやビリヤード台、また巨大チェスがあり、また上を見上げると、アスレチック、さらにスカイウォークという宙に浮いた自転車のような乗り物もあります。室内には卓球台やミニサッカー場も。これらも自由に誰でも利用ができます。

ピックボールのトーナメント

バスケットコートもあり、ここではバスケット、ドッジボール、ピックボールなどのトーナメントも開催され、希望者は参加可能。船客どうしの交流の場にもなります。

クルーズ船カーニバルの食事はバラエティ豊かで食べ放題

毎日メニューを替えて提供されたビュッフェ

クルーズ船の難点をあげるとしたら「食べ過ぎて太る」ことです。
なにせ食事はほとんど無料。正確に言うと旅費に含まれています。一部有料なレストランもありますが、基本的に無料で食べ放題です! 

まず、メインのダイニングルームには、ビュッフェスタイルの食事が毎日用意されました。

ここ以外にも、朝食とディナーが食べられるダイニングルームもあり、そちらはアプリで事前予約が必要でした。そちらもメニューにあるものは何でも注文してOKで食べ放題でした。

朝食限定のメキシカンステーション

朝食時限定でオープン

朝食限定のメキシカンステーションもあり、ブリトーとタコスを目の前で作ってくれます。

全米で有名なガイ・フィエリ(Guy Fieri)のバーガー・ジョイント

アメリカで知らない人はいないガイ・フィエリのバーガージョイント

エミー賞を受賞した全米TV番組の司会者でもあり、レストラン経営者でもあるガイ・フィエリとCarnivalは提携を結んでおり、ガイ・フィエリの手掛けるバーガーショップ「バーガージョイント」も船内にあります。こちらはお昼から午後にかけて毎日空いており、ランチや小腹空いた時にぴったり。

バーガーにはフライドポテトとチリもついてくる

こちらがガイのバーガーで、全部で5種類のバーガーメニューがあり、そこから選ぶこともできますし、または自分で食べたいものだけを伝えてカスタマイズでも作ってくれます。こちらも食べ放題になります。

ガイ・フィエリのBBQやバーレストランもあり

あのガイのBBQが無料で食べられる!と常に行列。

同じくガイ・フィエリは手掛けるBBQレストランもあり、こちらのデッキにある食事コーナーは毎日お昼から午後にかけて限定無料で食べれます。

アメリカに住んでいたら一度は食べてみたいと思うガイ・フィエリの料理

アメリカでも限られた州にしかガイ・フィエリのレストランはないので、バーガーやこのBBQ料理を好きなだけ食べ放題なんて驚きです。また、船内にこの店のバーレストランも。残念ながらそこは有料になりますが、ビールやアルコール類、さらに別途食事のメニューもあります。

また、これら以外にもアジアンレストラン、和食レストラン、イタリアンレストランがあり、追加料金を支払って、ディナーを食べることもできます。

クルーズ船カーニバルのエンターテイメント

ほぼ毎晩2回開催された映画上映会

今回の旅では、出発してから3日目までは海の上。さらに帰りの6日目も海の上。WiFiの契約をしなかったので、出発する前は大丈夫だろうか?と不安だったのですが、その心配は無用でした。
とにかく船上では常に何かしらのアクティビティやエンターテイメントが開催されており、飽きることがありません。

例えば、上の写真は、映画鑑賞の模様。毎晩のように映画が上映されて、デッキに座って楽しむこともできました。他にも、このメインデッキでは昼間は、イントロクイズがあったり、夜はパーティーナイトが開かれました。

ロックコンサートではヒット曲のカバーメドレー

室内でも、プロのコメディーショーがあったり、バンドのコンサートがあったり、また昼間だとゲームも開催。
エンターテイメントのスケジュールは全てCarnivalのアプリに載っており、みんな気になるイベントに参加します。こうしたイベントも無料(一部除く)です。
人気のコメディーショーは、たくさんの人が早くから会場前に並んで待っていたほどでした。

メキシコの寄港地が楽しい!

カリフォルニアロングビーチ発のカーニバルクルーズ。今回はメキシコを巡ります。寄港地に降り、観光を楽しむのが、クルーズの醍醐味です。

メキシコ寄港地①プエルト・バジャルタ(Puerto Vallarta)

今回の旅行の最初の寄港地プエルト・バジャルタ

3日間、360度海しか見えない戦場で過ごし、4日目の朝、デッキに出てみると、目の前に街が見えて感動しました。しかも、ここはメキシコなのか!と。

最初の寄港地はプエルト・バジャルタで、この日は朝10時半過ぎに下船をし、夜20時半まで丸一日自由時間となりました。

プエルト・バジャルタ マレコンを散策

マレコンにあった町の名前のオブジェ

オプショナルツアーへの参加も可能でしたが、今回の旅行では一切申し込まず、独自で観光を楽しむことにしました。まずはプエルト・バジャルタマレコンにタクシーで向かいました。
マレコンとはスペイン語で防波堤という意味のようですが、ガイドブックには「遊歩道」と表記されています。

ミラドール・セラ・デ・ラ・クルス(丘の上の十字架展望台)

大きな十字架がある丘の展望台からの眺め

マレコンから、プエルト・ヴァジャルタでは、港町を一望できる展望台「ミラドール・セラ・デ・ラ・クルス(Mirador Cerro De La Cruz)」にハイキングに行きました。お天気は曇り空で写真を撮るには残念でしたが、ハイキングをするにはちょうど良かったと言えます。

この後下山をした後は、マレコンを散策し、その後繁華街でランチを食べ、海でひと泳ぎをしてクルーズ船に戻りました。

夜にはこの町を出発し、次の寄港地に向かいます。

メキシコ寄港地②マサトラン (Mazatlan)

鹿の住む地を意味するマサトラン

ロングビーチを出発して5日目の朝に到着したのは第2の寄港地マサタラン。朝10時には下船をし、この日は17時半まで自由時間でした。ここでも真っ先にしたのは、ハイキングでした。

世界で2番目に高い灯台からの景色

世界で2番目に高い灯台からの眺め

クルーズ船の港からも歩いて行ける距離にある灯台「エル・ファロ・デ・マサトラン(El Faro de Mazatlan)」。こちらは世界で2番目に高い灯台だそうで、舗装されているもののそこそこキツい道のりでした。しかし、頂上についたら、まるでご褒美のような絶景で、疲れも一気に吹き飛びました。さらに、この日はお天気も良かったので、海と空の色がとても綺麗でした。

新旧が混ざり合う美しい町

マサトランの街中に突如現れたビートルズの銅像とアビーロード

ハイキングの後は、オープンエアータクシーに乗って移動。海沿いのマレコン(遊歩道)を歩き、そこからヒストリックタウンと呼ばれるエリアも散策。
マサトランは、昔は治安が悪かったそうですが、今は観光客を魅了する町へと大変身を遂げています。
写真のビートルズの銅像とともにアビーロードを再現したスポットにも偶然でくわしたのですが、どうやら昨年12月にできたばかりのようです。これも思わず写真を撮らずにいられない。他の観光客の人たちもいて、順番待ちして撮影しました。

マサトラン発祥のパシフィコビールとともにセビーチェ

タクシーがあちらこちらにいるので移動に困ることもなく、しかも、オープンエアーなので外の風を感じながらの移動はとても快適でした。
最後はガビオタスビーチで泳ぎ、レストランバーでパシフィコビールとともにセビーチェ(魚介類のマリネ)に舌鼓。
パシフィコビールはまさにマサトランで誕生したビールです。セビーチェも港町なだけあり、絶品でした。

食べ終わる頃には、クルーズ船に戻る時間となり、またタクシーで移動。こうしてマサタランを去り、次は最後の寄港地になります。

メキシコ寄港地③ カボ・サンルーカス(Cabo San Lucas)

デッキに出たらこの美しい光景が

クルーズ旅行最後の寄港地は、バハカリフォルニア半島最南端にある町カボ・サンルーカス(Cabo San Lucas)。

この日は現地時間朝6時半〜13時半の半日の自由行動日。船から見える港の風景も絶景という前評判があったので、朝6時にデッキにでてみると、噂通り息を呑むほど美しい光景が目の前に!
さすが世界有数のリゾート地と呼ばれるだけのことがあります。 

港に出ると、たくさんの客引きに声をかけられます。この日は水上タクシーという名のボートに乗って、アーチ岩(El Arco)を見に行くことが第一目的だったので、1人の客引きと話しをして、ツアーに参加。

ペリカンも愛する場所

水上タクシーには、英語がしゃべれるガイドがおり、色々と説明をしてくれました。クルーズ船の上から遠くに見ていた岩壁を間近でみていきます。波も荒く小さなボートなので揺れに気をつけながら写真を撮らないとなりません。ここはペリカンが愛する場所のようでたくさんのペリカンがいました。

自然が造り出したというアーチ岩 (El Arco)

そして、バハカリフォルニア半島の南端にあたる場所、アーチ岩にやってきました。ここは太平洋とコルテス海が混ざり合う場所。このアーチは、石灰岩で、長い年月をかけて潮、風によって刻まれた自然が造り出したものになります。

カボ・サンルーカスのシンボルとも言えるアーチ岩を無事に見ることができて満足。この後は地元の人たちが遊泳にくるというビーチで降ろしてもらい、そこで1時間ほどのんびりと過ごしました。水が氷水かと思うくらい冷たかったのですが、とても綺麗で泳ぎやすかったです。

テキーラショップで試飲。

残り時間は、町に出てました。メキシコと言えば「テキーラ」ということで、テキーラのお店に行きお土産に1本購入。そして、そのお店のオーナーの方に、おすすめのタコス屋さんを教えてもらい、旅の最後にやっとローカル色の濃いお店で本場タコスを食べることができました。

もっとこの町を散策したい!と思いながらも、あっという間に船に戻る時間となり、この町を去らなければなりませんでした。

クルーズ船は動くリゾートホテル。海目線の旅をぜひ!

クルーズ船はまさに動くリゾートホテル

カボ・サンルーカスを後にして翌日も丸一日海の上で過ごし、そしてロングビーチに戻りました。
先述したように、出発前は、WiFiナシの生活に耐えられるのか不安だったのですが、終えてみたら「WiFiなくてよかった!」と心底思った旅でした。

多くの人が、あえて日常の世界との繋がりを遮断し、非日常の空間を思いっきり楽しみ、英気を養い、そしてまた日常の世界に戻ってがんばる!そんな旅にしているように感じました。

クルーズ船は、まさに動くリゾートホテル。クルーメンバーも多国籍で、今求められている多様性の世界がここにはあります。
今回はクルーズ旅行の魅力のごくごく一部をご紹介したものになります。海目線の旅はとても新鮮で空、陸の旅とは全く違うので、ぜひ経験してみてはいかがでしょうか?