たびハピ

オーストラリアの桜的存在「ジャカランダ」でお花見!


南半球にあるオーストラリアの春を知らせる美しい花「ジャカランダ(Jacaranda)」は、オーストラリアに訪れたら必見の桜のような存在です。10月末から12月にかけてオーストラリア各地で美しい花を咲かせるジャカランダのシーズンは最も映える写真が撮れる時期でもあります。

海外旅行が再開したら、ジャカランダを眺めるオーストラリアならではのお花見を楽しみに、オーストラリア旅行を計画してみませんか?

ジャカランダはどんな花?

ジャカランダ(Jacaranda)は「ノウゼンカズラ科キリモドキ属」の南米原産の木で、春から初夏にかけてラッパのような形の紫色の花を咲かせます。日本ではあまり耳馴染みはありませんが「世界三大花木」の一つとされるほど美しい花です。

紫色の花が咲いた大きな雲のように広がる様子から、日本では「紫雲木(しうんぼく)」とも呼ばれているそう。独特の紫色のグラデーションは、確かに紫色の雲が流れているような幻想的な風景です。

ジャカランダの生息地

気候が温暖な南米原産のジャカランダは、比較的寒さに弱く、主に暖かい気候の地域で見ることができます。例えば、ヨーロッパの中でも南に位置するポルトガルは冬も比較的暖かいので、ジャカランダが有名な地域の一つ。「ジャカランダ」と言う名称も実はポルトガル語に由来しています。

中南米のメキシコでは「ハカランダ」と呼ばれ、春になると街を美しく紫色に染める市民達に愛される存在です。寒暖差がないメキシコでは桜は育たないため、その代替案として日本人庭師がジャカランダを植えたのが始まりなのだそう。幼少期メキシコで暮らしてた筆者ですが、在住邦人の間では「メキシコの桜」と呼ばれ親しまれていました。

原産国と同じ南半球の温暖で乾燥した気候のオーストラリア各地でも、たくさんのジャカランダが植えられています。19世紀にイギリス経由で持ち込まれたジャカランダの木々は、公園や街路樹、民家の軒先など様々な場所で見られる「オーストラリアの春の風物詩」です。

ジャカランダの見頃はいつ?

ジャカランダの花が咲き始める時期は、春から初夏にかけて。北半球と南半球、さらに地域によって若干異なりますが、北半球では大体5月〜6月にかけて、南半球のオーストラリアでは10月末〜12月にかけて美しい花を咲かせます。

オーストラリア人気都市の開花時期

シドニー(NSW州)10月下旬から11月下旬

「オーストラリアのジャカランダの首都(Jacaranda Capital in Australia)」とも呼ばれるシドニー。10月中旬から徐々に蕾が色づき始め、11月初旬からピークを迎えます。シーズンの春〜初夏は暑すぎず寒すぎず天候も良いので、筆者個人的にも一年の中で一番おすすめの観光シーズンでもあります。

メルボルン(VIC州)11月下旬から12月

他州に比べて比較的冷涼な気候のメルボルンのジャカランダ・シーズンは、他より若干遅めの12月にピークを迎えます。ジャカランダスポットはそれほど多くはありませんが、メルボルン大学構内やボタニックガーデンのジャカランダが有名です。

ブリスベン(QLD州)10月中旬から11月中旬

オーストラリアの主要都市の中で一番北にある亜熱帯気候のブリスベンは、ジャカランダの開花も10月中旬からと他州よりも少し早め。クイーンズランド大学構内やカンガルー・ポイントなど、ブリスベン川沿いにジャカランダスポットが点在しています。特にボタニックガーデンのジャカランダは、オーストラリアで最初に植樹されたジャカランダとして有名です。

パース(WA州)10月中旬から11月中旬

パースでは10月中旬からジャカランダが開花し、徐々に暑くなる11月中旬にピークを迎えます。アップルクロス・ビレッジ(Applecross Villege)のジャカランダ並木で行われるロータリー・ジャカランダ・フェスティバル(Rotary Jacaranda Festival)は、州内でも有名なイベントです。

アデレード(SA州)10月下旬から11月中旬

10月下旬から色付き始めるアデレードのジャカランダはアデレード大学構内など市街地でも見ることができますが、ワインの銘醸地「アデレードヒルズ(Adelaide Hills)」では風光明媚な風景とジャカランダのコントラストも楽しめます。

NSW州グラフトンで行われる「ジャカランダ・フェスティバル」

シーズン中はオーストラリア各地でジャカランダのお祭りが催されますが、中でも有名なのが1934年から続く「グラフトン・ジャカランダ・フェスティバル(Grafton Jacaranda Festival)」です。グラフトンはシドニーから北へ600km離れた小さな街に1700本ものジャカランダの木がある、まさにオーストラリア随一の「ジャカランダの街」と言われています。

期間中はメインストリートは歩行者天国になり、パレードやマーケット、移動遊園地など様々なイベントが開催されます。シドニーからは車で7時間、ブリスベンからは車で3時間と少々距離はありますが、どっぷりとジャカランダが生み出す幻想的な光景に浸ってみたい方にはオススメのイベントです。

DATA
所在地:Fitzroy St, Grafton NSW 2460
公式サイト:グラフトン・ジャカランダ・フェスティバル

ジャカランダの首都・シドニーでお花見

オーストラリアでジャカランダのお花見をするなら、筆者のおすすめは断然シドニーです。ジャカランダシーズンの10月末から11月は、気温も安定していて雨もほとんど降らず、とても過ごしやすい絶好の観光シーズン。さらに「ジャカランダの首都」と呼ばれるほどシドニーにはジャカランダスポットがたくさん点在しているので、観光の合間に幻想的な紫色の風景も一緒に楽しめてしまいます。

在住ライターが厳選!シドニーの有名ジャカランダ・スポット

1. 知名度No.1のキリビリ「マクドゥーガル・ストリート」

「シドニーのジャカランダ」と言って絶対に外せないほど有名なキリビリ(Kirribilli)エリア。中でも特に有名なのが「マクドゥーガル・ストリート(McDougal Street)」です。普段は落ち着いた静かな住宅街の通りが、春になると並木のジャカランダが一斉に花を咲かせて紫色のトンネルになります。

通りの両脇から紫色の花が道を覆う様子は、「ジャカランダトンネル」と呼ばれ映えスポットとしても有名です。シーズン中はインスタグラマーから家族連れ、観光客でかなり賑わうので、じっくり撮影したい場合は平日の朝、早めの時間がオススメです。この通りは意外に車通りが激しいので、写真撮影の際はくれぐれもご注意を。

DATA
所在地:McDougall St, Kirribilli NSW 2061

マクドゥーガルから徒歩5分の静かな通りカラベラ・ストリート(Carabella Street)も、大きく枝ぶりのいい木々が連なり幻想的な風景が楽しめます。観光客もあまりいない穴場スポットなので、車や人の目を気にせずゆっくりと記念撮影ができますよ。

DATA
所在地:Carabella St, Kirribilli NSW 2061

2. 海の玄関口「サーキュラー・キー」

5つのフェリー乗り場が連なる海の玄関口「サーキュラー・キー(Circular Quay)」。その一角にある小さな公園「ファーストフリート・パーク(First Fleet Park)」には、数こそ多くありませんがジャカランダ並木があります。

ハーバーブリッジとオペラハウス、ジャカランダを独り占め

筆者のオススメはこのジャカランダを上から見下ろす高架「ケーヒル・エクスプレスウェイ(Cahill Expressway)」からの眺め。シドニー湾やハーバーブリッジ、オペラハウスなど壮大な風景と、紫色のジャカランダのハーモニーが楽しめます。

DATA
所在地:The Rocks NSW 2000

ケーヒル・エクスプレスウェイの高架には、2番のフェリー乗り場近くにあるエレベーターで上がれます。ジャカランダのシーズン以外にも、「ヴィヴィッド・シドニー(VIVID SYDNEY)」や年末のカウントダウン花火など、壮大な景色が楽しめる絶景スポットです!

シドニーのイベント情報はこちら!

3. シドニー市街の中心地「タウンホール」

「ジャカランダは見てみたいけれど、ほかの観光地もめぐりたいし、そのためだけにあまり遠出はしたくない」という人におすすめなのが、シティの中心にあるタウンホール(Town Hall / シドニー市役所)。目の前にはショッピングアーケードのQVB(クイーン・ビクトリア・ビルディング)やスーパーマーケット「ウールワース(Woolworths)」などもあり、観光中に誰もが通り過ぎるスポットです。

タウンホールからお隣にあるセント・アンドリューズ大聖堂(St. Andrew’s Cathedral)周辺には、美しいジャカランダの木が連なっています。歴史的な市庁舎の建物とジャカランダが美しくマッチしていて、お買い物の合間に気軽にジャカランダを見ることができ、映える写真が撮れるのもうれしいポイント。

DATA
所在地:483 George St, Sydney NSW 2000

4. オーストラリアの名門大学「シドニー大学の校舎」

マニング・ロードにある旧医学部棟前のジャカランダ

オーストラリア有数の名門大学「シドニー大学(University of Sydney)」は、「グレートホール(Great Hall)」や中庭「クワドラングル(Quadrangle)」などの荘厳な建物が観光スポットしても人気。デイリーテレグラフ紙による「世界の美しいキャンパス ベスト10」でもランクインしています。

校舎内にあるジャカランダの中でも、筆者のオススメはクワドラングルのすぐ脇、マニング・ロード(Manning Road)沿いのジャカランダ。砂岩の建物とジャカランダの紫色のコントラストは、どこかヨーロッパ的な雰囲気もありロマンティックです。

シドニー大学構内は歴史ある美しい校舎など、思わず写真を撮りたくなるフォトジェニックな場所がたくさんあるので、観光で訪れるのもオススメですよ。

DATA
所在地:Camperdown NSW 2050

5. テラスハウスの街並みが可愛い「パディントン」

テラスハウスが可愛らしいパディントンの街並み

シドニー市街中心部から東へ約3km、間口の狭い昔ながらのカラフルなテラスハウスが並ぶ街「パディントン(Paddington)」。今ではそこに洗練されたショップやカフェが入り、シドニー有数のおしゃれタウンです。

パディントンの中心、オックスフォード・ストリート沿いにある茶色いブロック塀脇の公園「バラックス・リザーヴ(Barracks Reserve)」は、通りに沿ってジャカランダの並木が長く続くパディントン有数のジャカランダスポットです。1840年代に建てられたという独特の風合いの壁に、紫色のジャカランダが映えます。

DATA
所在地:Oxford St, Paddington NSW 2021

バラックス・リザーブから徒歩10分の五叉路「パディントン・ファイブウェイズ(Paddington Fiveways)」は、パディントン屈指のおしゃれスポット。パブやカフェ、ショップが立ち並び、ジャカランダと一緒にお茶やショッピングも楽しめます。

住宅街の中に個性的でスタイリッシュなお店が点在するパディントンは、時間を掛けてゆっくり散策したい街。毎週土曜日にはシドニー最大規模の「パディントン・マーケット」も開催されているので、筆者個人的には見所満載の土曜日の散策がオススメです。

DATA
所在地:239 Glenmore Rd, Paddington NSW 2021

ジャカランダの花を愛でオーストラリアの春を感じる

真っ青なオーストラリアの空とのコントラストも美しい、幻想的な紫色の美しい花「ジャカランダ」。寒さに弱いため日本ではまだ見られる場所が限られているので、10月〜11月にかけてオーストラリア旅行に訪れることがあれば、観光しながら「オーストラリアの桜」でお花見を楽しみましょう!

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