世界各国で毎年盛大な盛り上がりを見せる新年の「カウントダウン・イベント」。オーストラリアでは世界有数の規模を誇るシドニーのカウントダウン花火をはじめ、各地で沢山の人が集まるイベントが開催されています。
今回はオーストラリア最大の都市シドニーを中心に、オーストラリア各地の様子や、カウントダウン花火と大晦日、年明けの街の様子をご紹介します。
目次
真夏のオーストラリアの年越し
国内や海外から親戚一同が集まり、実家で家族と一緒に過ごすオーストラリアのクリスマスは、日本で言うと「お正月」のような雰囲気。クリスマスデー(25日)にはスーパーやレストランなどほとんどの店舗が休業し、家でのんびり過ごす人も多く街は静かです。打って変わって翌日26日のボクシングデーには、最安値の商品を狙い街中に人々が溢れます。
年の瀬まで街はクリスマスムード一色
25日のクリスマスが過ぎ、クリスマス・マーケットやプロジェクションマッピングなど一部のイベントは終了しますが、街中のクリスマスイルミネーションは引き続き継続。庭先のクリスマスデコレーションもそのままですし、自宅のクリスマスツリーも年が明けるまで飾っておく家がほとんどです。
師走の慌ただしさはない、のんびりした雰囲気
毎年12月20日前後のクリスマス前から長期間の休暇に入る企業も多いので、平日でもシティは落ち着いた雰囲気です。仕事納めや年始のお買い物で賑わう日本とは違い、どことなく力の抜けたリラックス感が漂うのがオーストラリアの年末。一年を締めくくる慌ただしさも無く、真夏ということもあり年の瀬感はあまりありません。
オーストラリア各地のカウントダウンイベント
オーストラリア主要都市では、それぞれカウントダウンは盛大な花火でお祝いします。日本のような厳かな雰囲気はゼロですが、お祭り気分で一年がスタートできる華やかなイベントばかりです。
シドニー(ニューサウスウェールズ州)のカウントダウン
オーストラリア最大の都市・シドニー(Sydney)では、ハーバーブリッジやオペラハウスを見渡すシドニー湾周辺で様々なイベントが開催されます。特に世界最大規模と言われる盛大なカウントダウン花火は、世界中から100万人以上の観光客が毎年集まるシドニーが誇る大規模イベント。
しかも2023-24年は昨年まで有料だったパブリックビューイングを、無料で開放すると発表もされました。是非ハーバー沿いで、真夏の夜空に輝く打ち上げ花火を堪能しましょう。
メルボルン(ビクトリア州)のカウントダウン
オーストラリア第二の都市・メルボルン(Melbourne)でも、カウントダウン花火や様々なイベントが開催されます。カウントダウン花火はシティにあるビルの屋上数カ所から打ち上げられるので、街中の高層ビルの真上に花火が打ち上がるのはまさにメルボルンならではです。
比較的どんな場所からも花火が楽しめるので、ルーフトップバーのパーティに参加したり、公園や広場のような観覧スポットで観るのはもちろん、観光地としても人気の「フリンダース・ストリート(Flinders Street)駅」の背後に打ち上がる花火はとても華やかで一見の価値ありです。
ブリスベン(クイーンズランド州)のカウントダウン
サンシャイン・ステイト(太陽の州)と呼ばれるクイーンズランド(QLD)州。その州都・ブリスベン(Brisbane)の街を横断するブリスベン川の5ヶ所からは、20:30からのファミリー花火、深夜からのカウントダウン花火が約10分間打ち上げられます。
花火がよく見える観覧スポットはサウスバンク周辺に集中していて、そのほとんどが入場無料。川沿いのレストランやバーで催されるイベントやパーティも、かなり盛り上がります。街のシンボルであるブリスベン川を中心に、色鮮やかな花火が大音響の音楽と共に打ち上がる幻想的な世界です。
パース(西オーストラリア州)のカウントダウン
オーストラリアの主要都市の中で、唯一西海岸にある西オーストラリア(WA)州のパース(Perth)。21:00からのファミリー花火や深夜のカウントダウン花火をはじめ、様々なイベントが開催されます。街の中心を流れるスワン川(Swan River)上空を彩る花火は、圧巻の美しさ。特に中心街にあるヤーガン・スクエア(Yagan Square)では夕方から深夜までコメディやサーカスなどのイベントが行われ、花火の観覧にもベストな人気スポットです。
因みにパースはシドニーやメルボルンとは時差が3時間(夏時間)あるので、時差2時間の日本よりも遅い年越しとなります。
世界に先駆けたシドニーのカウントダウン花火
シドニーは日付変更線(経度180°)から近い東経151°に位置しているので、日本よりも2時間早く、世界各国に先駆けて早い時期に新年を迎えます。ここからは筆者の暮らすシドニーの、年末年始のカウントダウン(SYDNYE-Sydney New Year’s Eve)に向けた街の様子をご紹介します。
花火観覧スポットはバリケードで入場制限
一年を通してシドニーで催される様々なイベントの中でも、年末年始のカウントダウン花火「ニューイヤーズ・イブ・ファイヤー・ワークス」はオージー大注目の一大イベントです。国内だけでなく世界中から100万人以上(何と2022年末は160万人!)の観光客が集まり、価格が超高騰する中、早い時期からホテルの客室が埋まります。
リラックス感漂うオーストラリアの年末ですが、大晦日だけは少し物々しい雰囲気に。ハーバーブリッジやオペラハウス周辺など主要な花火観覧スポットには早朝から場所取りの行列ができ、バリケードも立って入場制限されます。この辺りは筆者の定番ジョギングコースですが、この日ばかりは近付くこともできません。
場所取りは陸上だけではありません。海の街・シドニーでは海上からも花火が楽しめるということで、特にオペラハウス周辺は毎年たくさんのヨットやボートが集まる花火観覧の激戦区。TVのニュースでは、場所取りのために何と2日前から停泊しているという家族がインタビューを受けていました。花火にかける意気込みがすごいです。
シティの主要道路は一斉に封鎖
カウントダウン花火の観覧客整備のため、シティ周辺は朝から警官やセキュリティの人達が配置されます。道路は昼過ぎから徐々に封鎖され、シティ内は一斉に車両も通行止めに。
因みに筆者の自宅前も夕方から通行止めになるので、車を動かす用事や遊びに来る友人達の訪問時間などは、予めしっかりとしたスケジューリングが必要になります。
大迫力のカウントダウン花火
2023-24年のカウントダウンイベントは19:30、先住民アボリジナルの人々による伝統的な浄化の儀式「スモーキング・セレモニー(Smoking Ceremony)」から始まり、20:30からハーバーブリッジがプロジェクションマッピングで彩られ、21:15にはライトアップされたボートがシドニー湾を帆走する‥‥という細かいタイムテーブルで進行する予定です。
花火は子供も楽しめる21:00からの「ファミリー花火」と、午前0:00から始まるメインの「カウントダウン花火」の二部構成。打ち上げ時間も場所もメインに比べて若干小規模なファミリー花火ですが、毎年オーストラリア先住民の文化に敬意を表したテーマで行われ、2023-24年は先住民アボリジナルピープル及びトレス海峡諸島のアーティストによる「Calling Country fireworks」が行われる予定です。
0:00直前。メインイベントに向けて、いよいよカウントダウンです。ハーバーブリッジの橋脚、パイロン展望台に「10‥9‥8‥7‥」とカウントダウンの数字が映し出され、当たりが一瞬静まり返ると、ハーバーブリッジのアーチ全体から鮮やかな花火が一斉に噴き出します。いよいよ花火のスタートです!
2019年には森林火災の影響で実施が危ぶまれ、2020年には新型コロナウイルスの影響で縮小されたカウントダウン花火ですが、その後は例年通りに完全復活。10万発以上、8トンもの花火が打ち上げられる様子は毎年全世界に生配信され、10億人もの人達が視聴するほど人気の花火です。
花火が打ち上がった後は観客から一斉に拍手喝采が起こり、街中に「Happy New Year!」の大きな掛け声が響き渡ります。楽しかった宴もこれにて終了です。
最近はビビッド・シドニー(Vivid Sydney)をはじめとするシドニーの様々なイベントで、東京オリンピック開会式でも盛り上がったドローンを使ったショーが行われています。環境の面からもドローンに移行しては、と言う議論もあるようですが、費用や天候の影響を受けやすいことからも、まだまだシドニーの花火は続きそうです。個人的には花火とドローンのコラボなんかも面白そう、なんて思ってたり。
シドニーのおすすめ花火観覧スポット
そんなカウントダウン花火、シドニーに訪れたら是非観覧してみましょう!海岸線が入り組んだシドニーでは、海沿いだけでなく高台の公園などからも花火鑑賞できます。シドニー市のホームページでも様々な見晴らしのいい観覧スポットが紹介されていますが、今回は筆者の個人的なおすすめスポットを数カ所ご紹介します。
さらに、2023年から今まで入場が有料&予約制だった観覧スポットが、一部を除いて無料になることが決定しました!その分席取りが大変になることも予想されますが、高いお金を払わなくても絶景と花火が楽しめるようになります。
1. オペラハウス&ハーバーブリッジ周辺
ベタだけど外せない王道の観覧スポットなのが、花火が打ち上がるハーバーブリッジや、オペラハウスのあるサーキュラーキー周辺。コンサートなどのイベントも開催されているのでオーディエンスとの一体感あるカウントダウンが楽しめますし、橋の鉄骨から噴き出るダイナミックな花火の躍動感が目の前で楽しめます。
2. ミセス・マッコーリーズ・ポイント(Mrs Macquaries Point)
ブリッジとオペラハウスを見渡すロイヤル・ボタニック・ガーデンやミセス・マッコーリーズ・ポイント周辺も、花火スポットとして朝から大行列ができる人気スポット。花火が打ち上がるのはハーバーブリッジを中心として全部で5カ所に点在しているので、複数の花火が一度に楽しめる大迫力のポイントです。
DATA ミセス・マッコーリーズポイント 所在地:1d Mrs Macquaries Rd, Sydney NSW 2000
3. ダドリーページ・リザーブ(Dudley Page Reserve)
シティの東側に位置する丘の上の公園「ダドリーページ・リザーブ」も絶景スポットの一つ。シティからは少々距離はありますが、丘の上なので目の前に何も遮るものがない花火が楽しめます。因みに夕日の美しいスポットとしても有名なこの公園は、花火に関係なくても訪れてみたい絶景ポイントです。
DATA ダドリーページ・リザーブ 所在地:Lancaster Road&, Military Rd, Dover Heights NSW 2030
4. ブラドリーズ・ヘッド(Bradleys Head)
シティから海を挟んだノース・シドニー川にある岬「ブラドリーズ・ヘッド」は、タロンガ動物園の近くにあるすり鉢状の広場。第一次対戦中には見張り台として使用されていたほど見晴らしのいい場所は、インスタ映えスポットとしても人気で、ウェディング・フォトの撮影にも良く使われます。
シティを一望できる大パノラマと一緒に、シドニー湾に沿うように連続して打ち上がる花火が、横並びで楽しめる絶景スポットです。
DATA ブラッドリーズ・ヘッド 所在地:Bradleys Head Rd, Mosman NSW 2088
【穴場】ラッシュカッターズ・ベイ(Rushcutters Bay)
最後にシティから若干距離はありますが、無料で花火が見える穴場スポットをオマケとしてご紹介します。
シティの東3kmにあるヨットハーバーの「ラッシュカッターズ・ベイ」は、車で10分弱、電車やバスでも行きやすいアクセス抜群の立地にあります。
ヨットハーバーの突端にあるヤラナベ・パーク(Yarranabbe Park)の目の前には、オーストラリア海軍施設のガーデン・アイランド(Garden Island)があります。オペラハウスこそ見えませんがハーバーブリッジが見渡せ、少し距離が離れているからこその連続感のある花火が楽しめます。
DATA ヤラナベ・パーク 所在地:New Beach Rd, Darling Point NSW 2027
ヤラナベ・パークの東にある丘を上がり、さらに突端にある小さな公園「マッケル・パーク(Mackell Park)」。ヤラナベ・パークよりは北に位置するので、より花火の全体像を楽しむことができます。公園の一角にはダーリングポイント(Darling Point)のフェリー乗り場もあるので、フェリーでのアクセスも可能です。
DATA マッケル・パーク 所在地:159 Darling Point Rd, Darling Point NSW 2027
他にもノースシドニーや西側にもたくさん花火スポットが点在していますが、個人的には花火を見るなら断然ハーバーブリッジより東側のエリアがおすすめ。新年の花火はハーバーブリッジより東側に位置するオペラハウスを正面にしてデザインされているので、花火を見るなら断然東側です!
レストランやボートでのパーティ【お値段張ります】
花火が観覧できるスポットはハーバー周辺一帯にたくさんありますが、チケットを購入していても席は決まっていないので、早めに行って場所取りは必須です。真夏のシドニーで数時間前から列を作って並ぶのは大変ですよね?花火が見えるレストランやボートクルーズでのカウントダウンは、やっぱり楽といえば楽です。
価格が数倍に高騰する高額なハーバービューのホテルに比べると、レストランやバー、ボートでのパーティは安くはありませんが比較的リーズナブル。普段よりも割高感は否めませんが、美味しい食事やお酒が用意されている場所で、お酒を飲みながらそこにいる皆でカウントダウンを盛り上がれば一生に一度の旅の思い出になるはずです。
1月1日シドニーでは初詣ではなく初泳ぎ!次はあなたもチャレンジ!
前日のお祭り騒ぎとは打って変わり、元旦のシドニーの街はかなり落ち着きを見せ、いつもの週末のようなリラックス感が漂います。観光地など旅行客を相手にしているお店は別ですが、クリスマス同様ほとんどのお店が閉店している状況です。
日本のお正月らしく家でおせちでも食べてのんびりしたいところですが、そこは真夏のオーストラリア。ショッピングにも食事にも行けないので、人々は公園でのBBQやビーチに繰り出します。筆者も新春早々ビーチで初泳ぎしてきました。
因みに筆者が初泳ぎした地元民しかいないミルクビーチ(Milk Beach)も、ハーバーブリッジやシティが見渡せる、絶好のカウントダウン花火スポットでもあります。
DATA ミルクビーチ 所在地:Milk Beach, Vaucluse NSW 2030, Australia
オーストラリアの花火で盛大な年越しを!
北半球のように寒さで震えることもない、南半球にある真夏のオーストラリア。しかも年末年始は比較的お天気に恵まれることも多く、屋外でカウントダウン花火を観覧しながら、美味しいスパークリングで乾杯するにはまさにベストシーズンです。是非来年は暖かいオーストラリアのカウントダウン花火で、盛大に盛り上がって新年を迎えましょう!
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オーストラリアはジェットスターがあるので、航空券が比較的安い場合も。JALやANAも飛行機とホテルをセットで選ぶダイナミックパッケージのセールを狙うなどすれば「えっ?こんな値段で行ける?」なんてこともあり。とはいえ年末年始は全てのアイテムがお高め。
それでもカウントダウンを狙いたい人は、お得なLCCなどをチェックしたり、到着日と帰国日に余裕を持つなど、お得な料金をリサーチしてみましょう。
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2名の海外旅行はツアーの方が安いことも
いつもは航空券を買ってホテルを手配して旅行するという人も、航空券やホテルがコロナ禍前より上がっている今は、ツアーという選択肢もあり。特に2名の旅行はかなり安いツアーが設定されていることも多いんですよ!ただしひとり旅の場合は一人部屋追加料金で高くつき、航空券やホテルを自分で手配した方が安く上がります。3名の場合はエクストラベッドは誰が寝るあるあるにぶつかりそう(笑)。