ピサの斜塔があまりにも有名なイタリアの世界遺産・ピサ。ガリレオが物理実験をしたことで世界的に知られるピサの斜塔しか思い浮かばない人の方が多いと思います。
それだけではなく、ピサはとても長い歴史があるんですよ!
その昔、ピサはローマ帝国の重要な軍港として発達し、ベネチアやジェノバと並ぶ四大海洋共和国として強大な力を持っていました。斜塔だけではないピサの側面と、ピサの斜塔のあるピサってイタリアのどのあたりにあるの?という基本情報はぜひ知っていただきたい!
イタリア在住ライターが、斜塔だけではないピサの歴史と、主要都市からのアクセスをご紹介!
目次
ピサとは
ピサはイタリア、トスカーナ州にある町です。トスカーナ州と言えば芸術の都「フィレンツェ」が有名ですが、ピサがあるのはフィレンツェの西「ティレニア海」の近く。ピサの旧市街から車で20分ほど走れば、ティレニア海沿いのビーチに行くことができますよ!
ピサと聞いてほとんどの人が思い浮かべるのは、やっぱり斜塔ですよね!ピサの斜塔と言えば、世界中で知らない人はいないくらいの有名な建造物。
ピサの斜塔は、あのガリレオ・ガリレイが1589年に重力発見のための実験をした場所としても有名な場所。ガリレオは斜塔の上から大きさの違う鉄球を2つ落とし「重力による落下速度はその物体の質量の大きさによるものではない」という「落下の法則」を証明したと言われています。(※実際に実験が行われたかについては真偽が問われています)
今私たちが普通に感じている重力を発見した実験がこの斜塔で行われたと思うと、絶対に一度は自分の目で見てみたくなりますよね!
またピサは、紀元前にはすでに重要な場所として知られ、その後は、斜塔ができる前からヨーロッパでも名をはせた海洋共和国のひとつでした。
海洋共和国としてはベネチアやジェノバですが、ピサも同じように海路を開拓することで強大な力を誇った海洋共和国のひとつだったのです。
斜塔がある「ミラコリ広場」は、1987年世界文化遺産に登録済み。ドゥオモ(大聖堂)や洗礼堂、斜塔、サントカンポ(納骨堂)など巨大な建造物がこれでもかというほど集まり「これだけの豪華な建造物を建てられるなんて、ピサの海洋共和国としての力はすごかったんだなぁ…」と、訪れれば思わず感嘆の声を上げてしまうはず。
ピサはその昔、フィレンツェとはライバル関係にありました。昔はそれぞれの町がひとつの国だったので、隣国のピサとフィレンツェはしょっちゅう戦争をしたりとお互いに仲が悪かったのです。
ピサは、いったいどんな歴史を歩んできたのでしょうか?早速、見ていきましょう!
ピサの歴史
イタリアの西側にあるティレニア海の貿易都市として栄えたピサ。7世紀からイタリア内の主要港として発展し、最盛期の11世紀には四大海洋共和国として強大な力を誇りました。
紀元前89年(紀元前1世紀) | ローマ帝国の植民地だったが自治都市地位を与えられ、重要な海軍基地となる |
7世紀頃 | ティレニア海上域、サルデーニャ島周辺、フランス・スペインの南海域をカバーする主要港として発展 |
11世紀頃 | ベネチア共和国、ジェノバ共和国、アマルフィ共和国と並ぶ四大海洋共和国の一つと認められ、最盛期を迎える |
1204年(13世紀) | 東ローマ帝国が滅亡し、ピサ共和国の特権が失われる |
1284年(13世紀) | メロリアの海戦でジェノバに惨敗し、衰退が始まる |
1402年(15世紀) | フィレンツェ共和国に併合される |
同じ四大海洋共和国のジェノバとの戦いに敗れたところから衰退が始まり、最終的にピサはライバルのフィレンツェ共和国に併合されてしまいました。
現在のピサは、毎年多くの観光客が訪れる観光都市。特に有名な斜塔を一目見ようと、世界中からたくさんの観光客がやってきます。
ピサへの行き方
お次はピサの位置関係がよくわかる上に、海外旅行再開後に役立つピサへの行き方を紹介します。
まずはイタリアの主要都市ミラノ、フィレンツェ、ローマからピサへ行く方法。それぞれの中央駅や空港から行く方法を詳しく紹介するので、次回のイタリア旅行でピサに行こうと考えている人はぜひ参考にしてくださいね!
ミラノからピサへ行く場合
ミラノ中央駅から行く場合
ミラノ中央駅から行く場合は、以下の2つの方法があります。
- ミラノ中央駅からIC(インターシティ)またはFrecciabianca(フレッチャビアンカ)で乗り換えなし(所要時間約約4時間~4時間20分)
- ミラノ中央駅からフィレンツェ中央駅までFrecciarossa(フレッチャロッサ)で移動、Regionale(レジョナーレ)に乗り換えてピサへ(所要時間約3時間20分)
※IC(インターシティ)・Frecciabianca(フレッチャビアンカ)は準急列車、Frecciarossa(フレッチャロッサ)は高速列車、Regionale(レジョナーレ)は鈍行列車です
朝や夕方の時間帯なら乗り換えなしで行ける準急列車がありますが、その他の時間帯は乗り換えが必要になります。ミラノからピサへ日帰りで行くのは難しいため、フィレンツェまたはピサに滞在するのがおすすめです。フィレンツェにホテルを取り、フィレンツェから日帰りで行くのも◎!
DATA イタリア国鉄(トレニタリア)公式サイト(英語ページ)
ミラノ・マルペンサ空港から行く場合
日本からミラノ・マルペンサ空港に到着する場合、ピサへの行き方は以下の通り。
- マルペンサ空港から空港バス「マルペンサシャトル」または列車「マルペンサ・エクスプレス」でミラノ中央駅へ(所要時間約1時間)
- 上記「ミラノ中央駅から行く場合」と同様
空港バス、マルペンサ・エクスプレスの詳細はこちら。
マルペンサシャトル(空港バス) | マルペンサ・エクスプレス(列車) | |
所要時間 | 約1時間 (時間帯によって渋滞あり) | 約1時間 |
運行時間 | ターミナル1発 6時10分~01時10分 中央駅発 4時40分~23時40分 | ターミナル2発 5時37分~0時20分 ターミナル1発 5時43分~0時26分 中央駅発 4時57分~23時27分 |
料金 | 片道10ユーロ 往復16ユーロ | 片道13ユーロ |
鉄道移動での注意事項:ミラノ中央駅行き以外に「ミラノ・カドルナ(Milano Cadorna)駅行き」もあるので行き先に注意!
DATA マルペンサシャトル(英語ページ) マルペンサシャトル時刻表・空港発(PDF) マルペンサシャトル時刻表・中央駅発(PDF) マルペンサ・エクスプレス(英語ページ) マルペンサ・エクスプレス時刻表(PDF)
バス(シャトル)とエクスプレス(鉄道)選ぶならどっち?
空港からの移動手段が複数ある場合、どっちを利用するか迷ってしまいますよね。どちらも長所短所があるのですが、イタリア在住の私が選ぶなら…と考えてみました。
バスは片道料金が列車よりも安く往復で買うと安くなるので、料金をできるだけ安く抑えたい人にはおすすめ。列車は料金はバスよりも高くなりますが、一番のメリットは渋滞がないこと。ミラノ市内や周辺の道路は、時間帯によっては大渋滞になることも。乗り継ぎの列車やバスの時間が決まっている場合は、渋滞の影響を受けない列車がおすすめです。私なら移動後の予定が決まっている場合は、渋滞の影響がない列車を選ぶかなぁ…(列車の方が時刻表通りに運行する可能性が高い!笑)
マルペンサシャトルがおすすめな人
- 料金をできるだけ安く抑えたい人
- 往復のチケットをまとめて買っておきたい人
- ミラノ中央駅前のホテルの人(空港バスは中央駅前の広場に停車するため、駅前のホテルへはすぐに行ける)
マルペンサ・エクスプレスがおすすめな人
- 乗り継ぎの列車やバスの時間が決まっている人
- 渋滞はできるだけ避けたい人
- バス酔いしやすい人(イタリアのドライバーは運転が荒い人も多い)
- ミラノ中央駅から違う列車に乗り換える人(ホームエリアが同じなので乗り換え時の移動が楽)
- ターミナル2を利用する人(マルペンサシャトルはターミナル2に止まらない)
リナーテ空港から行く場合
ミラノ旧市街近くのリナーテ空港から行く場合の方法はこちら。
- リナーテ空港から空港バス「リナーテシャトル」でミラノ中央駅へ(所要時間約30分)
- 上記「ミラノ中央駅から行く場合」と同様
リナーテ・エクスプレスの詳細はこちら。
所要時間 | 約30分 |
運行時間 | 時期により変動あり。詳しくは下記のサイトよりご確認ください |
料金 | 片道5ユーロ 往復9ユーロ |
DATA リナーテシャトル(英語ページ)
フィレンツェからピサへ行く場合
フィレンツェ中央駅から行く場合
フィレンツェからピサへは日帰りでも十分行ける距離なので、フィレンツェに滞在して日帰りでピサに行く旅行者が多いです。フィレンツェ中央駅からピサへ行く方法は一択。
フィレンツェ中央駅から鈍行列車でピサへ
フィレンツェからピサまでは鈍行列車で約1時間。車窓の景色を楽しみながら日帰りで遠出するにはちょうどいい距離です!
DATA イタリア国鉄(トレニタリア)公式サイト(英語ページ)
フィレンツェ中央駅での鉄道乗車券の買い方&列車の乗り方についてはこちら↓
ローマからピサへ行く場合
ローマ中央駅から行く場合
ローマ中央駅(ローマ・テルミニ駅)からピサに行く方法はこちら。
- ローマ中央駅からIC(インターシティ)またはFrecciabianca(フレッチャビアンカ)で乗り換えなし(所要時間約3時間)
- ローマ中央駅からフィレンツェ中央駅までFrecciarossa(フレッチャロッサ)で移動、Regionale(レジョナーレ)に乗り換えてピサへ(所要時間約2時間40分~3時間)
※IC(インターシティ)・Frecciabianca(フレッチャビアンカ)は準急列車、Frecciarossa(フレッチャロッサ)は高速列車、Regionale(レジョナーレ)は鈍行列車です
DATA イタリア国鉄(トレニタリア)公式サイト(英語ページ)
フィウミチーノ空港から行く場合
空港からローマ中央駅(テルミニ駅)までは各種バスもありますが、列車「レオナルド・エクスプレス」が早くて便利!所要時間は約30分です。
所要時間 | 32分 |
運行時間 | ターミナル1発 6時8分~23時23分 ローマ中央駅発 5時20分~22時35分 |
料金 | 片道14ユーロ |
レオナルド・エクスプレスの切符は、「イタリア国鉄(トレニタリア)」のサイトまたは駅構内の自動券売機で購入できますよ♪
DATA イタリア国鉄(トレニタリア)公式サイト(英語ページ) ※空港発のレオナルドエクスプレスを探す時は「出発地:Fiumicino Aeroporto」「到着地:Roma Termini」で検索すればOK!
ピサ中央駅から旧市街へ行く場合
ピサ中央駅から斜塔のある「ミラコリ広場」へはバスの赤線「LAM rosso」で行くことができます。所要時間は10分ほど。LAM rossoの乗り場は駅前の「Stazione1」、降りるバス停は広場のすぐ近くにある「Torre1(トッレ1)」です。バスに乗っている人はほとんどミラコリ広場で降りると思うので、迷うことはないはず。不安な場合は、周りの人やドライバーに「Tower(タワー)⁇」と聞いてみましょう。
※駅前のバス停には「① LAM」と斜塔の絵が書かれているので、バス停を探すのもとっても分かりやすいです♪
ピサ空港から旧市街へ行く場合
ピサ空港は旧市街のすぐ近くにあるので、空港から行くのも楽々!ピサ空港から旧市街への行き方はこちらの2つ。
- ピサ空港から「E3」のバスでミラコリ広場へ
- 中央駅まで「PISAMOVER」という列車で行き、中央駅から赤線バス「LAM rosso」でミラコリ広場へ
PISAMOVERはこちら。
運行時間 | 毎日6時~0時 |
料金 | 片道5ユーロ、往復10ユーロ |
所要時間 | 約5分 |
DATA PISAMOVER公式サイト(英語ページ)
ピサ空港のバス停はこちら。
※スーツケースなど大きな荷物がある場合は、タクシーでの移動が便利!空港のバス乗り場の隣にタクシー乗り場があります
行けばわかる!斜塔以外のピサの魅力
海洋共和国だったピサの歴史と主要都市からの行き方を紹介しました。これでピサの場所はわかってくれましたか?ピサの旧市街には斜塔以外にも見所がたくさん!次回の記事では絶対に見逃せないピサ旧市街の見所を紹介します。お楽しみに!
イタリアへの旅行予約はこちらから!
イタリア行き航空券の予約はこちら! |
---|
イタリアのホテル予約はこちら! |
---|
イタリアのツアー予約はこちら! |
---|