GoToトラベルキャンペーンが2022年1月後半以降の再開予定であると、12月6日、木原官房副長官が認識を明らかにしています。
政府はもともと、年末年始の人流増による感染拡大の状況を見て、年始に開始時期を判断するとしていました。しかし、11月26日にWHOが「懸念される変異株」と発表したオミクロン株が、たった10日で日本入国時に3人目の感染者が認められるという、予想外の速さで感染拡大を続けているため、岸田総理大臣がオミクロン株の状況を見て判断と発言。「慎重のうえにも慎重に」という姿勢で再開を迎えたい考えであるためです。
11月19日には政府は2022年に始まる新たなGoToトラベルキャンペーンの割引率や、地域共通クーポンの配布枚数について、決定事項を発表しています。
再開は確実視されているものの、再開時期がなかなか定まらない中で、参加旅行事業者の募集もしなければならない今の状況。なかなか微妙です。
GoToトラベルキャンペーンの再開はいつなのか?どんな点が変更になりそうなのか…報道や会見からわかる最新の情報は以下をご参照ください。
「いや、そもそも使ったことがないし、変更点がどう、というより最初からよくわからない」という人も、筆者の周囲には非常に多く、これはきちんと説明しておきたいといきり立ちました(なんで…)!
難しそうな国家事業ではありますが、実は、新型コロナウィルス感染拡大による緊急事態宣言の発令で完全に停止したままのGoToトラベルキャンペーンは、とてもお得に旅行ができるスグレモノです。
まずは基本をしっかりと学び、再開時の変更にも備えておきましょう。
目次
いまさら聞けない!GoToトラベル事業とは?
新たに国土交通省のトップに立った斉藤鉄夫国土交通相が「GoToトラベルキャンペーンの再開期日の検討を始める」と発表したことで、もう終わったかに見えたGoToトラベルキャンペーン周辺がざわつきはじめました。
あれは昨年2020年…新型コロナウイルスの世界中への感染拡大により予防対策のため外出自粛を余儀なくされた私たち。人が外出しない、集まることができない状況で打撃を受けた業界が宿泊、交通、観光、飲食、サービス、そしてエンターテイメント業界でした。
日本政府はそれらの業界を救うために2020年4月4つのキャンペーンから成る「Go To キャンペーン事業」を発表。
①Go To トラベルキャンペーン… 旅費を半額援助する事業
②Go To イートキャンペーン…飲食店の食事代を援助する事業
③Go To イベントキャンペーン…エンターテイメント鑑賞料金を援助する事業
④Go To 商店街キャンペーン…商店街でのイベント、プロモーション、観光商品開発など、商店街を活性化させる事業
「GoToキャンペーン」の一つで、国民の旅費を支援し旅行がしやすくなる環境を作り、宿泊施設や旅行会社、地域観光の経済を助ける国家プロジェクトが、GoToトラベルキャンペーン。
GoToトラベルキャンペーンは何をしてくれるの?
2020年7月22日(本当はオリンピックが開催される予定が延長されてしまい、連休だけ残ったこの日)、ほかのGoToキャンペーンに先駆けて、華々しくスタートしたGoToトラベルキャンペーン。当時も「私たちに何をしてくれるのだろう?」と思ったものですが、昨年2020年の12月28日の全国停止までの内容は以下。
①国内旅行を対象に宿泊・日帰り旅行代金の50%相当額を支援
②支援額の内3割は旅行代金の割引に、3割は旅行先で使える地域共通クーポンとして付与
③一人一泊あたり2万円が上限(日帰り旅行については1万円が上限)
④連泊制限や利用回数の制限なし
国民の旅費を政府が半額援助し(1日1人上限1日2万円まで)どんどん旅行へ誘う事業でした。
今思うとなかなか大胆過ぎる内容。当時はワクチン接種も進んでいなかったし、ロクな感染防止策がアナウンスされていなかったような気もします。そりゃ仕方がない。あんなに長引くことになるだなんて、政治家も国民も世界規模で誰も知らなかったんだもの。
新GoToトラベルキャンペーンでの変更点は?
2022年に再開予定のGoToトラベルキャンペーンについては、以下の内容変更が国土交通省より発表されています。
①旧GoToトラベルキャンペーン:国内旅行を対象に宿泊・日帰り旅行代金の50%相当額を支援
⇒新GoToトラベルキャンペーン:国内旅行を対象に宿泊・日帰り旅行代金の30%相当額割引+クーポンで支援
②旧GoToトラベルキャンペーン:支援額の内35%は旅行代金の割引に、15%は旅行先で使える地域共通クーポンとして付与
⇒新GoToトラベルキャンペーン:支援額の30%は旅行代金の割引+地域共通クーポン(平日1000円×3、休日1000×1で支援
③旧GoToトラベルキャンペーン:一人一泊あたり割引額は14000円(クーポン込みで2万円)が上限(日帰り旅行については1万円(クーポン込み)が上限)
⇒新GoToトラベルキャンペーン:交通付き(ツアーなど):10,000円(クーポン別)/宿泊のみ: 7,000円(クーポン別)
④旧GoToトラベルキャンペーン:連泊制限や利用回数の制限なし
⇒新GoToトラベルキャンペーン:未定
GoToトラベルキャンペーンこれまでのおさらい
「新幹線のグランクラスに乗ったら半額現金でもらえるの?」とか「1泊100万円のスイートルームに泊まったら50万円を現金でもらえるの?」なんて思っている人もいると思いますが、過去のGoToトラベルキャンペーンを使い倒していた人ならお分かりのはず。そんな夢のようなことはありません!
GoToトラベルキャンペーンには様々な条件があります。これがわかりづらくて使わなかった人(いや、正常な割引率で正常に使えた時期が少なすぎたという声も多々聞こえますが)も多いと思います。
GoToトラベルキャンペーンの援助対象となる旅行は決められていて、対象外の旅行もたくさんありますよ!どのような旅行が対象になり、どのように支援を受けるのか、しっかりと見ていきましょう。
2022年に再開する新GoTトラベルキャンペーンも、割引率などの変更以外、おおもとの条件がそのまま引き継がれる部分も多いようです。
GoToトラベルキャンペーン支援対象の旅とは?
GoToトラベルキャンペーンで援助してくれる「旅」は、旅費のすべてが援助の対象ではありません。
GoToトラベル参画業者でなければ対象外
GoToトラベルキャンペーン参画業者として申請し、承認を受けた旅行業者が販売する商品でなければ、援助対象になりません。
政府の援助ではありますが、利用者とGoToトラベル事務局との直接のやり取りはありません。
GoToトラベル事業者として、国土交通省が認可した旅行業者である旅行会社もしくは宿泊施設から対象商品を購入することになります。
2020年12月28日の全国停止まで参画していた旅行事業者はGoToトラベルキャンペーンの公式サイトから確認することが可能。もし仮に2021年内に再開することがあれば、参画している旅行事業者が、そのまま継続して事業を行い、新たにオープンしたホテルや旅館、観光施設が参加するために申請をすることもあり得ます。
決められた商品でなければGoToトラベル対象外
以下の4つの商品でなければ援助対象ではありません
①旅行会社のツアー対象商品(宿泊を伴うツアー・日帰りツアー)
②ホテル・旅館の公式サイト掲載の対象宿泊プラン
③宿泊通販サイト経由のホテル・旅館の対象宿泊プラン
④宿泊を伴う交通の対象チケット(宿泊事業者として登録しているクルーズ、フェリーなどが条件)
GoToトラベル・宿泊を伴う援助の図解
2020年12月28日の全国停止までは宿泊旅行は1人1泊半額(上限1泊2万円まで)援助だったため、いつもより贅沢な旅行ができました。
ただし!次の再開時は、この上限金額や援助率を引き下げる方向で検討がされているという情報が停止された段階からメディアで報道されてきました。高額なツアーを販売する魏旅行業者や、宿泊施設が利益を得ることが多かった前回の支援額を、2021年の再開時には良心的な値段のホテルや旅館や旅行会社に予約が行くように、変更することも検討内容に入っているようです。
GoToトラベル・日帰り旅行援助の図解
気軽に贅沢できる日帰りバスツアーなども割引の対象に。こちらも2020年12月28日の全国停止までは上限1人1万円も援助してくれたので、贅沢な日帰りツアーが飛ぶように売れました。
しかしこちらも、再開するとすれば、援助額の見直しが検討されていると、前回の停止当時から各メディアが報じてきました。
移動手段単体はGoToトラベルキャンペーン対象外
鉄道、飛行機、バス、レンタカーなど移動手段単体の購入はGoToトラベルキャンペーンの対象外です。例えば前述の新幹線のグランクラスを利用した旅行で割引してほしい人は、GoToトラベルキャンペーン対象ツアーで「グランクラス利用」のツアーを予約購入すれば、その願いはかないます。
ビジネス出張での利用は対象外
2020年のスタート当初はビジネスでの出張も支援の対象にしていたGoToトラベルキャンペーン。しかし2020年11月にビジネス出張を対象外に。会社名記入の領収書の発行は宿泊施設が拒否。旅行会社のツアーも会社名の領収書の発行は拒否されます。
例外は修学旅行。先生方!修学旅行は出張ではなく、教え子というお友達との旅行だと思って、領収書に学校法人名を記載してもらって、GoToトラベルしちゃってください!
GoToトラベルの支援は現金ではない!
「なるほど!ツアーか宿泊プランの予約であれば、半額の旅費を現金で支援してくれるんだな?還付金の振り込み、楽しみ!」と、思った人も多いかと思いますが、そうではありません。GoToトラベルキャンペーンの援助金は「割引」と「地域共通クーポン」の2つで構成されています。
つまり現金のやり取りは発生しません!
旧GoToトラベルキャンペーンは半額援助のうち、割引は旅費の35%。残り15%は地域共通クーポンの発券で補われていました。
地域共通クーポンとは?
旅行先の都道府県と隣接する3つの都道府県で、旅行期間中のみ限定で使用できるクーポン。タクシーやバスなど指定席が伴わない交通機関、飲食店、アクティビティ、土産物店など、加盟店のみで使用できます。ちなみに店舗が登録さえしていれば、コンビニエンスストアやドラッグストア、アパレルショップやリラクゼーション施設も対象になるので、想像以上に金券としての利用価値大。
1枚1,000円単位でおつりは出ないので、地域共通クーポンと硬貨を組み合わせて損がないように使い切るのが得するポイント。紙クーポンと電子クーポンがあり、それぞれ受け取り方法や使い方が異なります。さらに宿泊予約サイトや旅行会社でも紙クーポンか電子クーポンが異なる場合があり、どちらかに当たるかで受け取り方法も異なる特殊さも面倒でした。再開時には受け取り方も少し改善してくれるといいなあと思います。
紙クーポン
ぱっと見、金券。商品券と同じ感覚で使えるものの、紙クーポン採用の宿泊予約サイトや宿泊施設の公式サイトで予約した場合、ホテルや旅館のチェックイン時にもらえ、家に到着するまでしか使用できません。旅行会社の窓口でツアーを購入した場合は前もって紙クーポンがもらえるので、旅行当日の朝から使えるという不平等さも併せ持つクーポンです。
電子クーポン
電子クーポンはスマートフォンがない人は使えないことや、そもそも紙クーポンより導入されている店が少ないという欠点があり不評、電子クーポンをとりいれたものの、結局紙クーポンに鞍替えしたなんていう宿泊予約サイトもありました。旅館やホテルのチェックイン時に合わせ、15時にならないと使えず、初日のランチには使えません。そうそう。今思えば懐かしい、クーポン受領詐欺(クーポンを受け取って、宿泊しない)が増えた結果、電子クーポンにはSMS認証が取り入れたり、全国停止になるまで色々あったことを思い出します…。
GoToトラベルキャンペーン支援額には限度がある
「地域共通クーポンと合わせたとしても半額支援はうれしい。家族そろって100万円のツアーを予約しよう!」ですって?
ちょっと待ってください!
支援は税金から支払われています。つまり無限ではないのです。
旧GoToトラベルキャンペーンの支援例は以下。
例:伊豆へ1泊2日の旅行をした!合計金額は1人15,000円=支援額は7,500円
例:京都へ1泊2日の旅行をした!合計金額は1人40,000円=支援額は20,000円
旧GoToトラベルキャンペーンが高級ホテルや旅館に有利であり、価格帯の安い宿泊施設に予約が入らない制度だと言われているのは「せっかくなら上限の1泊1人2万円まで支援を受けたい」という心理が働くから。
そのため、再開する場合は、上限を下げる検討がされていることは、停止された時から時々報道されてきました。いや、もともとチープな宿にしか泊まれない筆者にとってはどちらでもいいんですけどね(笑)。
新GoToトラベルキャンペーンの支援額
〇新GoToトラベルキャンペーン:国内旅行を対象に宿泊・日帰り旅行代金の30%相当額割引+クーポンで支援
〇新GoToトラベルキャンペーン:支援額の30%は旅行代金の割引+地域共通クーポン(平日1000円×3、休日1000×1で支援
〇新GoToトラベルキャンペーン:交通付き(ツアーなど):10,000円(クーポン別)/宿泊のみ: 7,000円(クーポン別)
GoToトラベルに予約回数制限はナシ。ただし泊数制限アリ
GoToトラベルキャンペーンの1泊の支援金額には上限はありますが、予約回数には限度がありません。また、事業開始当初は泊数も制限がありませんでしたが、2020年11月には1度の対象旅行で予約ができるのは、7泊以下と泊数制限が設けられました。
理由は8泊以上のGoToトラベルキャンペーン対象旅行の大多数が、ビジネス客利用であり「観光目的での宿泊がごく少数」だったという利用実態を踏まえての結果です。
しかし中にはGoToトラベルキャンペーンの割引を最大限に使った「日本一周」ツアーを企画していた旅行会社もあり、突然の変更に衝撃が走りました。
ただ確かに「レジャーのための国内ツアー」の場合は確かに7日以上のものはなかなか見かけない上に、それこそ日本1周、九州1周、北海道1周……のようなものでなければ必要はないのかもしれません。
乳児・幼児・子供も大人一人と同カウント!家族旅行がお得!
2020年で停止したままのGoToトラベルキャンペーンが、家族にモテモテだったのことをご存知でしょうか?
それは!1泊1人上限2万円で旅費の35%の割引と、15%分の地域共通クーポンは子ども・乳児とも大人と同じ扱いだったということ。大人と同じ扱いで援助が受けられるのです。
安いツアーの中には子ども料金を設定していないものもあり、損した気分ですが、子ども・乳児分の支援は大人と同額で、とてもお得。大人と同額の割引援助が適用されます。
また、2022年に再開が予定されている新GoToトラベルも、子供料金が設定されていて、対象額に達していれば、大人同様の支援を受けられます。
GoToトラベルキャンペーンはいつから復活?
政府は年明けにGoToトラベルキャンペーン再開日時を判断します。
岸田総理大臣や、斉藤国土交通大臣は「慎重に慎重を期して」という言葉とともに、年末年始の人流の拡大による新型コロナウィルスの感染拡大状況、オミクロン株の状況を把握し、年始に決定するとしています。
目安は1月後半から2月。
新年から目が離せませんね!
新たな「GoToトラベルキャンペーン」の情報は入り次第、たびハピでも最新情報をお届けしますね!
GoToトラベル事業はすでに始まっている
政府はGoToトラベルを全国規模のものは停止しているものの、開始するまでの間はGoToトラベル事業の予算から県内旅行割引(県民割など)の支援をしています。政府はこれも、GoToトラベルキャンペーンの一環だとしており、観光庁の資料にも掲載しています。
たとえば「大阪いらっしゃいキャンペーン」や「地元かながわ再発見」など県内・府内・道内旅行が11月ごろから活発になり、準備ができた県から同じエリア(例:東北地方など)の県に拡げていくことも政府は明言しています。
公式サイトからはとりづらい自治体も多いようですが、全国規模のGoToトラベル同様、旅行予約サイトや旅行会社が参加している場合も多いので、要チェック。