バンクイック 基礎知識 銀行カードローン

バンクイックは総量規制の対象になる?他社借入の影響と審査通過のポイント

バンクイック総量規制アイキャッチ

三菱UFJ銀行が提供しているカードローン「バンクイック」は、銀行カードローンとして「金利年1.8%〜14.6%」「最高500万円の利用限度額」など低金利かつ利用限度額の高さを実現しており、人気を集めています。

しかし、高額の借り入れを行う場合に考える必要があるのが総量規制です。

この記事では、バンクイックの借り入れは「総量規制の対象になるかどうか」の解説や、総量規制の概要とバンクイックの審査を通過するポイントなどを解説します。

監修者の解説

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金子賢司(かねこけんじ)/ファイナンシャルプランナー

総量規制は消費者金融系、信販系のカードローンに適用される規制で、三菱UFJ銀行のような銀行は対象ではありません。ただし銀行も、貸したお金が返ってこないと大きな損失を被るため、申込人の返済能力を厳格にチェックする必要があります。
したがってバンクイックは年収3分の1を超える借り入れができないといった、明確な基準はありませんが、これに準ずる規制を自主的に設けていると考えられます。

バンクイックの借り入れは総量規制の対象になる?

そもそも「バンクイック」の借り入れが「総量規制」の対象になるのか知りたい方に向けて、以下で解説します。

銀行カードローンは総量規制の対象外

銀行は個人や法人に対する融資を行っていますが、貸金業者ではありません。

あくまで総量規制が定義されている貸金業法の対象は、貸金業者のみであるため、バンクイックなどの銀行カードローンは総量規制の対象外です。

審査を行う際に提出する収入証明書などで、安定した収入・返済能力が認められれば、希望する金額を借りられる可能性があります。

自主規制を取り入れる銀行もある

三菱UFJ銀行は、バンクイックの審査基準を明らかにしていません。

実際には総量規制を意識しながら、自主規制を取り入れている可能性は十分に考えられます。

「総量規制」導入初期の頃に、消費者金融カードローンの代わりに銀行カードローンによる貸し付けが急増しました。この出来事から、銀行の過剰貸付が社会問題化したのです。

この問題に対して、金融庁からもメスが入り、銀行でも「貸金業法上の年収証明書の取得基準と同水準以上の基準を設定」「約9割の銀行が融資上限枠を設定」という体制に移行しました。

バンクイックでも50万円超の利用限度額を希望する場合に、収入証明書のコピー提出を求めています。この例から、バンクイックでも自主的に規制を取り入れている可能性もあるのです。

そもそも総量規制とは?

2006年12月に新しく導入された「総量規制」ですが、具体的にどのようなものでしょうか?

以下で、「総量規制」の概要と対象になる貸し付けについて詳細に説明します。

総量規制の概要

総量規制は、貸金業法に定められた「借り入れは年収の3分の1まで」とする規制のことです。

カードローンの申し込みがあった際に「返済能力を超える貸し付け」にあたるかどうかを判断する基準の1つとして貸金業法に導入されました。

例えば新たにカードローンを申し込んだものの、既に他社から借り入れている金額をあわせた借入残高の合計が年収の3分の1を超えている場合には、総量規制に則って新たな申し込みに応じられません。

対象になる貸し付け

貸金業法とは、「貸金業者」を規制する法律です。貸金業者とは、消費者金融やクレジットカード会社を指しています。

信用金庫、信用組合や労働金庫を含む、いわゆる銀行は貸金業者ではありません。

そのため銀行が取り扱っているローンは、総量規制の対象外です。

そのほか、「対象になるもの・ならないもの」は以下のとおりです。

■総量規制の対象になるもの
・クレジットカードのキャッシング枠
・貸金業者の「個人」を対象とする貸し付け

■総量規制の対象にならないもの
・クレジットカードのショッピング枠
・「法人」を対象とする貸し付け

総量規制をオーバーするとどうなる?

総量規制は、借金できる金額を年収に応じて制限しているため、原則としてそもそも総量規制をオーバーできません。

総量規制を超えた借り入れを行うには、総量規制の対象外となる貸し付けである必要があります。

対象外となる貸し付けには具体的には、以下が挙げられるため覚えておきましょう。

貸付内容備考
銀行や信用金庫などからの
借り入れ
自主規制を行っており、
借りられない可能性あり
除外貸付住宅ローン・自動車ローン・医療費など
必然的に高額な金額になる借り入れ
例外貸付おまとめローンなど借入側が
有利な借り換え

バンクイックの基本情報

ここまで、「総量規制」の概要と対象になる貸し付けなどを解説しました。

次に、三菱UFJ銀行が提供するカードローン「バンクイック」の基本情報を解説します。

申込条件

「バンクイック」の申込条件は以下のように定義されています。

バンクイックの申込条件

  1. 年齢が満20歳以上65歳未満の国内に居住する個人で、保証会社(アコム株式会社)の保証を受けられる方
  2. 原則安定した収入がある方

※すべての条件を満たす必要があります。

※日本国籍以外の方は永住許可を受けている方が対象となります。

「新たに口座を開設するのが面倒」と感じるかもしれませんが、三菱UFJ銀行の普通預金口座を所持していなくても、「バンクイック」の申し込みは可能です。

三菱UFJ銀行と保証会社アコムの審査通過が必要

バンクイックにおけるカードローン審査は「三菱UFJ銀行」と保証会社である「アコム」の2段階で審査が行われます。

消費者金融と比較して、審査フローが増えることから、審査は比較的厳しいといえるでしょう。

銀行カードローンで基本的に設定している「保証会社」ですが、以下の役割があります。

審査業務

バンクイックの場合、三菱UFJ銀行だけではなく、保証会社であるアコムも審査を行うことになります。そのため、アコムの判断によっては、バンクイックの利用が叶わないことがあるのです。

保証業務

保証とは、利用者が長期の延滞をした場合に、利用者に代わって返済を立て替えることを指します。これを「代位弁済」と呼んでいます。

保証会社はできれば代位弁済をしないで済むように、審査の際に返済能力が十分にあるかを調べます。

このように審査業務と保証業務は密接に繋がっており、審査業務を厳しく行うことで保証業務の負担を軽減できるのです。

重視されるのは返済能力

バンクイックの審査で重要視される点として大きなウェイトを占めるのが「返済能力」です。

一言で「返済能力」と表現しても、単に年収が高いという視点だけでは評価されません。

「過去に延滞した履歴がないか」「安定した収入を得られているか」など、さまざまなチェック項目をクリアして融資を受けられることを頭に入れておきましょう。

他社借入がある場合の審査への影響

バンクイックの申し込みを検討しているが、他社の借り入れがあるため不安に感じている方に向けて、他社借入がある場合の審査の影響について紹介します。

返済負担率が高いと審査は不利になる

他社借入があるということは、バンクイックで融資を受けられたとしても返済負担が増えることになります。毎月の返済額が増えるほど、延滞につながる可能性が上がるため、審査はどうしても不利になるでしょう。

これはバンクイックの審査に限らず、収入に対する借入割合が大きくなるほど、住宅ローンや自動車ローンなど、大きな金額を取り扱う審査に通りにくくなります。

信用情報に問題があると審査通過は難しい

信用情報とは、ローン・クレジットカードの契約に関する情報のことで、客観的な取引履歴を記録したものです。カードローンを提供する会社では、契約者の信用情報を特に重視しています。

過去に何度も延滞などがあると、信用情報に記録されてしまい、カードローンの審査に通らないことがあります。そのほか、債務整理などの経験がある場合は、審査を通過する可能性は低いでしょう。

利用限度額が低くなる可能性がある

カードローンの審査を通過したとしても、借入金額が希望どおりになるとは限りません。

返済能力があるか否かを問われるため、申込者の年収やそのほかの借入状況などを審査した結果、滞りなく返済可能な金額に抑えられる可能性があります。

希望どおりの金額を借り入れできなかった場合、ほかの借入金の完済にフォーカスしましょう。

新規の借り入れは滞りなく返済して、利用実績を積んだうえで、期間を空けて増額申込を行うと希望する利用限度額になる可能性が上がります。

バンクイックの審査に通過するポイント

バンクイックの審査を通過するために、どのようなことを事前に意識すべきか知りたい方に向けて、以下で審査通過のポイントを紹介します。

申込条件を満たす

申込条件を満たしていることが必須となります。申込条件の中でも特に重要なポイントが「安定収入」です。

安定収入があると判断されるには、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 借り入れを申し込む方が働いていること
  • 定期的に収入を受け取っていること
  • 収入額が毎月安定していること(収入のブレが大きすぎないこと)

一般的な会社員・派遣社員の方であれば、問題になることは基本的にありません。

「お借入診断」で返済能力を確認する

「申込条件は当てはまるものの、申し込みできる返済能力があるか不安」と思う方は、バンクイックの公式サイトにある「お借入診断」を試してみてください。

下記で挙げる3つの項目を入力するだけで、利用できるかどうか簡易審査が可能です。

入力する項目

  • 年齢
  • 年収
  • 他社の借入状況

難しい項目はないため、気軽に診断できるでしょう。

申告内容にミスや誤りをなくす

バンクイックの審査は、申込時の入力情報が審査を行ううえでの材料になります。

「年収」「勤務先」「住居形態」など、さまざまな情報に回答する必要がありますが、申告した内容に入力ミスや誤りがあると、審査に影響してしまう可能性があります。

すべての質問に回答した後は、ミスがないかを最後にチェックしたうえで、提出しましょう。

提出書類の不備をなくす

バンクイックの場合、借入希望額が50万円を超える場合には「収入証明書」が必要になるほか、電話での在籍確認を「書類提出」に切り替えた場合には、会社に在籍していることを証明する書類の提出が必要です。

これら提出書類に不備があった場合には、審査通過するまでの時間が長引くことになってしまいます。

特に土日祝の申し込みで書類不備があった場合、勤めている会社が休みであれば書類の取り寄せを平日まで待たなくてはなりません。

提出書類に不備がないかを確認して、スムーズに審査を進めましょう。

他社の借入総額や件数をできるだけ減らしておく

他社の借入総額と件数が複数ある場合には、返済負担が高いことから延滞につながる可能性があります。

バンクイックの審査において、他社借入があることはマイナス評価になってしまうため、申込前にできるだけ残高や件数を減らしておくことが懸命です。

借入希望額を抑える

借入希望額が高いほど、貸し倒れが発生した場合の保証会社の損失が大きくなります。

大きな借入額であるほど、アコムがリスクを背負っているため、借入額が低ければ審査に通りやすくなるでしょう。

できるかぎり希望額を低く設定するのがおすすめです。

バンクイックの自主規制で審査が不安なときの対処法

前述したように、バンクイックをはじめとする銀行カードローンは総量規制の対象外。しかし、「過剰な宣伝や勧誘を行わない」「貸出後も利用者のチェックを怠らない」など、改正貸金業法の考えに沿った自主規制を取り入れています。

自主規制が導入されて、審査に通過できるか不安だと感じる方に向けて、以下で具体的な対処法を紹介します。

「お借入診断」を試してみる

自分の年齢・年収・他社の借入状況で審査に通るのか不安である場合には、10秒借入診断を試してみましょう。

審査基準は、基本的に各カードローン会社それぞれで異なりますが、10秒借入診断で「申込可能か」の基準を測ることが可能です。

利用中カードローンの増額を試してみる

現在契約しているカードローンの利用期間が長期で、毎月の返済も問題なく行えている場合には「増額」も検討してみましょう。

増額手続きには以下のメリットがあります。

増額のメリット

■金利が低くなる可能性がある

(利用可能枠が広く取られているほど、金利が低く設定される)

■新規申込時よりも審査時間が短くなる

(カード発行・本人確認書類提出・勤務先への在籍確認などを新たにする必要がない)

■借入金の管理が楽になる

(返済日が複数になるなど、返済手続きの複雑化を防ぐ)

総量規制の対象外のおまとめローンを検討する

現在、複数社から借り入れを行っている状態から、完済に向けて進んでいきたい方には、おまとめローンがおすすめです。

おまとめローンとは数社からの借り入れを一本化して、「金利を下げる」「返済手続きの簡略化」「信用情報の整理」などのメリットを受けられる商品のことを指します。

ただし、基本的に返済が目的であるため、追加での融資ができないことを頭に入れておきましょう。

おまとめローンは、総量規制の対象外に当たる「例外貸付」に該当します。そのため借入残高が年収の3分の1を超えても、おまとめが可能です。

バンクイックの総量規制に関するよくある質問

最後に、バンクイックにおける総量規制に関連する疑問について、以下で解説します。

総量規制に抵触していないかどうやって調べる?

利用中の各カードローンに問い合わせをして、現時点での借入残高を合計することから始めましょう。

借入残高の合計が年収の3分の1以内であれば、総量規制には抵触しません。

消費者金融では、利用者の借入状況を定期的にチェックしていますので、総量規制に抵触すると、追加の借り入れはできなくなります。

アコムとバンクイックの審査の基準は同じなの?

審査するのがどちらもアコムであっても、同じ審査基準で審査が行われるわけではありません。カードローンの審査基準は、会社や商品によって異なります。

バンクイックの審査に落ちたらアコムの審査にも落ちる、またはアコムの審査に通ったからバンクイックにも通るとは言い切れませんので注意してください。

バンクイックの審査回答までの時間はどれくらい?

バンクイックの審査回答までの時間は、最短で即日回答となっています。

土日祝でも審査回答が届く点は大きな強みですが、審査結果が分かってもすぐに融資できるわけではありません。

また、警察庁データベース照会が土日祝の場合は翌営業日以降になるため、即日での融資はできないことを頭に入れておきましょう。

バンクイックの総量規制まとめ

この記事では、総量規制の概要からバンクイックの基本情報、審査を通過するポイントなどを総合的に解説してきました。

銀行カードローンである「バンクイック」は、基本的に総量規制の対象外ですが、自主規制の流れもあるため知識として頭に入れておくべきでしょう。

審査を通過するために、事前に対策しておくべきポイントを整理して進めることが大切です。

この記事の監修者

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金子賢司(かねこけんじ)
東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、金融に興味を持ち、資産運用やローンなどの勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
保有資格:CFP

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