引越しには大量の不用品が出るとわかっていても処分費用の目安がわからない、そのせいで漠然とした不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。知識があいまいなままで不用品回収を依頼してしまうと、損をしてしまう可能性があるので注意が必要です。この記事では、不用品の回収方法や費用の目安、お得な手放し方などをご紹介します。ご自身に適した方法を見つけて、低コストで不用品回収をしてもらいましょう。
目次
不用品回収の方法は4種類
不用品回収の方法は、大きく分けて以下の3つがあります。
【不用品回収の方法】
- 引越し業者に依頼
- 不用品回収業者に依頼
- 自治体の不用品回収サービスを利用
引越し業者に依頼
引越し業者のなかには、オプションで不用品の引き取りサービスを実施している企業も少なくありません。特定の家電だけ引き取ってもらえたり、リサイクルショップと提携して不用品を丸ごと回収してもらえたりします。注意点は、どの業者も行っているサービスではないため、必ず事前に申し込みが必要なことです。
引越し業者に依頼した場合の費用相場
引越し業者に依頼する際の費用はさまざまな条件によって変わるため、「いくらくらい」という相場を示すのが難しいところです。一般的に、引越し業者が回収対象としている家電リサイクル法に該当する品目には、1点ごとに「法律で決められたリサイクル料金」に加えて「各社独自の手数料」として数千円の費用がかかります。
例えば、リサイクル料金が3,740円の冷蔵庫を回収してもらうとすると、そこに数千円の手数料が上乗せになるため、約7,000円の回収料金が掛かる計算です。一部の業者には不用品の買い取りサービスもあり、うまく利用できれば引越し代金の支出を軽減できます。
不用品回収業者に依頼
民間の不用品回収の専門業者に依頼するのも一般的な方法です。業者のホームページやポータルサイトから依頼し、見積もりを出してもらいます。その際、回収したいものの情報を全て伝えることが必要です。申告忘れがあると、回収当日に追加料金が発生するかもしれません。
あらかじめ回収希望リストを作り、サイズや折り畳みが可能かなど細かい情報をメモしておきましょう。見積もりは複数社に依頼し、引き取りの条件だけでなく、電話対応の印象も依頼の判断材料とします。
不用品回収業者に依頼した場合の費用相場
不用品回収業者に依頼する際の目安は、軽トラックで済む量なら10,000円~18,000円、2トントラックで運ぶなら30,000円~40,000円が相場です。しかし、条件によっては相場が上下することは十分考えられます。
個人経営の回収業者だと比較的安く請け負ってくれる半面、運び出しに住居人の手伝いが必要なことがあります。また、住んでいる階層やエレベーターの有無によって、階が上がるごとに割増料金が掛かることもあるので注意してください。さらに、依頼先が居住地から遠い場合は輸送費が高くなる可能性もあります。
ほとんどの業者も見積もりは無料です。早めに問い合わせてしっかり吟味しましょう。
自治体の不用品回収サービスを利用
自治体の不用品(粗大ゴミ)の回収サービスも積極的に利用したい方法です。粗大ゴミの定義は自治体によって多少異なりますが、一般的には一辺が30㎝以上のゴミを指します。自治体では、「家電リサイクル法の対象品」「事業の粗大ゴミ」などは回収の対象になっていません。また、一辺が180㎝以上のものは180㎝以下になるよう、解体してから回収してもらいます。
粗大ゴミの収集は原則として有料ですが、生活保護世帯、医療福祉手当の受給世帯、ひとり親世帯などは収集料金が免除されるケースもあります。各自治体の粗大ゴミ回収センターにお問い合わせください。
自治体の不用品回収サービスを利用した場合の費用相場
東京都渋谷区と大阪府大阪市の回収費用の相場を比較したのがこちらです。
東京都渋谷区の費用 | 大阪府大阪市の費用 | |
加湿器 | 400円 | 200円 |
衣装ケース | 400円 | 200円 |
ソファー(二人掛け以上) | 2,000円 | 1,000円 |
ふとん | 400円 | 200円 |
自転車 | 400円~800円 | 400円 |
電子レンジ | 400円 | 400円 |
空気清浄機 | 400円 | 200円 |
チャイルドシート | 400円 | 200円 |
東京と大阪で比較すると、東京の不用品回収費用は大阪の2倍ほど高いことがわかります。大都市を比較しても差が出るため、費用相場をひとくくりにはできません。お住いの自治体のホームページやパンフレットなどで個別に確認してください。
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不用品回収をしてくれる引越し業者5選
【不用品を回収してくれる引越し業者】
- サカイ引越センター
- アーク引越センター
- 日本通運
- アップル引越センター
- アリさんマークの引越社
不用品回収をしてくれる引越し業者は限られていますが、なかでも大手の業者を5つご紹介します。
サカイ引越センター
サカイ引越センターには不用品の処分方法として、「不用品回収」と「不用品買い取り」の2つのサービスがあります。有料で家電リサイクルのほか、不用家具やピアノの回収・処分も引き受けてくれます。他社よりも回収できる不用品の範囲が広く、融通が利きやすい印象です。
さらに、サカイグループとしてリサイクルショップの運営もしているため、不用品買い取りにも力を入れています。LINEの友達登録で見積もりができるため、便利で手軽に利用できます。
アーク引越センター
アーク引越センターも幅広く不用品処分に対応している引越し業者として優秀です。アーク引越センターでも「不用品回収」と「不用品買い取り」を行っています。不用品回収は家電リサイクル法の対象4品目のみですが、充実しているのは不用品買い取りです。無料の段ボール5箱分までの不用品のほか、ピアノの買い取りも依頼できます。
注意したいのは、フランチャイズ店においては家電リサイクル4品目も回収の対象外であることです。見積もり時に必ず確認してください。
日本通運
日本通運は粗大ゴミとして扱われる大型家具の回収相談に応じてくれるのが特徴です。原則は自治体の粗大ゴミ回収の利用を推奨していますが、自治体での回収が間に合わないなどの際に心強い味方となります。ただし、対象となるのは大型家具のほとんどで、自転車や生ゴミは回収できません。
家電リサイクルにも対応しているため、利用したい場合は必ず事前に相談してください。
アップル引越センター
アップル引越センターは粗大ゴミの処分に悩むユーザー目線に立ったサービスが特徴です。大手のリサイクル会社と提携し、積極的な不用品買い取りを実施しています。買値がつかなかった品物も引き取ってくれるため、不用品回収へのストレスがほとんどなくなるでしょう。
引き取りの見積もりは電話やオンラインではなく、引越しの見積もり時か引越し当日に査定されます。引越し依頼はネットで完了しますが、不用品の引き取りを依頼したい際は必ず直接相談してください。
アリさんマークの引越社
アリさんマークの引越社では、家電リサイクル4品目のみ、有料での回収を行っています。不用品買い取りはアリさんマークの引越社が直接行っているわけではありません。買い取り処分を依頼するには、アリさんマークの引越社が運営している引越し情報サイト「Junvie」内で、不用品買い取りをしてくれる業者に連絡を取る方法があります。Junvieは痒いところに手が届く引越しのノウハウが詰まっているため、引越し情報誌として有益です。
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引越し業者と不用品回収業者の違い
不用品回収を引越し業者か不用品回収業者か、どちらに頼むか迷うようなら「不用品の種類と量」で判断しましょう。引越し業者では回収できる不用品の種類が限られていることが多く、断られてしまうことがわかっている内容であれば、専門の回収業者に依頼した方がスムーズです。
引越し業者に回収を依頼した場合のメリット・デメリット
【引越し業者に回収を依頼した場合のメリット】
- ワンストップで引越し作業と不用品処分ができる
引越し業者に不用品回収を依頼すると、不用品の買い取りや引き取り作業を引越し業者が手配してくれるため、依頼者は先方からの連絡を待つだけです。不用品の処分で頭を悩ませることなく荷造りに集中できるので、片付けがはかどります。
【引越し業者に回収を依頼した場合のデメリット】
- 回収を請け負う引越し業者が限られる
- 引き取り品が限られる
デメリットは、不用品回収や買い取りを請け負ってくれる業者が限られていることです。さらに、引き取ってもらえる品の多くは「家電リサイクル法の対象品」であり、不用品なら何でも可とはいきません(一部業者を除く)。結果として、衣装ケースや物干し竿などの不用品が大量にある場合は、不用品回収業者に依頼するのが望ましいでしょう。
不用品回収業者に依頼した場合のメリット・デメリット
【不用品回収業者に回収を依頼した場合のメリット】
- ほとんどの品物を引き取ってくれる
- 一度に大量に処分できる
回収業者は、生ゴミや危険物など特定の品以外、ほとんどの不用品を引き取ってくれます。軽トラックや2トントラックなどに積めるだけ積んでくれるので、一度の依頼で大量の不用品を処分できるのです。引越しまで時間がない場合やあまりに多くの不用品が出たときは、引越し業者ではなく不用品回収業者に依頼した方が良いでしょう。
【不用品回収業者に回収を依頼した場合のデメリット】
- 無許可営業の業者が多い
- トラブルになることもある
不用品回収には「一般廃棄物運搬許可」を受けた回収業者でなければいけませんが、無許可で作業を行っている違法業者が後を絶ちません。違法業者によるトラブルに巻き込まれると、「相場より高い金額を請求された」「不用品以外の家具などに傷がついた」など、利用者が泣き寝入りをするしかない事態となりかねないので注意が必要です。
不用品回収を依頼する際の注意点
【不用品回収を依頼する際の注意点】
- リサイクル法に注意
- 自治体に依頼する場合はルールをよく理解する
- 会主無料を謳っている業者には注意
- 引越しギリギリに依頼をかけない
不用品回収は手軽に申し込めるサービスだからこそ気をつけたい点もあります。不用品回収を依頼する際の注意点について見ていきましょう。
リサイクル法に注意
家電リサイクル法は、埋め立てる廃棄家電の量を減らし、家電に含まれる資源を再利用するために整備された制度です。また、悪徳業者による家電の不法投棄を防ぐ目的もあります。リサイクル料金として購入する「家電リサイクル券」には問い合わせ番号が記載されるため、廃棄した家電が適正に処分されたかの確認が可能です。
対象となるのは「テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ)」「エアコン」「冷蔵庫・冷凍庫」「洗濯機・衣類乾燥機」の4点です。料金は各メーカーによって異なるのでご注意ください。回収方法には、電器屋さんに依頼する、指定引き取り場所に持ち込む、自治体の委託業者に引き取ってもらう方法があります。
家電リサイクル法の対象品は粗大ゴミとして捨てることができません。必ず有料での処分、回収が必要となります。
自治体に依頼する場合はルールをよく理解する
不用品を自治体に依頼して回収してもらう場合、各自治体によって細かくルールが設定されているため、逐一確認しなければなりません。例えば、神奈川県横浜市ではインターネット受け付けは収集日の7日前まで、一度の申し込み数は最大9点までと決められています。一方、茨城県つくば市では、インターネット受け付けは収集日の5日前まで、最大申込数は5点までです。
また、処理費用も自治体により異なるため、居住地ごとによく確認してください。
回収無料を謳っている業者には注意
一般家庭の不用品回収には、「一般廃棄物処理業許可」が必要です。許可のない業者(例えば「産業廃棄物処理業許可」「古物商の許可」など)が不用品回収を行うと、重大な法律違反となります。特に、無料回収を謳う業者のなかには無許可で不用品回収を行っているところも多く、「無料と言われたのに後から高額請求された」などのトラブルも頻発しています。
無許可の業者は回収品を適正に処分しない、不法投棄による環境破壊や火災があるといった報告例もあります。不用品回収を依頼する際は、必ず「一般廃棄物処理業許可」を得た業者にしましょう。
引越しギリギリで依頼をしない
引越し間際での回収依頼は避けたいところです。あまりに直前だと断られたり、繁忙期の場合は回収費用が割増しになったりするためです。大量の不用品回収が引越し当日に間に合わなければ、引越し作業がスムーズにいかないばかりか、迫る退去日との板挟みになり、多大なストレスの原因となりかねません。
不用品回収業者は引越し業者より日程の都合がつきやすく、処分のスケジュールも立てやすいのが特徴です。しかし、繁忙期だと希望に添えないケースもあります。少しでも効率よく引越し作業を進めたいのなら、時間に余裕を持った依頼をしてください。
まとめ
引越しの片付けで出る不用品の回収方法は、「引越し業者に依頼」「不用品回収業者に依頼」「自治体の不用品回収サービスに依頼」「不用品買い取りサービスを利用」の4つが挙げられます。
引越し業者で不用品回収をしてくれるところは限られているため、不用品の量が多い場合は専門の回収業者に依頼するのが無難です。最も安く済ませる方法は自治体に回収を依頼することですが、各自治体によって費用やルールが異なるため、必ず確認してください。
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