タイの名門ホテル、デュシタニ(Dusit Thani)が日本初進出。その舞台は京都となりました。
私を含め、タイを何度も訪れている方は「えっ!?あのデュシタニが何故京都に??」と興味津々。タイを訪れた事の無い方にとっては、「デュシタニってなんぞや?」と思われる事でしょう。
2023年11月に紅葉が見頃を迎えた京都での滞在に選んだのは、同年9月にオープンしたばかりの「デュシタニ京都」。その魅力を余すことなくお伝えします。
目次
デュシタニホテルとは??
デュシタニはタイ語で“天国の街”という意味を持ちます。
運営はデュシット・インターナショナル。タイに本社を置き、タイ本国を中心に様々な形態のホテルブランドを展開しております。現地やタイ好き界隈で、タイのホテルブランドといえば真っ先に名前が上がる程の存在。
現在は建て替え工事中ですが、バンコクのデュシタニはタイの老舗名門ホテルとして知られておりました。
タイ以外では東南アジアや中東エリアにも進出しています。
タイらしさを強く感じるデュシタニホテルが、日本文化の象徴的存在の京都に…。
タイも京都も大好きな私。これはもう、泊まってみるしかありません♪
立地は京都駅前エリア
デュシタニ京都は京都駅烏丸口前から徒歩15分ほどの、植柳小学校跡地に建てられました。
東本願寺・西本願寺という有名なお寺の中間に位置しているものの、正直に言うと地下鉄駅からも遠いし観光客にとってはあまり訪れる事の無いエリア。
周辺は静かな住宅街、飲食店もほとんど見当たらないのですが…ホテル近くには古の京都を感じる、仏具を販売する町屋が立ち並ぶ通りがあり、堀川通りを渡ると京都最大級の寺院、西本願寺。
華やかな京都の観光エリアからは外れますが、十分に京都に居る事を実感出来る立地です。
ホテルへのアクセスは、駅近エリアではないので注意が必要。
JR京都駅からは、タクシーで600円程度ですので積極的に利用したいところですが…コロナ禍が明け観光客急増の京都、タクシーがなかなか捕まらない時間帯もあります。
そんな時はバスを活用しましょう。京都駅前のバス乗り場より、50番路線に乗れば約10分、3つ目の停留所の西洞院正面停がホテルの目の前です。
本数は1時間に3~4本ですが、京都駅からは始発ですので時間も正確。ただオンシーズンの週末はとっても混むので、スーツケースをお持ちの方はタクシーが良さそう。
ホテルから市内の観光地に出向く場合は、同じく50番バスに乗車して二条城前で下車。地下鉄に乗り換える方法もあります。少し歩きますが、堀川通りの方がバス路線も多いのでそちらも活用したいところです。
まぁ、私はシェアサイクルPIPPAで縦横無尽に市内を疾走していましたが(笑)。ホテル最寄りの駐輪場は空きが無い事も多かったです。
デシュシタニ京都にチェクイン
ホテルは敷地いっぱいに建てられております。京都らしく周囲の環境に配慮された、町屋を意識した外観。
4階建てですが、階層によって格子の高さを変えている様子に工夫が伺えます。単調な木格子の外観が表情豊かに見えるんですよね。
京都の新・ラグジュアリー空間
控えめながら高級感のあるエントランスと車寄せは、建物内部に入り込んでおります。
スーツケースを引いた私達を見て、すぐにスタッフが駆け寄り館内へ案内してくれました。
自動ドアが開くと、正面にとっても印象的なオブジェがお出迎え。
山のような・仏塔のような不思議なフォルムのてっぺんに斬新で美しい生け花が。
そして、館内に入った瞬間体を包み込む良い香り♪
ホテルロビーのアロマは高級ホテルでは珍しくありませんが…こちらの香りはとっても自分好みでした。 今でもデュシタニ京都といったら、ロビーに入る瞬間が真っ先に思い浮かぶほど。
エントランス左手にロビー。面積はそう広くないものの、高い天井と素敵な造作で、京都の最新高級ホテルに来た事を実感します。天井から垂れ下がる青いリボンのアートワークは、京都とタイにちなんだものだそう。
デュシタニ京都はタイ発のブランドだけに“京都とタイの融合”がデザインテーマらしいのですが、全体から感じる印象はほぼ京都寄り、最新和モダンテイストです。
ロビーに置かれた家具類も高級感たっぷり。画像や映像で予習した時より、実際に身を置いた方がずっと質感の高い空間だと思いました。
ロビー横にはコンシェルジュデスクと、レセプションが並んでおります。
ゆったりとしたチェアに腰かけてチェックイン。ウェルカムドリンクは冷やし飴。
11月なのでホットバージョンです。少し生姜の効いた、優しい甘さが体に染み渡ります。
デュシタニ京都の多彩なダイニング施設
館内やデュシタニホテルブランドの説明を受けたのち、スタッフに案内され客室へ向かいます…が、その前にパブリックエリアのご案内。コンパクトに見える外観からは想像出来ないほどの、多彩な施設が揃っております。
まずは1階ロビーを奥に進むとホテルブティック。
タイの寺院遺跡の、窓の格子を巨大化させたような柱が立ち並んでおります。
こちらが一番タイテイストを感じる内装ですが、不思議と和モダンな空間に馴染んでおります。
商品は少ないですが、お香や器などセンスの良い物が置かれていました。
さらに奥へ進むと、ティーラウンジの「ザ・ギャラリー」。アフタヌーンティーはこちらで提供されるようです。
道路に面しており、昼間は窓から光が差し込み明るい雰囲気。
ザ・ギャラリーの向かいには、京都産のお茶を提供する「ティーサロン」。
上質かつ繊細な日本間の上部に、ブロンズ調の格子が垂れ下がる印象的なデザイン。
ただの和モダンで終わらない面白さがありますね。
地下にも中庭・ダイニング
ロビーからは、自然と地下1階へ導かれるような位置にエスカレーターがあります。
エスカレーターを下りると、中庭を取り囲むようにダイニングが並びます。
まずはエスカレーターを下りてすぐの所に、タイ料理の『アヤタナ』。
中庭に出てみます。四方を建物に囲まれているので、明るく広々というわけではありませんが…しっかりとした造園です。
紅葉の時期でしたが木々は青々…あまり光が差し込まないので、モミジは植えていないかな?。
アヤタナはエスカレーターを降りてすぐ左手が入口ですが、その他のダイニングは中庭を通ってアクセスします。
あいにく営業時間外でガラス越しの撮影ですが…バーの「Den Kyoto」はとってもゴージャスなインテリア!
中庭の一番奥には、和食の「紅葉」と、タイスイーツを提供する「Kati」(現在休業中)の入口。
まぁ、お高いのでなかなか利用する機会がありませんが…豪華な内装のホテルダイニングは見ているだけでも気分が上がります。ホテルの雰囲気が華やかになりますよね~。
セキュリティもバッチリ!デュシタニ京都の客室フロア
チェックイン後、スタッフに案内され客室に向かいます。
お昼にロビーで預けた荷物は、既にお部屋に運ばれている様子。
2~4階の客室フロアのエレベーターホールです。床置きのオブジェが高級感ありますね~。
エレベーター内も、カードキーをかざさないと客室フロアに行けませんが…
フロア入口にもうひとつ、カードキーで開ける自動ドアがあります。セキュリティーも万全ですね!
廊下には各部屋の入口前に、庇と灯籠風のランプが並び良い雰囲気。
京都最高ランクのラグジュアリーホテル並みの仕上がりです。
デュシタニ京都デラックス ツインルームに滞在
今回予約したのは、一番お手頃な「デラックス ツイン」。
面積は40平米と、高級ホテルとしては標準的な広さですが、明るい木目を基調とした内装は開放感があります。
ラグジュアリーホテルのような、目を奪われるような造作や凝りに凝りまくった仕上がりなどはありませんが…十二分に上質で豊かな空間を感じました。
和のはんなり感と、外資系らしい洋風の色気や厚みみたいなものがバランス良く融合したインテリアです。
ベッドのマットレスは硬め。私も一緒に泊まった友人も、硬め派なのでぐっすり眠れました。
Bluetoothスピーカーも完備。サイドランプは、枕側に折れ曲がったベッドボード内部に埋め込まれており、ランプを回すと点灯する仕組みです。
窓際にはテーブルセット。カウチはキングベッドカテゴリーだけらしいのですが、ゆったり座れるチェアだったので不便は感じませんでした。
テレビはホテル案内他、YouTubeも視聴出来ます。画面でルームサービスメニューが見当たらず…高級ホテルなのに無いのかなと思ったら、サービス自体はあるようです。ただ夕方までらしいので、お部屋で食事を楽しみたい方はチェックイン時に訊ねてみましょう。
テーブルには日本茶セットと、アメニティのお菓子。 一度食べると止まらない美味しさの、抹茶がまぶされた甘い豆菓子でした。
景観条例で高さ制限のある京都、さらに住宅街に位置しているという事で、気になる眺望ですが…
3階で外向きだったので、京都の低層ホテルとしてはまぁまぁと言ったところ。西日で風景が全然見えませんが~(笑)。
こちらのホテル、中庭側にも客室が並んでおります。
障子があるので丸見えという事は無いでしょうが、向かいの客室やロビーと向かい合う眺めになるので、気になる方は外向きのお部屋をリクエストしましょう。
デュシタニ京都デラックス ツインルームの設備とアメニティ
ミニバーは、独立した美しい什器の中に。
扉を開くと、グラスやケトル、ネスプレッソマシーンが並んでおりました。こういうのテンション上がるわ~♪
下段の引き出しにはティーバッグやお菓子、食器類。最近の高級ホテル、お皿やカトラリーを置いていないホテル所も多いのです。最新ホテルですが、こういう部分はしっかりトラディショナルスタイルで助かります。
お茶のブランドはTWGで、こちらも高級ホテルらしさをキープ。
冷蔵庫は引き出し式。
ドライマンゴーと、タイのシンハービールが入っているのがタイのホテルブランドらしいですね。
タイ好きな私は思わず飲んでしまいそうですが…お値段はしっかりラグジュアリーホテル価格です。
クローゼットはラゲッジボードの両脇に。2人で泊まる場合に便利ですね。
浴衣に衣類ケア用品、セーフティーボックスにスリッパ。全て揃っております。
トイレも個室タイプ、きちんと手洗いも付いております。
温泉旅館風のバスルーム
バスルームの洗面台は2つ、脱衣スペースも広々。
高級ホテルらしく、タオルもアメニティも充実しております。中央のボックスの中には、バスソルトやマウスウォッシュも置いてあります。
洗い場付きのバスルームは浴槽がタイル貼り!白い浴槽がはめ込まれたタイプより広々としているし、旅館の温泉宿風で素敵です。
トイレタリーは、タイの高級スパプロダクツブランドHARNN(ハーン)。ジュニパーベリー&シダーウッドの香り、採用しているホテルは初めて見ました。香水のような華やかな香りで、バスタイムも楽しくなります。
チェックインして一息ついたら、お部屋にあるネスプレッソとTWGティーを淹れてお茶タイム。
市内で購入した、お気に入りのパン屋さんのデニッシュやドーナツをいただきました。
デュシタニ京都にはプールも!スパ・フィットネス併設
お部屋でひと段落したあとはプールへ。地下2階の「デバラナ ウェルネス」へ向かいます。
高級感たっぷりの落ち着いたスパ・レセプション。こちらの施設には、無料で利用できるフィットネスジム(ちょっと小さめです)、プール、そして有料のスパ・トリートメントルームが備わっております。
受付を済ませ更衣室へ…水着のレンタルは500円、水泳キャップは無料です。
とっても素敵な施設だったのですが、なんとここから先は撮影禁止。
言葉だけの説明で申し訳ありませんが…高さのある使いやすいロッカー。鍵も暗証番号ではなく、手首のバンドをかざすだけで開閉出来る便利さでした。小さめですが、1.5メートル角程度のホットバスとドライサウナも完備。
そして地下ながら、ガラス越しの箱庭に囲まれた雰囲気の良いプール。 10✖️4メートル程度と大きくはないので、2組以上の利用者が居ると、何かと気を遣いそう。プールは温水ではないものの、晩秋でも大丈夫な水温でした。
縁にジャグジーや打たせ湯コーナーがありますが、何故かスイッチが離れた壁面にあるので、使用時は気をつけましょう。プールに入って「えっ? スイッチどこ??」と迷わないように!
それぞれの規模は大きくありませんが、京都の街なかにあるホテルでプールがある。しかも宿泊者は無料というのが嬉しいし、5つ星ホテルに泊まっている事を実感します。理想はスパ天国、本場タイのマッサージを受けたいところですが…是非こちらの施設を利用して、京都旅の疲れを癒して下さいませ♪
紅葉の京都と夜のホテルを堪能
紅葉時期の夜の京都は、各所にある寺院の庭園がライトアップされる事でも有名です。
数ある名所の中から私が選んだのは王道中の王道、清水寺。
京都駅前からは離れているように見えますが、タクシーで行くと意外と早いんです。
デュシタニから清水口までは約15分、1200円で行けました。
昼間は何度も訪れましたが…夜は初めて。きれい〜!!…ですが、週末の夜はものすごく混雑します。
特にこのアングルの舞台は身の危険を感じるほどですので、十分注意して観覧しましょう。
夕食を済ませホテルへ戻って来ました。人はおろか、車さえほとんど通らない静かなホテルまわり。
そんな環境からロビーに入ると…ライティングも相まって、より一層空間の素晴らしさを感じます。
ダイニングエリアは営業を終えて人が居ない分、ゆっくりと最新高級宿の内装を眺められました。
お部屋に戻ると、ターンダウンサービスが行われていました。お水とティーバッグの補充・枕元にはナイトスイーツの丹波栗飴。このサービス、通常はラグジュアリーホテルクラスでないと行われないのでちょっと感動…。
大きなバスタブにお湯を張って、夜の紅葉狩りで冷えた体を温めます。
明日も、評判のホテル朝食から紅葉スポット巡り&街歩きと予定がいっぱい。
早めに寝ましょう…というか、2人とも寝落ちに近い就寝でしたzzz。
ハイクオリティな朝食で迎える朝
旅先では長寝出来ない私ですが…こちらのベッドは相性が良かったのか、久々に7時間も眠っていました。
やばい、朝食ダイニングで良い席が埋まってしまう〜。
急いで身支度して、地下1階の『アヤタナ』へ。
日本国内では貴重な、アラカルトメニュー頼み放題。しかもどれもがハイクオリティだった感動のホテル朝食レポは、以下の記事をチェックしてください。
再泊を願いながらチェックアウト
今回は街歩きや紅葉鑑賞で、ホテルでのんびりする時間があまり取れなかった…名残惜しい気持ちでチェックアウト。今度はホテルをほとんど出ずに篭ってみたいです。
こちらのホテル、こんなに高級で上質で、朝食も豪華だったのに…現在の高級ホテルの価格帯としてはかなりお手頃なんです。紅葉時期の、京都の欧米系のラグジュアリーホテルブランドは1泊20万近く。しかしこちらは、早期予約でピークシーズンの土曜日にもかかわらず、42300円で朝食付きという驚きのコスパ。
開業記念や、デュシタニブランドの認知度を高める為のプロモーションかもしれませんが…人気が出る前に泊まった方が良いかもしれません。
タイ渡航回数20回以上の私ですが、実はデュシタニホテルに宿泊したのは初めて。しかも京都で(笑)。
スタッフはタイの方も多く(もちろん日本語は通じます)、京都に居ながらにしてタイのホテルのホスピタリティも感じる興味深い体験。上質で豊かさを感じる滞在となりました。次の京都旅でもリピ確定です♪
DATA
デュシタニ京都
京都府京都市下京区西洞院通正面上ル西洞院町466
TEL:075-343-7150
公式サイト:デュシタニ京都▶
※2023年11月の宿泊記です。最新の情報は公式HPまたはホテルにお問い合わせ下さい。