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ムーンビーチの歴史と出会い
アメリカ統治時代の1957年(昭和32年)に営業が開始されたムーンビーチ。駐輪米軍の優良海水浴場として認可を受けた、その名の通り三日月型の美しいビーチです。 そのビーチに沖縄国際海洋博覧会が開かれた1975年、地元沖縄の事業者と建築家の設計により、ホテルムーンビーチが開業しました。
沖縄は何度も訪れていますが…ムーンビーチという名前はなんとなく聞いた事があるものの、ホテルの存在は認知していなかった私。知るきっかけは、路線バスで旧国道58号線を北上していた際に立ち寄った事でした。
『古いんだけど、なんだかとても雰囲気のある、丁寧に設計された外観だなぁ…』と。
次回の沖縄は、予算の関係もありカジュアルなホテルで過ごしたいと思っていた矢先、こちらのホテルを思い出し…調べてみるうちにだんだんと興味が湧いてきて予約に至りました。
恩納海岸沿いの他のリゾートホテルとは違い、旧58号線から少し入った場所に建てられております。このアプローチがリゾート気分を高めますね。旧56号線沿いには様々な飲食店が並び、小さなリゾートタウンが形成されていて食事の選択肢も多いです。
ホテル入口には大きなガジュマルの木とトンネル。新しいホテルには出せない雰囲気があります。
那覇空港からのシャトルバスも発着します。時間も正確、出発の際はスタッフの案内もあるので安心です。
1970年代の雰囲気を色濃く残すパブリックエリア
ロビーに入ると…昭和生まれの私には、なんとも懐かしい雰囲気。中年世代以降の皆様、そうですよね?? (共感の押し売りww)
小さな頃両親に連れて行ってもらったホテルや、修学旅行で泊まったホテルのような…他にも、当時の建築技術の粋を集めた美術館や市民ホール、空港のターミナルのような空間。まさに1970年代に建てられた建物といった印象です。
窓が無いオープンな空間だったり、外に近付くにつれ緩やかに床の高さが低くなっていく設計が、自然との調和を感じます。
こちらの建物、近代建築物の保存や記録に関する活動を推進する学術組織『ドコモジャパン』により、日本におけるモダン・ムーブメントの建築208選に選定されております。やはり、それだけの価値があるという事ですね〜建築好きな私も気になったわけだわ…
JTBから予約されたゲストは、こちらのロビーラウンジでドリンクやスイーツを楽しめるようです。
ロビーから外に出ると…まるで海外のビーチリゾートのような光景。早くビーチやプールで泳ぎたい〜♪ビーチやプールのレポートは、下の記事に書かせていただいたのでお読みくださいね!
クラブラウンジでチェックイン
私はクラブルームを予約したので、レジデンシャルクラブメンバーズラウンジでチェックイン。
窓際にはテラス席があり、まさにリゾートホテルに到着した〜という雰囲気の中でチェックイン・アウトができます。
もちろんアフタヌーンティーやカクテルタイムも。詳しくはこの記事でレポートしているのでご覧ください。
クラブルームだったからか、このクラスのホテルにしては珍しくお部屋までの案内がありました。
エレベーターホールや階段の手摺りのデザインにキュンキュンします(笑)。沖縄の自然や文化を取り入れた設計との事ですが、この辺りはハワイとか南太平洋の意匠を感じますね。
建物はロビーを中心に、両脇に客室棟が延びる形状。
北側の客室棟の吹き抜けは、最上階から蔦が垂れ下がる圧巻の演出です。
吹き抜けには小鳥も飼われており、鳴き声がトロピカルな雰囲気をさらに盛り上げます。
地上階には、魚が泳ぐ池もある…当時は最先端のデザインだった事でしょう。
売店はホテル内の施設とは思えない広さ。リゾートウェアからお土産、お菓子やドリンクまで幅広い品揃えです。価格もホテル内にしては良心的。
2階には、無料で観賞出来るアートギャラリーも。絵画や彫刻ではなく、砂を直に敷きフラスコを吊るす…インスタレーション的な展示に驚きます。南国らしい爽やかな作風♪
客室棟は、地上に行くに従い床が広くなる階段のような形状。よって、廊下も余分なスペースは吹き抜けになっており豊かな空間です。 しかし床のタイルが渋い。一周回ってとてもお洒落に感じます。
クラブルームは改装済のオーシャンビュー
予約したクラブスーペリアルームは32平米。昔のホテルですので客室の部屋割りは小さめ。私は通常、エグゼクティブフロアやラウンジは積極的に選ばないタイプですが…スタンダードルームは27平米でちょっと古めな内装だったので、2013年に改装され、少し面積の広いこちらのお部屋を選びました。実は、落ちついた木目の家具が置かれた、流行に左右されない南国テイストのインテリア。
ベッドサイドのランプがお洒落です。このお部屋のアクセントとして、凄く良い仕事をしていると思います。住宅でも、お部屋に大ぶりのスタンドランプを置くと一気に空間が引き締まるしホテルっぽくなるんですよ♪
そんなに広くないお部屋ながら、ベンチソファも置いてあります。クッションカバーの柄、センスが良いですね♪古いホテルは、コンセントが少なくて…と心配になりますが、改装の際きちんと欲しいところに取り付けられておりました。
バルコニーの窓には…なんと網戸付き。『ホテルに網戸なんて、住宅じゃあるまいし〜』と思うなかれ。窓を開け網戸にすると、波音がお部屋のBGMになり最高! 私が宿泊したのは10月だったので夜は程よい涼しさ。テレビを消して、海風と波音を感じながらお部屋でまったりしていました。
バルコニーにはテーブルセット。海側が芝生になっているのが珍しいですね。穴あきブロックの仕切も沖縄っぽくて気分が上がります♪
眺めはもう…ザ・ビーチリゾート!な風景。椰子の木越しの美しいビーチが見えます♪
植えられているヤシの木が沖縄でも珍しいココヤシなので、ここだけ切り取るとまるで海外のビーチリゾートへ来た気分です♪
入口からすぐがクローゼット。廊下沿いには、流し台も付いています。
ただしアメニティは標準的。ビジネスホテルとあまり変わらない印象です。冷蔵庫も空です。製氷棚はありますが、アイスクリームは置いていると溶けます(笑)。まぁラウンジに行けば色々飲めますし、地上階の売店にはドリンクやお菓子も沢山置いてあります。好きなものを自由に入れてくださいという心遣いかもしれません。
バスルームは、ベッド側がガラス窓になっています。私のお部屋は洗面台でしたが、窓側にバスタブがあるお部屋もあるようです。
高級感はありませんが、この洗面台まわりのデザインもなんとなくアジアンリゾートっぽい。床のタイルはパブリックエリアと同じ色柄。空間に繋がりを感じます。
バスルームは一番奥にありました。壁のタイルは張り替え、床とバスタブはそのままという感じでしょうか。
クラブルームのゲストは、大浴場が無料なので専らシャワーのみ使用しておりました。シャンプーなどのトイレタリーも、備え付けのボトルタイプでビジネスホテルっぽい。クラブルームは個包装のブランドアメニティとか、オーガニック製品だと特別感が出て良さそうです。
夜はよりノスタルジックかつムーディーに…
客室は南西向きでしたが、この日は夕日が雲の中…
段々と沖縄の空も濃くなって、お部屋のライティングが引き立ちます。
夜パブリックエリアを探索しましょう♪ ロビーに出てみました。
昔からあるホテルですので、ライティングは最新ホテルのように繊細ではありませんが…なんともノスタルジックな気分になります。
ビーチに出てみましょう。夜のダイニングのテラスも海外リゾート感があります。
ヤシの木の影が砂浜に落ちて、南国の夜のムード満点です。バルコニーもいいけれど、夜の砂浜でしばらくたたずむのも気持ち良さそうですね。
改装されたお部屋とはいえ、やはり最新ホテルの洗練された空間や、ゆとりある造りと比べると物足りない部分はありますが、このホテルはパブリックエリアの海外リゾートのような空間と外の風景も併せてセットで魅力を感じるホテル。
オンザビーチの大型ホテル、ラウンジアクセス付のお部屋はとてもお高いけれど、こちらなら比較的お手頃。3〜4日間ぐらい滞在して、バルコニーから美しいビーチを眺めたり、泳ぎに行ったり…を繰り返して過ごしてみたいなと思いました。
DATA ホテルムーンビーチ 所在地:沖縄県国頭郡恩納村字前兼久1203 公式サイト:ホテルムーンビーチ