新型コロナウィルス感染症拡大以降、ずっとタイ旅行を阻んできたタイ入国後の14日間の強制隔離がついに撤廃されました!いよいよ本格的な観光客受入に舵を切り始めたタイ。
でも、1日のコロナ新規感染者数は一進一退で、11月23日現在でも5,126人と、かなり無理して開国してしまったというのも事実です。
そのため隔離無しで入国できるようになっても、コロナ感染拡大以前のような滞在が楽しめるのか否かは人によって異なります。なぜなら、タイ国内では感染再拡大を何としても防ごうと、多くの地域で規制が残ったままになっているからです。
タイ隔離免除で入国後、タイ旅行は本当に楽しめるのでしょうか?11月25日時点でのタイ国内の状況をまとめてみました!
目次
タイ2021年11月25日現在の入国方法
タイは2021年11月25日現在、必要な条件を満たせば、隔離無しで入国することができます。タイの現在の入国方法はこの記事をお読みください。
⇓
タイ各観光地はどこの規制区域?
タイでは現在、各地域を新型コロナウイルス感染状況に合わせて、区分し、それぞれに異なる規制を課しています。
・最高度厳格管理地域(ダークレッドゾーン):ターク・ナコンシータマラート・ナラティワート・パッタニー・ヤラー・ソンクラー
・最高度管理地域(レッドゾーン):アユタヤ・チェンライ・チェンマイ(ムアンチェンマイ郡、ドーイタオ郡、メーリム郡、メーテン郡を除く)、カンチャナブリ・プラチュアップキリカン(フアヒン地区およびノーンゲー地区を除く)・コンケン・ノンタブリ・トラート(チャーン島郡を除く)含む26県
・管理地域(オレンジゾーン):スコータイ・スリン含む23県
・高度監視地域(イエローゾーン):ナコンパノム、ナーン、ブンカーン、ムクダハン、サコンナコン
・観光開国パイロット地域(ブルーゾーン):バンコク・クラビ・チョンブリー(バーンラムン郡、パタヤー特別市、シーラチャー郡、シーチャン島郡、サタヒープ郡のナージョムティアン地区およびバーンサレー地区のみ)・チェンマイ(ムアンチェンマイ郡、ドーイタオ郡、メーリム郡、メーテン郡のみ)・トラート(チャーン島のみ)プラチュアップキリカン(フアヒン地区、ノーンゲー地区のみ)、パンガー、ペッチャブリ(チャアム郡のみ)、プーケット、ラヨーン(サメット島のみ)、サムットプラカン(スワンナプーム国際空港のみ)、スラタニ(サムイ島、パガン島、タオ島のみ)含む17都県
一番規制が厳しい地域は「ダークレッドゾーン」で、午後11時から午前3時までの夜間外出禁止やレストランや商業施設の営業時間制限(午後10時まで)があります。
一部都市のみがブルードーンに入っている県も
逆に、一番ゆるいのが「ブルーゾーン」で、これは以前プーケットやサムイ島で実施されていた「サンドボックス」から名称が変わったものです。
11月1日の隔離なし入国が発表されると同時に、このブルーゾーン指定の全国17県に拡大されました。但し、県全体がブルーゾーンになっているのは、バンコク都、プーケット県、パンガー県、クラビ県だけで、それ以外の13県は一部の指定地域のみブルーゾーンです。例えば、チョンブリー県ならパタヤ、バンラムン、シラチャー、シーチャン島、サタヒープの一部といったように細かく指定されています。
タイ政府の新型コロナウイルス感染症対策センター(CCSA)のフェイスブックに掲載されていた地図がわかりやすいのでご参照ください。地図の中の青い部分がブルーゾーンですよ(2021年11月16日発表)。
ダークレッドゾーンからブルーゾーンになったバンコク
バンコクは10月31日まで一番厳しい「ダークレッドゾーン」だったのに、11月1日からいきなり一番ゆるい「ブルーゾーン」になり、バンコク住民は「本当に大丈夫なのか!?」と戦々恐々としていました・・・
。発表当時、バンコクの一日当たりの新規感染者数は1000人以上、11月21日現在も756人で、全国で最も感染者数が多いという状況だからです・・・。
とはいえ、11月1日から「ブルーゾーン」に変わったバンコクでは、規制が大幅に緩和されて、ようやく日常が戻ってくることになりました。
通常通りの滞在ができるバンコク
首都バンコクは何か月も続いていた夜間外出禁止がなくなり、旅行者の方もマスク着用で感染防止策に努めれば、ほぼ通常通りに滞在できます。
ショッピングモール・レストランはほぼ通常通り営業
王宮や有名な寺院などの観光スポットも一般公開を開始
スパやマッサージ店も営業中。
しかし、厳密にいえば入店時にワクチン接種証明書や抗原検査キット(ATK)の結果の提示をしなければならないことになっているようです。私が行った場所では、入店時に検温だけして、ワクチン接種証明書の確認はしていないようでした。
2021年は11月19日に「ローイクラトン」というタイの伝統的な灯籠流しのお祭りが開催されました。当初は「今年はローイクラトン禁止」というニュースも流れていましたが、結局無事開催されて、バンコク各地に設置された会場も賑わっていたようです。
廃業した店舗も多数
長期にわたるロックダウンで多くの店舗が廃業を余儀なくされてしまい、シャッターが閉まったままのお店もたくさん見かけます。ショッピングモール内のテナントも大幅に変わってしまいました。インターネット上の情報が更新されていなくて、行ってみたら閉まっていたということも・・・。
出かける前には、お店のフェイスブックやインスタグラムをチェックしたり、直接お店に電話して営業状況を確認したりすることをおすすめします。
バンコクでの夜遊びは注意が必要
ブルーゾーンになったとはいえ、バンコクで完全に規制が撤廃されたわけではなく、バー、パブ、カラオケなどの夜遊びスポットの営業は今も禁止されています。
規制が緩和されるのは2022年1月16日の予定(あくまで予定なのでまた変更になる可能性あり)。
それでも、11月1日以降レストラン店内では午後9時までならお酒が飲めるようになったのは大きな前進です。ずっと静まりかえっていた歓楽街も、少しずつ人が集まるようになってきました。
現在、店内でのお酒の提供ができるのは、「SHA」という安全・健康管理基準の認定を受けた店舗に限ります。11月1日にこのルールが出来てから、いままで認定を受けていなかった飲食店があわてて認定をとるために殺到したそうです。
また、バーやパブなどはまだ営業してはいけないことになっているのに、堂々と営業している「バー」もあります。こちらは「レストラン」としての営業許可を受けて店内でのアルコール提供を午後9時まで許可されているので、セーフなのだそうです。
規制を破ると逮捕されることも!
しかしバンコク内を見ても、規制を破ってアルコールをこっそり提供しているところも多く、ときどき警察が踏み込んで、お店の経営者だけでなく、店内でお酒を飲んでいたお客もまとめて全員捕まったというニュースも目にします。
これは旅行者の皆さんも同様。タイでは全ては自己責任になりますので、ちゃんとルールを確認して、羽目を外しすぎないようにしてくださいね。
バンコクから地方への移動も可能に
現在、ワクチン接種済みの旅行者が日本からタイに空路で入国した場合、バンコク到着後に指定ホテルに1泊してPCR検査を受け、結果が陰性であれば自由にタイ全国を旅行することができるようになっています。
少し前まで、ロックダウンで国内線が全面運休になり、どこにも行くことができませんでしたが、今は国内線も復活しています。
バンコク在住者は結構用心深くて、飛行機での移動は自粛している人も多く、国内線は空席が目立つようです。自粛している理由は、地方によってはワクチン接種率がまだ低く、感染者数が多い状態が続いているからでしょう。チェンマイの有名なコムローイ祭りも、今年は感染者急増で中止になってしまいました。
ちなみに、今人気がある旅行先は、バンコクから自家用車やレンタカーなど、公共交通機関を使用せずに行けるパタヤ、ホアヒン、カオヤイなど。日本と同様、タイ版GoToトラベルも再開し、タイ人旅行者で賑わっているようです。
11月1日以降タイに観光客は戻ってきたのか?
ところで、隔離なし入国が始まってから3週間がたち「タイには観光客が戻ってきた!」と報道されることがあるようですが、残念ながらバンコクの町を歩いていて、観光客の姿が増えたという印象はまったくありません。
11月1日以降のタイ入国者数は全世界から40,000人程度(内日本人は約2,500人)で、観光客というよりもビジネスなど別の目的で渡航する人の方が多いような気がします。
新しいタイ入国許可証「タイランドパス」のシステムも11月1日から運用が開始されましたが、なんとシステムの不具合で、申請しても無事受理された人が63%というデータもあり、制度が変わったばかりでバタバタしている感もあります。
さらには、タイでは日本帰国時の水際対策が緩和されると噂されていたのに、結局旅行者の場合は帰国後10日間の自主待機はそのまま(10日目に新型コロナウィルス感染症の検査を受け、厚生労働省に提出できなければ14日間)。何も緩和されず、期待はずれな結果になってしまいました。
タイ旅行に関しては、まだ様子見の方が多いのではないでしょうか。タイに限らず、気軽に海外旅行に行ける日が来るまで、もう少しの我慢なのかもしれませんね。