毎年紅葉の時期には大混雑し、阪急嵐山駅から渡月橋を渡るだけでもゲッソリ疲れる嵐山。2023年の紅葉シーズンはついに外国からの訪日観光客が戻ってきました。そのため、外国人観光客が不在だった2021年と2022年とは混雑度がかなり異なります。
本来「見ごろ」と言われる時期に行ってみたいものですが、混雑はイヤ、という方たちのために、混雑を避けて紅葉を楽しむ方法を伝授。前倒しでも楽しめる紅葉スポットをお教えしますね。
渡月橋(とげつきょう)
全国旅行支援真っただ中の京都の紅葉シーズンの混雑を甘くみてはいけません。ピークの時期に行けば確かにこのように美しい紅葉が楽しめますが…
念のためにピークより10日ほど前にずらして、嵐山に紅葉を楽しみに行った際の様子をお届けします。
いつもは大渋滞でエライことになっている渡月橋も、時期と時間をずらせばストレスなく渡れます。そろそろ山も色づいてきた感じ。
ちなみに京都は毎年勤労感謝の日前後が紅葉のピーク。もちろん、エリアの木々の色づく期間は、その年の気候にも影響されますが、桜のようにピンポイントで狙わなくても、11月中旬から12月初旬までの間は、どこかのエリアで紅葉を見ることができます。
遅い紅葉で有名なのが、下鴨神社。京都旅行が12月になってしまう人も、下鴨神社の紅葉は残っている可能性大なので、安心してください。
2023年嵐山の紅葉の見ごろのピークは?:11月下旬
混雑を避けるなら?:11月中旬がおすすめ!
※2023年10月31日現在は、色づき始め。
※例年の見ごろ:11月中旬から下旬
DATA 渡月橋 所在地:京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町1−5 アクセス:阪急嵐山駅から徒歩7分、嵐電嵐山駅から徒歩3分
竹林の小径(ちくりんのこみち)
混雑が嫌いな方は紅葉シーズンは避けるべき竹林の小径。時期をずらすならおすすめです。
竹林の小径から近い大河内山荘もおすすめ。時代劇俳優の大河内傳次郎が別荘として造営した美しい日本庭園があります。
ここで各スポットの位置関係を確認しておきましょう。上の地図をご覧ください。渡月橋から竹林の小径を通ってトロッコ嵐山駅までは、徒歩20分ほどです。右下に渡月橋、ピンがトロッコ嵐山、その上が常寂光寺と二尊院のある人気エリアです。
阪急嵐山駅からのアクセスだと、渡月橋の景色が楽しめるという利点があります。また、トロッコ嵐山駅を利用すれば、あまり歩かずに済むという利点があります。美味しいとこどりで、往路と復路で利用する駅を変えるというのも一つの手ですね。
二尊院(にそんいん)
この辺りは人気エリアなので、そのタイミングでどこが空いているかチェックしながら歩きましょう。まずは二尊院の紅葉をご紹介。今回はお寺のウンチクはさておき、紅葉にスポットをあててご案内していきます。
ピークシーズンは「紅葉の馬場」と呼ばれる参道が真赤に染まる紅葉のトンネルは圧巻です。
この写真は京都の紅葉には早い11月16日のものですが、例年はピークシーズンより10日ほど早い紅葉具合。それなのに、こんなにもキレイ!!紅葉ピーク前のタイミングは、赤、橙、黄、緑が混在してとっても彩り豊か。
この場所は、総門を入ってすぐの場所で、紅葉の名所として知られています。拝観料は500円。拝観料を節約するために総門の外からカメラで紅葉写真だけ撮って帰るしっかり者にも遭遇。
場所によってはこんなに紅葉が進んでいる枝もありました。昨年の私のように、少し前倒ししても、じゅうぶん楽しめますので、混雑が嫌いな人は紅葉のピークシーズンから1週間ほど前倒ししてみてくださいね。
二尊院は、嵯峨天皇の勅願により慈覚大師が建立した寺院で、1200年近い歴史を持ちます。二尊院に限らず寺院に足を踏み入れたなら、紅葉目的であっても、ご本堂へのお参りは強くお勧めします。
2023年二尊院の紅葉の見ごろのピークは?:11月中旬から12月上旬
混雑を避けるなら?:11月中旬がおすすめ!
※2023年10月31日現在は、境内の木の一部のみ色づき始め。「紅葉の馬場」はほぼ青葉
※例年の見ごろ:11月中旬から下旬
DATA
二尊院
所在地:京都府京都市右京区嵯峨二尊院門前長神町27
時間:9:00~16:30
拝観料:500円
公式サイト:二尊院
常寂光寺(じょうじゃっこうじ)
常寂光寺も紅葉スポットとしてかなり人気のお寺です。二尊院から歩いて5分ほど。二尊院に行くなら常寂光寺はマスト、常寂光寺に行くなら二尊院はマスト、といった位置関係です。
常寂光寺は、今から400年少し前に開創されました。本堂は、あの関ヶ原の戦いで西軍を裏切って東軍についた小早川秀秋の助力で、伏見桃山城客殿を移築し造営されたものです。
常寂光寺は、高低差をいかした木々の配置が絶妙で、ため息が出るほど美しい京都紅葉スポットのひとつです。
まずは、仁王門から本堂へと続く石段。
まだ盛りには早いので、真っ赤な紅葉の渦…ではありませんが、赤と緑と橙の絵具で塗ったようなグラデーション。両脇は青々とした苔がびっしりと生えていて、その上に赤いモミジが落ちていると、それもまた絵になります。
これくらいの色合いを静かに楽しむか、混雑の中で真っ赤な紅葉を楽しむかは、好みによりますよね。
こういう小さな秋の景色を楽しめるのも、空いている時期だからこそです。例年の紅葉ピークの時期に地面なんて撮ってたら、蹴とばされます(笑)
常寂光寺の見学終盤は、庫裡から仁王門にかけての末吉坂がハイライトです。石段ではなく、坂の上から仁王門を見下ろすような形で、木々の重なり具合がとても美しく、更に苔の美しさまで堪能できます。
2023年常寂光寺の紅葉見ごろのピークは?:11月21日ごろ。12月上旬まで楽しめそうです。
混雑を避けるなら?:11月中旬がおすすめ!
※2023年10月31日現在は、一部の木が色づき始め
※例年の見ごろ:11月中旬から下旬
DATA
常寂光寺
所在地:京都市右京区嵯峨小倉山小倉町3
時間:9:00~16:30
拝観料:500円
公式サイト:常寂光寺
厭離庵(えんりあん)
厭離庵は、鎌倉初期の歌人・藤原定家の山荘旧跡で、小倉百人一首を編纂したといわれる地。しばらく荒廃していましたが、江戸中期に冷泉家が修復しました。
二尊院と常寂光寺ほど有名ではありませんが、知る人ぞ知るのが厭離庵。とは言っても、昨今のSNSの普及で、以前に比べると認知度が上がってきた紅葉スポットです。一般公開は11月1日~12月7日のみ。庭園・茶室・本堂のみが見学可能です。
庭の敷き紅葉が非常に美しく、カメラマン率が高い、ツウ好みの紅葉スポットです。
2023年厭離庵の紅葉見ごろのピークは?:11月21日ごろ。落ち葉の庭園を含めると12月上旬まで楽しめそうです。
混雑を避けるなら?:11月中旬がおすすめ!
※2023年10月31日現在は、一部の木が色づき始め
※例年の見ごろ:11月中旬から下旬
DATA 厭離庵 所在地:京都市右京区嵯峨二尊院門前善光寺山町2 時間:9:00~16:00 拝観料:500円
2023年の京都の紅葉はピークより少し早めに出かけてみては?
外国人観光客が戻ってきた京都。オーバーツーリズムで3年ぶりの大混雑が予想されます。
感染リスクの高い方、混雑が大嫌いという方は、私のようにピークの日程から少しずらして楽しむのもおすすめです。
開門を待たずに済む紅葉スポット(渡月橋など)は、早朝に出かければ、混雑なしで絶景を楽しめますよ!