引っ越しは人生の中の大仕事です。これから引っ越しを検討している方には、「いつから荷造りを始めればよいか」「効率よく荷造りをするにはどうしたらよいか」などと、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
引っ越しの準備で荷造りの手順を間違えて、思うように作業が進まなくなることがあります。最悪、引っ越しの当日に間に合わない、ということになる可能性もあります。
そこで本記事では、引っ越しに適した時期や荷造りの順番とコツについて、解説していきます。あらかじめ要点を押さえておけば、スムーズに引っ越しを済ませられる内容になっています。ぜひ参考にしてみてください。
目次
引っ越しの荷造りはいつから始めるべき?
引っ越しの荷造りは、およそ1ヵ月前ぐらいまでに、ご自身でやるか、引っ越し業者に依頼するかを決めておく必要があります。梱包そのものの着手は1〜2週間前からでもよいですが、新居に持っていくものと、処分していくものの選別の作業は早めにしておくことをおすすめします。
梱包を始める前に、荷物の量にあわせた具体的な予定を立てておくと作業が円滑に進められます。不用品の処分の遅れや、梱包資材が足らなくなって買い足しが必要になるなど、予想外のことがあっても対応できます。
事前の予想以上に荷造りに時間がかかってしまうことも少なくありません。引っ越しは、期日に向かって着実に進めてゆかねばならないので、余裕を持ちながら計画的に進めていきましょう。
効率的に荷造りをする順番とコツ
引っ越しの荷造りには、効率的に進められる順番とコツがあります。荷造りは一気にはできないので、荷物の必要度などから段階的に進めるのがよいでしょう。
- 家の中のグルーピング
- 不要なものの処分
- 引っ越しまでに使わないものの梱包
- 引っ越しまでに使う可能性があるものの梱包
- 家具や家電の運搬準備・引っ越しまで使うものの梱包
間違った順番で進めてしまうと、なかなか梱包が進まず、無駄な時間と労力を費やしてしまいます。さらには引っ越しの予定に間に合わず、追加料金がかかることもありえます。
ここでは、荷造りでの適切な順番とコツをみていきましょう。
ステップ1:家の中を部屋ごとにグルーピングする
梱包する荷物を選別する際、部屋やコーナーごとにグループ分けすると、梱包作業が進めやすくなります。例えば、キッチン、リビング、風呂といった単位でまとめるやり方です。
荷物の少ない場所は複数の部屋の分を一つにまとめればよいですし、逆にリビングなどの広い部屋は複数のグループに分割することで作業がしやすくなります。一つの部屋を分ける場合はレイアウトが分かる簡単な間取り図を用意すると、あとが楽になるでしょう。
荷物をグループに分割して運ぶと、引っ越し先で荷解きをするときもスムーズに作業ができます。
ステップ2:不要なものを処分する
荷物を梱包する前に、不要なものはできるだけ処分しておきましょう。処分するものを除外することで、持って行くものがはっきりして、作業が楽になります。
粗大ごみや白物家電などの大きなものは、自治体や廃品回収業者に依頼しますが、ほとんどの場合、予約が必要だったり、引き取り費用がかかります。できるだけ早く整理して、どうするか決めておく必要があります。
状態が良いものであれば、リサイクルショップに持ち込んだり、フリマアプリやオークションで売ることもできます。引っ越し費用の負担軽減にもなるので、売却処分も検討しましょう。
ステップ3:引っ越しまでに使わないものを梱包する
梱包の順番は、まず日常的には使わないものから始めます。例えば、洗剤などの日用品のストック、シーズンオフの衣類、置物などの小物類などは、引っ越しまでに使うことはありません。
引っ越しの2~3週間前から、優先順位をつけて、少しずつ梱包作業を進めていきましょう。どの部屋のどこにしまう何であるかを、段ボール箱に「キッチン・収納・洗剤」のようにペンで書いておくと、荷解きをするときに楽です。
ステップ4:使う可能性があるものを梱包しておく
次に、引っ越し準備中に使う可能性があるものを梱包します。これらについては、箱に詰めたあと、ガムテープで封をしないでおきます。
段ボール箱のふたを開けた状態にしておけば、使うタイミングで取り出せます。ぎりぎりまで封をしないで置いておいて、搬送前になって閉じれば問題ありません。
ステップ5:家具や家電の運搬準備・引っ越しまでに使用するものを梱包する
大きめの家具で分解するものや、日常生活で必要な家電の準備は最後になります。引っ越しの前夜、あるいは当日に行います。
冷蔵庫は庫内を空にして電源を落とします。洗濯機は水抜きをしてほかの荷物をぬらすことのないようにしておきます。いずれも引っ越し業者が来たら、すぐに運び出せるように準備をしておきましょう。
また、梱包し忘れた荷物がみつかることもよくあるので、段ボールは余裕を持って多めに用意しておくのがおすすめです。
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引っ越しの荷造り・梱包で準備するもの
引っ越しの荷造りで使うものは、以下の資材や工具が定番です。
- 段ボール箱
- 緩衝材・新聞紙
- 軍手
- 圧縮袋
- ガムテープ
- カッターやはさみ
- ドライバーなど工具
- ビニールひも
- 油性マーカー
段ボール箱、緩衝材などの梱包資材は、引っ越し業者が用意してくれますが、ご自身で調達して費用を節約することもできます。段ボール箱は、強度とサイズの違うものを何種類か用意することをおすすめします。
軍手は、荷物を運ぶ際のけが防止に役立ち、圧縮袋は衣類や寝具などを梱包するときに便利です。
ガムテープは、段ボール箱を閉じるときや、荷物を固定するときに使います。粘着力が強くて丈夫な布などの素材のテープを用意しましょう。
カッターやはさみは、荷造りや荷解きで活躍します。引っ越し当日もすぐ使えるよう、携帯しておくと便利です。ドライバーは家具の解体や組み立てに使います。
ビニールひもは本や衣類の梱包用。油性マーカーは段ボール箱にメモするときに使います。
【品目別】荷造りの方法・ポイント
引っ越しの荷造りでは、それぞれに適した梱包の仕方があります。
食器、家電、家具、小物類、本、衣服・布団というアイテム別に梱包の方法やポイントについて、みていきましょう。
食器
食器は割れ物が多いため、新聞紙で1枚ずつていねいに包みます。運搬中の衝撃で割れる原因にもなるため、食器を重ねた状態で梱包するのは避けましょう。
食器を詰めた段ボール箱には、緩衝材や新聞紙で隙間を埋めておくと割れを防げます。また食器は数が多いので、使用頻度の低いものから荷造りしていきましょう。
家電
段ボール箱に入るような小型家電は緩衝材を詰めて梱包します。箱に入りにくい形の家電には、巻き段ボールという曲げやすいタイプの段ボールが便利です。
ご自身で梱包できないような大きな家電は引っ越し業者に任せればよいでしょう。精密機械のパソコンなどは、念のためデータのバックアップをとっておくことをおすすめします。
また、使用頻度が低い季節家電は、早めに梱包しておけば作業が効率よく進みます。
家具
棚など大型の家具は分解できれば分解を、難しければ引っ越し業者に任せます。
タンスなどは引き出し部分をテープで固定し、飛び出さないようにしておきます。引っ越し業者が中身を入れた状態のまま運搬することもできるので、事前に確認しておくとよいでしょう。
壊れやすいものがあれば取り出し、ご自身で管理することをおすすめします。
小物類
こまごまとした食品や化粧品、雑貨などの小物類は小さな段ボールにグループ化して梱包するのがよいでしょう。積み込みのときも、荷解きするときも分かりやすくなります。
冷蔵庫の中は計画的に消費して空に近づけておきます。引っ越しが近づいたら、余分なものは買わないようにしましょう。
引っ越し当日にも使うものは最後に梱包します。目印を付けておけば、荷解きするときも、すぐ取り出せます。
本
本は重いので、丈夫で小さめの段ボール箱に小分けに詰めましょう。大きな段ボール箱にたくさん詰めると、箱が壊れる恐れがあるほか、重くなって運ぶのが大変です。
不要な本は紙ゴミとして処分するほか、買い取り業者への売却や、フリマアプリなどへの出品もできます。
梱包する本が多い場合は、荷造りにかかる時間を多めに見積もっておきましょう。早めに梱包に取りかかり、引っ越しの1週間前までに終えられれば安心です。
衣服・布団
衣類は、大きめの段ボールに梱包するほうがシワになりにくくいです。
衣類は、シーズンを過ぎたものから計画的に梱包していきましょう。詰める際、段ボール箱に衣類の種類や季節をメモしておけば、荷解きのときに分かりやすくなります。
引っ越し業者によっては、専用の衣装ケースやハンガーボックスのレンタルができます。事前にサービス内容を確認しておきましょう。
布団は、引っ越し業者から借りた布団袋に入れるか、布団圧縮袋でまとめます。
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引っ越しの荷造りをする際の注意点
引っ越しの荷造りをする際には、いくつか注意点があります。貴重品の扱い、家電の水抜き、粗大ゴミの処分の3点についてみていきます。
貴重品は梱包せず自分で持っておく
貴重品は梱包せず、ご自身の手元で管理しましょう。ほかの荷物と一緒にしておくと紛失する恐れもあるので、分けた管理が必要です。
国土交通省が定めている「標準引越運送約款」で、引っ越し業者は、現金、有価証券、貴金属などを運ぶことができません。貴重品を預けようとしても断られますので、あらかじめご自身で運ぶよう段取りをしておきましょう。
家電(冷蔵庫・洗濯機)の水抜きをする
冷蔵庫や洗濯機の家電は、引っ越しの前日までに水抜きをしておきましょう。
水抜きは、家電の中に溜まった水分を排出させて、引っ越し時の水漏れを防ぐために行います。冷蔵庫は、前日にコンセントを抜いて水を抜きます。
洗濯機は、給水と排水用のホースから水を抜きます。水抜きをせずに運搬すると、引っ越し後にトラブルが起こる場合があるため忘れず行いましょう。
粗大ゴミの処分は早めに行う
家具や家電などの粗大ゴミは、自治体指定の収集所に持ち込む必要があったり、収集日が決まっています。
申し込んでから1ヵ月以上かかるケースもあります。早めに手配して引っ越し日までには済ませるよう進めましょう。
引っ越し当日に荷造りが間に合わなかった場合は?
ご自身で荷造りをする場合は、運送条件にしたがって、依頼人が引っ越し当日までに荷造りする義務があります。
引っ越し日に荷造りが終わっていない場合、引っ越し業者に追加料金を支払えば手伝ってもらえることが多いですが、場合によっては対応してもらえないこともあります。
そうした場合は、以下のような対処法もあるので参考にしてください。
別日に配送業者に依頼して自費で配送する
引っ越し日までに、どうしても準備が間に合わず荷物が残ってしまった場合、配送業者に依頼して別の日に配送する方法があります。費用は追加で自費負担することになります。
残りの荷物があまり多くなければ、宅配便などで送ることも可能でしょう。ただし、荷物と一緒に新居に引っ越したあと、もう一度戻って梱包しなければなりません。遠方への引っ越しだと大きな負担となります。
引っ越し業者の荷造り代行サービスを活用する
忙しくて荷造りをする時間がない方は、引っ越し業者の荷造り代行サービスを使う方法があります。全面的にお任せできますが、費用は比較的高くなるでしょう。
各引っ越し業者が、さまざまなメニューを用意しており、24時間対応や女性スタッフによるサポートなどもあります。
プランによって内容が異なるため、荷物やスケジュールを確認して、ご自身に合ったプランを選ぶことが大事です。
自身で運搬する
残ってしまった荷物がそれほど大きなものでなければ、ご自身で運ぶという選択肢もあります。
空のスーツケースを残しておけば、ある程度までなら運べます。自家用車やスーツケースなどで運んでください。
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荷造りの際に行う不用品の処分にあたり、状態が良いものに関しては、アプリなどで買い取ってもらうことを検討しましょう。引っ越し費用の負担軽減にもなります。
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引っ越しの荷造りは効率的にやろう!
引っ越しの荷造りは、だいたい1ヵ月前ぐらいまでに方針を決める必要があります。梱包そのものの着手は1~2週間前からでもよいですが、新居に持っていくものと、処分していくものの選別の作業は早めにしておくことをおすすめします。
荷造りは適切な順番で行えば効率良く作業を進められます。一気にはできないので、荷物の必要度などから段階的に進めるのがよいでしょう。引っ越し前日または当日は、冷蔵庫や洗濯機の水抜き、粗大ゴミの処理も終わらせておく必要があります。
もし荷物の梱包が間に合わなかったら、いくつか方法がありますが、追加の費用がかかったり、移動が多くなったり、重い荷物を運ぶことになります。引っ越しは余裕を持って計画的に行いましょう。