引越しの準備や作業で疲れた時の対処法｜疲れやすい場面を確認して「引越し鬱」を防ぐ

引越しは物件探しから入居が完了するまでにさまざまな工程をたどるため、疲れることも少なくありません。この記事では、引越しで疲れやすい場面を事前に把握できるよう解説します。また、引越し疲れに潜む危険性や対処法などもアドバイスしますので、仕事や学生生活との両立で疲れを溜めたくない人や事前に疲れないよう対策を考えたい人は、ぜひ参考にしてください。

引越しで疲れやすい場面

引越しの工程をこなしていく中で、疲れやすいのはどんな場面なのでしょうか。考えられる例は以下のようなシチュエーションです。

【引越しで疲れやすい場面】

・荷造り作業

・引越し当日の荷物運びや移動など

・引越の段取り決めや引越し前、引越し後に行う各種手続き

・引越し業者への見積り依頼、比較検討、選定

・不用品の処分

・引越しと育児の兼務

・引越し後の荷解きやレイアウト決め

単身ではなく、家族全員で引越しをする場合や長距離の引越しはさらに疲れやすくなるでしょう。それぞれの場面において、詳細や対処法などをご紹介します。 

荷造り

荷造りは、単身で荷物が少ない場合でも1日では終わらないことがほとんどです。さらに家族など同居人数が多い場合は、全ての荷造りを終えるのに1週間以上かかる場合もあります。また、引越し直前まで使う日用品や家電などは前日にまとめて荷造りをしなければならず、疲れが増す要因ともなりかねません。

直前の荷造りを少しでも減らすためにも、季節外れの衣類や使わない家電などから、毎日少しずつ梱包していく方法がおすすめです。例えば、引越しが夏の場合は冬用の衣類やコートなどは着ることがないため、荷造りの最初の段階でまとめられます。一方で、引越し前日まで使用するドライヤーや化粧品、肌着などは、蓋を閉じずに段ボールに入れておきましょう。そうすれば当日は封をするだけでスムーズに完了します。

引越し当日

引越し当日は、引越し業者と住所の確認やトラックを駐車する場所の対応、支払い対応や家具の配置の指示などに追われます。自分自身や家族も新居へ移動しなければならないため、事前の準備よりもさらに疲れを感じる1日となるでしょう。

少しでも疲れを軽減する対処法としては、引越し費用の当日の支払いは避けて前払いや後払い対応が可能か事前に確認しておく、転居先の住所やトラックの駐車が可能な位置も事前に調べておく、などの方法があります。さらに、家具の配置について事前に考えておき、単身ではない場合は自分以外でも指示が出せるように家族と話し合っておくのがおすすめです。

各種手続きや引越しまでにやることの段取り決め

引越しの際に必要となる手続きは非常に多く、引越日が決まった直後に手続きをした方がよいこともあります。しなければならない手続きの優先順位が分からず、何から初めてよいか分からなくなり疲れてしまうかもしれません。

その場合は、引越し1週間前や引越し後などタイミングごとにやらなければならないことをリストアップし、さらには優先順位も設定したうえで進めていくとスムーズです。

引越し業者の選定

引越しの費用をできる限り抑え、段取りよくスムーズに行うためには複数の引越し業者へ見積りを依頼したうえで決めなければなりません。業者によっては自宅に訪問し、実際の荷物量を確認したうえで見積りを出してくれる場合もあります。そのため、業者訪問の日程調整や訪問時の対応などで疲れてしまうことも考えられるでしょう。

複数社に見積り依頼を出した方が安く済ませられることは確かですが、業者を自分で探して1社ずつ連絡し、見積り依頼のために個人情報や荷物量をその都度伝える作業は骨の折れる作業です。

複数社に見積りを出す際のおすすめは、インターネットで「引越し　一括見積り」などと検索し、出てくる一括見積りサイトを活用する方法です。このサイトで個人情報や荷物量を一度入力すれば、複数の業者から連絡があり見積りを出してくれるため、自分で探す手間が省けます。

不用品の処分

引越前の不用品処分も手間のかかる作業です。不用品は自分自身でリサイクルショップへ持ち込んだりアプリへ登録したりして売るなどの方法があります。粗大ごみの場合は地域の廃品業者に連絡のうえ、チケットを貼り付けて廃棄しなければなりません。

さらに地域によっては、指定された曜日や日付に粗大ごみを出さなければ回収してくれない場合もあります。不用品の処分までの手続きが面倒という場合は、不用品の買取サービスを利用するとよいでしょう。

不用品買取サービス「Pollet」はアプリだけで完結するサービスで、Webや電話での複雑なやりとりは発生せず、フリマアプリよりも簡単です。不用品は配達員が玄関先まで取りに来てくれるため、外出も不要です。買い手がつくまでの待ち時間や、売れ残りの心配もありません。引越し料金は荷物量にも左右されるため、不用品は引越し前にできる限り買い取ってもらうことをおすすめします。

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引越しと育児の兼務

小さい子どもがいる家庭の引越しは、幼稚園や保育園の転園手続きの準備や育児に忙しく、荷造りなどがうまく進まず疲れが溜まる傾向にあります。引越しが終わるまで毎日というわけにはいかないかもしれませんが、引越し当日や荷造り・荷解きに集中しなければならない日は、一時的に子どもを預かってもらうことを検討してもよいかもしれません。

両親や親戚、または託児サービスなどを利用して引越し作業に集中すれば、育児をしながら作業をするよりも効率よく終わらせられるため、疲れやストレスも軽減できます。

引越し後の荷解きやレイアウト決め

新居へ荷物を全て運び込んだ後は、大量の段ボールの荷解きやレイアウト決めに時間がかかり、疲れやすくなります。毎日使うものから優先して荷解きを行い、その他は荷造りと同様に1〜2週間かけて完了させることを目指せばそれほどストレスにならないでしょう。

レイアウトを当日に決めようとすると迷いが出たり、変更したくなったりと時間がかかる可能性があります。引越し業者が返ってしまった後にレイアウトを変更したくなっても、単身や家族のみで家具を動かすのは大変です。業者がいるうちにスムーズに家具家電を配置できるよう、引越し当日までにレイアウトを決めておくことをおすすめします。

「引越し疲れ」に潜む危険性

引越しの工程において疲れが出てしまうと、その後どのようなことが起こるのでしょうか。引越し疲れによって引き起こされる危険性には以下のようなものがあります。

【「引越し疲れ」に潜む危険性】

・体調を崩してしまい、入院や通院が必要になる。

・腰痛など、肉体的負担が大きくなる可能性がある。

・「引越し鬱」になる危険性がある。

一度体調を崩してしまうと、回復までには一定以上の期間が必要となることがほとんどです。引越し疲れが引き起こす可能性のある不調をあらかじめ把握し、引越し工程の中で予防できるよう心がけて過ごしましょう。

体調を崩す危険性

引越しのさまざまな手続きや作業は体力を消耗するだけではなく、身体的にも精神的にもストレスがかかる場合があります。ストレスによって免疫力が低下し、体調を崩す危険性も高まりかねません。

引越しでストレスを感じる要因としては、住環境や近隣に住む人との人間関係の変化などがあります。それまで慣れ親しんで住んでいた部屋や地域は安心感があり、リラックスできる場所であった人も多いでしょう。愛着のある地域を離れて新しい環境で暮らすとなると、身体的にも心理的にも負担は生じやすいものです。

初めて一人暮らしをする人の場合は、家族と離れて自由に生活できることに嬉しさを感じる人もいますが、引越し作業の他にも慣れない家事などを行うことで負担がかかる可能性もあります。金銭的な負担も多いため、体だけではなく心にも疲労を溜め込んでしまうケースは少なくありません。

腰痛など肉体的に不具合を起こす危険性

引越しの作業では重い荷物を運ぶことが増えるため、筋肉痛や腰痛など肉体的な負担も大きくかかります。慣れていない作業を繰り返すことで、身体的に不具合を起こす可能性があります。また、引越し作業中にケガや事故などに巻き込まれる可能性もゼロではありません。

不用品の整理や梱包など、一人で作業を行う場合にはケガに充分に注意し、梱包の際はラフな格好ではなく靴下や軍手を履いて作業してください。また、当日の引越し作業などで重い荷物を運ぶときや家電を設置する際は、必要に応じて業者に任せるのもおすすめです。自分で荷物を運ばなければならない場合は無理をせず、業者や手伝いに来てくれた知人などに助けを求めるようにしましょう。

「引越し鬱」の危険性

引越し前後に不安やストレスを抱え、新しい環境に馴染めないことによって「引越し鬱」になる危険性もあるので注意が必要です。引越し前や直後に憂鬱な気分が続き、「すぐにイライラする」「仕事や勉強に集中できない」「食欲がない」「よく眠れない」といった症状が出る場合もあります。

引越し鬱の要因としては、新生活を始めるうえでうまくやっていけるのか不安になったり、慣れ親しんだ地域を離れて暮らしたりすることで、寂しさや不便さを感じ、精神状態が不安定になるためです。自分は大丈夫と思っていても、気付かないうちにストレスが積み重なり、気付けば体調を崩していたということにもなりかねません。

責任感が強く真面目、几帳面な性格で、完璧主義の傾向がある人は、引越し前後の工程でうまくいかないことがあったときに必要以上に気分が落ち込む可能性もあるため、特に注意が必要です。

引越しで疲れないために意識すべきポイント

引越し疲れで体に負担やストレスがかかり体調を崩さないためには、どんなことを意識すればよいのでしょうか。気を付けるべきポイントは以下の通りです。

【引越しで疲れないために意識すべきポイント】

・早めに準備を進めてゆとりを持つ

・前日と当日の睡眠はしっかりとる

。業者に頼めることはなるべく依頼する

それぞれのポイントについて、詳しく解説します。

早めに準備を進めてゆとりを持つ

引越し当日が近づくにつれて、やるべき作業は増えていきます。仕事などで忙しいからといって後回しにし続けると、前日や当日に一気に作業を終わることになり、疲れの度合いが大きくなってしまいかねません。

引越しが決まったら、早めに役所などへ出向き手続きを済ませ、毎日少しずつでも梱包や不要品の処分などを進めていきましょう。ゆとりを持って作業を進めることで、引越し前後の疲れも軽減されます。

前日と当日の睡眠はしっかりとる

引越しの前日と当日はやらなければならない作業が多く、移動も発生します。作業効率を下げないためにも、前日はしっかりと睡眠を取っておきましょう。睡眠不足のまま当日を迎えると、梱包や荷物の運び出しでケガをしたり破損をしてしまったりする可能性もあります。

慣れない地域への移動の際、乗り換え先や道を間違えるといったケースも考えられます。引越し当日の次の日以降は荷解きの作業が控えている場合は、ある程度のところで引越し当日の作業を切り上げ、ゆっくりと体を休めてください。

業者に頼めることはなるべく依頼する

事前の手続きや梱包作業、そして仕事や子育てとの両立でゆとりを持って準備ができない、前日によく眠れないことが事前に分かっている場合、業者に依頼できる作業は無理せずにお願いするのも一つの方法です。

例えば、家具の組み立てや家電の設置など一人で対応するのが難しければ、別途オプション料金を支払えば対応してくれる業者もあります。利用できるものは無理せずに利用した方が、ストレスや疲れは軽減されます。金銭的に余裕がある場合は検討してみてください。

引越しで疲れた時の対処法

引越しで疲れが出た際の対処法は、主に以下の2つの方法です。

【引越しで疲れた時の対処法】

・引越しでストレスを感じたら、一時的に考えるのをやめて栄養補給と休息（睡眠）を取る

・引越しの工程を完璧に進めようとしない

それぞれ解説していきます。

引越しのことは一時的に考えずに栄養補給と休息（睡眠）を取る

引越の作業を行う工程で、疲れやストレスを感じたら、こまめにリフレッシュをするように心がけてください。段取りのことや金銭的なことなどを含め、一時的に不安になることは考えず栄養バランスの取れた食事やゆっくりと睡眠を取ることをおすすめします。毎日コツコツ梱包作業することに疲れたら、1日くらいは自分の好きな場所へ出かけたり、好きな食べ物を食べたりして気分転換をしてみましょう。

完璧に引越しを進めようと考えない

どんな人でも、引越し作業を完璧に終えることはほぼありません。もともと自分が考えていた段取り通りに進めようとしても、思うようにいかないのは当然です。完璧に終わらせようとすると気疲れしてしまうため、「段取り通りにいかないのは当たり前。問題なく引越しが完了すればOK」と自分に言い聞かせ、気楽な気持ちで取り組むことが大切だとえいえるでしょう。

まとめ

引越し作業は、事前に予定していた段取り通りに進まないことがほとんどです。予定通りうまくいかないことが分かっていれば、何か問題が起きた際もそれほどストレスを感じず、その場の状況に応じて臨機応変に対応しやすくなります。また、困ったときは一人で抱え込まずに、引越しを手伝ってくれる家族や友人・知人などにも助けを求めることで、疲れも軽減されるでしょう。