南イタリア・カンパ―ニア州にある海辺の町アマルフィ。1997年に世界遺産に登録され、毎年多くの観光客でにぎわう南イタリア有数の人気スポットです。日本では映画「アマルフィ女神の報酬」のヒットにより抜群の知名度をもつリゾート地ですよね。
今回は仕事で日本人旅行客の滞在をお手伝いする筆者が、おすすめのアマルフィのホテルを5つご紹介します。
南イタリアのなかでも1,2を争う高級な宿泊施設が多いアマルフィ。でも、探せば穴場なホテルもあります。今回はお得なホテル情報もこっそり教えちゃいますよ。
さらに、映画「アマルフィ女神の報酬」のロケ地となった老舗ホテルももれなくご紹介。
あの名作の地を巡りたい人は絶対にお見逃しなく!
そして、現地に泊まる際にホテル選びで気を付けるポイントも一緒に解説。憧れのアマルフィを訪れる前に、この記事で予習してうっかりミスがない充実した旅を叶えましょう。
世界遺産「アマルフィ」
アマルフィは、南イタリア・カンパ―ニア州サレルノ県にある小さな海辺の町。イタリア半島をブーツにたとえると、ちょうど足首のあたりに位置する世界遺産です。海岸線には傾斜が急な絶壁にへばりつくように家々が建つ風光明媚な景色が広がります。
入江からは旧市街に通じる道が走り、中世に海洋公国として栄えた面影を残すアラブ様式の大聖堂や、昔ながらの産業であるアマルフィ紙の博物館が顔をのぞかせます。周囲には潮風が強いこの地で栽培できる貴重な農産物レモンの段々畑がそこかしこに点在。海岸線をドライブするとその数の多さに驚きます。
1997年にはアマルフィ海岸が世界遺産となり、この町は中心的な存在として君臨します。日本では2009年に公開された映画「アマルフィ女神の報酬」でこの町の美しさを知り、感銘を受けた人も多いはず。近年は南イタリア旅行の目的地として絶大な人気を誇るエース的観光地です。
アマルフィに滞在する魅力
知名度が高いアマルフィですが、実は小さな町のためホテルの数が限定されます。ですが、ここに泊まれば、限られた人だけが経験できる貴重な旅時間が待っています。観光スポットの写真を撮っておしまいという旅のスタイルより、腰をすえてゆっくりと町の歴史や雰囲気に浸りたい人にこそ泊まってほしい世界遺産です。
日帰りで慌ただしく観光するよりも、泊まれば、夕日が美しい夕方の海に心奪われ、夜は美味しい郷土料理を地元の人と同じ空間でにぎやかに分かち合ったり。翌日は誰もいない早朝の浜辺を散歩して海をひとり占め!なんて、大自然と地元の人との距離が近くなる滞在ができるかも。
尚、アマルフィは高級リゾート地のイメージが強いですが、訪れてみると生活感があり、素朴で明るい地元の人が多く、肩ひじ張らずに心地よく過ごせます。また、アマルフィ海岸を周遊するなら、この町を拠点にするのが得策。カプリ島行きのフェリーや、ポジターノやラヴェッロ行きのバスがあるので移動に便利です。
宿泊先選びで気をつけること
ここでは、アマルフィで宿泊先を選ぶときに注意すべきことを4つご説明します。現地でしまった!とならないように、先に情報を知って旅の落とし穴を回避しましょう。
事前に予約すること
先述したように、アマルフィは小さな町なのでホテルの数が限られます。特に観光ハイシーズンの春から夏は「現地に行けば、なんとか泊まれるだろう」という行きあたりばったりの考えは危険。さらに、お目当てのホテルがある人は必ず事前に予約してから日本を出発しましょう。
海沿いの立地を重視すべき
アマルフィは急な斜面の断崖に沿って建つ町。よって、海を起点にして町のなかへ進むほど坂道がきつくなり、メインストリートの左右には階段が続く小道が縦横無尽に広がっています。
そこで、大きなスーツケースをもっての移動を考えると、海沿いの平地に建つホテルを検討するのが賢明です。連絡船の停留所やバス停も海沿いにあるため、アマルフィ到着後、すぐにホテルに荷物をおいて観光へ出かけましょう。
イタリア式の朝食に注意!
イタリア旅行に慣れてない人が陥る誤算がズバリ朝食です。そう、ご存知ない人も多いイタリア人の朝食。彼らは甘いパンやケーキとコーヒーを朝食として食べるのが定番。
イタリアにはいろんな形態の宿泊施設があり、お手頃な料金であれば「B&B」という1泊朝食付きの宿カテゴリーが普及していますが、朝食は市販の甘いパンやクラッカー、飲み物はインスタントコーヒーというのが一般的。
日本人の食生活を考慮すると、朝はしっかり食べたい人が多いはず。よって、ホテルでの滞在がおすすめです。ハムやチーズ、フルーツなどがあるブュッフェ式のコンチネンタルブレックファーストで充実した朝食から一日をはじめましょう。
冬は休業するホテルが多い
これも意外に知られていませんが、アマルフィはビーチリゾートで人気の観光地。繁忙期は4月から10月末までです。11月から3月は休業するホテルが多いので気を付けましょう。冬にココを訪れたい人は、ホテルの選択肢が少なくなることを予め知っておいてください。
おすすめのホテル5選
今回ご紹介する5つのおすすめホテル。選択のポイントはバスタブ付き、シービュー(海の眺望)、立地の3つです。
ほとんどの日本人旅行者が海外旅行で希望するのがバスタブ。ですが、南イタリアではシャワーしかない客室が一般的です。そこで、今回は海辺の観光地にふさわしくシービューと移動に便利な立地に加えて、バスタブ付きのホテルを多く取り揃えました。
ホテル・サンタ・カテリーナ(5つ星/バスタブ付き客室あり)
最初は、映画「アマルフィ女神の報酬」のロケ地でもあり、実際に出演者が宿泊した老舗ホテル「ホテル・サンタ・カテリーナ」。町の中心から少し離れた静かなエリアにあり、眼下にはアマルフィの町並みが広がります。創業は1870年、現在の位置に移転したのは1904年のこと。総客室数70室の大型ホテルです。
敷地内には癒し効果満点のレモン畑が広がり、プライバシー重視の隠れ家的なムードが漂う造り。例えば、外からのぞくことが不可能な屋外プールがあったり、スイートルームは本棟から離れた別棟のお屋敷まるごとだったり。世界の有名スターがお忍びで訪れるのも納得です。
客室は白を基調としたエレガントな内装。全室シービューも老舗の名に恥じない高ポイント。館内はどこを撮っても絵になる楽園のような佇まいで、一度、足を踏み込むと非日常に浸れること間違いありません。尚、ホテルから旧市街までは送迎サービスがあるので観光も安心楽チンです。
DATA
ホテル・サンタ・カテリーナ(Hotel Santa Caterina)
所在地:Via Mauro Comite,9,84011 Amalfi SA, イタリア
公式サイト: Hotel Santa Caterina(英語)
アクセス:旧市街の入口にあるフラヴィオ・ジョイア広場から車で3分
ホテル・レジデンス(4つ星/バスタブ付き客室あり)
続いては、今回ご紹介する5つのなかでピカイチの立地が自慢の「ホテル・レジデンス」。旧市街の入口に鎮座し、海も目の前という、観光旅行にもリゾート滞在としてもパーフェクトな立地。ホテルは18世紀の貴族の邸宅を利用し、1950年代に創業。2010年にリフォームを済ませて現在は全27室です。
客室にはシービューと旧市街のドゥオモ広場に面した2つのタイプがあり、どちらも魅力的で迷いますが、せっかくアマルフィに泊まるなら海を愛でられるお部屋を。インテリアは上品ですが、カーテンやベッドカバーの色使いや模様が海を思わせる演出。窓が大きく、光溢れる明るい客室が南イタリアらしいのひと言に尽きます。
館内にはミシュラン1つ星のレストラン「リストランテ・センシ」があり、記念日旅行に泊まって素敵なディナーも宿泊とセットで思い出に残せますよ。バルコニー席もあるので、暖かい季節は海を目の前にロマンチックで贅沢なグルメ旅を堪能するのもいいですね。
DATA
ホテル・レジデンス(Hotel Residence)
所在地:Corso delle Repubbliche Marinare,9,84011 Amalfi SA, イタリア
公式サイト:Hotel Residence(英語)
アクセス:旧市街の入口にあるフラヴィオ・ジョイア広場から徒歩30秒
ホテル・マリーナ・リヴィエラ(4つ星/バスタブ付き客室あり)
3つ目は、大胆にも屋上にプールを備える「ホテル・マリーナ・リヴィエラ」。屋上ではアマルフィ海岸を眺めながらプールだけでなく、アペリティーヴォも楽しめ、リゾートに来た!という開放感バツグンのお宿。建物の位置がちょうど海岸線の曲がり角にあるので、アマルフィの入江と町並みの両方を堪能できます。
家族経営なので規模はさほど大きくありませんが、気心の知れた温かいおもてなしがモットー。客室は近郊の陶器の産地ヴィエトリ・スル・マーレのタイルを床材にふんだんに使用。白い壁をキャンパスに見立て赤や青の原色をアクセントにした、エレガントかつゴージャスな印象です。
別棟には80平方メートルを誇るキッチン付きアパートがあり、シービュー満載のリッチな空間での滞在もできます。もちろん、このアパートもバスタブ付き。さらに、館内には常時2000種類を誇るワインセラーがあり、併設レストランや屋外テラスでの食事でソムリエ推薦の1本をいただくのもいいですね。
DATA
ホテル・マリーナ・リヴィエラ(Hotel Marina Riviera)
所在地:Via Pantaleone Comite,19,84011 Amalfi SA, イタリア
公式サイト:Hotel Marina Riviera(英語)
アクセス:旧市街の入口にあるフラヴィオ・ジョイア広場から徒歩4分
ホテル・ルナ・コンヴェント(4つ星/バスタブ付き客室あり)
次は1200年代に建てられた修道院を改装した「ホテル・ルナ・コンヴェント」。入口すぐのエリアには修道院時代からの中庭があり、このホテルの顔として大切な存在意義を放っています。ここでコーヒーを片手に読書をしたり、旅の途中のひと休みをするのもいいかもしれません。
気になる客室は、こちらもヴィエトリ・スル・マーレのタイルを床や壁にふんだんに使用。ピンクや赤の配色がメルヘンな印象で乙女心がくすぐられるかも。全43室のうち、ほぼ全室がバスタブ付き&オーシャンビューという日本人旅行者のニーズをつかんだ素晴らしいホテルです。
尚、ホテルの向かいには期間限定(5月から10月)の海水プールがあり、喧騒から逃れ、波の音に身を任せながらリラックスする時間は理想的なご褒美旅ですね。さらに、別棟の塔(中世、アマルフィ公爵が見張り塔として建造)にはレストランとカクテルバーがあり、歴史を肌で感じながらの食事や大人の時間を過ごせます。
DATA
ホテル・ルナ・コンヴェント(Hotel Luna Convento)
所在地:Via Pantaleone Comite,33,84011 Amalfi SA, イタリア
公式サイト:Hotel Luna Convento(英語)
アクセス:旧市街の入口にあるフラヴィオ・ジョイア広場から徒歩6分
ホテル・フォンターナ(3つ星/バスタブなし)
最後は、驚くほどコスパが高い「ホテル・フォンターナ」です。アマルフィを起点に周辺の町々を観光するなら、ここに長期でお世話になるのがお得かも。立地は旧市街の入口から徒歩1分。ドゥオモ広場に面し、客室からは24時間その優美な姿を堪能できます。この料金でこの窓からの眺めは贅沢すぎます!
ただし、インテリアはきわめてシンプルで実用的。イメージとしてはビジネスホテルだと思ってください。飾りっけはありませんが、宿には最低限の設備と機能しか求めない人には問題ありません。一番安いスタンダートの客室は、1泊朝食付き(2名一室)で70ユーロからと高級リゾート地のアマルフィでは破格。
ただし、バスタブ付きの部屋がないのでその点だけご注意を。尚、スイートルームには大きなテラスがあり、海を眺めながらのアペリティーヴォもOK。コスパよく滞在したいけど、ちょっとだけゴージャス気分になりたい人はこの情報も参考にしてください。
DATA
ホテル・フォンターナ(Hotel Fontana)
所在地:Piazza Duomo,7,84011 Amalfi SA, イタリア
公式サイト:Hotel Fontana(英語)
アクセス:旧市街の入口にあるフラヴィオ・ジョイア広場から徒歩1分
アマルフィでどこに泊まる?
南イタリアでダントツの人気を誇る世界遺産アマルフィ。人生で一度はあそこに泊まってみたいと思う人が多い憧れの海辺リゾート。この町を起点に周辺のカプリ島やポジターノ、ラヴェッロなどの観光地も効率的に回れます。
ハネムーンやフルムーンでの記念日旅行には、映画のロケ地となったホテルや立地のよい豪華なシービューのホテルを、歴史好きな人には修道院の面影が残る情緒たっぷりのホテル、経済的な旅を好む人にはコスパ&立地抜群の1軒を。自分の求める理想の旅行を思い描いて、あなたらしいホテルを選んでください。
アマルフィへの行き方
アマルフィへ行くには、まずはナポリを目指します。
日本からナポリ行きの直行便がないため、他国経由でナポリの空港に到着するか、ローマから飛行機か鉄道でナポリ(特急で1時間10分ほど)を目指す方法があります。
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ナポリから船で行く方法、鉄道で行く方法もありますが、キャリーケースを持っての移動は大変です。専用車チャーターをお勧めします。
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