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泊まれるお城!日本百名城のひとつ長崎県の平戸城でキャッスルステイ


長崎県平戸市のシンボルでもある平戸城。日本百名城のひとつでもあります。この平戸城に、1日1組限定で宿泊ができる「平戸城CASTLE STAY懐柔櫓」があります。
泊まれるならば、ぜひ泊まってみたいところ。気になる宿泊費は、なんと1泊約60万円から。さすがにちょっと無理だと思っていたところ、見学の機会に恵まれました。その内容は、想像よりずっとスゴかった。いったいどんなキャッスルステイができるのか、紹介しましょう。

平戸城って、どんなお城?

漁港から見た平戸城
漁港から見た平戸城

長崎県にある平戸は、江戸時代初期に外国との貿易が長崎出島に限定されるまで、オランダやイギリスとの交易で栄えた町です。この地に松浦(まつら)氏が城を築きはじめたのが、1599(慶長4)年。以後、松浦氏の居城として明治まで続きます。

現在の遺構は、1704(元禄17)年に再築されたもの。江戸時代から現存するのは狸櫓(たぬきやぐら)と石垣の一部になりますが、1962(昭和37)年に天守閣(模擬天守)や見奏櫓(けんそうやぐら)、乾櫓(いぬいやぐら)などが建てられています。キャッスルステイの場所となる懐柔櫓(かいじゅうやぐら)もこの時に建てられたものです。
「天守に泊まるんじゃないの?」と思った人もいるかも知れませんが、天守で寝起きしていたのは安土城の城主だった織田信長くらいで、一般的な武将は御殿などを城内に建てて暮らしていました。

泊れるお城・平戸城の気になるお部屋紹介

それではキャッスルステイの舞台となる懐柔櫓(かいじゅうやぐら)を覗いてみましょう。

懐柔櫓の1階はリビング・ダイニング

キャッスルステイの部屋となるのが、この懐柔櫓。2階建てです。隣には、広々とした見晴らしのいい専用デッキがあります。

この懐柔櫓の位置はというと、港から見た風景のココ。見晴らしの良さは想像できるかと思います。

さて中はどうなっているのか、入ってみましょう。城の櫓内部というと、板張りで照明がなく、暗く冷たい質素なイメージではないでしょうか。しかし・・・

なんということでしょう。驚きです。高級感が伝わってくるホテルそのもの。
この「平戸城CASTLE STAY懐柔櫓」の最大の特徴は、懐柔櫓そのものをホテルとして改装したところです。インテリアの基調は「琳派」をイメージし、伝統とモダンを融合させた華やかなデザインが施され、鋳鉄の階段の手すり部分などでは武家らしさを表現。日本らしい情緒を忍ばせた贅沢な空間になっています。

1階は、リビング・ダイニングルーム。照明もオシャレです。間接照明もあるので、夜はもっと雰囲気があるはず。奥の階段もいい感じに隠れています。
冷蔵庫はもちろん、ワインセラー、コーヒーメーカーなどもあります。

ちなみに、この階段を隠している黒い格子は、単なるデザインではありません。空調設備です。風が出ない空調で、冷やすのも暖めるのもできる優れもの。夏場は、湿気を吸い取り下にある受け皿へ水を流す仕組みになっています。

角度を変えて部屋を眺めて見ましょう。壁には、たくさんの蝶が舞う姿が描かれています。九州出身の画家・小松孝英氏が直接壁に描いたアート作品です。その中には、シーボルトが長崎で発見したことに由来する、大きな黒い蝶「ナガサキアゲハ」もいます。

テーブルのデザインは、江戸切子をイメージして作られていて、これもまたオシャレです。

日本らしいしつらえの和室コーナー

室内の素材は、できるかぎり地元のものを採り入れデザインされています。

懐柔櫓の2階はベッドルーム

階段をあがり、2階へと向かいます。

吹き抜けになっているリビング・ダイニングルーム

元々の階段は、櫓の中央部にありましたが、取り払われ広々とした吹き抜けになっています。

他の城泊では、可能な限り手を入れず、今あるものに布団を敷くなどの対応になるところ、平戸城は快適な宿泊設備でお客様を迎えられるようにリノベーションされています。業界も注目する日本初の常設城泊施設なのです。

2階は、連子窓(れんじまど、格子窓ともいう)から明かりが差し込むベッドルーム。ダブルサイズのベッドが2つ置かれています。
壁には四季折々の木花が描かれています。1階の蝶の絵と同様に小松孝英氏の描きおろしです。

デスクはもちろん収納もあります。コンセントは枕元を含め数多く設置してあるため、電源に困ることはありません。

窓から眺める、平戸城天守も格別。夜にはライトアップされる

トイレやお風呂はどうなっているの?

古民家宿などでも気になるのが、バスやトイレ。ましてや、城泊の場合はどうなっているのでしょう。まずは、トイレから。

安心してください。懐柔櫓の中に個室の洋式トイレが2つあります。お風呂へとつながるパウダールームもスタイリッシュ。

いよいよバスルームを紹介。スゴいです。

驚きの三面ガラス張り。赤い平戸大橋と美しい平戸島の海が見渡せます。もちろん、ブラインドがあります。脱衣前に下ろしておきたいとこですが、この景色をずっと見ていたい気持ちもあり困ったところです。

湯船に座るとこんな感じ。空と海が広がる絶景で、これも気持ちよさそう。すごい場所に作ったものです。
風呂場や玄関部分に使われている石は、長崎諫早の小長井町で採れる小長井石。床暖房もあるので季節を問わずゆっくりできそうです。

お城の中で豪華ディナー

「平戸城CASTLE STAY懐柔櫓」の基本は1泊で夕食(洋食)・朝食(和食)の2食付き。
夕食は、厳選した最上級の平戸の新鮮な旬素材をふんだんに使った創作料理フルコースを城内の乾櫓を改装したレストランでいただきます。

(写真提供:平戸城CASTLE STAY懐柔櫓)

乾櫓を改装したレストランは、宿泊なしでも利用できるレストランとして、近々オープンする予定(2023年3月末現在)です。

レストラン開業に向け準備が進められている乾櫓

選べるオプショナルツアーも豪華

ただ泊まるだけが「平戸城CASTLE STAY懐柔櫓」の魅力ではありません。他では体験できないオプショナルツアーにも注目です。ここに宿泊する「特別城主」のためだけのメニューが用意されています。

夜間の天守閣貸し切り

平戸城天守閣最上階。ここから見える風景は、ふすま絵風に描かれている

特別城主は、閉館後の夜の天守閣を独占できます(門限は22時まで)。最上階は広々とした空間があり、ここで自由な時間を過ごせます。地酒で晩酌などいかがでしょうか。

茶道体験

(写真提供:平戸城CASTLE STAY懐柔櫓)

平戸藩、松浦家の城ならではの歴史文化体験ができるオプションもあります。平戸藩藩主であった松浦鎮信は、武家茶道の一派「鎮信流」を興(おこ)しました。松浦史料博物館にある殿様の茶室「閑雲亭」(県の有形文化財)で茶道体験ができます。

「平戸神楽」の特別鑑賞

「平戸神楽」の特別鑑賞 (写真提供:平戸城CASTLE STAY懐柔櫓)

国指定重要無形民俗文化財に指定されている「平戸神楽」の特別鑑賞など、平戸島が紡いできたストーリーを五感で体感できるオプションも魅力です。
他にも、乗馬や座禅などもあり、他にはない体験ができることは間違いありません。

1泊約60万なら安いかも

「平戸城CASTLE STAY懐柔櫓」いかがだったでしょうか。
予約方法は公式サイトからの申込になります。オプションも選択できるようになっています。他にやりたいことがあれば、相談してみるのがいいでしょう。

高級ホテルのスイートルームに比べ、体験などのオプションが加わり、キャッスルステイもいいなと感じさせてくれる内容です。1泊約60万円からですが、これは1棟貸しの価格。最大5名まで宿泊できるとなれば、満足度の高い内容になるのではないでしょうか。

平戸城下は、歴史・文化に特徴がある町。一度は“特別城主”になってみたいものです。

DATA
平戸城
所在地:長崎県平戸市岩の上町1458-1
TEL:0950-22-2201
アクセス:平戸市役所前バス停から徒歩10分
公式サイト:平戸城 
公式サイト:平戸城CASTLE STAY懐柔櫓

ホテルや旅館をお得に予約する方法!

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